リスベット・サランデル。
「読んでから見るか、見てから読むか。」
確か角川書店の宣伝コピーでしたか。
皆さんはどっち派ですか?僕は出来れば読んでから見る方です。
主人公が映画化されてどのように描かれているか確認したいタイプなんです。
読んじゃったらストーリーが分かっちゃって面白くないでしょう?
そう言う人もいますが、僕は全然平気。
監督が原作をどう料理しているかを見るのが楽しいです。
「原作と映画は別物だよ!」
そう声高に言う人もいます……そりゃぁそうだ。
でもね、僕は思うんです。原作を元に作っている以上、
そのファンの動員を当てにして作っている訳で、原作のファンの意見は無視出来ないし、
作家としての自分の表現をどこら辺まで曲げ、そして迎合して原作と向き合うか。
凄く面白いと思うんです。原作の映画化で成功した例は少ないですしね。
そこにこだわるならオリジナル・ストリーで勝負すればいい。
件の台詞を平然と言い放つ作家は原作を自在に料理出来る力量がないから遠吠えするんですね(笑)
原作物を映画化するには絶対に逃れられない宿命があります。
さて、この所チョッピリ惚けています……。
正月に纏め買いした「ミレニアム」シリーズ全6冊。
本当は単行本で揃えたかったんですが、一番最初が欠品で泣く泣く文庫本です。
もうね、一気ね(笑)アッと言う間に読み終わっちゃったの。
最近、これだけ集中的に読破したのは珍しいです。
思い出してみても「風と共に去りぬ」「細雪」「薔薇の名前」くらいでしょうか……。
夢中になって深夜までページをペラペラペラペラ、
前の巻が終わるとすかさず次の巻を手にしたのは。
スウェーデンの登場人物の名前が覚えにくいのにもかかわらず、
サラサラとページを捲ることが出来ました。
先ずね、映画を観たいと思ったのね。
スエーデン版のオリジナルは何故か食指が動かなかったのだけれど、
今回のハリウッドのリメイク版は主役2人が魅力的だったことと、
監督がデヴィッド・フィンチャーだったことが決め手でした。
デヴィド・フィンチャーは好きな監督なのね、スタイルがあるから。
だから先ず、映画を観る前に原作を読みたいと思った訳です。
僕、ミステリーの大ファンでもあるしね。
さて、「ミレニアム/ドラゴンタトゥーの女」の主人公、
リスベット・サランデル……近年稀に見る魅力的なヒロイン登場です。
主人公はジャーナリストのミカエル・ブルムクヴィストなんですけどね、
気が付くとリスベット・サランデルの魅力に首ったけでした。
人と、社会と全く関わり合えない孤独の天才ハッカー……。
こんなに寂しくて可愛らしくて守ってあげたい主人公がいたでしょうか?
どこで読んだのか定かではありませんが、
敬愛するメリル・ストリープの言葉に、
「私が興味を持って演じた女性たち、後で考えてみると、
必ずと言っていいほど精神に問題を抱えていました。」
と、言うのがありました。
映画に限らず、小説の主人公たち……。
魅力的な人物は必ずと言っていいほど人間的には問題を抱えています。
アル中だったり犯罪者だったり社会の鼻つまみだったり……。
例えばスカーレット・オハラ……絶世の美女だけど、
考えてみればあれほどイヤな女はいません。気性が激しく我儘勝手。
金のためなら妹の恋人を寝取ります。
実際は正統派の美女のルーニー・マーラがどうリスベットを演じるか?
はたまた、膨大な原作をフィンチャーがどう料理しているか?
大変に楽しみであります。映画は明日、公開!勿論、初日に駆け付ける予定です!
映画の感想はまた日を改めて今度……。
どうぞ毒吐かなくてもいいように……(笑)
草々
2012年2月9日
ブノワ。
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