匂いのいい花束。ANNEXE。

掟を破って……ミレニアム/ドランゴン・タトゥーの女。

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突っ込まないで下さいね!

何がって、掟を破ったのですよ!自らに課した掟を。
三島由紀夫の大傑作戯曲「鹿鳴館」の影山朝子じゃないけれど、
自ら作った掟を破るのは並大抵のことじゃありません。
何を大袈裟なって、僕ね、映画は映画館で観る、
絶対にビデオやDVDでおウチ鑑賞はしない主義だったのです。

破ってしまいました。自らに課した掟を……。
もうね、いてもたってもいられなかったのね(笑)
何がって、先日、ハリウッドのリメイク版「ドラゴンタトゥーの女」を観たでしょう?
そうしたらオリジナル、スエーデン版の「ミレニアム・ドラゴンタトゥーの女」が、
観たくて、観たくて、観たくて仕方なくなっちゃったの。
都合良く名画座ではやっていませんもんね……。
とうとう我慢しきれなくなって「TSUTAYA」の会員になってしまいました(笑)


パチパチパチパチパチパチ!
凄いですね、ハリウッドのリメイク版!デヴィッド・フィンチャー恐るべし。
オリジナル、リメイク版を巻き込んで喧々囂々の賛否両論が繰り広げられているけれど、
僕は諸手を挙げてデヴィッド・フィンチャー版に1票を投じます。
はははぁとルーニー・マーラ嬢のリスベット・サランデルにひれ伏します。
原作のリスベットを良くぞあそこまで体現したと思います。
小さい頃から社会に男に虐げられ続けて来たリスベット・サランデル。
人との付き合いが上手く出来ず、小さく影のように社会の片隅で生きるリスベット。
一見、小さくてか弱い女が爆発する時に漲る狂気を良く表現しました。
僕がフィンチャー版に1票を投じる一番大きな理由は、
全編を通して彼のスタイルと美意識が貫かれていたからに他なりません。
膨大な原作をよくぞ自分の色に染め上げたと思います。

だからと言って、スエーデンのオリジナル版を全く否定している訳ではありません。
僕達ってスエーデンのことについては殆ど何も知らないと言っても過言ではありませんよね。
理想的な経済と福祉のありようを持った国(どうやら実態は怪しいらしいけれど……。)
それから一昔前には、性的に開放された国と言う印象がありました。
僕等映画ファンからすると、伝説のグレタ・ガルボ、イングリッド・バーグマン、
大監督のイングマール・ベルイマンの国……あとABBA!と言う印象しかありません。

おそらく、原作を読み、自国の事情に明るいスエーデンの国民は、
オリジナル版の「ドラゴンタトゥーの女」を絶賛するでしょう。
僕は、それを踏まえて果敢にリメイクに挑戦したフィンチャー版が好き。
キャスティングも申し分ないと思っています。
オリジナル版を使い込まれた鉈、力任せにぶった切る鉈に例えると、
リメイク版は良く研がれた日本刀の切れ味を感じます。
オリジナル版は肉や野菜がごった煮になった郷土料理のスープ、
リメイク版は洗練された一流料理店のコンソメスープか……。

ストーリーが入り組んでいて良く分からないのはどっちも一緒。
どちらのバージョンにもゴッソリ出番を削られたキャラクターがあり、
大きく、小さく原作を変更した部分も多々あります。
どちらも一長一短、改めて原作の映画化の難しさを感じましたが、
もしかしたら友人を誘ってもう一回観に行くかもしれん。


草々

2012年3月10日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2012-03-10 00:00 | 映画館へ行こう。