匂いのいい花束。ANNEXE。

カトリーヌ・ドゥヌーヴを気取る。

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拝啓。

寒さ厳しい年明けになりました。
Kさん、仕事始めは順調ですか。毎年、新年明けはお忙しいのですよね。
さて、日が射さず気温が低い曇天の朝を迎えると、数年前のパリを思い出します。
全く時間がない中、友人とトンボ帰りに近い日程でパリを訪れたのです。
まぁ、強行軍は慣れていますからね、そんなものは何でもないんですが、
出発が近づくに連れてウキウキして来る気持ちは押さえようがありません。
早々に荷造りをし、いつものことながら分刻みの予定表を立て、
あとはパリに向けて出発するだけと、言う段になってハタと思ったんです。

「今回は何を着ていこう……。」

パリには毎回〜それぞれテーマを作って遊びに行きます。
サファリが流行った時にはお気に入りのサファリ・ジャケットを一枚カバンに忍ばせ、
「ブロークバック・マウンテン」が公開された時にはウェスタン・ブーツを履いて行ったり……。
兎に角、僕は影響されやすいので(笑)
何がしかその時々のお気に入りのテーマを作って楽しんでいます。
春から夏は簡単な服装でもいいのですが、寒い時期は荷物も嵩張りますし、
着回しがききコンパクトで暖かな服装が求められる訳です。

この迷っている時期に偶然に観た映画と言うのが、
カトリーヌ・ドゥヌーヴが宝石商を演じた「ヴァンドーム広場」でした。
役柄から取っ替え引っ替えの豪華衣裳に身を包んだドゥヌーヴが無表情で淡々と演じたマリアンヌ。
内容は兎も角、僕の目が釘付けになったのは、シーン毎にドゥヌーヴが身に纏うトレンチ・コート!

10頭身のファッション・モデルが薄っぺらい身体にヒラヒラとコートを纏うのとは違い、
ドゥヌーヴのトレンチ・コート姿は貫禄と風格が滲み出て見る者を圧倒します。
どっしりした上半身に肩パット、辺りを払う勢いでパリの街を颯爽と歩くドゥヌーヴ、
その時、ハタと思い当たったんです。

「そうだ!パリにはトレンチ・コートを着て行こう!」(笑)

少し淡いカーキ色のトレンチ・コートを着ていつものスーツケースを持ち、
時間通りに待ち合わせ場所に現われた僕を見た友人は、

「その格好でパリに行くの?」と、目を丸くします。

トレンチ・コートだと寒いと思ったんでしょうね。
でも、上質の綿でしっかりと仕立てられたトレンチ・コートは風も通さないし、
裏にはライナーも付きます。軽いし膝下まで丈があって暖かいし畳めば嵩張らないし。
カチっと仕立てられていますから、堅苦しくジャケットの上じゃなくても
ニットの上に軽く羽織ってカジュアルに着崩してもいいし……。
可成り重宝しました。僕は上背があるからトレンチ・コートが似合うのですよ(笑)
大体が、日本ではトレンチ・コートの下にはジャケットを着ないといけない……。
そんな風潮がありますね……特に男性の場合。
もっと遊び心を前面に押し出せば、素敵なトレンチ・コートの着こなしが出来るのに……。
またいつかトレンチ・コートを着てパリに行けるかな?
まぁ、次は違うテーマになっちゃうでしょうけどね。

写真はパリに着て行ったトレンチ・コートと、最近お気に入りの黒いトレンチ・コート。
大好きなジーンズに黒のニット、そして黒いトレンチ・コートをさっと羽織る……。
その出で立ちの人を街で見掛けたら……それは僕です(笑)

Kさん、近々、ご飯でも一緒に如何ですか。
和製ドゥヌーヴみたいなマダムがいるビストロがあるんですよ(笑)
是非、是非、お付き合い下さいね。それまでお元気で!


敬具

2008年1月4日


ブノワ。


[Catherine Deneuve (1943~ )]
[Place Vendome/ヴァンドーム広場 (1998)]

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by raindropsonroses | 2008-01-04 00:00 | 旅の栞。