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匂いのいい花束。ANNEXE。

今のうちです……。

今のうちです……。_e0044929_51465.jpg
拝啓

この前、夏至だと思ったのに早いもので7月になってしまいました。
Tさん、その後お変わりありませんか?暑いのが苦手なTさんの事です、
グロッキーなんじゃないかとチョッと心配しています。ご自愛下さいね。

さて、先日、電話で相談された件です。
Tさんは何が何でも家を出て独立したいみたいですが、僕の意見は反対です。
事情が許すかぎりご両親と一緒に住んであげればいいと思っています。
今春に卒業〜就職して独立したい気持ちは分かるけど、
可能な限りご両親と同居してあげてください。
転勤や、やむを得ない理由で別居しなければならないことも出て来ます。
世の中には、「男なのにいい年をして親と同居するなんて最低!」
事情も知らずにそう言う人もいるでしょう。まぁ、そう言う人の意見は軽く流して、
出来るかぎり一緒に住んでの親孝行をしてあげて下さい。
ある時、親孝行をしたくても出来なくなる時が来るんですから。
でも、同居しても居心地の良さに甘えてばかりではダメですよ。
入れるものはキチンと入れ、自分で出来ることはご両親に頼らないこと。
そして、甘える時は上手くするんですよ。頼み事をされればご両親だって
「仕方ないなぁ」って言いつつも喜んで力になってくれるでしょうし、
また、他の誰か、特に息子に必要とされている実感って大切だと思うんです。
年をとってからの人生に張り合いが出てくるじゃないですか。

僕は事情があって12年前に家を出ましたが、
それでも、実家からバスで20分の所に今のマンションを見つけましたし、
2ヵ月に3〜4回くらいの割合で両親と食事しています。
やっぱり会うと嬉しいんでしょうね。いつもおにぎりを結んで来てくれたり
煮物を作って持って来てくれたりトウモロコシを茹でて来てくれたり。
おにぎりは僕の好物を覚えていてくれて醤油に漬けた焼き鮭が入っています。
それからたまにお小遣いを貰うんですよ。勿論、大した額じゃありません(笑)
それも親孝行のうち、親にしてみればいつまでたっても子供は子供なんですよ。
「しょうがないなぁ」と言いつつ、それはそれで嬉しいもんなんだと思います。
気が付くとウチの両親も高齢になって来ました。
出来るかぎり一緒の時間を過ごしてあげようと思っています。

写真は、先日、母にプレゼントした薔薇の花束。
家を出る時に思いつき、慌ててバルコニーに出てカットしました。
時期を外れていますから大して綺麗に咲いた薔薇はありませんでしたし、
ある程度の茎の長さを取って切るのはなかなか難しいです。
薔薇の切り花が茎の長さで値段が決まるのが良く分かります(笑)
ちょっとバラバラですが、「Sophia Loren」「The Reeve」「Pat Austin」
「Kathryn Morley」「Prospero」「Catherine Mermet」の6種類の花束。
たったこれだけの本数ですが、なかなかいい匂いがしました。
こう言う日のために取っておいたクラフト紙とオレンジの薄紙でラッピング。
これだけ薔薇を育てているんですから、もっと花の最盛期、
もっと種類が豊富な時期にプレゼントすればいいんでしょうが、
写真を撮ったりしているとついつい忘れちゃうんですよ(笑)
母は薔薇の名前を覚える気はさらさらないみたいですが、
元々、花が好きな人ですから非常に喜んでくれました。

長くなりました。家を出る事、是非、もう一度考え直してみて下さい。
本当に家を出る必要があるかどうか。家を出る理由をもう一度考えてみて。
望まなくても出なければならない時は必ずやって来ます、
一緒に暮らしたくても叶わなくなる時が来るんですよ。
それまで親孝行の積もりで一緒に暮らしてみては如何ですか?
これは老婆心ながら僕のアドバイスです。


敬具

2006年7月7日


ブノワ。


[Sophia Loren (HT) Tantau, 1967]
[The Reeve (ER) Austin, 1979]
[Kathryn Morley (ER) Austin, 1990]
[Pat Austin (ER) Austin, 1995]
[Prospero (ER) Austin, 1982]
[Catherine Mermet (T) Guillot, 1869]
by raindropsonroses | 2006-07-07 00:00 | 儚いもの。