匂いのいい花束。ANNEXE。

カテゴリ:旅の栞。( 62 )

栄耀栄華……アルハンブラ宮殿。

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拝啓

Kさん、お元気ですか。旅先からの便り、本当にありがとうございました。
恋人と一緒で貴重な時間なのに申し訳ない思いで一杯です。

どうでしたか箱根は。まだまだ上の方は紅葉が綺麗だったでしょう?
紅葉狩りの人出は仕方ないです、箱根は一年中、いつ行っても物凄い人出です、
雪の新年に始まって、梅の早春、桜の4月、5月のツツジに6月の紫陽花、
菖蒲に牡丹、一年中美しい花が咲いていますしね。

Kさんは、どこにカメラを向けても観光客だらけで参ったってボヤイていましたが、
人ゴミを写さないで被写体の特徴を出す方法は幾らでもありますよ。
僕も人を写さずに写真を撮りたい方ですからね。今日、参考に同封したのは、
今回、初めて訪れたスペインはグラナダのアルハンブラ宮殿の写真です。
もう物凄い人出、30分間に200人の入場規制にもかかわらず
どこにカメラを向けても誰か写ってしまいます(笑)仕方ないですね、
皆さん思いは一緒なんですから。そんな訳で宮殿の中庭の池に焦点を持って行った一枚と、
次の一枚は2度目、夜10時からの夜間参観に撮った「二姉妹の間」の中央にある噴水の写真です。
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イスラムの象徴である庭の池。豊かに水をたたえ、それを皿の強調させるかのような噴水、
時の権力者は人々の羨望の的である贅沢品の水をふんだんに使って庭園を作りました。
宮殿の招かれた人々の驚き。まして、室内に噴水があるなどとは夢、
また夢の世界だったのでしょう。建物自体、また、グラナダと言えば誰しもが思い浮べる
室内のモザイク模様、天井の美しくも繊細な鍾乳洞様式の彫刻などは写っていないけれど、
よく目を凝らして見れば、水面に映る鍾乳洞様式の天上が見えるではありませんか。
天を見上げて溜め息一つ、地を見下ろして感嘆の声一つ……。
アルハンブラを語る上でのキーワードはまさに水です。何となく、そこはかとなくグラナダの、
アルハンブラの古の栄華、今は夢散した強者たちの夢を感じませんか。

何もダイレクトに被写体を撮るだけが能じゃありません。
間接的に写す事によって、さらに想像力を掻き立てられると言うものです。
あれは今から10年くらい前、初めてのパリ、クロード・モネのアトリエ兼住宅、
終の住処があるジヴェルニーまで足を延ばした。燦々と降り注ぐ太陽光線の中、
あまりにも有名な睡蓮の池と美しい庭園、数えきれない程の種類の美しい花々、
そして、それに負けない位、邸宅の中、庭に溢れる観光客の数(笑)
有名な太鼓橋には鈴なりの人だかり、仕方なくカメラを水面に向けて
思わずモネの視線と同じ写真が撮れたこともありました。

怪我の功名、まぁ僕は絶対にタダでは起きないって言うのもあるんですが(笑)
その時その時、臨機応変に対処すればいい写真は必ず撮れるハズ。そう信じています。
今度、二人でカメラを持って歩きたいですね。同じ被写体でも違う写真が撮れて面白いと思いますよ。
また連絡します、近々、旨い日本酒でも如何ですか?いい店があるんですよ!


敬具

2006年12月25日


ブノワ。


[Claude Monet (1840~1926)]

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by raindropsonroses | 2006-12-25 00:00 | 旅の栞。 | Comments(19)

古いほどいい?……深夜のフラメンコ体験。

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拝啓

T.T.ちゃん、ご無沙汰しています。10月の旅行以来になりますがお元気ですか。
帰国後バタバタしていて写真の整理が出来ず、スッカリ遅くなりましたが
T.T.ちゃんがお気に入りだったフラメンコの写真を同封します。
どうでしょうか、きっと気に入ってくれるんじゃないかな……。

T.T.ちゃんも多分、僕と一緒の思いだと思うんだけど、
1枚目の写真が僕のお気に入りのダンサーです。2枚目が若手の花形、
一見、美人で華やかだったし舞台も良かったけど、僕のお気に入りは一枚目のダンサーです。
失礼な言いようだし、世の女性陣の大顰蹙を買いそうな言葉だけど、
昔はよく、「畳と女房は新しい方がいい」って言いましたね(笑)
今時、例え酒の席でもそんな事を豪語する御仁はいないと思うけれどね。
でも、フラメンコ・ダンサーはお年を召している方が断然いい!
若さや美しさだけでは決して太刀打ち出来ない年輪とテクニック、飛び散る汗、
自在に変わる表情の深み、眉間の深いシワ……ダンサーの歩んで来た
人生の苦悩を重ね合わせるかのような踊りに圧倒されます。
周りにいた団体の男性陣は(殆どオジサン)若いダンサーに釘付けだったみたいだけれど、
僕は断然1枚目のダンサーが良かった。目力が違います。
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所で、僕等が舞台に噛り付きの場所で見学出来たのは、
僕が店の人に頼んだからなんですよ。写真を撮りたいから移動してもいいかって。
最初は一番後ろの方の席でしたからね。移動して良かったでしょう?
もう一組、僕達のスグ傍に日本人の熟年カップルで、席が後ろで見えない、
こんなハズじゃなかったと腹を立てて途中で退席しちゃった人がいたの知っていましたか。
旦那も不機嫌そうな仏頂面していたけれど、奥さんの方は烈火のごとく怒っていて(笑)
殆ど鬼のようなご面相、怒髪天を突き、頭から湯気が出るくらいの勢い、
ロビーで一緒になったんだけどトイレから「バンッ!」って出て来ると
僕にぶつかっても一言も謝る言葉もなし。何事かと思いました。まぁ、
何をお怒りか分からなかったけど、ああ言う失礼な輩はどこにでもいるんですね。
きっと、もっと間近でダンサーを観られると思ったんでしょうね。
僕も最初はそう思っていましたが、もう店の中にいるんです、ガタガタ言っても始まらないもの。
何でもっと前向きに考えないんでしょうね?郷に入っては郷に従え、
旅行に行って自分の思い通りにならなかったからって
一々腹を立てていたらなんにもなりゃしない。随分、損な人達だと思いましたよ。
どっちにしろフラメンコを観るタブラオは観光客目当てが殆どです。
じゃぁ、観光客目当てだからダメかと言うとそうじゃない。
僕達が目にしたダンサー達は本当に凄かったですものね。
勿論、アントニオ・ガデスもクリスチナ・オヨスもホアキン・コルテスもいなかったけど(笑)
兎に角、僕は目の前で繰り広げられる踊りに圧倒されてしまいました。
どうせ観光客相手とバカにせず、T.T.ちゃんの希望通り、言う通りに
疲れた身体に鞭打っての初フラメンコ体験、本当に観に行って良かった。
レストランの料理は可もなく不可もなく(笑)ここで改めて書く必要もないけれど、
グラナダ最後の夜は非常に思い出深い夜となりましたものね。

またいつか一緒にグラナダに、そしてフラメンコを観に行きたいですね。
1枚目のダンサー、さらに年輪を増して凄くなっているでしょうか。
この写真は焼き増しして店に送ろうと思っています。
他の全員の分もありますからね。彼女達、喜んでくれるでしょうか?


敬具

2006年12月21日


ブノワ。


[Antonio Gades (1936~2004)]
[Cristina Hoyos (1946~ )]
[Joaquin Cortes (1969~ )]

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by raindropsonroses | 2006-12-21 00:00 | 旅の栞。 | Comments(20)

配達された120枚の絵葉書。

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拝啓

11月もそろそろ終わりに近付きました。街は既にクリスマス・ムード一色。
日本人って変なものに敏感で流されやすい単純な国民ですね(笑)

さて、先日はわざわざメールをありがとうございます。
スペインからの最後の絵葉書が届いたんですね!
随分と時間が掛かったみたいですが、どこを旅していたんでしょうねぇ?
恐縮する事なんかありません、僕も好きで書いているのです、あれは僕の趣味なんです。
目的地に着くと一番最初にする事は、絵葉書と切手の調達です。
先ずは当座の分、大体50〜60枚の絵葉書と切手を買います。
絵葉書は街角のお土産屋などて買うと比較的安く手に入るけど、
これらはいかにも観光地って言う感じの安かろう悪かろうな品。
僕はボールペンを使って書きますから、ザラザラの紙は書き心地も良くありません。
パリだとお決まりのエッフェル塔や凱旋門、モナ・リザやノートル・ダム、
サクレ・クール寺院の写真が使われ、そこにこれまたお決まりの「Paris」の文字(笑)
でも、美術館で買うと割高だけれど、センスのいい絵葉書が買えます。
あとは、そうそうたるカメラマンが撮った写真を使った絵葉書の数々。
ロベール・ドアノー、ウイリー・ロニス、ホルスト、ジャンルー・シーフ、
セシル・ビートン、アンリ・カルティエ・ブレッソン等が僕のお気に入り。
彼等の撮るモノクロの写真が絶妙にパリの街と合います。
でも、たまにはわざと思いっきりエッフェル塔の絵葉書を使ったりします。
いるんですよ、僕の友人にエッフェル塔フェチが(笑)部屋の中じゅうエッフェル塔!
書く枚数は毎回、段々エスカレートし、今回、書いた絵葉書は3週間で120枚(笑)
まぁ、複数枚書いた方もいますからね。出した人の数はもっと少ないです。
だって、中には「パリとスペインの両方から出すように」って言う強欲な人もいるんですから(笑)
大体、一枚書くのに10分弱くらいでしょうか。頭で考えた事をスラスラと書きますから早いです。

今日の写真はスペインはグラナダのアルハンブラ宮殿内にある
「Hotel America」の僕の部屋の窓際の写真。部屋は2階、階段を上がってスグでした。
この窓の下に蔦で見えなくなっていますが中庭があり、カフェになっています。
朝から夕方までは支度をするシニョーラやお客の楽しげな声が聞こえて来ます。
ラジオから聞こえる憂愁を帯びたギターの音色に食器がカチャカチャぶつかる音……。
このテーブルで何枚の絵葉書を書いたでしょうか。窓から吹き込む微風、喧騒、珈琲の匂い、
カーテンごしの明かり、こう言う素敵な舞台が揃うと筆が進むのは言うまでもありません。

また何かの機会に便りしますね。僕がまかり間違って大文豪にでもなったら
高い値で売れますから絵葉書は取っておいた方がいいですよ(笑)
もっとも、これだけ書き散らしていたらダメかもしれませんが……。


敬具

2006年11月24日


ブノワ。


[Robert Doisneau (1912~1994)]
[Willy Ronis (1910~ )]
[Horst P. Horst (1906~1999)]
[Cecil Beaton (1904~1980)]
[Jeanloup Sieff (1933~2000)]
[Henri Cartier-Bresson (1908~2004)]
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by raindropsonroses | 2006-11-24 00:00 | 旅の栞。 | Comments(24)

旅は既に始まっています。

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拝啓

Oさん、先日はありがとうございました。わざわざお時間を取らせてしまいました。
お陰さまで旅で使うもので足りなかった物が全部揃いました。
このお礼にパリかスペインで何か見付けてきますね。楽しみにしていて下さい。

さて、出発までカウントダウンです。荷造りのほか、スッカリ用意はいいんですが、
旅に出る随分前から実は僕の旅は既に始まっているんです。
それは数ヵ月前に始まった旅の予定を立てる事に始まりますが、
数多く、浅く広い僕の趣味の中の一つに、
旅先で集めたものを帰国後にスクラップに纏めると言うものがあります。
パリで買って来たイタリア製のアルバムに、時系列で、
しかもある種のまとまりを持たせてレイアウトし、貼っていくんです。
そのスクラップ用にありとあらゆる種類の紙類、カタログ、チラシ、メトロのチケット、
美術館の入場券、レストランのメニュー(ちゃんと頼んで貰います)
機内食のチーズやバターの包装紙、落ち葉、アルバムの台紙に貼れる物、
薄手のものは片っ端から貰って拾って持ち帰ります(笑)
大体、一回の旅で段ボール箱一つにギッシリになりますから持ち帰りは不可能。
帰国寸前に宅急便で別送品扱いで家に送る事が殆どです。
紙ってペラペラで薄いけど集まると重たいですからね(笑)
旅の前の段階でも、旅行会社とのやりとりのペーパーや確認書類、
ようやく申し込んだエール・フランスのマイレージの書類等々、
既にスクラップの資料、具は着々と集まり始めています。
帰国後はこれらを綺麗に並べ、大袈裟だけれど、自分で旅の思い出や
エピソードに沿って編集して行きます。勿論、タイトルのページは華やかに、
これ以上はない程にクルクルと大仰で豪華な手書きの流麗な文字で飾ります(笑)

一枚目の写真は2年前の極寒の正月に友人とパリを訪れた時、
パリから足を伸ばしてランスにある藤田嗣治のチャペルを訪れた時のアルバム。
この時のテーマはスバリ一言で「レオナール・藤田」でした。
パリ市の近代美術館に藤田の傑作を見に行ったり、パリ近郊の
藤田が晩年を過ごした終の棲家兼アトリエを尋ねる旅でした。
下のパウチしてある枯葉はランスの藤田のチャペルで拾って来たものです。
横の2種類の薔薇は 今バルコニーに咲いている僕のオリジナルの薔薇
夏から咲かせ続けて秋は小輪ですが非常にいい匂いが部屋中に立ちこめます
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他のページを捲ってみると、メトロのチケットをビッシリ並べたページや
カフェで珈琲を頼んだ時に付いて来る角砂糖の包み紙のコミックシリーズのページ、
ライ・レ・ローズ薔薇園の売店で買った薔薇の切手「モダン・ローズ」シリーズのページ。
描かれているのは現代薔薇の第一号と誉の高い「La France」、
そして、いまだに大人気の「Mme. Alfred Carriere」「Mme. Caroline Testout」。
美しく描かれた3種類の薔薇、周りには蕾や赤く染まった実があしらわれています。
紙に貼れるものなら、多少、厚くても何でも貼ってしまう僕のスクラップ・ブック、
帰国後も暫くの間は楽しかった思い出が続くのです。

こうして見ると懐かしい旅の想い出が次々と鮮明に浮かぶから不思議です。
ただ観光スポットや名所旧跡をガイド・ブック通りに巡り、ここぞとばかりに買い物三昧
豪華ディナーもいいけれど、こうした楽しみ方も一興ではないでしょうか。

なぁ〜んて言いながら、実は2年前の秋のパリから4回分のアルバムが
纏められずに淋しい思いをしています。およそ100ページ分のアルバムに、
気難しい僕のこだわりを持って編集するのは至難の業なんですよ(笑)


敬具

2006年10月6日


ブノワ。


[La France (HT) Guillot, 1867]
[Mme. Alfred Carriere (N) Schwartz, 1879]
[Mme. Caroline Testiut (HT) Pernet-Ducher, 1890]
[LA ROSERAIE DU VAL-DE-MARNE/L'Hay les Rose]
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by raindropsonroses | 2006-10-06 00:00 | 旅の栞。 | Comments(26)

いざ鎌倉へ。

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拝啓

Mさん、その後如何お過ごしですか?
先日はご丁寧なお手紙をありがとうございました。
本当、残念でしたが仕方ありません。鎌倉は東京からスグですし、
美味しい店も沢山あります。また何かの機会にご一緒しましょうね。

さて、今回の鎌倉は、ひょんな事から知り合いになった
トスカーナ在住のCHIEさんの古道具展を見るのが目的でした。
「GARAGE」と言うスペースを借りて、イタリアはトスカーナ地方の
古道具を展示してたんです。僕、アンティークや古道具には目がありませんから(笑)
期待に胸をときめかせて電車の中でスキップしながら行って来ました。
小さなスペースでしたが、趣味のいい古道具やリネン、アンティークの釦
食器なとが所狭しと並べられていてもうウットリ、ため息百回でした。
ブリキのバケツや如雨露、元々はビールか何かが入っていたであろうビン、
もう目移りバンバンで困っちゃっいました(笑)それから、ディスプレイが素晴しくて
それぞれが、まるでズぅ〜ッとそこに存在していたかのような自然な感じ。
どこを見ても絵になっているんです。料理がお上手なCHIEさんです、
1枚目の写真なんか、今にも熱々のパスタが出て来そうでしょう?
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ご存知のように、最近はウチの中が物で溢れていて困り果てているので、
散々迷った挙句に、結局、買い求めたのは、友人にプレゼントする物2点と、
自分用には痺れるほど素晴しい真鍮で出来たティー・スプーンを5つ。
実は僕、何年も前から金色のスプーンを探していたんですよ。
ほら、お客さん用に出すコーヒー・カップやティー・カップの口には
欠けにくくする意味でも、ぐるりと金彩で化粧してあるものが多いでしょう?
どんなに高価な物でもシルバーのスプーンだと微妙に合わないんですね。
いつもお客さんにお出しする時にそう思っていました。
かと言って、ゴールドのスプーンは金ピカ過ぎて成金趣味だし、
小さいサイズが殆ど。紅茶用はあまりなく珈琲用しか見掛けません。
第一、本物の金は値段が高くてダメじゃないですか。メッキでも高い!
もう、久しぶりにいい買い物が出来て興奮しちゃいました。

初めてお目に掛かるCHIEさんご夫妻も非常に素敵なカップルでしたよ。
愛くるしいCHIEさんとハンサムな旦那さま。お2人とも感じが良くてビックリ。
イタリアのトスカーナと日本、遠く離れているのに、
こうしてブログを通して知り合う偶然って面白いですね。

さらに、鎌倉は最近知り合いになった友人と2人で行って来たんですよ。
友人はこの猛暑の中、涼しげな着物で待ち合わせ場所に現われました。
決して言いませんが、本人は随分暑かったハズです。着物は勿論ですが、
足袋や日傘、キチンと着こなす着物は見た目に涼しげですね。
お陰さまで、僕はスッカリ目の保養をさせて貰っちゃいました。
友人も何やら戦理品をゲット。矢張り女性は布ものに弱い?(笑)
二人していい買物が出来、意気揚揚とついつい時間を忘れて
カフェで長話ししてしまいました。本当に有意義な日曜日、買い物に満足、
人との出会いに大満足な一日を過ごす事が出来ました。

今日の写真はご一緒出来なかったMさんのために特別にプレゼント(笑)
どうです、古道具好きのMさんには垂涎の品々でしょう?
僕のスプーンは1番目の写真の右上にチョッと写っている奴です。
また同じような機会もあるでしょう。CHIEさんには是非、次回もと伝えて来ました。
その時は是非、是非、ご一緒に!美味しい店も紹介しますよ。


敬具

2006年8月23日


ブノワ。
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by raindropsonroses | 2006-08-23 00:00 | 旅の栞。 | Comments(24)

何が見えますか?

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拝啓

早いですねぇ、今年ももう8月になってしまいました。
Yさん、あれからどのようにお過ごしですか?
もうスグ夏休みの旅行でしたよね。今年は御家族でパリとか。
時間があったら絵葉書下さいね。約束ですからね。

さて、夏のパリは本当に素敵ですよね。
何でも僕は異常気象の男らしく(笑)初めて行った夏のパリ(8月)は
何十年ぶりかの猛暑……と、言っても日本から行った僕は
長袖のシャツ一枚で快適そのものだったけれど。
その後、訪れた冬は連日、最高気温−6度の極寒のパリ(笑)
確かにこの時は随分と寒さが厳しいなぁと思いました。
最近、行くのはすっかり春と秋になってしましましたが、
真夏に撮ったパリの写真で一番印象に残っている写真が今日の一枚。
これはオルセー美術館を観た後、プラリプラリと散歩がてら訪れた剥製専門店。
ここ「Deyrolle」は非常に有名ですが、ワシントン条約が厳しくなった昨今、
また、大きな剥製を置ける屋敷の減少などの理由で、
販売と言うよりは、レンタルの業務が主流になって来ているとか。
この時はここを訪れる事が旅の目的の一つになっていました。
実は僕、剥製って好きなんですよ(笑)何でしょうね、理由はよく分かりませんが、
多分、一生行けないであろうアフリカの悠久の大地とかを連想するからでしょうか。
非常に良く出来た剥製を間近に見るのは本当に楽しかったです。
一階の入り口を入り、大きな階段を登ると、いるいる、
ライオン、クマ、シマウマ、ダチョウ、水牛 ありとあらゆる動物が
所狭しと身体を休めています。当然、店内に漂うホルマリンの匂い。
それがこれらの動物の命が既にないことを示しています。
奥の昆虫標本の部屋に続く広間の縦半分が作業場になっていて、
眼鏡のムッシュが一人で黙々と作業していました。
第二の生を与えられている最中だったのはイタチか何かの小動物でした。
本当は鴨か何かの水鳥の剥製が欲しかったけど、以外に大きいんですよね。
それに、空港の手続きやトラブルを考えると手が出ませんでした(笑)

写真は 通りに面した窓から外を眺めるラマ。
こうして虫干しを兼ねたディスプレーの遊び心の妙は
日本人には絶対に真似できない感覚。結局、買い物は出来なかったけど、
一時間近く店内を見て歩き、非常に面白い経験となりました。
このラマの目には一体何が映っているんでしょうね
あれこれ考えていると一緒にアンデスの高地にタイムスリップしたような気分。
残念ながら今年も夏のパリには行かれませんでしたが、
機会があったらいつかまた、訪れてみたいものです。


敬具

2006年8月1日


ブノワ。


[Deyrolle/46, rue du Bac, 75007 Paris/01 42 22 30 07]
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by raindropsonroses | 2006-08-01 00:00 | 旅の栞。 | Comments(19)

生きたままドライ……ノルマンディーの紫陽花。

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拝啓

Aさま、先日はお忙しい中、時間を割いて戴き恐縮です。
久し振りのお目に掛かり、積りに積もった話しをするのは楽しいですね。
連れた行って戴いた隠れ家的なカフェも素敵でしたし……。
今度は僕がいい所をお教えしますね、是非、お付き合い下さい。

空梅雨と言うほどではありませんが、今年の梅雨は雨が少ないですね……。
シトシト雨も外出しない時は風情があって素敵だけれど、
出掛ける時の雨は気が滅入りますね。薔薇もカンカン照りの日より、
しっとりと雨の日の方が伸びがいいように思います。
まぁ、何事もほどほどにと言う事ですか(笑)

そんな中、雨が最も似合う花、紫陽花が満開ですね!そろそろお仕舞でしょうか。
もう街の至る所に色とりどりの紫陽花が咲いています。
ほとんど手入れいらずのこの花は、普段はひっそりと存在を隠すかのようですが、
一旦、季節になると、さも「見て見て!」と言わんばかりに存在を主張しますね。
街中に植えられている紫陽花はピンク系かブルー系がほとんど、
僕は白い花〜グリーンの紫陽花が好きなので、ちょっとどきつく感じますが、
それでも梅雨時、雨にしっとり濡れた紫陽花を見るのはいいものです。

今日の写真はフランスはノルマンディー地方、ディエップの近くにある
Varengeville-sur-Mer、ヴァランジュヴィル・シュル・メールと言う、
高級別荘地にもなっている小さな村の紫陽花、個人のお宅の前庭です。
背景の白は、そのお宅の白壁になります。
この小さな村は花好き垂涎の庭園、「Parc Floral des Bois de Moutiers」が
非常に有名で、もう一つ、この村にはフランス一とも世界一とも言われている
紫陽花園「Shamlock」があります。開園は4月から10月までの約半年、
冬場は閉まってしまいます。この紫陽花園は、所謂、庭園形式ではなく、
林の中の木の下に夥しい数の紫陽花が自然な姿で植えられているんですよ。
この紫陽花園があるせいか、村中、至る所に紫陽花が植えられています。
それは、ちょっとした道路沿い、街角の植え込みから個人の庭先まで。
村全体が紫陽花で彩られています。この写真を撮ったのはなんと10月。
これだけ綺麗に花が残っているのってちょっとビックリだと思いませんか?
矢張り、日本とは気候が全然違うんですね。湿度の違いでしょうか。
初夏に咲いた紫陽花は、そのままの姿を綺麗に残し、
秋のこの時期まで美しまま。2回目に僕が紫陽花園を訪れた時は
6月上旬……時期が早かったせいか、まだ殆ど開花していませんでした。
見頃は7月の今頃でしょうか。いつか満開の時に訪れてみたいものです。

薔薇ばかりのウチにある紫陽花はたった一本だけ。
一年前に某大手園芸店で買ったグリーンの紫陽花
一般にグリーンの紫陽花は菌による伝染病とか言われていますね。
でも、これは園芸種、きっと大丈夫ですよね?ちょっと心配ではあります。
そうそう、6月に訪れた時、この紫陽花園で物凄く素敵な経験をしました。
そのエピソードはまた次の機会、お目に掛かった時にでも……。


敬具

2006年7月8日


ブノワ。
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by raindropsonroses | 2006-07-08 00:00 | 旅の栞。 | Comments(20)

プロの仕事。

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拝啓……Eちゃんへ。

その後、ご機嫌如何ですか。そろそろGWのウィーン行きが間近ですね。
Eちゃんの事です、準備万端、既に荷物もまとまっている事と思いますが、
卒業旅行から帰って来たら念願叶ってレストランへの就職。
色々と心配もあるだろうけど、きっと、あれもしたい、これもしたい
胸膨らませる事も沢山ある事でしょうね。僕としては何とも羨ましい限りです。

Eちゃんはお菓子の学校にも行ったくらいですから
将来の最終的な夢はパティシエかな。Eちゃんならセンスもいいし
きっと素晴しいパティシエになる事でしょう。陰ながら応援していますからね!

今回の旅行、ウィーンだけじゃなくて幾つもの街を回るそうですね。
美味しい物を沢山食べて、美術館を観て歩き、地元の人と触れて来ればいいです。
Eちゃんは写真が好きだから、沢山撮って来て僕にも見せて下さいね。
この前の餞別はね、美味しい物を沢山食べられるようにと思ってです。
お土産は一切要りません。もし、気持ちがあるんだったら絵葉書を一枚下さい。
それで充分、大事な旅行の時間をお土産探しで台無しにする事はありません。
それから、一つ、ヨーロッパで見て来るといい物があります。
それは、カフェやレストランの本物の接客の仕方です。
勿論、全部の店が素晴しい訳ではありません。中にはヒドい所もあります。
でもね、優れた接客って何物にも代え難いものなんです。
是非、それを、サービス業一年生のEちゃんに見て来て欲しいんです。

同封した写真は、去年の秋にパリに行った時に泊まったアパートのすぐ近く、
9区の ギャラリー・ラファイエットの間の道、rue de Mogadorを
入ってスグの右側にあるカフェです。非常に清潔なカフェで、
出掛ける際、朝なんかによくカフェを飲んだり簡単な朝食を摂ったり……。
結構、頻繁に使いましたが、後ろ姿の眼鏡のムッシュ、非常にプロなんですよ。
先ず感じがいいのは当たり前。目が合うと軽く微笑む加減も丁度良く
トイレに立った時や、帰る時には必ず一声かけて来ます。
それが何とも自然な感じなんです。日本のファミレスみたいな
マニュアル通りの、それもかなりいい加減でヒドいマニュアル君じゃなくって、
自然に自分の言葉が出て来る……だから、コワいのは人間性も出ちゃいますね。
その時々で、客に合わせて言葉を選ぶ事が出来る……なかなか難しいです。
自分が豊かな生き方をして来た人じゃないと絶対に出来ない事です。
沢山の引き出しの中から、お客、お客に合ったサービスをする……。

それから、前に友人のお父さまに連れて行って貰ったブラッセリーの給仕さん。
僕等5人がそれぞれに頼んだものをメモしながら、しかも、
しっかり、そのテーブルの「今日の金主さん」を意識し、顔を立てつつ、
一つ一つの注文に「それは美味しいですよ」とか「その組み合わせはトレ・ビアン」
「そう、ワインはそれが一番合いますね。さすが、素晴しい選択です」等々……。
別にニッコリとする訳ではないし、若くもないしハンサムでもない。
テキパキと進める作業の中にリズムと、微妙に客をいい気持ちにする
絶妙なテクニックが織り込まれているんです。

サービスに、決まりなんてないんですよ。
お客さんも千差万別、色々なお客がいますからね。
それに可能な限り合わせて最良のサービスをする……難しいですね、接客は。
Eちゃんもサービス業一年生です。本場の本物を体験して来るといいです。

帰って来たら御飯でもしましょうか。絵葉書、楽しみにしていますからね!
  

敬具

2006年4月25日


ブノワ。
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by raindropsonroses | 2006-04-25 00:00 | 旅の栞。 | Comments(24)

Jesus Waiting for Death。

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拝啓

Nさま、その後如何お過ごしでしょうか。
桜の花も終わり、これからは春の花、百花繚乱、いい季節になりますね。

さて、先日お尋ねがあった、僕が一番気に入っている旅の写真の件です。
丁度、プリントする用事がありましたので一緒に出しておきました。
どうですか、これは、パリのクリニュー・中世美術館の2階にあるキリスト像です。
確か、タイトルは「Jesus Waiting for Death」だったと思います。
あれ、フランス語だったかな?……まぁ、そんな感じ(笑)
ほぼ等身大の木彫像で、僕が非常に珍しいなぁと思ったのは、
絵画、彫刻、文学、音楽、全ての芸術の分野で、キリストの生涯、
受胎告知から昇天まで、夥しい数の芸術作品がある訳ですが、
こう言う、死を待つキリスト像って非常に珍しいと思うんです。
僕が持っているポケット判の画集、「Scenes de la vie du Christ」の中にも
受胎告知に始まり、誕生から聖母子像、ヨハネに寄る洗礼、東方三賢人の礼拝……、
キリストの秘跡、そして、ユダの裏切り、最後の晩餐から裁判
ゴルゴダの丘までの十字架を担いだ姿、磔刑、復活、昇天まで……。
キリストの生涯のあらゆる場面が絵画や彫刻として納められています。
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でも、この写真のキリスト像みたいな、不当な裁判で死罪を言い渡され
十字架を担いでゴルゴダの丘に上がる前、心穏やかに死を待つ瞬間、
その一瞬を捉えた作品は数が少ないと思うんです。
全てを悟り、愚か者も裏切り者も許したその安らぎに溢れる表情……。
一方、手首をキツく縛った縄、身体に無数についた傷、荊の冠とのコントラスト。
ただ、僕には、キリストが放心しているようにも見えるんです。
諦めた運命に放心しているよう……チョッと人間臭いキリストに見えます。

この写真はフィルムの一眼レフ・カメラで撮りました。
一目見て非常に気に入り、あれこれとアングルを考えたんですが、
フと、キリスト像の後ろの窓が目に入りました。
外は真夏の午後の光線で溢れ、木々の風にそよぐ音が聞こえていました。
ある構図を思い付き、周りには誰もいなかったので、しゃがんでみると、
何と、まるでキリストの背中に十字架があるよう……。
早速、這いつくばるようにして何枚か撮影してみました。
美術館の館員は、不思議そうな表情で僕の方を見ていましたっけ(笑)
きっと、キリストに跪いて祈っていると思ったのではないでしょうか。
デジタル・カメラならば、その場で確認出来ますが、
フィルム・カメラはそうは行きません。このキリスト像に物凄い親しみを持ち、
光線やアングルを計算しシャッターを押した訳ですが、
まさに思った通りに撮れた一枚なんです。
このように、思った通りに撮れる確率は非常に低いです。
いつもは現像してみてビックリ、自信満々の物がダメで
思わぬ一枚が良かったりする物ですが、これは僕のお気に入りです。

キリスト教のNさんの目には、何とも不届き物と映るかもしれませんが、
僕はキリスト教ではないけれど、キリスト教美術に興味があって
パリに行った時にはカメラを持って撮影して歩いたりします。
例えば、聖母子像も、時代や国によって全く表現方法が違って面白いです。
たとえ、聖母子への思いは一緒でも、これだけ違うのかと驚くほどです。

今日は確か、キリストが亡くなった日……違いますか?
このお気に入りの写真を大好きなNさんにプレゼントします。


敬具

2006年4月14日


ブノワ。


[Musee National du Moyen Age]
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by raindropsonroses | 2006-04-14 00:00 | 旅の栞。 | Comments(18)

旅先で花を買う贅沢。

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拝啓

Mちゃん、その後、如何お過ごしですか。
三寒四温とは良く言った物で、そんな寒暖の差の中で
少しずつ春に近付きつつあるようです。

今日は写真を整理していたら、懐かしい物が出て来ました。
新世紀を迎える2000年の暮れに一緒にパリに行った時の写真です。
まぁ、二人とも若かったですねぇ(笑)気持ちだけは変らない積りなんですが
二人とも、あれから確実に5歳は年を重ねたって言う訳です。
時の流れだけは万人に平等です。別に若く見える事が全てではないけど、
老け込むよりはいいものね……気持ちだけでも若くいたいものです。

新世紀の瞬間をパリで過ごす……これは5年前からの約束でした。
僕等、仲のいい親友4人で過ごす初めてのパリ!
随分と盛り上がった物ですね。生憎、天気には恵まれなかったけど、
美術館を歩いたり、買物をしたり、美味しい物を食べたり。
しかし、到着した日に食べたバスク料理は最悪だった(笑)
巨大なラム肉をオイルと豆で煮込んだ奴……あの大きさと匂いの凄い事!
Mちゃんは「あれはラムじゃなくてマトンよ!」って言い張っていました。
二人とも殆ど残しちゃいましたね……でも、あれは仕方ないです。
あそこのレストラン、無くなっちゃったんですよ!ビックリでしょう?

そうそう、二人で一緒に散歩している時に見付けた薔薇の木通りの薔薇専門店
あそこを覚えていますか?あの店も無くなってしまいました。
なかなか感じのいい店だったし、働いているお兄ちゃんも親切だったのに……。
あのお兄ちゃんね、あの後、僕がパリに行って店の前を通る度に
外まで出て来て挨拶してくれたんですよ。明るくて人懐っこい性格の彼、
いい仕事が見付かっているといいんですけどね。
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この写真は、借りていたアパートに飾るために一緒に買った薔薇の花束。
モノクロの方は店の中から通りを向いて撮ったもの。
カラーの方は、Mちゃんが、折角お土産に買った蝋燭に灯をともした物を
コンパクトカメラで撮った物です。殺風景だった部屋が、
蝋燭の炎と色とりどりの薔薇の花のお陰で暖かく華やかな物になりました。
旅先で自分のために花を買う贅沢は何とも言えない物がありますね。
新世紀を祝うためにわざわざ日本から持って行ったワインは、
飲み頃をとうに過ぎて激マズ状態、言葉もなかったけど(笑)
それもこれも今となっては懐かしい想い出です。
あんな時間は二度と共有出来ないですものね……。


敬具

2006年3月11日


ブノワ。
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by raindropsonroses | 2006-03-11 00:00 | 旅の栞。 | Comments(12)