匂いのいい花束。ANNEXE。

クジラの背中。

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拝啓

早いもので今年も今日から2月に入りました。
つい先日、年が明けたばかりなのに。これですもん、年を取る訳ですよね(笑)
さて、寝耳に水ですがSさんは来月早々にパリに行くんですってね。
今回も仕事ですか。仕事でパリに行けるだなんて何とも羨ましい限りです。
お尋ねのレストランに関してですが、Sさんは僕と同じ趣味、
お高く気取った所はお嫌いでしょうから、最近、お気に入りのビストロを紹介しましょう。

同封した写真はパリ4区にある「Le Dos de la Baleine」です。
僕等、日本人には一風聞き慣れない店の名前は「クジラの背中」と言う意味だそう。
ここは以前から行ってみたかったんですが、なかなかタイミングが合わず、
去年の秋に漸く行くことが出来たんですよ。2週間の間に2回も行ってしまいました(笑)
初めに行ったのは同行の友人と、2度目は一人でタルタル・ステーキを食べて来ました。
一枚目の写真は店を入った所、通りに面したバーカウンターと4人掛けの客席が4席あるスペース。
ここは常に常連さんで一杯、大体、地元の住人、一人でフラリと来る店の顔馴染みといった所でしょうか。
ラッキーにもここに座れましたから、普段のパリ市民の生活の一端を垣間見るようでした。
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料理はシンプルながらキチンと個性を出した質量共に大満足の一皿が並びます。
僕が頼んだのは前菜に鳥の砂肝とポテトのサラダ、メインがビーフ・ストロガノフ。
デザートにフロマージュ・ブランのハチミツ添え。
鳥の砂肝なんて食べるのは初めての僕、最初は何の肉だか全然分かりませんでしたが、
ハーブとオリーブ・オイルで丁度いい塩加減に調理してありました。
時にはフランス語が出来ない事が功を奏する事もあって、
例えば、前菜は「Salade de Charlottes aux Gesiers」と黒板に書いてありましたが、
鳥の砂肝なんか「Gesiers」と言う単語を知っていたら絶対に頼まなかったでしょうね。
「Charlotte」とは、元々、丸い型にビスケットを詰め、ババロアや果物を詰めて成型したお菓子の事。
丸い型に鳥の砂肝を詰めた前菜と言う意味なんでしょうけど、
僕は全く意味が分からないから最初に書いてある「Salade」だけが頼り(笑)
何が出て来るか分からない異国の料理の醍醐味を充分堪能した訳です。
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友人は前菜にブリー・チーズとベーコンの揚げ春巻き、チョッと焦げていますね(笑)
メインに赤身魚と白身魚、ニンジンなどをホワイトソースで煮込んだシチュー。
デザートは、ガトー・ショコラでした。勿論、少しずつ味見しっこしましたよ。
赤味魚と白身魚を一緒に煮込む料理なんて僕は初めて、ほんのり甘みがあって
結局、サーモンが苦手な友人のせいで、殆どは僕の胃袋に(笑)
デザートも殆ど甘い物は口にしない友人のお陰で、僕が丸々2種類堪能しました。

ここのスタッフはおそらく全員……心優しきお兄さん達。
皆、細身で髪の毛を清潔に短くカットし、衣装は皆、黒ずくめ。
あちらのテーブルこちらのテーブル、非常に良く動きます。まず手ブラと言う事が無い。
オーダーを取りながら店内を闊歩する腰がキュッキュッとツイストします。
黒板に書いたメニューの説明をしながら最後まで朗々と読み上げる声の語尾が上がります(笑)
料理を運びながら目が合うとパチりとウインク。テキパキトした対応、気の利いた会話、
最後にチョッと付け加えるウィットな言葉の数々と笑顔、
決してマニュアル通りではなく自然な接客に好感が持てます。
厨房のスタッフも非常に感じが良くて、チラッと顔を出した時に目が合うと破顔一笑、
口元は「Bonjour !」です。こう言う心地よい雰囲気の中で食べる料理とワインの進むこと!
料理を食べる事ってリズムなんだと思わせる店、また次も来ようと思わせる絶妙の空間です。
是非、奥様と一緒にどうですか。きっと満足なさると思いますよ。


敬具

2007年2月1日


ブノワ。

[Le Dos de la Baleine/40, rue des Blanc Manteaux 75004/01 42 72 38 98]

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by raindropsonroses | 2007-02-01 08:57 | バベットの晩餐会。