匂いのいい花束。ANNEXE。

麗しき薔薇の聖母。

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拝啓

Nさま、いよいよ今年も残り一週間になりました。
今日はクリスマス・イブ、クリスチャンのNさんには
特製のクリスマス・カードをお送りしますね。

これは4年前の夏、パリのクリニュー美術館で撮影した「薔薇の聖母」です。
どうですか、薔薇がお好きでクリスチャンのNさんにピッタリでしょう?
聖母子像をモチーフにした作品は絵画彫刻と数限りなくあります。
僕は無神論者ですが、キリスト教美術が好きで色々と撮り溜めた中で
一番好きな聖母子像なんです。瓜実顔のマリアさまは慈愛に満ちてどこまでも清楚。
いつもは愛らしくなく表現されている事の多いキリストも魅力的です。
聖母は製作された時代や国、宗派によって表現方法や表情が様々に変わりますが、
キツい顔、優しい顔、憂う顔、何れも、それぞれに美しい事には変わりありません。
しかし、なぜキリストは可愛らしくないのか……僕の長年の疑問であります。

それにしても、この時期の街の狂騒には目を覆いたくなるものがありますね。
クリスマス商戦と言うのも如何なものか……花屋はポインセチア一色、
街角には派手派手しいイルミネーションとクリスマスツリー。
レストランはお高いクリスマス・メニューのみになり時間制……。
僕のような人間にとっては迷惑以外の何物でもありません。

先日の事、新しいローマ教皇、ベネディクト16世が
「蔓延する商業主義がクリスマスの精神を汚している」と、
近年のクリスマスの過ごし方について苦言を呈しましたね。
全くその通り、僕も確かにそう思います。
日本人の悪い所でもあるスグに物に影響される所、
意味もなく右へ倣えするクセのある人なんかには耳が痛かった事でしょうね。
生まれてスグにお宮参り、毎年〜クリスマス&ヴァレンタインを賑々しく祝い、
結婚は神前結婚で、死ねば訳も分からぬまま仏教で送られる(笑)
何とも脳天気な民族です。本当に信仰心がある人には申訳ないけど
おおよそ、信仰と言うものには無縁な国民ですね。
信仰とは各個人の心の中の様相……僕はそう思っています。

2000年以上経ったキリスト教も随分と形を変えて来ました。
この辺で一番最初のキリストの教えをもう一度確かめてみるのもいいでしょうね。
その昔、美輪明宏さんが仰言った「お金が掛かる宗教は全ぇ〜ん部インチキよ」の
言葉が随分と気になっています。確かに言い得て妙ですもん(笑)

Nさま、素敵なクリスマスを過ごして下さい。
このカードは、たった3枚だけ、クリスチャンの友人限定です(笑)


敬具

2005年12月24日


ブノワ。


[Musee National du Moyen Ageクリニュー・国立中世美術館]
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by raindropsonroses | 2005-12-24 00:00 | 向き向きの花束。