匂いのいい花束。ANNEXE。

あなたは誰のために買いますか?

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拝啓

hさん、その後、如何お過ごしですか?
相変わらずお忙しいようですけど、仕事の方は一段落付きましたか?

さて、今日は、前から約束していた写真を同封します。
これは、6月にパリに行った際に撮影したものです。
その日は、ノルマンディー地方にある小村、Varengeville-sur-Merに行くため
サン・ラザール駅から国鉄でディエップに向かう所でした。
hさんもご存知のようにパリの駅は日本のそれとは違い、「終着駅」なんですね。
ですから、列車が到着すると、次から次へと乗客が降りて駅の出口に向かいます。
その混雑、人々の歩く早さは尋常じゃなく、東京の朝に負けない位せわしなく、
島国の日本と違い、地続きのヨーロッパです、様々な国籍の人が行き交います。
顔の色、服装、聞こえて来る言葉……。
単一民族の日本人には想像を絶する人種の坩堝です。
この「駅」って、僕が旅先で緊張する唯一の場所なんですが、
「あぁ。外国に来たんだぁ」と実感する一瞬でもあります(笑)

この日も、用心のため早めに駅に着き、チケットを買って(これがまた一苦労!)
ホッと一息、カフェでコーヒーを立飲みしているいる時に見付けたのが
この「Point Fleurs」、花束の自動販売機です。
一見、殺伐とした朝の駅……早足でメトロの階段を下りる人、
歩きながら携帯電話で話す人、ガムを噛みながらタクシーに乗る人……。
カフェのカウンターの下に落ちている大量の吸い殻、砂糖の包み紙、
煙草の煙、バゲットのカス、決して綺麗とは言えない列車の車両……。
目に入るもの全てが「灰色」に見える中で、一種、異様とも言える物体。
よく、日本は自動販売機が沢山あって驚く……そう外国の人に言われます。
確かに、缶コーヒーなんかは、結構、美味しくてフランス人が驚いたとか(笑)
日本同様、歩けば花屋にぶつかるほど、花文化が発達しているパリ。
一体、どんな人がこの自動販売機で花束を買うんでしょう?
既に、幾つか売れていますもんね……。

駅に到着した若者が急ぎ足で恋人に合いに行く時、
花屋に立寄る時間を惜しんで花束を買うのか?
それとも、郊外に住む恋人に会いに行く青年が、駅で列車の出発を待っている時、
フと、目に入った自動販売機で恋人のご機嫌を取るために買うのか。
意地悪に想像すれば、出張と偽り愛人と休日を過ごした夫が、
妻の疑いをそらし、御機嫌取りのために買うのか……。

あれこれと想像していると、アッと言う間に時間が経ってしまいます。
これで一つ幾らくらいなんでしょうね……今度、確かめて来ますね。
画面の左端にサァッと入って来た綺麗な女性。
もう一枚、女性が入っていないカットもあるんですが、
今回は珍しく、女性が入ったカットを選びました。
チョッと、朝の駅の雰囲気が出ていませんか?
この女性はルーアン行きの列車に駆け足で乗り込んで行きました。


敬具

2005年9月21日


ブノワ。


★皆さんご存知の「駒場バラ園」さんが今年一杯で規模を縮小されます。
 現在、近くの新公園予定地に「駒場バラ園」さんの貴重な薔薇を移植する
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 HP右側の「最新記事」の上から二番目に、是非、コメントを書き込んで下さい。
 ヨロシクお願いいたします。
[新・駒場バラ園を作る会]

ほっとけない 世界のまずしさ

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by raindropsonroses | 2005-09-21 00:01 | 旅の栞。