匂いのいい花束。ANNEXE。

果たして本当にそうだろうか……。

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拝啓

三寒四温、暖かい日もありますが、毎日〜本当に寒い日が続きます。
今年は例年に比べて寒さが厳しいですね。Mちゃん、その後、元気にしていますか。
僕は薔薇の手入れもほぼ終わり、チョッと惚けている所です。
この寒さで薔薇の開花もここ数年に比べて遅くなるんじゃないでしょうか……。

さて、先日、お願いされた宿題のレポートに関するヒントですが、
思いつくままに書いてみますので、自分なりにアレンジしてみて下さいね。
先ず、詰まらぬ写真だけれど一枚同封します。

このパスタ、昨晩、自分で作った夕飯の中の一品です。
他にタップリの野菜に鳥肉をソテーしたものを添えたサラダ、
貰い物のスプマンテと一緒に戴きました。
色々な野菜が入っていますが何だと思いますか。
これ、前々日の寄せ鍋の残りの野菜を使ったパスタなんです(笑)
春菊、長葱、小松菜、舞茸、なばな……勿体ないですからね。
パスタが茹であがるチョッと前に野菜を同じ鍋にサッと数秒ほど入れて湯がき、
あとは、バターとオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪で軽く炒めた舞茸と絡めるだけ。
そう、それから湯剥きしたトマトをざく切りにして加えました。
トマトの赤が食欲を増進させるだけじゃなく、甘みと酸味が加わります。
あとは少々の醤油などで味付けです。塩味でもいいですよね。

パスタと言えばイタリアン、それからフレンチに中華にインド料理、
韓国料理……最近では可成り珍しい国の料理が東京に居乍らにして食べられます。
そう、日本ほど世界各国の料理が食べられる国はないでしょうね。
しかも、もしかしたら本国よりも美味しいのではありませんか?
少なくても本場の味じゃなくても日本人なりにアレンジした
オリジナルの料理になっていると思うんです。
パスタを例に取ってみると、パスタに絡めるソースや入れる具のバリエーションたるや、
おそらく本国イタリアでは考えられないくらいあるのではないでしょうか。
本国にはないのにいつの間にか日本で市民権を得た「ナポリタン」(笑)
明太子、海苔、納豆など、和風のパスタもなかなかいけるし、
中華風だったり、ナンプラーやコリアンダーをふんだんに使った
タイ風の冷製パスタ……バリエーションを挙げればキリがありませんね。

何でこんな事を書くかと言うと、
一般に日本人はオリジナリティーに乏しいと言われています。
技術はいいのだけれど(勿論、世界の最高水準!)応用力がないと言うか、
素晴らしい技術を生かす術を知らないと言うか……そんな風に言われていますね。
確かに、それはある程度、的を得ている意見かもしれません。
でも、可成り前になりますが、映画監督のピーター・グリーナウェイが
「プロスペローの本」を撮った時、インタビューに応えて、

 「日本のハイビジョンのテクニックがなかったらこの映画は撮れなかった……。」

そんな意味の事を言っていました。
当時の最先端のデジタルの技術をもって何重もの合成をしたんです。
そのお陰で、グリーナウェイとシェークスピアのおどろおどろしい世界が
スクリーンに繰り広げられることになったのです。
日本が世界に先駆けて作り出した技術は枚挙に暇がありませんね。

それから、既にあるもの、技術を租借して、
さらに素晴らしいものにアレンジする能力は素晴らしいものがあると思うんです。
先程のパスタの例もそうですし、例えば洋服!江戸幕府が鎖国を止め、
開国と同時に西洋文明がどっと流れ込んで来ます。
女性も男性も日本髪に弁髪、着物だったのが「洋服」を着るようになり、
頭もチョンマゲや日本髪から西洋式の髪型になります。
鹿鳴館では夜毎の舞踏会、悪いスタイルに似合わぬドレスとタキシード、

 「まるで猿が踊っているよう……」と、

三島由紀夫の「鹿鳴館」にあったようななかったような……。
それがどうでしょう、アッと言う間に上手に着こなすようになり、
日本人デザイナーのコレクションがパリコレを賑わすようにまでなりました。
日本人の平べったくて足が短い体形を夢のように見せられるまでなりました。

言われているような日本人の特質って果たして正しいでしょうか。
僕は日本人ってそんなに捨てたものじゃないと思うんですよ。
己を卑下し、過小評価するのは日本人の美点でもあり欠点でもあります。
もっと自信を持って胸を張って生きればいいのに……これが僕の考え方です。

どうですか、少しはレポートの役に立ちますか。
また何かあったらメール下さい。レポートが出来たらお茶くらい奢りなさいよ(笑)
では、長くなりました、精々、頑張るように!お元気で!


敬具

2008年3月5日


ブノワ。


[Peter Greenaway (1942~ )]
[Prospero's Book/プロスペローの本 (1991)]
[三島由紀夫 (1925~1970)]
[鹿鳴館 三島由紀夫 著(1956)]

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by raindropsonroses | 2008-03-05 00:00 | 向き向きの花束。 | Comments(14)
Commented by mchouette at 2008-03-05 23:56
少し長くなるかもしれません。
>己を卑下し、過小評価するのは日本人の美点でもあり欠点でもあります。
日本人の奥ゆかしさというか、ある意味、無欲さなんでしょうか。
四季に恵まれた日本の気候風土。日本人にとって自然は、母であり、寄り添うもの。欧米人たちは自然と闘って自分達の居住圏を拡大していった。獲得していったものは確実に自分達のものにしていった彼らにくらべたら、日本人はそこで暮らす工夫をするだけでよかった。そんな自然と人間の関係にもきっと起因してるんでしょうね。
お正月にアメリカの食の歴史からアメリカを見ようという「アメリカ人の食べ物」という特集番組を見たんですけど、アメリカも移民の国。成上がりの国。常にビジネス・チャンスを考えている人々。一例が、イタリア人街で食されたピザを、別の州に移住した人がアメリカの実情に合わせてイージーにテイクアウトできるようにカットして販売し、こういう食べ方はイタリア人たちからピザではないと蔑視されたけれど、
Commented by mchouette at 2008-03-05 23:58
(続きます)
売れるとなると、さらに宅配サービスを思いつき、そして冷めない容器を発明し、州を越えて販路を拡大するために、オートメーション化し、大量生産、画一化していき、一つのビジネスモデルを作り上げる。生き抜いていくために、ここまでしている。アメリカに限らず、ヨーロッパ大陸なども常に民族間や小国家間で領土の盗り合いの戦争がずっとあって、いっつ我が国家、我が民族って意識せざるを得ないし、獲得したら命がけで守らないといけないし、それに比べると日本は上の方で旗の盗り合いだけで上にたつ顔が変わるだけで日本人であることに変わりがない。そんな歴史も日本人の特性を作っていったんでしょうね。自分達が手にしているものの真価に気がつかないのかもしれないし、これが日本だ、日本人だっていう強い意識も育ってないんではないかしらって思う。
Commented by mchouette at 2008-03-05 23:59
(もう少し続きます)
風見鶏」の論理をもっと堂々と主張すればいいのに、それを恥じてこそっと袖で隠そうとする。風呂敷とか、襖や障子といった紙などなど、そんなのが文化として築かれていな買ったんでしょうね。だから戦後は、アメリカ一辺倒で日本的なものが廃れていった。
とっても長くなってしまうからここで終わりにしなければ。長くなってしまってすみません
Commented by raindropsonroses at 2008-03-06 05:45
chouetteさんへ。
おはようございます。早くにメッセージありがとうございます。
僕が常々ブログを通してやってみたい事が出来ました。僕がチョッと記事(導入部)を書き、皆さんに感想や意見を戴き記事が完成する…。chouetteさんのメッセージを一緒に読んで貰う事によってより一層、僕の言いたいことが明確になりました。本当にありがとう!前に何かで読んだのですが、欧米の宗教は砂漠の中の宗教、日本の宗教は森の中の宗教……欧米は一神教なのに対して、日本の神(精霊)は八百万のものに宿る。chouetteさんが仰言るように、相手を力づくで屈服させ、略奪を繰り返して来た民族と、一つの島の中で長年の歴史と文化を培って来た日本(大陸に進出して行った例外はあるけれど)。これもchouetteさんが仰言る紙の文化ね。豊かな自然を紙一枚隔てた身近に置き生活して来た日本人と過酷な自然を相手に闘って来た欧米人との違い……勿論、自然や風土が違いますから一概には比べられませんけれど。よく外国人がデカいステーキをペロリと平らげるさまを見て「これじゃぁ戦争に負ける訳だ……」って言いますが、僕は外国に行って大きな石造りの建物を見ると圧倒されて同じことを思います(笑)

ブノワ。
Commented by raindropsonroses at 2008-03-06 05:56
chouetteさんへ。
これも日本人の特質をよく言い表す言葉だと思うのだけど、「出る釘は打たれる」って言うじゃないですか。人と同じようにしていることが美点とされる国なんですよね。一人突出したりすると周りに取り込まれてしまう……。その才能が上手く開花すれば後に笑い話にもなりますが、下手に自分を主張出来ないお国柄……最近は随分変わって来たのでしょうけど。chouetteさん、日本人って制服が好きな国民だと思いませんか?それも同じでいることを良しとする日本人の特徴じゃないでしょうか。話しは変わっちゃいますが、イギリスやフランスの巨大美術館に行くといつも思うのですが、素晴らしい作品や膨大なコレクションを目の当たりにすると、繰り返されて来た戦争と略奪の歴史……そんなことを思ってしまいます。東京の西洋美術館の松方コレクションだって正規の手続きで購入したのにも関わらず、戦争に負けてめぼしい作品は没収されてしまったのですものね。印象派の素晴らしさを誰よりも早く感じていたのも日本人です。感性は豊かだし技術もある……あとは何が足りないのでしょうね?僕は、何も無理に変わる必要もないと思っているのですけど……。

ブノワ。
Commented by raindropsonroses at 2008-03-06 05:59
chouetteさんへ。
争い事を好まない日本人……何でもかんでもすぐに訴訟の国(笑)とは違って奥ゆかしくて好きです。僕は日本人であることに誇りを持っているし、自分こそ典型的な日本人だと思っていますが、その美点をもう少しいい形で前面に出せればいいなぁ……って思っています。あまり「俺が、俺が!」って言うのは好きじゃないんですけどね(笑)

ブノワ。
Commented by ダヴィデ at 2008-03-06 13:29 x
20年くらい前までは、家で作るスパゲティーといったら、ナポリタンかミートソース。何時から白いスパゲティーが登場したのでしょうか(笑)今では当たり前のようにパスタと言ってますが、以前はスパゲティーでしたよね。パスタが生活の中に入りはじめてからは、急速にいろいろな意味で伸びましたね。前にも書いたかもしれませんが、フランス人の友人が、日本のイタリアンが一番美味しいといってました。さすがにイタリアを除いてだと思いますが・・・僕は昔、フィレンツエで食べたフンギポルチーニのパスタが忘れられませんが・・・今日の夕食はそれに決定(笑)
Commented at 2008-03-06 21:46
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by raindropsonroses at 2008-03-07 19:26
ダヴィデさんへ。
こんばんは。いつもメッセージありがとうございます。
そうね、いつからパスタと言うようになったんでしょうね(笑)ジャムじゃなくてコンフィチュール(笑)何でもいいんですけどね、美味しければ。最近、思うんですけど、日本のイタリアンってニンニクをあまり使わなくなりましたね。昔はオリーブ・オイルとニンニクを入れればイタリアン……みたいな感じもあったけれど、今はそんなこともなくなりました。コリアンダーとナンプラーでタイ料理!結構、ニュアンスは出ますもんね(笑)

ブノワ。

Commented by raindropsonroses at 2008-03-07 19:29
林檎さんへ。
こんばんは。お気遣いありがとうございます。
でも、気になさらないで下さい。そんなことは全くありませんので……。
投げたエサにはかぶりつかなければいけませんね(笑)それに、今回の記事、チョッと前の林檎さんの記事とダブるキーワードもありましたしね。またメッセージ下さいますか?楽しみにしております。

ブノワ。
Commented by しん at 2008-03-08 23:07 x
ブノワ。さん
日本人の奥ゆかしさは、時として自嘲として写りますが
私は日本人の誇れる部分だと思いたいですね。「私が、私が!」っていう自己主張ばかりだと、どうしても疲れちゃうなぁ~(笑)
たしかにダヴィデさんも言うように昔はスパゲティーでしたよね。パスタじゃなくてね。クチの周りを赤くして食べたナポリタン!懐かしいですわぁ~
日本人って宗教でさえ飛び越えて、お正月は神社に行き、お盆にはお寺参り、キリストさまの誕生日のクリスマスにも何の抵抗もなく行事として楽しみ、なんでも受け入れちゃうのは凄いなってしみじみ思います。
なんでもアリ?!な日本人、そこは誇っていいと強く思いますね(笑)
Commented by lulaegiotto at 2008-03-09 06:50
ブノワ。さん
寄せ鍋スパ、とは絶対においしいですね。
味のバランスを考えてトマトを加えるあるのがブノワ。さんらしいです。(笑)
>己を卑下し、過小評価するのは日本人の美点でもあり欠点でもあります。
>もっと自信を持って胸を張って生きればいいのに・・・
海外で暮らしている日本人の方はどう捉えているか分かりませんが、
私も、主人も日本人らしく暮らすようになったら、なんだかスムーズになった気がします。
日本人にしか出来ないことがあるし、日本人的な美をもって、
それを出していくことによって拓かれた世界があったかな、と思っています。
もちろん日本人の美を、美と思わない、気がつかない外人もいますが、それはそれということで。(笑)
意外に日本人的感覚がわかるイタリア人が少なくないんですよ。
一昨日こちらは雪が舞い落ちてきました。寒さが戻ってきてしまったので、鍋をしたい気分です。 CHIE
Commented by raindropsonroses at 2008-03-10 05:54
しんさんへ。
おはようございます。メッセージどうもありがとうございます。
そうですよね、疲れちゃいますね(笑)あちらの方は自己主張してナンボ、言わなきゃ損的にグイグイ来ますよね。日本人の奥ゆかしさ……僕も一番素晴らしい美点だと思います。パスタとスパゲティーの違い……僕は麺の太さの違いのように思います(笑)昔のスパゲティーって総じて太かったですよね。今度ナポリタンを作ってみようっと(笑)出来ればステンレスの銀のオーバル皿に入れたい所ですけど(笑)しんさんがいう所の宗教観のなさに代表される日本人の特質が、最も強い日本人の武器かもしれませんね(笑)

ブノワ。
Commented by raindropsonroses at 2008-03-10 06:06
CHIEさんへ。
おはようございます。メッセージどうもありがとう!
トマトっていいですよね、彩り的にも満点だし(笑)CHIEさんがそちらで暮らしやすくなった背景には、各々の生き方に干渉しないで認め合うと言う、外国の人に多く見られがちな大らかさ、そんなものもあったのでしょうね。お二人が自然体で生きていることに共感したのでしょう。日本だとこうは行かないかもしれません(笑)一見、正反対な気質を持っていそうな日本人とイタリア人ですが、意外と似ているのかもしれませんね……戦時中は同盟を組んだくらいですし……って、話しが違いますね(笑)母音の多い言葉も一因するんじゃありませんか?「それはそれと言うことで」……この言葉、受け入れることが出来ると強いですよね(笑)僕は「日本人の美」の中心に位置する人間じゃありませんが、その精神だけはしっかりと受け継いで行きたいです。所で、そちらで作る鍋には何が入るのでしょう?興味津々です(笑)

ブノワ。