匂いのいい花束。ANNEXE。

古いほどいい?……深夜のフラメンコ体験。

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拝啓

T.T.ちゃん、ご無沙汰しています。10月の旅行以来になりますがお元気ですか。
帰国後バタバタしていて写真の整理が出来ず、スッカリ遅くなりましたが
T.T.ちゃんがお気に入りだったフラメンコの写真を同封します。
どうでしょうか、きっと気に入ってくれるんじゃないかな……。

T.T.ちゃんも多分、僕と一緒の思いだと思うんだけど、
1枚目の写真が僕のお気に入りのダンサーです。2枚目が若手の花形、
一見、美人で華やかだったし舞台も良かったけど、僕のお気に入りは一枚目のダンサーです。
失礼な言いようだし、世の女性陣の大顰蹙を買いそうな言葉だけど、
昔はよく、「畳と女房は新しい方がいい」って言いましたね(笑)
今時、例え酒の席でもそんな事を豪語する御仁はいないと思うけれどね。
でも、フラメンコ・ダンサーはお年を召している方が断然いい!
若さや美しさだけでは決して太刀打ち出来ない年輪とテクニック、飛び散る汗、
自在に変わる表情の深み、眉間の深いシワ……ダンサーの歩んで来た
人生の苦悩を重ね合わせるかのような踊りに圧倒されます。
周りにいた団体の男性陣は(殆どオジサン)若いダンサーに釘付けだったみたいだけれど、
僕は断然1枚目のダンサーが良かった。目力が違います。
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所で、僕等が舞台に噛り付きの場所で見学出来たのは、
僕が店の人に頼んだからなんですよ。写真を撮りたいから移動してもいいかって。
最初は一番後ろの方の席でしたからね。移動して良かったでしょう?
もう一組、僕達のスグ傍に日本人の熟年カップルで、席が後ろで見えない、
こんなハズじゃなかったと腹を立てて途中で退席しちゃった人がいたの知っていましたか。
旦那も不機嫌そうな仏頂面していたけれど、奥さんの方は烈火のごとく怒っていて(笑)
殆ど鬼のようなご面相、怒髪天を突き、頭から湯気が出るくらいの勢い、
ロビーで一緒になったんだけどトイレから「バンッ!」って出て来ると
僕にぶつかっても一言も謝る言葉もなし。何事かと思いました。まぁ、
何をお怒りか分からなかったけど、ああ言う失礼な輩はどこにでもいるんですね。
きっと、もっと間近でダンサーを観られると思ったんでしょうね。
僕も最初はそう思っていましたが、もう店の中にいるんです、ガタガタ言っても始まらないもの。
何でもっと前向きに考えないんでしょうね?郷に入っては郷に従え、
旅行に行って自分の思い通りにならなかったからって
一々腹を立てていたらなんにもなりゃしない。随分、損な人達だと思いましたよ。
どっちにしろフラメンコを観るタブラオは観光客目当てが殆どです。
じゃぁ、観光客目当てだからダメかと言うとそうじゃない。
僕達が目にしたダンサー達は本当に凄かったですものね。
勿論、アントニオ・ガデスもクリスチナ・オヨスもホアキン・コルテスもいなかったけど(笑)
兎に角、僕は目の前で繰り広げられる踊りに圧倒されてしまいました。
どうせ観光客相手とバカにせず、T.T.ちゃんの希望通り、言う通りに
疲れた身体に鞭打っての初フラメンコ体験、本当に観に行って良かった。
レストランの料理は可もなく不可もなく(笑)ここで改めて書く必要もないけれど、
グラナダ最後の夜は非常に思い出深い夜となりましたものね。

またいつか一緒にグラナダに、そしてフラメンコを観に行きたいですね。
1枚目のダンサー、さらに年輪を増して凄くなっているでしょうか。
この写真は焼き増しして店に送ろうと思っています。
他の全員の分もありますからね。彼女達、喜んでくれるでしょうか?


敬具

2006年12月21日


ブノワ。


[Antonio Gades (1936~2004)]
[Cristina Hoyos (1946~ )]
[Joaquin Cortes (1969~ )]

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by raindropsonroses | 2006-12-21 00:00 | 旅の栞。