匂いのいい花束。ANNEXE。

栄耀栄華……アルハンブラ宮殿。

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拝啓

Kさん、お元気ですか。旅先からの便り、本当にありがとうございました。
恋人と一緒で貴重な時間なのに申し訳ない思いで一杯です。

どうでしたか箱根は。まだまだ上の方は紅葉が綺麗だったでしょう?
紅葉狩りの人出は仕方ないです、箱根は一年中、いつ行っても物凄い人出です、
雪の新年に始まって、梅の早春、桜の4月、5月のツツジに6月の紫陽花、
菖蒲に牡丹、一年中美しい花が咲いていますしね。

Kさんは、どこにカメラを向けても観光客だらけで参ったってボヤイていましたが、
人ゴミを写さないで被写体の特徴を出す方法は幾らでもありますよ。
僕も人を写さずに写真を撮りたい方ですからね。今日、参考に同封したのは、
今回、初めて訪れたスペインはグラナダのアルハンブラ宮殿の写真です。
もう物凄い人出、30分間に200人の入場規制にもかかわらず
どこにカメラを向けても誰か写ってしまいます(笑)仕方ないですね、
皆さん思いは一緒なんですから。そんな訳で宮殿の中庭の池に焦点を持って行った一枚と、
次の一枚は2度目、夜10時からの夜間参観に撮った「二姉妹の間」の中央にある噴水の写真です。
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イスラムの象徴である庭の池。豊かに水をたたえ、それを皿の強調させるかのような噴水、
時の権力者は人々の羨望の的である贅沢品の水をふんだんに使って庭園を作りました。
宮殿の招かれた人々の驚き。まして、室内に噴水があるなどとは夢、
また夢の世界だったのでしょう。建物自体、また、グラナダと言えば誰しもが思い浮べる
室内のモザイク模様、天井の美しくも繊細な鍾乳洞様式の彫刻などは写っていないけれど、
よく目を凝らして見れば、水面に映る鍾乳洞様式の天上が見えるではありませんか。
天を見上げて溜め息一つ、地を見下ろして感嘆の声一つ……。
アルハンブラを語る上でのキーワードはまさに水です。何となく、そこはかとなくグラナダの、
アルハンブラの古の栄華、今は夢散した強者たちの夢を感じませんか。

何もダイレクトに被写体を撮るだけが能じゃありません。
間接的に写す事によって、さらに想像力を掻き立てられると言うものです。
あれは今から10年くらい前、初めてのパリ、クロード・モネのアトリエ兼住宅、
終の住処があるジヴェルニーまで足を延ばした。燦々と降り注ぐ太陽光線の中、
あまりにも有名な睡蓮の池と美しい庭園、数えきれない程の種類の美しい花々、
そして、それに負けない位、邸宅の中、庭に溢れる観光客の数(笑)
有名な太鼓橋には鈴なりの人だかり、仕方なくカメラを水面に向けて
思わずモネの視線と同じ写真が撮れたこともありました。

怪我の功名、まぁ僕は絶対にタダでは起きないって言うのもあるんですが(笑)
その時その時、臨機応変に対処すればいい写真は必ず撮れるハズ。そう信じています。
今度、二人でカメラを持って歩きたいですね。同じ被写体でも違う写真が撮れて面白いと思いますよ。
また連絡します、近々、旨い日本酒でも如何ですか?いい店があるんですよ!


敬具

2006年12月25日


ブノワ。


[Claude Monet (1840~1926)]

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by raindropsonroses | 2006-12-25 00:00 | 旅の栞。