匂いのいい花束。ANNEXE。

アトピーよさようなら。

e0044929_21494760.jpg
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

 「あなた、それじゃぁダメよぉ!」

僕の顔を見た宮本美智子さんは開口一番そう仰言いました。
その日はクリスマス。友人と共に、ことある毎にいつも可愛がってくれていた、
宮本美智子さん宅のパーティーに招かれていたのです。

僕はハンサムではないけれど、年に何日かの割合で、

 「今日は顔の調子いいじゃない!」と、思える日もあるのです(笑)

所が、このクリスマスの当日、考えられないほど調子の悪い顔色をした僕……。
実は、物心ついた頃からアトピー性皮膚炎だったのです。
勿論、子供の頃はアトピー性皮膚炎なんて言う言葉は聞きませんでした。
そう、湿疹ですね。先生が僕に下した診断は「重度の湿疹」……。

その湿疹は成長するにつれて日に日に悪くなり、
それにつれて薬は段々強くなって行きました……。
そして、薬を服用すること、塗布することに、
完全に麻痺していく自分がいました。

ある日のこと、フと塗り薬のチューブのラベルを見た僕は愕然としました。
そのラベルの名前の横には◯の中に劇の文字……そう、劇薬だったのです。
そう言えば、先生も、

 「患部にだけチョッと塗りなさい……。」って言っていましたっけ。

僕は年齢の割には若く見られることが多いです。
同年代の生活に疲れた仲間(?)に比べて、
およそ10歳は若く見られるでしょうか。
それは、お気楽に生きている事もあるでしょうけど、
実は、強い薬によって皮膚が焼け、
体裁のいいケロイドになっているからなのです。
そう、ケロイドになっている事によって皺がなくなっているんです(笑)

そんな頃に件のクリスマスのエピソードになった訳です。
当日は自分でもビックリするほど顔色が悪く、
艶のない土気色の顔はまるで埴輪のよう……。
暗い気持ちで宮本さんのお宅にお邪魔したと言う訳です。
当時の宮本さんは、著書「世にも美しいダイエット」で大忙しの日々。
普段から僕に目を掛けて下さり、可愛がって下さっているのに、

 「世にも美しいダイエット?……僕は知りません!」

と、言う訳にも行きませんよね。
 
 「3ヶ月だけ……。」

そう約束してダイエット本にある通りの食事を始めたのです。


 (1)あらゆる糖分を避ける。
 (2)お腹の中で腐りやすいものは摂らない。
 (3)野菜を『主食』とし、タンパク質と炭水化物を『副菜』とする。
 (4)油脂類は基本をベニ花油とバターの二本立てでタップリ摂る。
 (5)水を大量に飲み、塩分もそれに応じて摂ること。
 (6)カラダを毎日、十分に動かすこと。
 (7)食べたものは速やかに出す。
 
  ※「世にも美しいダイエット メニューブック」より抜粋。  


これが宮本さんが提唱したダイエットの基本です。
今やダイエット方は星の数ほどありますし、
宮本さんのダイエット方に懐疑的、批判的な人がいることも確かです。
でも、元々、野菜が大好きだった僕は何ら苦に思うこともなく、
毎日〜宮本さんのレシピ通りの食事を続けました。
そうそう、アルコールも厳禁でした……これは辛かったかな?
心の中では半信半疑だった僕ですが、何と、3ヶ月で17キロも痩せたのです。
僕の身長は181センチ、食生活を変えた結果、
67キロにまで体重が落ちたのです。
何が変わったかと言えば、腹筋が姿を現し(笑)顔は二周り小さくなり……。
久し振りに会った友人は僕の顔をしげしげと見つめ、
小首をかしげ、半ば、羨望の入り交じった目で言います。
 
 「君、整形したの?」……(笑)

一番、変わったことはと言うと、新陳代謝が抜群に良くなりました。
それまでは全く汗を掻かない体質だったのが汗っ掻きに……。
以降、今までの掻き壊した肌がみるみるスベスベになって行き、
真夏でも風呂上がりに何かを塗らないといけなかった肌が、
水を弾くツルツルの肌に変わって行きました。

その体質が激変する何年か前、どうにも痒みが治まらなかった僕は、
病院で処方された薬の他に、購入してあった市販の痒み止めを一度に服用。
それも寝る前に両方とも倍の量飲んで寝たのです……。
当然、寝起きは朦朧としていますよね。
でも、薬のせいだと思わなかった僕は、
何も考えずに寝起きに同じ量の薬を飲んで出勤しました。
どこをどう歩いているのか全く分からないほどフラフラし、
どうにか仕事をこなして早々に帰宅、
元の身体に戻るのに3日も掛かりました。
もしかしたら死ぬ寸前だったかもしれません……。
直接、薬によってではなくても、
フラリと駅のホームから落ちたかもしれないし、
車に轢かれていたかもしれない……。
それからと言うもの、僕は洋の東西に関わらず薬と言うものに懐疑的になり、
風邪を引いてもどんなに具合が悪くても薬は飲まなくなってしまいました。
病院にも絶対に行かない……勿論、手術を必要な大病になったら、
話しは別、病院には行きますけれどね。

………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

以前、チョッとお約束した、
アトピー性皮膚炎だった頃のエピソードを書いてみました。
アトピー性皮膚炎の症状は人それぞれ、原因もまた然りです。
僕が「治すにはこれ!」と言えることは何もありません。
ただ、原因を突き止め、外からではなく、
内面から身体を改善しないとダメ……これだけは言えます。
そう、好きな食べ物を断ってみるのもいいかもしれません。
その人の嗜好物って意外に弱点だったりするのです。
アトピー性皮膚炎に苦しんでいる人を見るのは本当に辛いです。
僕は魔法の棒を一振りしたかのように完治しましたから余計です……。

………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

写真は恩人の宮本美智子さんから戴いた記念の品々。
左側の美しいポートレートは、宮本さんの著書、
「世にも美しいダイエット メニュー・ブック」の、
扉に使われた、写真家、峯竜也さんのオリジナル・プリントです。
僕がとても美しく撮れていることを褒めたら誕生日に下さいました。
写真にピッタリの額縁が見付からないまま今に至っています。
その隣り、標本箱のような額縁に入った猫のポラロイド写真は、
宮本さんの愛猫「あさり」です。
サインは「March '95」になっていますね。
僕がデザインした額縁に入っています。
これはオリジナル・プリントに添えてあったカードとともに。
右端に写っている赤いゼラニウム、
宮本さんが僕にプレゼントしようと株分けし、
大事に育てて下さったもの……猫のあさりは娘さんと一緒にニューヨークへ。
赤いゼラニウムは僕の手に渡る事はありませんでした……。


草々

2008年11月23日


ブノワ。


[宮本美智子/Michiko Miyamoto (1945~1997)]
[世にも美しいダイエット/講談社 1994年刊]
[世にも美しいダイエット メニューブック/講談社 1995年刊]

★Copyright © 2005~2008 raindropsonroses, All Rights Reserved.
[PR]
by raindropsonroses | 2008-11-23 00:00 | 向き向きの花束。