匂いのいい花束。ANNEXE。

おねぎとピーマン……眉毛考。

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一幕二場。

 出来るだけ早口で。「!」マークの所では唾を飛ばさんばかりに。
 お互いの台詞が終わるか終わらないかのウチに矢継ぎ早に、
 油紙に火がついたようにペラペラと、立て板に水の如く掛け合いで喋ること……。


予定よりも少し早めに帰宅したピーマン。
自分よりも一足早くおねぎが帰宅していたことに驚きつつ、
荷物をテーブルの上に置いておねぎを探し始める。
洗面にいたおねぎ、何やら真剣に鏡を覗き込んでいる……。

P  「あらっ!おねぎ!」
O  「いやだ!ピーマン帰っていたの?」
P  「!!!!!チョッと!何よ、何よ、なんなのよっ!」
O  「!!!!!って、何が何なのよっ!」
P  「アナタ、おねぎ、その顔は一体どうしたの?その眉!」
O  「がハハハハっ……いいのよっ!チョッと失敗しちゃったの!」
P  「プッ!アナタ、それじゃぁ ” まろ ” だわね(笑)」
O  「うるさいピーマンっ!お黙りぃ!」
P  「コ、コ、コ、コワイわね、その顔。」
O  「うっるさいのよ!アンタだって人のこと言えた義理じゃないじゃない!
    アナタが驚いた顔……もっとコワイわよ(笑)」
P  「ふぅ〜ンだ、あたしそんなに変な眉していないもぉ〜ん。」
O  「いいの、眉毛なんかスグに生えて来るんだから。
    それにクラーク・ゲーブルだってショーン・コネリーだって眉剃っているわ!」
P  「チョッと!アンタも古いわねぇ(笑)
    彼等はいのよ、太い眉の形を整えているだけなんですもの。」
O  「いいのよ、アタシもチョッと整えてみようと思っただけ……。
    大丈夫、後でブラピ風に描くから。」

鏡からピーマンの方に向き直るおねぎ、
ひとしきり二人で大笑いしたあとリビングでワインを傾けながら……。

P  「おねぎ、アンタの眉毛見て思ったんだけれど、
    最近の男ってほぼ全員、眉毛イジっているわよね。アレってどう思う?」
O  「あたし大キライ、だって男らしくないじゃない!
    あらっ!アタシたちは別よ。身体は男でも心は女なんですもの(笑)」
P  「そうよねぇ、皆、本当に上手なんだけれどどこかしっくり来ないのよ。」
O  「アンタ、女よりも薄くて細い眉の男一杯いるじゃない。
    アタシが見る所、手入れしていて正しい眉の人って100人に一人よ!」
P  「変に形が悪かったりボーボーの眉毛は多少整えてもいいけれど、
    オヤジなんか問題外だし、今の子って少しやり過ぎよねぇ。
    凄く男らしくて素敵な子がさぁ、鏡に向かって真剣になって、
    眉毛を手入れしている姿を想像すると100年の恋も醒めちゃうわ。」
O  「オジサンもさぁ、いい年してガングロに日焼けして
    ソフト・モヒカンで眉毛が女みたいに細くて薄い……。」
P  「きゃぁ〜っ!最悪よぉ!(笑)しかも漏れなく茶髪!」
O  「昔さ、Y川先生が言っていたじゃない。
    金城くんって本当に素敵なんだけれど、一番いい所は眉毛だって。」
P  「あら、そう。さすがY川先生ね、目の付け所が違うわ。
    金城くんって眉毛イジっていないものね。」
O  「『徹子の部屋』に出た園佳也子さんが言っていたわ。
    大事な人に会う時には眉毛を描く手に力が入るって。」
P  「それだけ大事なのよね、眉毛って。」
O  「さすがに最近は陰をひそめたけれど、
    オバさんで思い切り眉毛の上を剃って目に近付けている人いたじゃない。」
P  「いたいた!剃り過ぎて眉山にエクボ出来ちゃって
    眉毛が4本あるみたいな人よね?」
O  「そう!虫の触覚みたいになっちゃってんの!」
P  「虫!」
O  「そうよ!虫よ!(爆)
    今時、眉の上を剃っている人なんかいないわよ。
    抜いたり剃ったりエクボが出たらそれはやり過ぎって言うことなのよ。」
P  「アレってハリウッドの女優を真似てんのかしら?」
O  「アタシ達の母親の世代ってもれなく眉がリズ・テイラーだったじゃない(笑)」
P  「あらっ!美空ひばりって言う説もあんのよ(爆)」
O  「でもさ、リズは特別よ。絶世の美女じゃない。彼女、濃い眉毛の間に
    丁寧にペンシルで地肌を塗り潰し輪郭まで描いているのよ!
    ピーマン、凄いのよ。眉墨を細ぉ〜く削って丁寧に丁寧に……。」
P  「欧米人って眉と目がくっ付いているんじゃなくて、
    顔の骨格が立体的だから眉毛の所の骨が前に出ているだけなのよね。」
O  「下から見てご覧なさい、しっかり目と眉毛が離れているから。」
    アタシ達が憧れて目標としているヴィヴィアン・リーだってさ、
    もしもよ、普通に左右対称の眉だったら
    あそこまで絶世の美女って言われたかどうか……。」
P  「昔の女優は個性的だったわよねぇ。ヴィヴィアンのあのつり上がった眉ね!
    オードリーだって実際よりも太く描いてコケティッシュだったし。
    大体、日本人なんて平板な饅頭顔なんだから(笑)
    かえって眉と目を離した方がニュアンスがあっていいのにね。」
O  「京マチ子とか高峰秀子とかさ……チョッと古いか(笑)」
P  「アタシ、服部真湖なんか素敵だと思うわ。」
O  「丸顔で弓なりの眉でね……個性的よ。優雅よ。」
P  「まぁ、女はいいわよ。どうせ化粧すんだから。問題は男!男の眉なのよ!
    一分の隙もなく細身のスーツ着て流行の眼鏡、いかにも頭の天辺から爪先まで
    お金かかってま〜す!みたいなお洒落しているんだけれど、
    アニメの主人公みたいなヘアに細く整えられた眉……全く男を感じないわ。」
O  「アナタ、ピーマン、今やひげ剃りに眉剃りカミソリがオマケで入ってんのよ!」
P  「あら、本当に!?」
O  「ホラっ!これっ!
    この小さなカミソリがアタシが ” まろ ” になったカミソリ!」
P  「おねぎ!」
O  「ピーマン!」
O&P「世も末よぉ!」

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そう、おねぎとピーマンじゃないけれど、眉毛って本当に大事だと思います。
幸い僕の眉毛は手間要らずなんですが、一回、” まろ ” 風に剃ってやろうかしら(笑)
何事にも言えるけれど、やり過ぎは禁物、自然が一番。
ほどほど、分からない程度にするのが一番です。
今の若い女性のメイクもそう、バッチリ、コッテリ、いかにもやりましたっていう感じ。
これからファッション・グラビアの撮影をするんじゃないんだから。
高校生のつけ睫毛なんて言語道断!ハッキリ言って気持ち悪い生き物にしか見えません。
若さの輝きってあるんじゃない?今からそんなに塗りたくってどうするの?
その内、イヤでも塗らなきゃならなくなるんだから(笑)
第一、皆さん、学校に登校でしょう?学校は勉強する場なんですよ。
OLの皆さん、これから会社に出勤でしょう?
もっと薄くてもいいんじゃないの?気持ちは既に夜なのかな?(苦笑)

男の眉剃りもねぇ……技巧的な人を見ると目が釘付けになっちゃうんですよ(笑)
それが男っぽい人なら尚更。こんな顔して鏡と睨めっこかぁ……笑えます。
奇抜なヘア・スタイルに命をかけ、眉を整えることに一心不乱になる……。
何やらカサカサ音がすると思ったら、隣の席の男が油取り紙で顔を押さえていた……。
おいっ!ハンカチで拭けよ!反吐が出るとはこのことです(笑)

この年まで生きて来ると色々と見えちゃうんです。
飾らず素のままに生きている人って素敵だなぁ……って。

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写真は数年前の3月にニューヨークはメトロポリタン美術館で撮った、
ジョージア・オキーフの大理石の彫像。
キリリと太い眉毛が意志の強さを感じさせます。
偉大な人、才能ある人、何かを成し遂げた人って、
眉毛の形が正しく立派だと思うのは僕だけでしょうか?


草々

2009年10月18日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2009-10-19 00:00 | 向き向きの花束。