匂いのいい花束。ANNEXE。

自らの禁を破って……。

e0044929_7184393.jpg
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

 「自らの禁を破って……。」

この言葉は、去年、僕がある作家に特別に、
オリジナルの作品制作をお願いした時のやり取りのメールの中に出て来た言葉です。
幾つか試作品を送って下さいました。僕はそれで大満足だったのですが、
ご本人はどうも気に入らないらしく、満足行く作品が出来るよう、
常日頃、習慣になっている作り方を止め、特別なやり方で製作して下さいました。
その時の言葉が「自らの禁を破って……。」だったんです。
僕、凄く気に入っちゃったのね……自らの禁を破って、自らの禁を破って……。

ハァ、なんて素敵な言葉なんだろう……。

三島由紀夫の大傑作戯曲「鹿鳴館」の中で、
影山朝子は自らの禁を破って鹿鳴館の夜会に出席します。
芸妓上がりの身、二度と、決して公の場には出るまい……。
自らに課した決まりごと、その禁を破って夜会に出たのです。
愛する男のため、幼くして手放した愛おしい息子のために。
愛する男とは、現在の夫ではなく、その昔愛し合った清原永之輔、
自由民権運動の党首で、その夜、影山伯爵を討つために鹿鳴館に乱入する計画だったのです。
その晩の夜会は夫の影山伯爵が開催する夜会でした。
その夜会に、妻が出席するということは、すなわち、妻、影山朝子の夜会になると言うこと。
その朝子の主催の夜会に愛する男が引きいる壮士の乱入はない……。
女主人の自分の顔に泥は塗るまい……朝子はそう踏んだのです。
だけど壮士の乱入はあった……そこは策略家の影山伯爵の謀です。
物語りは一気に佳境に入ります。そして一発の銃声……。

自らの禁を破る事は、決心のいる一大事なのです。



僕もチョッとだけ自らの禁を破ってみました(笑)
僕の禁とは、自宅では、ビデオ、DVD、テレビ……。
いかなる方法でも映画館以外では映画を観ないと言うもの。
映画は映画館で!常日頃そう思って行動していますが、
家で映画を観ない最大の理由は、気が散ること夥しいからです。
豪華なホームシアターの設備がある訳じゃありません。
もし観るとしたらパソコンにDVDを入れて再生する方法しかありません。
猫が来ます、トイレに行きたくなります、咽が渇きます……全く落ち着きません。
だから映画は映画館で、気合いを入れて一気に観たい……そう思うのです。

僕が禁を破った理由は、昨秋に観た「ハンガー・ゲーム」で、
カットニス・エバディーンを演じたジェニファー・ローレンスにぞっこんになったから。
彼女はいいです。弱冠23歳のごくごく普通の女の子なんですが、
圧倒的な存在感と演技力。作品ごとに全く異なる容姿。久し振りに出て来た正統派っていう感じです。
やや少女らしさが残る丸みを帯びた顔付きは、カメラに愛されるべく頬骨が高いです。
その彼女の過去の作品「あの日、欲望の大地で」と「ウィンターズ・ボーン」。
何となくロードショーを逃し、名画座でも時間が合わなくてスルーしてしまった……。
インターネットでDVDを買い、届いたその日に一気に観てしまいました。
ハイ、一気に2本(笑)そんなこと今までに決してあり得なかった(笑)
家でDVDを観る、一気に2本連続で……それだけ気に入っちゃったのね。

………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

皆さんは何を基準に映画を見ますか?
好きな監督?それともアメリカ映画とかフランス映画とかの国別?
それともジャンル別?憧れのハンサムな俳優さん?

僕は女優で映画を観ます。
これは小さい頃にソフィア・ローレンに憧れて以来、
バーグマン、リズ、ダナウェイ、ランプリング、マンガーノ……。
そして今、最愛のメリル・ストリープやケイト・ブランシェット、
最近のお気に入りのエミリー・ブラント、それから未来の大女優、ジェニファー・ローレンス!
監督なんて二の次三の次(笑)勿論、才能ある監督の作品ならもっともっと彼女たちが輝くし、
出来れば好きな男優と共演ならさらにいいのだけれど、兎に角、映画は女優です!銀幕の華は女優!
日本の芸能界みたいに、才能もないのにゴジャゴジャいるタレントよろしく、
海外の映画界にも沢山いますね、ゴシップ欄を賑わすパパラッチ女優。
ロクに演技も出来ないのに本業以外でニュース欄を騒がす女優。
僕が好きな女優はその辺とは全く無関係、正統派でございます(笑)

その麗しのジェニファー・ローレンスが見事今年のアカデミー賞の、
主演女優賞を獲得しました!勿論、「世界でひとつのプレイブック」は2日目に観ました。
その感想などはまた日を改めて書いてみたいと思います。


2013年3月2日


ブノワ。


★Copyright © 2005~2013 raindropsonroses, All Rights Reserved.
[PR]
by raindropsonroses | 2013-03-02 00:00 | 映画館へ行こう。 | Comments(8)
Commented by omemetan at 2013-03-02 01:00
「自らの禁を破って……。」
素敵な台詞ですね!

ブノワ。さん、こんばんは。
かなめさんって、ドラマチックな方ですね。
お会いしてお話を伺う度に、さすがだな~と思います。
このバラのキャンドルもお見事です!
もうまぼろしのキャンドルになるのでしょうね。
貴重なキャンドルですね!
「鹿鳴館」のストーリー、まったく知りませんでした。
こちらもとてもドラマチック!
何を基準に映画を見るか?
う~ん、よく考えたことがないです。
美しい映画が好きです。
『眺めのいい部屋』とか『ラフマニノフ』とか。
あと音楽が素敵な映画も好きです。
『マイ・ブルーベリーナイツ』とか『アメリ』とか『ギター弾きの恋』とか。
コメディも好きです。『ピンコ・ピンコ』とか『コーン・ヘッズ』とか。
ここのところ、映画を見に行ってないです。
シャンテ・シネやル・シネマ、シネスイッチ、シネマライズで観ることが多いです。
Commented by Coucou at 2013-03-03 00:23 x
ブノワ。さま、ごきげんよう。
まあ、本当に接写でもこんなに・・・薔薇そのものよりも薔薇らしい(?)まさかの薔薇キャンドル!綺麗なお写真ですね。
「自らの禁を破る」作品づくりとは、想像するに、オリジナル作品の制作をお願いしたブノワ。さまのアーティスト魂VS作家さんのアーティスト魂のドラマがあったのでしょうね。
それにしてもブノワ。さま、自らの禁を破っちゃうほど、ぞっこんになれる女優さんがいるっていいですね。
出演作品を追って観る楽しみもありますね!ワタクシ、本ならば、作家で作品や執筆コラムなどあれこれ追って読んでみるっていうのはありますけれど、映画は・・・というか、ほんとここ最近観ていないから、「No映画、Noライフ」の方にしてみたら、死んでいるも同然ですわ。

そんなワタクシも、近々・・・満を持して、禁を破ろうと思っております。
いざ夜会へ!(笑)
Commented by mChouette at 2013-03-04 10:57
やっぱり映画ネタは訪問客は少ないんだ~。おはようございます。ブノワ。さん! 掟は破る為にあるんだ~!とかなんとかAB型でM派の私には、掟破りの葛藤と相克の悶えが実に快感なのですが(笑)
ジェニファー・ローレンス。「世界にひとつのプレイブック」でも彼女が出てきたとたん映像に活気と動きが出てきた。20代後半の設定なんでしょうけど、年齢の違和感を感じさせなかったし、疲れた感と居直りと、どうにかして抜け出そうとするもがき感が感じられ、最後に「Do You Love me?」(かな?)ってパットに言うシーンなんて乙女のいじらしさがまた可愛い!で彼女の幅広い演技力あっての文句なしのオスカー。この作品でますます幅広い活躍が期待できますねぇ。ラッセル監督と組んで新しい作品の出演も決まっているとか。
授賞式のドレスも素敵だったし、階段でつまずいたところが逆に女らしく見えたし、その後のスピーチも気取りがなくって好感持てて良かった。機転が利くというか頭がいいんでしょうねぇ、彼女。大地に、きちんと足が着いているってそんな存在感がある。年末のハンガーゲームⅡ楽しみですねぇ!
Commented by mChouette at 2013-03-04 11:15
追記ごめんです。
映画はやっぱりスクリーンだし、お金払って劇場まで足を運んで、座席に座って映画が始まるのをじっと待つっていうのもまた楽しみでもあるのだけれど、考えたら、映画館に行く以前に、子供だった時は、テレビの洋画劇場だとか、夕方に放映していたヨーロッパ映画なんか見ていて、映画が好きになった。そういう点では劇場スクリーン以外ではっていう拘りはないけれど、スクリーンでしか味わえない映像感覚って大事。だから劇場まで足を運ぶ。でも、「ひまわり」なんかはもう一度みたいなって思っていたけど、CSなんかで放映していても、スクリーンいっぱいのあのひまわり畑のシーンで感じた感覚がテレビだと損なわれるんじゃないかってテレビ画面で観るのにずいぶんためらったわ。たしかに無理やり押し込められた窮屈さはあるけれど、素晴らしい作品の持つ感動はやはり大きい。でも、やはり感動はスクリーンで、ですけどね!
Commented by raindropsonroses at 2013-03-10 14:30
おめめちゃんへ。
こんにちは。風が強いけどなかなか春らしい陽気……その後、元気にしていますか?
ね?なかなか素晴らしい台詞ですよね。自らの禁を破って……そこに至るまで自ら作り上げて来た確乎とした世界があるからこそ素敵に聞こえるのですね。かなめさんは凄いです、潔いのかな?作品に表われていますね。しかも、綺麗で飾るだけじゃなくって実用の美を備えている……なかなか出来ない事だと思います。「鹿鳴館」……機会があったら是非、読んでみて下さい。愛情の物語り、そして、嫉妬があれほど美しく描かれている戯曲も少ないです。三島はそう言えば嫉妬の作家かもしれませんね。映画はいいですね……今度、月に一回とか旦那さまと定期的にデートする機械を作ったら如何ですか?おめめちゃんがあげた劇場、僕も大好きです!

ブノワ。
Commented by raindropsonroses at 2013-03-10 14:36
Coucouさんへ。
こんにちは。いつもメッセージどうもありがとうね!
満を持しての禁破りってもしかしてこの前の?(笑)クルクルのアレ?何だか凄かったそうですね。場内の視線が釘付け状態?さぞかし鼻が高かった事でしょう!あのね、自分の今の年を考えると、そんなに夢中っ返して女優を追いかけるのも何だと思うのだけど、それが日々への活力になっているんじゃないかと……仕事と家の往復じゃ人生詰まらないものね。酒やギャンブルに金使うのも勿体ないし。自分ではいい趣味だと思っています。今度、映画デートします?たまにやるのですよ。僕は基本は一人で観たいのだけど、いい作品は皆に観て貰いたいから誘い倒しているの(笑)今度、声掛けしますね。それから夜の街に繰り出してご飯しましょう!

ブノワ。
Commented by raindropsonroses at 2013-03-10 14:43
chouetteさんへ。
こんにちは。ようやく春の気配ですねぇ……庭の草花は芽吹いてきましたか?
いつも素敵なメッセージどうもありがとうございます。トラックバックも沢山!感謝、感謝です。僕のブログ、映画の記事と芝居の記事は極端にメッセージが少ないです(笑)どうやら薔薇のマダムたちは映画、演劇にあまり興味ないみたい。まぁ、個人の好みを読まされてもねぇ……って言うのもありますが。ジェニファー・ローレンスは本当にいいですね。彼女、趣味いいですねぇ……いつも素敵なドレス着ています。アカデミー賞はディオールでしたっけ?コケましたねぇ(笑)「ハンガーゲーム」ですけど、原作のカットニスの精神の錯乱同様、物語りとしては「?」な部分もありますが、彼女がどう喝を入れてくれるか本当に楽しみ。心配なのは、日本ではコケたでしょう?キチンと公開してくれるのかしらン……。

ブノワ。
Commented by raindropsonroses at 2013-03-10 14:48
chouetteさんへ。
続きます。ねぇねぇ、僕達が映画を見始めた時代って巨大劇場が沢山あったじゃないですか。僕、大阪のOS劇場も行ったことあるんですよ。シネラマで「南極物語」観たの。今の大劇場って、精々800席くらいでしょう?スクリーンも小さいですよね。そんな記憶がどこかにあるのかな?矢張り大きなスクリーンで観たいの。でもテレビも随分とお世話になりました。往年の洋画劇場ね。それから12チャンネルでやっていた日本映画専門の番組……勿論、カットしてあったにせよ、どれだけお世話になったことか。スポンジが水を吸収するように知識が増えました。「ひまわり」はこの前、場末の名画座で観ました。そこも2月で閉めちゃったんですよ……そちらの名画座事情ってどんななんでしょう?今度記事にして!(笑)

ブノワ。