匂いのいい花束。ANNEXE。

配達された120枚の絵葉書。

e0044929_7233961.jpg
拝啓

11月もそろそろ終わりに近付きました。街は既にクリスマス・ムード一色。
日本人って変なものに敏感で流されやすい単純な国民ですね(笑)

さて、先日はわざわざメールをありがとうございます。
スペインからの最後の絵葉書が届いたんですね!
随分と時間が掛かったみたいですが、どこを旅していたんでしょうねぇ?
恐縮する事なんかありません、僕も好きで書いているのです、あれは僕の趣味なんです。
目的地に着くと一番最初にする事は、絵葉書と切手の調達です。
先ずは当座の分、大体50〜60枚の絵葉書と切手を買います。
絵葉書は街角のお土産屋などて買うと比較的安く手に入るけど、
これらはいかにも観光地って言う感じの安かろう悪かろうな品。
僕はボールペンを使って書きますから、ザラザラの紙は書き心地も良くありません。
パリだとお決まりのエッフェル塔や凱旋門、モナ・リザやノートル・ダム、
サクレ・クール寺院の写真が使われ、そこにこれまたお決まりの「Paris」の文字(笑)
でも、美術館で買うと割高だけれど、センスのいい絵葉書が買えます。
あとは、そうそうたるカメラマンが撮った写真を使った絵葉書の数々。
ロベール・ドアノー、ウイリー・ロニス、ホルスト、ジャンルー・シーフ、
セシル・ビートン、アンリ・カルティエ・ブレッソン等が僕のお気に入り。
彼等の撮るモノクロの写真が絶妙にパリの街と合います。
でも、たまにはわざと思いっきりエッフェル塔の絵葉書を使ったりします。
いるんですよ、僕の友人にエッフェル塔フェチが(笑)部屋の中じゅうエッフェル塔!
書く枚数は毎回、段々エスカレートし、今回、書いた絵葉書は3週間で120枚(笑)
まぁ、複数枚書いた方もいますからね。出した人の数はもっと少ないです。
だって、中には「パリとスペインの両方から出すように」って言う強欲な人もいるんですから(笑)
大体、一枚書くのに10分弱くらいでしょうか。頭で考えた事をスラスラと書きますから早いです。

今日の写真はスペインはグラナダのアルハンブラ宮殿内にある
「Hotel America」の僕の部屋の窓際の写真。部屋は2階、階段を上がってスグでした。
この窓の下に蔦で見えなくなっていますが中庭があり、カフェになっています。
朝から夕方までは支度をするシニョーラやお客の楽しげな声が聞こえて来ます。
ラジオから聞こえる憂愁を帯びたギターの音色に食器がカチャカチャぶつかる音……。
このテーブルで何枚の絵葉書を書いたでしょうか。窓から吹き込む微風、喧騒、珈琲の匂い、
カーテンごしの明かり、こう言う素敵な舞台が揃うと筆が進むのは言うまでもありません。

また何かの機会に便りしますね。僕がまかり間違って大文豪にでもなったら
高い値で売れますから絵葉書は取っておいた方がいいですよ(笑)
もっとも、これだけ書き散らしていたらダメかもしれませんが……。


敬具

2006年11月24日


ブノワ。


[Robert Doisneau (1912~1994)]
[Willy Ronis (1910~ )]
[Horst P. Horst (1906~1999)]
[Cecil Beaton (1904~1980)]
[Jeanloup Sieff (1933~2000)]
[Henri Cartier-Bresson (1908~2004)]
[PR]
by raindropsonroses | 2006-11-24 00:00 | 旅の栞。