匂いのいい花束。ANNEXE。

歌舞音曲は悪か?

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3月11日以来、世の中は一変してしまいました。

直接、被害のなかった僕達の生活にも可成りの影響があります。
買い占め、交通手段の不備、計画停電……あとね!
そう、周りを見回すと、何事も自粛、自粛の嵐なんです。
ハイ、確かに自粛しなければいけないものもあります。
各々が自ら自粛をする美しい気持ちは尊いです。
でもね、何となく廻りに気兼ねし、
周りの視線が気になっての自粛が多くないですか?

 「こんな時にやったら何言われるか分からないじゃん?」

こんな時にどんちゃん騒ぎ?する訳ないよね。
電力を煌煌と使ったイベントなどなど……。
計画停電のご時世、それはチョッと問題外。
その計画停電(僕は無計画停電と呼んでいます。)
はじめは戸惑ったものの、最近ではごくごく自然に節電し、
ムダを省いた生活が身に着いたような気がします。
車に乗っている人なんか分からないと思うけど、
駅……暗いですよぉ(笑)もっともパリなんかこんなものだけど。
サッと適応する……その辺の順応性って、矢張り、日本人は凄いですね。

さて、今日の記事のタイトルを読んだアナタ!
ブノワ。さん、また天の邪鬼右衛門な事書いてって思っているでしょう。
こんな時に毒吐いてどうするの!って心配してくれた?(笑)
違うのね、僕が今日、言いたいのはね、
何が何でも自粛、自粛って、この自粛モードの今に物申したいの。
そう思いませんか?片っ端から自粛すればいいってもんじゃない。
こんな時だから必要な事、ものってあるんじゃないかって思うの。
そうじゃなくても無計画な計画停電とかで、
被害を被っている人って沢山いるんだもの。
商店街を歩いてみてよ。停電の時間に合わせての不自由な営業。
思わぬ必需品が入手出来ずに営業を見合わせている店……。
営業時間の短縮、開店休業状態の店も数えきれないです。
観光地を見てよ!閑古鳥が鳴いて悲惨な事になっている!
長引く計画停電に先々の生活に不安を抱える人も一杯います。
確実に僕等の収入に響いて来るものね。
娯楽、芸能の世界では、色々なイベント、企画、公演が中止になり、
延期になり……その損失は計り知れないです。

こんな時だからこそ必要な事ってあるんじゃない?
人々に勇気や夢を与える何か……あるハズですよね?
例えば、第二次大戦中、杉村春子主演、文学座の「女の一生」公演に、
防災頭巾を冠った人々が大挙して劇場に詰めかけ、
空襲警報の度に避難しながら観劇をしたそう。
明日すら分からぬ時に観劇?人々は何を求めて劇場に走ったのかな?

戦争と災害を一緒にしてはいけないけれど、
戦地へ慰問に赴いたモンローやディートリッヒが歌を歌い、
戦士たちの気持を鼓舞した話しは有名ですよね。

全てを電気で制御している大劇場や、
大掛かりな照明を売り物にした芝居はチョッとキツいかもしれないけれど、
こんな時だもの、蠟燭などの最小限の照明、
薄暗闇の中での芝居もいいんじゃない?
忘れもしない、去年のクリスマスに観た、
麻実れいの「停電の夜に」なんか素晴らしかったですよ。
最小限の照明の中、素晴らしく豊かな肉声に、
生のクラシック演奏……贅沢な一時。
小劇場はそれが可能なんじゃないかな?蠟燭1本でいいじゃない。
元々、演劇とは役者の身体一つ、肉声によって成り立っているんだもの。
マイクで声を拾わなきゃダメな役者は謹んで退場して戴き、
ここは最小限の支度で出来る芝居を考えてもいいんじゃない?

僕の親友が企画したクラシックのコンサートは全公演、中止になったし、
僕の友人が出る芝居は4月の上旬開幕が随分先まで延期になりました。
コンサート、長い時間をかけて準備して来たのにね、
それまでの努力や苦労が一瞬にして水泡に帰します。
芝居の方は中止にならないだけ良かったと思うし、
考え方を変えれば、稽古が充分に出来ていい作品になると思うけれど、
その延びた期間の役者陣の生活はどうするの?
役者だけで食べられている人は全体の約1割にも満たないと聞きます。
皆、仕事がない時はアルバイトをして生計を立てています。
今やそのアルバイトの口も危なくなって来た……。
真面目な話し、死活問題だと思うのです。

元気な僕等が活発に活動し、沢山稼いで消費して、
まるで元気一杯な心臓のように、被災した人達に、
新鮮でタップリの血液を送る義務があるんじゃないかな?
その血液って義援金と言うことだけじゃなくって、
僕等が日々、頑張っている姿もそうだし、
後ろ盾になって被災者の皆さんを応援している気迫?
ガムシャラに突き進んでいる姿もそうだと思うの。
僕たちが元気に暮らしていることが彼等の励みにもなり、
再スタートを切る原動力になるんじゃないでしょうか。
反対に、僕等も復興にかける彼等の逞しい姿や、
困難な時にも涙を見せず、他人を思い遣り、
礼節を忘れない姿を見て、沢山の元気を貰い、
我が身を振り返って反省をし、元気を貰っているんだもの。

自粛、自粛、何が何でも自粛し、やれ、歌舞音曲は不謹慎だ、
こんなご時世だから手控えて……。
理屈なんだろうけど、ブノワ。さん合点が行かないの。
批判がコワいから右へ倣え?なぜ、自信をもって立ち上がらないの?
自分の判断で、本当に必要なことはやればいい、
本当に必要なら自粛すればいい。どっちも勇気がいる決断ですけどね。
自分の判断で……それって、大抵、間違っていないと思う。

何をするにもお時間とお金がかかっています。
今までの準備に費やした時間と費用はどうするの?
人の目ばかり気にして、しなくてもいい自粛ばかりしていたら、
経済なんてアッと言う間に疲弊しちゃうよ。
一旦、落ち込んだものってなかなか元には戻らないの。

自分を滅してでも被災者を助けている素晴らしい方々、
哀しみにくれる人達に温かいものを食べて貰い、
自分達は固くて冷たいものを文句も言わずに黙々と食べている……。
そんな勇者の姿を見て僕等も「何か出来る!」そう思うことが出来る。
全ての人が被災地に赴いてボランティア活動するのは無理。
気持ちがあっても出来ない人だっている。
だから、今は各々が自分に見合ったことを精一杯しましょうよ。
寄付出来なくたっていい、今、住んでいる所で、
日々、今までと変わらず生きて行くことも立派なこと、
何も形になることが出来ないからって恥じる事はないんです。
自分の生活を全うすること……素晴しいことだと思う。
後々の日本のために大事なことだと思うの。

これから夏にかけても計画停電があると聞きます。
まだ寒い今はまだいいけれど、
夏に電気止まったら困ることって沢山あるんじゃないの?
まだ準備期間があるんだもの、あらゆるものを円滑に回しましょうよ。
こう言う時だからこそ出来ることも見付けてみましょうよ!

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想い出は遠くなりにけり……。
写真は数年前にジュネーヴの美術館でで撮った「アポロンとキュッパリス」
ご存知、アポロンは予言と牧畜、弓矢と音楽(竪琴)の神です。
キュッパリスはアポロンに愛された美青年。

歌舞音曲は僕達を豊かな気持ちにさせてくれます。
いいじゃない?程々だったら。
各地でさくら祭りが中止になっているけれど、
家族で手作り弁当を囲んで花見する……いいと思うけどなぁ。
お父さんもお母さんも毎日〜大変な思いして働いているんだもの。
細やかな息抜きが罪ですか?その一時が明日への活力になると思わない?
勿論、道路を占拠しての下品なバーベキューや、
明け方にゴミの山と酒臭い広場と化す夜通しのどんちゃん騒ぎは御法度。
そんなものこの自粛モードじゃなくてもやっちゃいけないこと。

ね、皆さん、いい加減、目を覚ましましょうよ。
筋違いな気兼ねや遠慮をしていては、僕達全てが共倒れになっちゃう。
自粛するのも勇気、しないのも覚悟。
皆さんはどっちを選びますか?


草々

2011年3月30日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2011-03-30 00:00 | 向き向きの花束。