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匂いのいい花束。ANNEXE。

ある日突然に……。

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年末年始にかけて沢山の映画、舞台を観ました。
忙しければ忙しいほど、マメマメしく劇場に足を運びます。
素晴らしい感動や新しい発見が明日への活力になりますからね……。

今日は師走から新年に観た映画の話を少々……。
批評ではありません、雑感&映画にまつわるあれこれね(笑)
取り上げる作品は、「ホビット 思いがけない冒険」「もうひとりのシェイクスピア」
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」「レ・ミゼラブル」……大作揃いです。

それぞれにある共通点があります。
その共通点とは……「ある日突然に……。」です。



先ずは「ホビット 思いがけない冒険」から。
僕ね「ロード・オブ・リング」3部作は全部観ています。
3作品楽しんだけれど、オールナイト一挙上映はチョッと尻込みする程度のファン(笑)
トルーキンの原作は読んでいませんが、鳴り物入りでの公開、取り敢えず……、
で、「ホビット」を観に行きましたが、なかなかだったかな。

ある日、突然、魔法使いのガンダルフがビルボの所にやって来るのね(笑)
それから跡を追うように続々と旅の仲間たちがやって来る。
乱れるビルボの平和な生活、 訳が分からぬまま旅に出るビルボ……。
誘った友人は「ロード・オブ・リング、観ていないから……。」そう言って断る人が多かったです。
でも「ホビット」観てから「ロード・オブ・リング」観ても話が繋がるじゃない?
結局、ゴラムと指輪が出てきてから断然、緊張感が出てきて面白くなりました。
しかし、ガラドリエル役のケイト・ブランシェットの美しいことと来たら!
もう全身の毛が総毛立つくらい美しいの。この方、ボッティチェリのビーナスの誕生ですね。
作品的には3部作と言うことで、まだまだ海のものとも山のものとも分からないけど、
「スターウォーズ」シリーズは全6本の内で公開2作目の、
「帝国の逆襲」が一番出来が良かったものね。 残り2本に期待しましょう。



次は「もうひとりのシェイクスピア」
久しぶりに日比谷に行きました。何年ぶり?
僕等、映画、演劇好きには最も馴染みが深い作家がウィリアム・シェイクスピアです。
世界中で彼の作品が上演されていない日はない……とまで言われる人気作家。
勿論、薔薇愛好家にとっても特別な作家です。
数えきれない程の薔薇がシェイクスピアの戯曲やソネットから名付けられています。
シェイクスピアは謎が多い作家です。不明な点が非常に多いです。
年譜に空白の時期があること。手書きの原稿が一切見つかっていないこと(これミステリアスね)……等々。
ただ、この点に付いては、シェイクスピアに限らず
この時代、他の誰に付いても言えることなので、
それだけシェイクスピアが世界中で愛読され注目されている証拠です。
シェイクスピア別人説もまことしやかに囁かれています。
そんな中の一人、第17代オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアーに焦点を当て、
もう一つのシェイクスピアの物語を紡いだのが「もうひとりのシェイクスピア」です。

ある日突然、ヴィクトリア朝のロンドンの演劇界に彗星のように現われたシェイクスピア。
文字は読めるけれど書くことが出来ない一役者のシェイクスピア。
次々にヒット作品を連発し、アッと言う間に時代の寵児になって行きます。
王位を巡っての愛憎、陰謀渦巻くヴィクトリア朝イングランドを舞台に繰り広げられる、
もう一つのシェイクスピアの物語。 全体の半分くらいまでは人物関係が分かりにくかったかな。
過去、現在、時代を縦横無尽に描くのと、時代によって同じ人物でダブルキャストでしたから。
だけどコスチューム・プレイってどうしてこんなに魅力的なんでしょう?


次は大好きな監督、アン・リーの「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」です。
パイはある日突然、動物を売り払い、動物園を閉園して動物を売り払い、カナダに移住すると父に告げられます。
しかもまたまた突然の嵐で船が難破。救命ボートでシマウマ、ハイエナ、オランウータン、
それから泳いできたベンガルトラと漂流することになります。
少年パイが折れそうな心を奮い立たせ、知恵を絞って生き抜いた227日、
数々の綴られたエピソード、寓話から学ぶことは、人生、決して諦めず……と言うことでしょうか。
最後にパイの口から語られるもう一つの驚愕のストーリー。
これが真実の「ライフ・オブ・パイ」なのね。 嘘も信じて繰り返し語っていれば真実になる……。
これもこの映画から学ぶ一つの教訓。
「もうひとりのシェイクスピア」でシェイクスピアを演ったレイフ・スポール。
パイの物語を聞くカナダ人ライター役で出ていましたが、
驚愕の別人ぶり……これ真面目に凄い(笑)本当にあちらの役者恐るべしです。



最後は「レ・ミゼラブル」……ミュージカルの金字塔なんだそうです。
僕、ダメなんですよねぇ……ミュージカル(笑)
学生の頃、名画座で「シェルブールの雨傘」観て引っ繰り返っちゃった(笑)
台詞が全編、歌、歌、歌……「ウエストサイド物語」なんて全然いいと思わないの(笑)
劇団四季なんて絶対に観に行かない。死んでも行かない。
ミュージカルでも好きな作品はあります。「サウンド・オブ・ミュージック」とか、
「ダウンタウン物語」「ムーランルージュ」とかね……。
「サウンド・オブ・ミュージック」は歌に至る必然があります。劇中で歌うことに無理がないの。
「レ・ミゼラブル」の舞台版は勿論、観ていません。元々、舞台のミュージカルって興味ないし。
唯一、若かりし頃に友人に誘われて劇団四季の「キャッツ」の初演を観たのみ(笑)
芝居好きの知り合い(ブノワ。さん、こいつのこと大嫌いだった!)
そいつが「レミゼ」って省略して得意げに話すのもイヤだった(笑)
ミュージカル苦手な人の殆どがそうなように、いきなり歌いだす不自然さ。
僕もそれがダメで、今回もドキドキしながら劇場に行きました。

 「Look down, look down don't look 'em in the eye.
  Look down, look down, You're here until you die」……あぁ、やっぱり!(笑)

いきなり囚人たちの力強い歌から始まります。
ダンスシーンはほぼゼロ。良く出来ていると思います。楽しかったですよ。
マリウスとエポニーヌのホロリとするシーンもあったし……。
愛や恋は成就すると詰まりませんね。悲しい結末の方がより美しく昇華する(笑)
「レ・ミゼラブル」の突然は、盗んだたった1つのパンで突然、牢獄に繋がれ、
改心した後に突然コゼットを引き取ることになった実り多き男の物語り。
映画版のために新しく「Suddenly」も書き下ろされました。
実は先日、友人2人と2度目の鑑賞をしてきました。だから詰まらなかった訳じゃないの。
なかなか気に入ったから友人にも観て欲しかった……もうね、2人ともボーボーでした(笑)
ツボにハマる箇所はそれぞれだけど、あんなに泣くんだ…….。
例によって泣かないブノワ。さんは鬼畜扱い(笑)血も涙もない人非人なんだそうです。

良く出来たキャスティングは数年前のアカデミー賞、
ヒュー・ジャックマンが歌って踊って司会をしたあの年、
主演女優賞にノミネートされ、最前列のアン・ハサウェイを突然、舞台に上げ、
二人で素晴らしい歌声を披露した時に現実味を帯びたんじゃないかな?そう思います。
あの時、シャーリー・マクレーンがアン・ハサウェイを紹介しながら、

 「素晴らしい歌声よ。歌い続けなさい。」と激励したのが忘れられません。

デビューの頃「ヤング・イーストウッド」と言われたヒュー・ジャックマン。
今、そんなことを言う人は一人もいませんね。
いい役者になりました。堂々たる体躯に長い足……これからが楽しみです。
エディ・レドメインの豊かな歌声、テナルディ夫妻を演った2人に俳優の達者振り。
ラッセル・クロウのジャヴェールの自殺が唯一不可解ではありますが……。
彼ってこれ以上太るとキャシー・ベイツに瓜二つになっちゃう(笑)

実は2回目の鑑賞に大きく心動かされたのは、
この4月から3ヵ月間のロングランをする帝国劇場の「レ・ミゼラブル」に、
親友が招待してくれるって言うんです。だから見比べる上でももう1回鑑賞……です。
でもどうせ観るのなら昔のバージョンが観たかったかなぁ。



人生っていつも突然に何かが起こります。
いいことばかりじゃありません。時には信じられないようなヒドイことも……。
的確な判断、乗り切る気力と胆力、幸運を引き寄せるガッツ……。
いつも笑顔で上を向いて……下向いていたって10円玉拾うくらいが関の山(笑)
映画っていつも色々な事を教えてくれますね。
これから春にかけてアカデミー賞絡みの良質の作品が次々に公開されます。
ジェニファー・ローレンスの「世界でたったひとつのプレイブック」も楽しみ!

今日の写真は「レ・ミゼラブル」に因んで、
フィレンツェの教会の中庭で撮った「Victor Hugo」ハイブリッド・ティーです。


2013年2月21日


ブノワ。


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