天国のソメちゃんへ。
天国のソメちゃんへ……。
大好きな大好きな僕のソメちゃん、お元気ですか?
ソメちゃんが天国に旅立ってから、早いもので半年が経とうとしています。
どうですか、遠いパリ郊外で一人で寂しくないですか?
僕は寂しくて寂しくて、毎日ソメちゃんの事を思っているんですよ。
ソメちゃんは僕にとって最初の猫……自分の子供同様に思っていました。
最初にウチに貰われて来た日の事は今でも忘れません。
ケージの中から出ると、「ダァ〜っ!」と部屋の片隅に走って行き、
「にゃぁ」と一声、スグに戻って来て僕の膝に乗って来たんでしたね。
ソメちゃん、君はとっても人懐っこい人気者の猫でした。
初日、連れて来た友人が帰ると、腹這いになって本を読む僕の腕に
小さな頭をチョコンと乗っけてクゥクゥ居眠り(笑)
本当に君を貰って良かった……あの時ほど嬉しく思った事はありません。
あれから8年。いつ迄もズゥ〜ッと一緒にいるものと思っていたけれど、
去年、異変に気付きながら、僕がスグに病院に連れてかなかったばかりに
大切なソメちゃんとサヨナラする事になっちゃった……。
本当に悔やんでも悔やみ切れません……もう一度ソメちゃんに会いたい!
まだ元気だった頃は、洋服について来るソメちゃんの毛を見て
「全くしようがないなぁ……染香めっ!」って、悪態をついたものだけど、
今や、くっ付いて来るのは真っ白なお園の毛だけ……。
ソメちゃんの茶色くって、毛先が薄くベージュになっていて、
風が吹くとゆらゆら揺れる毛は二度とくっ付いて来ない……。
今でも、ソメちゃんのミンクのようにしっとり滑らかな毛の感触や
黒くて柔らかい肉球、チョッと短めで先が曲がっている尻尾、
アイラインバッチリの大きくて四角い目、チョンチョンって
小さくインクが飛んだように飛び散る所々の黒い毛……忘れません。
寒くなって来ると「布団に入れてぇ!」って手で枕元をかく音と
「あぁ〜ん」と言う声が今でも聞こえて来そうです。
そう、君の声は今でもハッキリ覚えていますよ……。
5キロもあった体重が最後にはたったの2キロ!
抱き上げると羽根のように軽いソメちゃん……本当に悲しかったです。
この前のお墓参りは10分しか居られませんでしたね……でも、待っててね。
僕もそこに行くからね!何年掛かっても絶対にそこに行くからね。
そうしたらズゥ〜ッと永遠に一緒に居られるんだよ。
敬具
2005年10月30日
ブノワ。
[Someka/染香 (1996~2005)]