匂いのいい花束。ANNEXE。

豊かさって?……お金にまつわるエトセトラ。

e0044929_217445.jpg
…………………………………………………………………………………………………………………………

何だかんだ言って、年度末の忙しさにかまけて延び延びになり、
随分と前の事になってしまったので、わざわざアップもしませんが、
まだ寒さ残る頃、ポカリと空いた時間を有効に使って、
コリン・ファース主演の「シングルマン」を観ました。
はぁ……いい映画ってなかなか記事には出来ませんね。
情緒豊かで余韻があって……大層、僕のお気に入り。
ただ、観終わって僕の中で暫く自問自答する日が続きました。
そのキーワードとは……。

 「人生において豊かさとは?」

主人公の満ち足りた顔で終わるこの作品、
ご覧になって感慨深く思った方も多いと思います。
果たして人生の豊かさとは?モノに囲まれた生活?物質優先?
それとも、贅沢ではないけれど、素晴らしい仲間に囲まれて、
愛情に溢れた実り多き人生を送るか……そんなこんな、
自分の人生を顧みてズゥ〜ッと考えていました。

さて、豊かさについては、またあることをズゥ〜ッと考えています。
皆さんはご覧になりましたか?1981年作、ハリソン・フォード主演、
スピルバーグ監督の「レイダース/失われたアーク<聖櫃>」を。
活劇映画たるもの斯くあるべし。ムダのない娯楽大作ですよね。
皆さんはラストシーンを覚えていますか?
ナチスの手から聖櫃を無事に取り戻したインディアナ・ジョーンズ。
しかし、その聖櫃はジョーンズが知らないうちに、
政府の秘密機関の保管所にコッソリと移動されてしまいます。
手押し車に乗せられた聖櫃がゆっくりゆっくり巨大な倉庫の奥へ……。

最近、これにソックリなシーンをテレビで見ました。
大震災後、被災地に送られた支援物資の段ボールの箱、箱、箱、箱……。
体育館にうず高く積まれた支援物資が配られることなく、
無用の長物と化していたんです。季節が変わり、冬ものなど、
必要としている皆さんの手に渡る事なく、
あるものは廃棄処分(何トンも!)に、
またあるものは「早い者勝ち」よろしく、
希望者に、よーい・ドン!我先にとばかりに配られました。

 「被災者の皆さんにこう言う事させちゃいけない……。」

僕は思わず一人ごちていました。
スーパーのタイム・サービスじゃないんだからさ。
もっと威厳を持ったやり方ってあったでしょうに……。
これら廃棄処分になる支援品のうず高い段ボールの山を見て、
何だか悲しいやら、憤りを感じるやら……。



豊かさって一体、何でしょうね?

季節を問わず美味しい物をお腹一杯食べられて、
似合いもしないのに馬子にも衣装、ゴージャスなブランド品に身を包み、
本物を持っていてもニセモノにしか見えないとはこれ如何に?(笑)
使いもしない「モノ」で溢れた虚構生活?
持つことで安心感が得られる摩訶不思議な心理。

今、流行のツイッターだか何だか知らないけれど、
大好きな有名人をフォローして、
まるでお友達になったかのような錯覚を覚え(笑)
さぁ、僕も私もプチ有名人!だけど誰も自分をフォローしてくれないの!
今更ながら孤独の深い深い深淵を覗き見る事になります。

蛇口をひねれば新鮮な水が溢れ出て、
スイッチを押せば電気が灯り、
ダイヤルをひねれば火が点く。
何でもかんでも機械任せの便利な世の中。
それが当たり前ではなくなった3月11日以降……。

豊かさって一体、何でしょうね?

…………………………………………………………………………………………………………………………

閑話休題。

先日のこと、仕事が早めに終わり、
玄関周りの薔薇の手入れをしていました。
暫く作業に没頭していて、フと気付くと、
2人の中年の女性がこっちにやって来るではありませんか。

 「あ、丁度良かった。町内会の者ですけど義援金を集めに来ました。」

……って、義援金って集金に来るものかい?(苦笑)
第一、町内会って言ったって、僕、アナタ達の事なんか知らないし……。

 「義援金ですか?……もう寄付しちゃいましたから。」
 「あら……そうですか。で、どこへ?」

もう笑うしかありませんよね。
なぜ、アナタ達に寄付した先を言わなければならないの?
如何にも義援金を差し出すことが当然みたいな顔をした女性達を見て、
ブノワ。さん、呆れるやらムッとするやら。


またある時、玄関のチャイムが鳴ったので外に出てみると、
祭り時の法被みたいな者を着た老人が2人、玄関に立っていました。

 「あぁ、公金集めに来ました。」
 「公金?」
 「そ、◯◯神社の公金。」

「公金」なんて普段使わないから辞書で調べちゃいました。
僕の中では「公金」は横領するもの?(笑)語呂悪いですね。
僕がムッとしたのは、人が丹精こめて育てている薔薇が、
法被の裾で大きく曲がって今にも折れそうだった事。
金を集めに来たと言う割にはぞんざいで無礼な口のききよう……。

 「なぜ、ウチがその公金とやらを出さないといけないのですか?」
 「皆、出してるからねぇ……また出直してもいいんだけれど、
  オレたちもボランティアじゃないからねぇ……。」

あのね!近所と言うだけで訳の分からない神社に、
身を粉にして得たお金をびた一文出せません!
しかもボランティアって!意味分かって言ってんのかな?
ボランティアとか慈善とか、振りかざせば何事もOK?
それってさ、水戸黄門の印籠じゃないんだから(笑)
元来、欧米社会と違って「ボランティア」する習慣がない日本です。
日本人は奥床しいから「ボランティア」と、一々、断らなくても、
近所で助け合い、また、黙って弱者を助ける事を良しとする社会だった。
欧米と違って学生時代に決められた時間をボランティアで社会奉仕をして、
それが単位になるような教育はして来なかった。
意味も分からず「ボランティア」を振りかざす人達って滑稽(笑)

日本人は「お金」のことを口にすることを潔しとしません。
それはそれで上品だし美徳だと思うけれど、
お金って不浄のモノじゃありませんよ。
お金って尊いです。決して卑しいモノじゃない。
皆、身を粉にして働き、賃金を得ているんだもの。
その得たお金で生計を立てているんじゃありませんか?

今はカード全盛時代。電子マネーなどと言うものも出て来たし、
お財布携帯?現金を手にする機会が減って来たのは事実です。
僕が驚くのは、一部のコンビニエンス・ストアなどでは、
代金を差し出しても受け取らないのね。
まるで汚いものを見ているような目付き。
トレイを指差して「こちらにどうぞ」って……。
あのね、あなた一体、何様?お金は手渡しに決まっているでしょう。
お釣りもトレイに入れて差し出すのね……僕ね、受け取りません。
ここは銀座の目抜き通り?あらら、ドアマンはどこに?
それともパリのヴァンドーム広場の高級店ブティックかい?
あなた達はこのお金でもってお給料を戴いているんですよ!

お金が不浄のものだって言う教育?
どこかで擦り込まれていますよね。



話しがあっち行ったりこっち行ったりしてしまいましたが(笑)
僕はここ最近、豊かさについてズゥ〜っと考えています。
今、大問題になっている原子力発電も含めて、
僕等の生活に本当に必要なもの、必要じゃないもの……。
今回の大震災のために集まった義援金……確か、もの凄い金額ですよね?
果たしてそのお金は何所に行っているんでしょう?
本当に被災者の方々に有効に使って貰っているのかな?
どれだけあっても決して足ることはないと思うけれど、
日々の生活、明日の希望を失っている方々が、将来に明かりを見出せるような、
ホッとするような使い道が出来ているのかな?

実は僕、義援金を集めに来たご婦人たちには嘘を言いました。
ブノワ。さん、まだ、寄付していないのね(笑)
義援金はとっくに用意して別にしてあるんだけれど、
さて、一体どこに寄付していいやらね……もう少し見極めたいの。
寄付しました。ハイ、それで安心!お仕舞い!……じゃ困るものね。
使い道を見極めることろまでしたいものです。

僕のオリジナルの薔薇「Benoit Magimel」で得たパテント代。
コマツガーデンから一年間の明細を受け取って、振込もされています。
こちらは準備ができ次第、然るべき所に寄付しようと思っています。
一時期、このお金を義援金に……とも思いました。
ブノワ・マジメル氏も喜んで賛成してくれるでしょう。
でも、恵まれない子供たちのためにと苗を買って下さった方も多いです。
ですから、こちらは初めの予定通りに子供たちに……。


ブノワ。さん、残念ながら、
庭に大判小判がザックザック詰まった瓶なんて持っていないし、
黙ってもお金が入って来る不動産も持っていません。
自分のか細い身体で稼いだ貴重なお金です(笑)
使い道、使われ道は慎重に選びたいです。
何だか訳の分からない奴らに自由にされ、
訳の分からない活動資金にされるのはまっぴらゴメンだものね(笑)

何だかさ、震災以来チョッピリ疑り深くなった自分がイヤなんですが。
あれ以来、色々なものを見せて貰いました。人の本質も見えて来たしね。
危機に際してのそれぞれのスタンス?
勿論、十人十色、百人百様なんですけどね。
そうそう、何方かのクリスタル・ピアノでしたっけ?
段々値段が下がる不思議なオークションなんて言うのも初めて見ました……。

…………………………………………………………………………………………………………………………

古のグラナダ、アルハンブラでは「水」が豊かさと権力の象徴でした。
王族は贅を尽くした庭園に美しい池と噴水を作り、室内にまで水を引きました。
訪れた人々はその美しさに圧倒され、財力の凄さを思い知ったのでした。
数年前、憧れだったアルハンブラ宮殿で夜間にフィルムで撮影した1枚です。
静けさをたたえた水面に技巧の限りを尽くしたモザイクの天上装飾が映ります。

僕が敬愛するharryさんが言いました。

 「ブノワ。さんのブログは美しいものに関するブログ。」って。

凄く嬉しいです。そんな美しいものに関するブログにお金の話し?
いいの!お金って尊くて美しいものだと思うから(笑)


草々

2011年5月29日


ブノワ。


★Copyright © 2005~2011 raindropsonroses, All Rights Reserved.
[PR]
by raindropsonroses | 2011-05-29 00:00 | 向き向きの花束。