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匂いのいい花束。ANNEXE。

カテゴリ:映画館へ行こう。( 43 )

仕事の質は、人生そのものの質……半沢直樹。

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このブログ、9年目を迎えてなんと1348もの記事を書いてきました。
薔薇のこと、旅の思い出、猫のこと、美味しいレストランのこと……。
美しいものに関するこのブログの一番人気のないジャンル(笑)
映画や演劇に関する記事(天井桟敷の人々)も、
自分なりに(苦心して書いただけあって)大層、気に入っているジャンルです。

さて、9年目を迎えて、この「天井桟敷の人々」に、
初めてテレビ・ドラマのことを書いてみたいと思います。
僕、テレビは全く見ませんからね……連続ドラマはもっとです。
マメマメしく毎週〜テレビの前に陣取ったのは、
遡れば山口百恵の「赤いシリーズ」以来じゃないでしょうか……古い?(笑)

ある日曜の午後、映画を観て帰宅し、
偶然にスイッチを入れた画面に、あるドラマの初回の放送分が流れていました。
タイトルは「半沢直樹」。
簡単な昼ご飯を用意し、見るとはなしに眺めているうちにハマっちゃったんです(笑)
その放送は前の週に放映された第一回目の再放送、
その晩に放映される第二回を盛り上げるためのものでした。


主人公の半沢直樹の口グセ、キメ台詞……。
面白いの……死んだ母の口癖を思い出しちゃったんです。

 「お前、やられたら倍にしてやり返しな!」

これ、死んだ母が良く僕に言った台詞。
半沢直樹のキメ台詞に似ていますよね。
別に鬼のような母じゃなかったし、
決して攻撃的でもないしスパルタな人でもありませんでした。
母は曲がったことが大嫌いで真直ぐな人、面倒見が良くて優しい人でした。
主人公、半沢直樹の性格に似ている?
チョッと気に入っちゃったので珍しくその晩の第2回放送を見て……もうドップリね。

ドラマの魅力は何でしょうね。
半沢直樹がダメな上司や会社の体制、規則に反抗してまで、
己の信条を貫くところ?ギリギリまで追い詰められても決して諦めず、
最後まで全力を尽くす姿勢に心打たれるのかな?
ダメ上司、強烈にイヤな上司がやり込められるシーンに流咽を下げる人もいる?

 「正しいことを正しいといえること。」

と、原作にあるように、皆、半沢直樹の生きざまに共感するんでしょうね。


そのどれも当たっているのだと思うけど、
僕はいかにもテレビ的なクローズアップの多様と、
それに負けない役者陣の「顔の演技」が気に入っちゃったの(笑)
浮世絵の「大首絵」のように、画面からはみ出さんばかりのクローズアップ。
クローズアップは舞台にはない映画やテレビ独特の技法。
でも、テレビでこれだけ派手派手しく大仰にやるのは珍しいです。
香川照之なんて凄いものね(笑)この方、本当は人のいい優しい顔つきなんだけど、
悪辣な常務取締役以外の何者にも見えない(笑)
以前、和歌山毒カレー事件の時に、 僕が尊敬するイラストレーターの
山藤章二が当時の容疑者の顔を見て、

 「この善人顔の女性が犯人だったら、
  顔に性格が出ると言う考え方を根本から変えなければならない。」

と言うような意味のことを言っていたのをフと思い出します。
奥歯に力を入れ、耳を動かすだけで一瞬の気持ちの変化を表現する香川照之に脱帽。
金融庁の黒崎を演じるラブリンの愛称で親しまれる、
片岡愛之助のオネエっぷりも凄い(笑)怪演ですね。
大仰な顔の演技は恐るべし歌舞伎役者たち!
主役の堺雅人も大変に好演だけど、特に脇を固める共演陣が素晴らしいです。
悪役も小悪党も嫌味な上司も半沢の友人たちも……皆、魅力的に描かれているのも大きいです。
特に悪者!上司に媚へつらい上におべっか下に意地悪く厳しい連中の魅力的なこと!(笑)

舞台を中心に活躍する役者が沢山出ていたのも嬉しいし、
新しい役者を沢山知る切っ掛けになったドラマでもあります。
皆さん、大芝居、小芝居、持ってるテクニックを存分に発揮出来て楽しかったんじゃないかな。

最終回が昨日放映されました……なんだか淋しくなります。

今、カバンの中に「半沢直樹」の原作の「オレたちバブル入行組」と、
「オレたち花のバブル組」「ロスジェネの逆襲」が入っています。
いい台詞が盛り沢山です。

 「仕事の質は、人生そのものの質に直結しますから」

肝に命じました。


今日の写真は随分前にパリはオルセー美術館で取った1枚。
このころはデジタルカメラなんてなかったから、
フィルム1眼レフと予備のフィルム持って歩き回っていたなぁ……。
出世、出世……人事に戦々恐々とし、1つしくじれば片道切符の出向。
上るだけ上らされて梯子を外される生き馬の目を射抜く世界。
激しい椅子取りゲームを繰り広げるサラリーマンの悲哀。
続編……出来るでしょうか。出来ますよねぇ……。
あのラストシーンはスグに新シリーズ作る気満々の終わり方。
原作、素晴らしいし、テレビ局ってえげつないですから(笑)
それにしても土下座や謝罪シーンが多いドラマだったなぁ……。


2013年9月23日


ブノワ。


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映画の日にロードショウの梯子よン。

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な、な、な、なんと!5月は1本も映画を観ませんでした(苦笑)
テレビがそのままスクリーンになっただけの邦画や、
あまり観たいと思う作品がなかったこともあるけれど、
やっぱり5月の最優先課題は薔薇だから……ね?そうですよね?
でも映画を長いこと観ていないと禁断症状が出てきます。無性に暗やみに座りたくなる(笑)
6月1日……大ぁ〜い変!映画の日じゃん!……ってな訳で、
ロードショウの梯子をして参りました(笑)
今日はそんなこんな映画に関するお話をチョッと……。
この日、観たのは朝一番で「オブリビオン」45分開けて「グランド・マスター」でした。


「オブリビオン」……全く観る気はなかったんですが、映画の日だものね(笑)
僕、トム・クルーズには全く興味がありません。ただ、エライと思うのね。
前にもチョッと書いたけれど、50才の坂を越して若々しく背筋がピィ〜んと伸びて、
容色だって衰えていない……エライと思うの。スターだなぁって。
ちょっと無理しちゃってる?そんな風に思う時もあるのだけれど……。
ハリウッドのスターって見られてナンボ、有り余る金も時間もあって、
美容には最新の技術でもって臨んでいるのに、
どうして皆、あんなに早くにボロボロになっちゃうの?
しっかりメイクしている映画やスチール写真の時はいいのだけれど、
コワいのはパーティーの時なんかにフラッシュ焚かれて撮られちゃうこと。
鼻に入れたプラスチックや整形の痕跡がバッチリ写っちゃう(笑)
整形手術はやっても無駄。だって人の皮膚が木材や金属じゃないんだもの。
修復した基本の下地(肌)支持体(骨)が崩れたらその上にくっつけたものは?
考えれば分かるのに……仕方ないですよね。
この辺の整形手術の楽しいお話は次回に取って置いて(笑)
兎に角、トム・クルーズはスターの鏡と思うブノワ。さん、
「オブリビオン」楽しんできました。ありがちな近未来ものだけど、
お話の辻褄も合うし、オルガ・キュリレンコ……女優も綺麗で好みだったし……。
ただ、トム・クルーズって何を演じてもトム・クルーズ……一緒なのね。
まぁ、そこがスターたる所以でもあるのだけど……。

だけど「タップス」の時に主役だったのは彗星の如く登場したティモシー・ハットン。
誰が脇でコロコロしていたトム・クルーズの方が売れると思いました?
「トップガン」で一番最初にオファーされたのは才能豊かで女性ファンが多いマシュー・モディン。
彼が下りてトムが配役され、ここまで大スターになるなんて……。
映画界の運、不運って本当によく分かりません。


お次、ウォン・カーウェイの「グランド・マスター」……これ宣伝ヘタクソ!
担当者は宣伝の一から勉強し直した方がいいです。
あれじゃ、引退するクンフー・マスターの跡目争いで、
トニー・レオン、チャン・ツィイー、チャン・チェンが争うように見えるじゃない。
宣伝に偽りあり。ウォン・カーウァイの作品のテーマ……これは初期の作品から一貫して、

 「スレ違う恋人たち」

これなんですよ!切なくも思いを遂げられなかった恋人たちの物語……。
これを売らなくてどうするの!(笑)予告だけだったら何の食指も動かなかったし、
映画の日でもなければ観に行ってなかったと思います。

全編、これスローモーションの映像……90%以上か?(笑)
その是非は兎も角として、僕は非常に楽しんだのね。
チャン・ツィイーがトニー・レオンに一目惚れした次のシーンから薄ら化粧をしたりね(笑)
とても分かり易くウォン・カーウァイのテーマも見事に再現されていたし……。
疑問もあります。大好きなチャン・チェンの「カミソリ」は一体全体、物語にどう絡んだの?
あれじゃスレ違いすぎ!(苦笑)お話がバラバラじゃない?耄碌したかウォン・カーウァイ?
「欲望の翼」「天使の涙」「恋する惑星」「ブエノスアイレス」「楽園の瑕」、
そして傑作の「花様年華」……あの頃は良かったですよねぇ。
特に「花様年華」のラストの虚しさと哀しさ。あの作品にはスタイルと美学がある!
「グランド・マスター」……映像は綺麗だけど、
どこぞの歌手のミュージック・ビデオかプロモーション・ビデオ的なニュアンスも……。
観終わった後に一体何が残る?甚だ疑問な部分もあるのですが……。
久しぶりにウォン・カーウァイのスレ違う恋人たちの世界を堪能。
ただ、残念だけど監督としてのピークは過ぎたかな?


さて、チョッと時間が出来たので、観てきました「新・午前10時の映画祭」
作品は往年のハリウッドの大メロドラマ「慕情」です。
まさかね、何度も何度も子供の頃にテレビの洋画劇場で見た作品をスクリーンで観るとは!
僕、ウィリアム・ホールデン好きなんです。
何か凄くまっとうな感じがするの。目を見張るハンサムじゃないし、
ハリウッドの歴史に燦然と輝く……って言うほどでもないのだけれど、
普通のアメリカ人、アメリカ人の良心を演じられる人だって。
「サンセット大通り」「悲愁」「タワーリング・インフェルノ」……好きな作品ばかり。
一方のジェニファー・ジョーンズ……。
今やジェニファーと言えば、ロペスでもなくガーナーでもなくアニストンでもなく、
本年度アカデミー賞を見事受賞したジェニファー・ローレンスなのだけど、
ハリウッド全盛時に一時代を築いたジェニファー・ジョーンズ。
因みにアカデミー賞は5回ノミネート(慕情でも)1回受賞しています。
小学校の頃の同級生の女の子がジェニファー・ジョーンズが好きでねぇ……。
僕はソフィア・ローレン・ラブだったからいつも大喧嘩!(笑)
「慕情」も勿論、喧嘩の種になりました。

 「ジェニファー・ジョーンズ……全然、中国人に見えない!」と、僕。
 「いいの!あれはイギリス人とのハーフの設定なんだから!」と、彼女。
 「ジェニファー・ジョーンズって顎がない!」と、僕。
 「何よ!口と胸がデカけりゃぁいいってもんじゃないわ!」と、彼女。

懐かしいなぁ……彼女、元気にしているかな?
ジェニファー・ジョーンズは美術品の収集でも有名でした。
ヘンリー・フォンダが晩年にチャリティーのために描いた油絵「熟れる」。
これは窓辺に置かれたトマトを細密描写したものなのですが、
23000ドルで落札したのは彼女とノートン・サイモン夫妻でした。

「慕情」……物語は今ならチョットどうかと思うメロドラマだけれど、
当時はあんなものだったんでしょうね……。
CGなんて勿論なく、スクリーンプロセスと言う俳優と背景を合成する技術のみ。

 「♪ Love is a many-splendored thing……。」

当時の映画は必ずと言ってほど美しいメロディの主題歌(テーマ音楽)がありました。
70年代までかな、その後は映画音楽の流れも変わっちゃいましたね。
「新・午前10時の映画祭」……1000円だったらいいですよね?
チョッと上映リストをチェックしてみようかな?

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今日の写真は2007年の3月に訪れたニューヨークのエンパイヤ・ステート・ビルディング。
このビルは美しいですね……あまり言われませんが、アール・デコの意匠を持っています。
何だか懐かしいのは、この頃って普通にフィルムで撮っていたんですよねぇ……。
エンパイヤ・ステート・ビルディングは、キング・コングがよじ登り、「サンダーバード」では、
再開発のためにビルごと移動、そして倒壊……映画史に燦然たる足跡を残しています。

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「オブリビオン」の2人はこの展望台の望遠鏡の前でラブシーンでしたね。


2013年6月20日


ブノワ。


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ソックリの系譜。

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怒濤のような年度末が終わり、無事生還しました(笑)
ホッと一息、チョッと空いた時間を利用して「ヒッチコック」を観てきました。
アンソニー・ホプキンスがヒッチコックになり切って……と、随分、話題になっていましたね。
ヒッチコックの最高傑作と評判の高い「サイコ」の制作秘話。
映画ファンにとってはなかなか興味深い作品でしたし、
映画の途中から、全然、似ていないと思っていたアンソニー・ホプキンスと、
ヒッチコックが見事にダブり、役者魂と演技の魔力に感心したり……。


今日はそんなこんな、実在の人物を演じた映画についてあれこれをチョッと……。
ここ数年、特にこの10年間のアカデミー賞を振り返ってみると、
実在の人物を描いた作品が大人気、しかも、華々しい成果を出しています。
チョッと思い出しただけでも物凄い数の実績があります。
本年度アカデミー賞主演男優賞を見事獲得した、ダニエル・デイ=ルイスの「リンカーン」。
昨年度アカデミー賞主演女優賞のメリル・ストリープの「マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙」。
他にざっと思い付くだけでも、
2010年、ジョージ6世を演ったコリン・ファースの「英国王のスピーチ」、
2008年、ハーベイ・ミルクを演じたショーン・ペンの「ミルク」、
2007年、エディット・ピアフを演じたマリオン・コティヤールの「ピアフ」、
2006年、エリザベス女王を演じたヘレン・ミレンの「クィーン」、
2005年、トルーマン・カポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの「カポーティ」、
2004年は、主演男優賞がレイ・チャールズを演じたジェイミー・フォックスの「レイ」、
助演女優賞が、「アヴィエーター」でキャサリン・ヘプバーンを演じたケイト・ブランシェット。
2002年、ヴァージニア・ウルフを演じたニコール・キッドマンの「めぐりあう時間たち」……。

これってチョッと凄いですよね。主演、助演、各男優賞と女優賞がありますから、
約10年間で40の賞の内、1/4の10人が実在の人物を演じて見事、賞を獲得しています。
この他、受賞こそなりませんでしたが、「マリリン 7日間の恋」の、
ミシェル・ウィリアムズなどを含めると、もっと大変なことになります。
その昔、アカデミーは、アル中と精神的に問題がある役が好きと言われましたが、
今ではそこに「実在の人物」が加わった感があります。


では何故、実在の役、ソックリさんに皆がこれだけ興味を持つのか?
なかなか興味深いものがあります。自分が知っている有名人に、
演じる役者がどれだけ似せられるかを楽しむのでしょうか。
それとも、過去の偉人、有名人を役者が演じるのを見る事によって、
自分もその時代を生きる擬似体験をすることが出来るからでしょうか……。
または有名人の人生を覗き見出来る?なかなか面白い問題だと思います。

こうしてザッと書き連ねた作品と実在の人物、演じた役者を眺めてみると、
チョッとした共通点を見る事が出来ます。皆、それ程、外見が似ていないのです。
現代の特殊メイクやコンピューター・グラフィックの技術からすると、
もう少し似せてもいいようなものなんですが、程々に、50%くらいで収めている感じがします。
外見的には、皆、髪の色や髪型、必要最小限の似せ方しかしていない。
勿論、今をときめく大スターが演じることが多いですから、
あまりにに過ぎて誰だか分からなくなっては元も子もないのですが……。
残りの50%は演じる役者の力量任せ……そんな感じでしょうか。
全く同じに作ってしまうと映画化する本来の目的を見失ってしまうのでしょう。
所謂、どこまでにせられるかのソックリ大会ではありませんからね。

先日、鉄の女と言われたマーガレット・サッチャーが亡くなりました。
マーガレット・サッチャーを演じたメリル・ストリープの写真が初めて公開された時、
見た人々は口を揃えて「ソックリ!」と膝を打ちましたが、
良く見るとそれ程でもないんですね……兎に角、メリル・ストリープが綺麗!
パンフレットの写真、ご覧になりましたか?どの写真も物凄く綺麗なの。
メイクも髪型ももっと似せることが出来るハズなのに、
程々に押さえて役者の技量を発揮する余地を残しておく……。
あくまでもメリル・ストリープのマーガレット・サッチャー。
その辺のバランス感覚も含めて、去年度のメイクアップ賞の受賞につがったのではないかと思います。
同じく、去年主演女優賞にノミネートされたミシェル・ウィリアムスのマリリン・モンロー。
金髪にしてホクロを付けて……それくらいなんですね。
特にソックリにするための技巧を感じさせません。
ナチュラルでガラス細工のように傷付きやすいマリリンを、
ミシェル・ウィリアムズが好演していました。

ケイト・ブランシェットのキャサリン・ペプバーンは特に何もしていないように見えました。
背が高くて痩せ形で……その柄と、ハッキリした快活な台詞回し、
ヘプバーンの作品に見る彼女のイメージを再現したブランシェットの見事な演技。
何もソックリに仕立てることが全てではないことを実証しています。
要は、その人物に見えればいいのです。

リストアップした映画の中で、作品的には「めぐりあう時間たち」がダントツで面白かったです。
ヴァージニア・ウルフを題材に、違う時代、世界に生きる女性3人の物語り。
一ひねりも二ひねりもきいていて、しかも、それぞれの時代感が見事。
付け鼻をしたニコール・キッドマンがなかなかいい味を出していました。

「ヒッチコック」に話しを戻すと、
先程、書いた「覗き見」……これってヒッチコックの作品の重要な要素なんです。
彼の作品の殆どが「覗き見」を基調としています。今回の「ヒッチコック」でも、
そんなヒッチコック自身の覗き趣味の映像がふんだんに盛り込まれています。
役作りにおいて「おぉ!」と思わず身を乗り出したのは、
アンソニー・パーキンスを演じたジェームズ・ダーシーです。
いやぁ、雰囲気といい身のこなしといいチョッとビックリしちゃいました。
映画史上、最も一つの役に取り憑かれてしまったアンソニー・パーキンスを好演。
作品的には、チョッと物足りなかったかなぁ……。
劇中に「サイコ」のモデルになったと言われる殺人鬼が出て来ます。
エド・ゲイン……ヒッチコックは幻想の中で殺人鬼と対話し、
殺人鬼にヒントを貰い、促されるかのように「サイコ」を作ります。
僕、こういうの好きじゃないんですよ……「ブラック・スワン」の時もそうでした。
黒鳥の強迫観念に取り憑かれたバレリーナの妄想をCGを駆使して実写で挿入する……。
その部分がなかったら手放しでナタリー・ポートマンの主演女優賞を褒めたいのですが……。
「ヒッチコック」……アンソニー・パーキンスとヘレン・ミレン、
この2人が出ていなかったら、パンチの効かない、
ごくごく平凡な2流の作品になっていたのではないでしょうか。
ハッキリ言っちゃうと……今一でございました(笑)

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今日の写真は数年前、パリで撮影した1枚。
唐揚げで有名な「韓林」で食事の後、プラプラ坂道を下っている時に発見!
パリの街、特に横道はこういう落書きがあるので楽しいです。
いつかブログで使う事もあるかも……そう思って撮った1枚です(笑)
落書きとは言え……既にアートの域ですね。


2013年4月14日


ブノワ。


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アンナ・カレーニナ。

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 「トルストイは女を分かっちゃいないわ!」

吐き捨てるように言い放ったのは、車椅子に乗り、
真夏だというのにヒーターに囲まれて豪奢な孤島の別荘で、
伝説の女優フェドーラと暮らすソブリヤンスキー伯爵夫人。
1978年制作、ビリー・ワイルダー監督作品「悲愁」の中の数ある名台詞の内の一つです。

尾羽打ち枯らした映画のプロデューサー、バリー・デトワイラーが、
引退してギリシャの孤島に隠遁している、往年の大女優フェドーラを尋ねて来ます。
何十年も前の昔の一夜のアバンチュールのよしみで、
フェドーラに出演して貰い、一発再起をかけようというのです。
ガードが固く、なかなかフェドーラに会えないバリー、
漸くフェドーラと再会したバリーが知る驚愕の真実と、
映画界の光と闇、名声と美貌に執着する大女優フェドーラの悲しみ……。

幾つもの名台詞が散りばめられ、
女性の心理の裏をかく手袋を使った素晴らしいトリックなど、
全盛時のぐいぐい観客を引っ張るパワーと迫力はないけれど、
ストーリー・テラー、ビリー・ワイルダー面目躍如。
ハリウッドの内幕を描いた「サンセット大通り」と並ぶ、
ワイルダー晩年の渾身の傑作です。

件の台詞は、バリーが漸く自分の脚本をフェドーラに渡すことに成功したのも束の間、
脚本はフェドーラの取り巻きの伯爵夫人に取り上げられてしまいます。
その伯爵夫人に島に呼び付けられ、クソ味噌に脚本の出来を貶されるシーンで、
伯爵夫人が嫌味タップリに言い放ちます。


トルストイは女心を分かっていない。
女が自分の美貌を傷付けるような死に方を選ぶハズがない、
列車に身を投げるハズがないと確信を持って言い放ちます。
バリーの脚本「Snows of Yesteryear」の元は、
トルストイの「アンナ・カレーニナ」だったのです。

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最新の「アンナ・カレーニナ」……観て参りました。
ブノワ。さん大の苦手なキーラ・ナイトレイ主演です。
どうしようかと思いましたが、 近所のシネコンは春休み仕様で、
ガキ相手のアニメとテレビドラマに毛が生えたような映画しかやっていません(苦笑)
チョッと調べたら大好きなジュード・ロウが出ているし、
今年度のアカデミー賞で衣裳デザイン賞も獲っているし……。

衣裳は思った通り素晴らしかったですが、いかんせん、モデルが悪い。
人生、是、全て舞台と言わんばかりの、演劇を意識した趣向を凝らした作り方……。
なかなか楽しめましたが、 ハッキリ言って、やっぱりダメだわ……キーラ・ナイトレイ。
彼女、笑顔が卑屈なのね。優雅じゃない。どの作品の演技も一緒に見える。
少なくとも帝政ロシアに生きた女性、社交界の花には見えないの……。
彼女の個性に合った作品も幾つかありますけどね。
「つぐない」とか「わたしを離さないで」とか。
イヤだイヤだと言いながら、結構、観ている(苦笑)「パイレーツ」シリーズ、
「プライドと偏見」「キング・アーサー」「ラブ・アクチュアリー」……。
でも、アンナ・カレーニナねぇ……チョッと無理じゃないかい?
その昔はガルボやヴィヴィアン・リー、ジャクリーン・ビセットだよ。
巻き髪を結い上げたヘアスタイルもただのグシャグシャの鳥の巣頭に見える(笑)
ジュード・ロウも何もあそこまでヘアスタイルを凝ることないのに。
今回も達者は分かっているんだけど、彼にはもっと華やかな役をやって欲しいなぁ。
ジュード・ロウがヴロンスキーを演ればいいのにね。まだまだイケるのに。数年前なら確実か?
エマニュエル・ベアールに似ているアーロン・テイラー・ジョンソンは、
先日の「アルバート氏の人生」に続く登場。
前作でのアイルランド訛りを駆使した野卑な上昇指向の青年から一転して、
今度は財産持ちのプレイボーイの将校役。
髪を黒髪から金髪に染め、なかなかの力演でした。

かのソフィア・ローレンが今でも心残りだと悔やんでいるのは、
この「アンナ・カレーニナ」と「バージニア・ウルフなんかこわくない」、
生涯、望んでも望んでも演じられなかったことだそう……。


最新の「アンナ・カレーニナ」より、
それを題材にした映画の方が語れるって……やっぱり好きなのね、「悲愁」が。
「アンナ・カレーニナ」の舞踏会のシーンを撮影しているところとか映るし。

 「伝説は続けられなければいけません。」

 「あご髭のガキどもがズームレンズを付けたハンディカメラで映画を撮っている。
  彼等は脚本を必要としないのさ。」

とか、当時の新進気鋭のスピルバーグやコッポラ、ルーカスを揶揄したワイルダーの映画感。
映画に対する愛情がたっぷり染み込んでいるからかなぁ……。
「劇場」という枠を借りて作られた今回の「アンナ・カレーニナ」。
「映画界」という虚構の世界の光と闇を描いた「悲愁」……。
この辺がどうやら僕のツボのようです(笑)


2013年4月3日


ブノワ。


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自らの禁を破って……。

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 「自らの禁を破って……。」

この言葉は、去年、僕がある作家に特別に、
オリジナルの作品制作をお願いした時のやり取りのメールの中に出て来た言葉です。
幾つか試作品を送って下さいました。僕はそれで大満足だったのですが、
ご本人はどうも気に入らないらしく、満足行く作品が出来るよう、
常日頃、習慣になっている作り方を止め、特別なやり方で製作して下さいました。
その時の言葉が「自らの禁を破って……。」だったんです。
僕、凄く気に入っちゃったのね……自らの禁を破って、自らの禁を破って……。

ハァ、なんて素敵な言葉なんだろう……。

三島由紀夫の大傑作戯曲「鹿鳴館」の中で、
影山朝子は自らの禁を破って鹿鳴館の夜会に出席します。
芸妓上がりの身、二度と、決して公の場には出るまい……。
自らに課した決まりごと、その禁を破って夜会に出たのです。
愛する男のため、幼くして手放した愛おしい息子のために。
愛する男とは、現在の夫ではなく、その昔愛し合った清原永之輔、
自由民権運動の党首で、その夜、影山伯爵を討つために鹿鳴館に乱入する計画だったのです。
その晩の夜会は夫の影山伯爵が開催する夜会でした。
その夜会に、妻が出席するということは、すなわち、妻、影山朝子の夜会になると言うこと。
その朝子の主催の夜会に愛する男が引きいる壮士の乱入はない……。
女主人の自分の顔に泥は塗るまい……朝子はそう踏んだのです。
だけど壮士の乱入はあった……そこは策略家の影山伯爵の謀です。
物語りは一気に佳境に入ります。そして一発の銃声……。

自らの禁を破る事は、決心のいる一大事なのです。



僕もチョッとだけ自らの禁を破ってみました(笑)
僕の禁とは、自宅では、ビデオ、DVD、テレビ……。
いかなる方法でも映画館以外では映画を観ないと言うもの。
映画は映画館で!常日頃そう思って行動していますが、
家で映画を観ない最大の理由は、気が散ること夥しいからです。
豪華なホームシアターの設備がある訳じゃありません。
もし観るとしたらパソコンにDVDを入れて再生する方法しかありません。
猫が来ます、トイレに行きたくなります、咽が渇きます……全く落ち着きません。
だから映画は映画館で、気合いを入れて一気に観たい……そう思うのです。

僕が禁を破った理由は、昨秋に観た「ハンガー・ゲーム」で、
カットニス・エバディーンを演じたジェニファー・ローレンスにぞっこんになったから。
彼女はいいです。弱冠23歳のごくごく普通の女の子なんですが、
圧倒的な存在感と演技力。作品ごとに全く異なる容姿。久し振りに出て来た正統派っていう感じです。
やや少女らしさが残る丸みを帯びた顔付きは、カメラに愛されるべく頬骨が高いです。
その彼女の過去の作品「あの日、欲望の大地で」と「ウィンターズ・ボーン」。
何となくロードショーを逃し、名画座でも時間が合わなくてスルーしてしまった……。
インターネットでDVDを買い、届いたその日に一気に観てしまいました。
ハイ、一気に2本(笑)そんなこと今までに決してあり得なかった(笑)
家でDVDを観る、一気に2本連続で……それだけ気に入っちゃったのね。

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皆さんは何を基準に映画を見ますか?
好きな監督?それともアメリカ映画とかフランス映画とかの国別?
それともジャンル別?憧れのハンサムな俳優さん?

僕は女優で映画を観ます。
これは小さい頃にソフィア・ローレンに憧れて以来、
バーグマン、リズ、ダナウェイ、ランプリング、マンガーノ……。
そして今、最愛のメリル・ストリープやケイト・ブランシェット、
最近のお気に入りのエミリー・ブラント、それから未来の大女優、ジェニファー・ローレンス!
監督なんて二の次三の次(笑)勿論、才能ある監督の作品ならもっともっと彼女たちが輝くし、
出来れば好きな男優と共演ならさらにいいのだけれど、兎に角、映画は女優です!銀幕の華は女優!
日本の芸能界みたいに、才能もないのにゴジャゴジャいるタレントよろしく、
海外の映画界にも沢山いますね、ゴシップ欄を賑わすパパラッチ女優。
ロクに演技も出来ないのに本業以外でニュース欄を騒がす女優。
僕が好きな女優はその辺とは全く無関係、正統派でございます(笑)

その麗しのジェニファー・ローレンスが見事今年のアカデミー賞の、
主演女優賞を獲得しました!勿論、「世界でひとつのプレイブック」は2日目に観ました。
その感想などはまた日を改めて書いてみたいと思います。


2013年3月2日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2013-03-02 00:00 | 映画館へ行こう。 | Comments(8)

ある日突然に……。

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年末年始にかけて沢山の映画、舞台を観ました。
忙しければ忙しいほど、マメマメしく劇場に足を運びます。
素晴らしい感動や新しい発見が明日への活力になりますからね……。

今日は師走から新年に観た映画の話を少々……。
批評ではありません、雑感&映画にまつわるあれこれね(笑)
取り上げる作品は、「ホビット 思いがけない冒険」「もうひとりのシェイクスピア」
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」「レ・ミゼラブル」……大作揃いです。

それぞれにある共通点があります。
その共通点とは……「ある日突然に……。」です。



先ずは「ホビット 思いがけない冒険」から。
僕ね「ロード・オブ・リング」3部作は全部観ています。
3作品楽しんだけれど、オールナイト一挙上映はチョッと尻込みする程度のファン(笑)
トルーキンの原作は読んでいませんが、鳴り物入りでの公開、取り敢えず……、
で、「ホビット」を観に行きましたが、なかなかだったかな。

ある日、突然、魔法使いのガンダルフがビルボの所にやって来るのね(笑)
それから跡を追うように続々と旅の仲間たちがやって来る。
乱れるビルボの平和な生活、 訳が分からぬまま旅に出るビルボ……。
誘った友人は「ロード・オブ・リング、観ていないから……。」そう言って断る人が多かったです。
でも「ホビット」観てから「ロード・オブ・リング」観ても話が繋がるじゃない?
結局、ゴラムと指輪が出てきてから断然、緊張感が出てきて面白くなりました。
しかし、ガラドリエル役のケイト・ブランシェットの美しいことと来たら!
もう全身の毛が総毛立つくらい美しいの。この方、ボッティチェリのビーナスの誕生ですね。
作品的には3部作と言うことで、まだまだ海のものとも山のものとも分からないけど、
「スターウォーズ」シリーズは全6本の内で公開2作目の、
「帝国の逆襲」が一番出来が良かったものね。 残り2本に期待しましょう。



次は「もうひとりのシェイクスピア」
久しぶりに日比谷に行きました。何年ぶり?
僕等、映画、演劇好きには最も馴染みが深い作家がウィリアム・シェイクスピアです。
世界中で彼の作品が上演されていない日はない……とまで言われる人気作家。
勿論、薔薇愛好家にとっても特別な作家です。
数えきれない程の薔薇がシェイクスピアの戯曲やソネットから名付けられています。
シェイクスピアは謎が多い作家です。不明な点が非常に多いです。
年譜に空白の時期があること。手書きの原稿が一切見つかっていないこと(これミステリアスね)……等々。
ただ、この点に付いては、シェイクスピアに限らず
この時代、他の誰に付いても言えることなので、
それだけシェイクスピアが世界中で愛読され注目されている証拠です。
シェイクスピア別人説もまことしやかに囁かれています。
そんな中の一人、第17代オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアーに焦点を当て、
もう一つのシェイクスピアの物語を紡いだのが「もうひとりのシェイクスピア」です。

ある日突然、ヴィクトリア朝のロンドンの演劇界に彗星のように現われたシェイクスピア。
文字は読めるけれど書くことが出来ない一役者のシェイクスピア。
次々にヒット作品を連発し、アッと言う間に時代の寵児になって行きます。
王位を巡っての愛憎、陰謀渦巻くヴィクトリア朝イングランドを舞台に繰り広げられる、
もう一つのシェイクスピアの物語。 全体の半分くらいまでは人物関係が分かりにくかったかな。
過去、現在、時代を縦横無尽に描くのと、時代によって同じ人物でダブルキャストでしたから。
だけどコスチューム・プレイってどうしてこんなに魅力的なんでしょう?


次は大好きな監督、アン・リーの「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」です。
パイはある日突然、動物を売り払い、動物園を閉園して動物を売り払い、カナダに移住すると父に告げられます。
しかもまたまた突然の嵐で船が難破。救命ボートでシマウマ、ハイエナ、オランウータン、
それから泳いできたベンガルトラと漂流することになります。
少年パイが折れそうな心を奮い立たせ、知恵を絞って生き抜いた227日、
数々の綴られたエピソード、寓話から学ぶことは、人生、決して諦めず……と言うことでしょうか。
最後にパイの口から語られるもう一つの驚愕のストーリー。
これが真実の「ライフ・オブ・パイ」なのね。 嘘も信じて繰り返し語っていれば真実になる……。
これもこの映画から学ぶ一つの教訓。
「もうひとりのシェイクスピア」でシェイクスピアを演ったレイフ・スポール。
パイの物語を聞くカナダ人ライター役で出ていましたが、
驚愕の別人ぶり……これ真面目に凄い(笑)本当にあちらの役者恐るべしです。



最後は「レ・ミゼラブル」……ミュージカルの金字塔なんだそうです。
僕、ダメなんですよねぇ……ミュージカル(笑)
学生の頃、名画座で「シェルブールの雨傘」観て引っ繰り返っちゃった(笑)
台詞が全編、歌、歌、歌……「ウエストサイド物語」なんて全然いいと思わないの(笑)
劇団四季なんて絶対に観に行かない。死んでも行かない。
ミュージカルでも好きな作品はあります。「サウンド・オブ・ミュージック」とか、
「ダウンタウン物語」「ムーランルージュ」とかね……。
「サウンド・オブ・ミュージック」は歌に至る必然があります。劇中で歌うことに無理がないの。
「レ・ミゼラブル」の舞台版は勿論、観ていません。元々、舞台のミュージカルって興味ないし。
唯一、若かりし頃に友人に誘われて劇団四季の「キャッツ」の初演を観たのみ(笑)
芝居好きの知り合い(ブノワ。さん、こいつのこと大嫌いだった!)
そいつが「レミゼ」って省略して得意げに話すのもイヤだった(笑)
ミュージカル苦手な人の殆どがそうなように、いきなり歌いだす不自然さ。
僕もそれがダメで、今回もドキドキしながら劇場に行きました。

 「Look down, look down don't look 'em in the eye.
  Look down, look down, You're here until you die」……あぁ、やっぱり!(笑)

いきなり囚人たちの力強い歌から始まります。
ダンスシーンはほぼゼロ。良く出来ていると思います。楽しかったですよ。
マリウスとエポニーヌのホロリとするシーンもあったし……。
愛や恋は成就すると詰まりませんね。悲しい結末の方がより美しく昇華する(笑)
「レ・ミゼラブル」の突然は、盗んだたった1つのパンで突然、牢獄に繋がれ、
改心した後に突然コゼットを引き取ることになった実り多き男の物語り。
映画版のために新しく「Suddenly」も書き下ろされました。
実は先日、友人2人と2度目の鑑賞をしてきました。だから詰まらなかった訳じゃないの。
なかなか気に入ったから友人にも観て欲しかった……もうね、2人ともボーボーでした(笑)
ツボにハマる箇所はそれぞれだけど、あんなに泣くんだ…….。
例によって泣かないブノワ。さんは鬼畜扱い(笑)血も涙もない人非人なんだそうです。

良く出来たキャスティングは数年前のアカデミー賞、
ヒュー・ジャックマンが歌って踊って司会をしたあの年、
主演女優賞にノミネートされ、最前列のアン・ハサウェイを突然、舞台に上げ、
二人で素晴らしい歌声を披露した時に現実味を帯びたんじゃないかな?そう思います。
あの時、シャーリー・マクレーンがアン・ハサウェイを紹介しながら、

 「素晴らしい歌声よ。歌い続けなさい。」と激励したのが忘れられません。

デビューの頃「ヤング・イーストウッド」と言われたヒュー・ジャックマン。
今、そんなことを言う人は一人もいませんね。
いい役者になりました。堂々たる体躯に長い足……これからが楽しみです。
エディ・レドメインの豊かな歌声、テナルディ夫妻を演った2人に俳優の達者振り。
ラッセル・クロウのジャヴェールの自殺が唯一不可解ではありますが……。
彼ってこれ以上太るとキャシー・ベイツに瓜二つになっちゃう(笑)

実は2回目の鑑賞に大きく心動かされたのは、
この4月から3ヵ月間のロングランをする帝国劇場の「レ・ミゼラブル」に、
親友が招待してくれるって言うんです。だから見比べる上でももう1回鑑賞……です。
でもどうせ観るのなら昔のバージョンが観たかったかなぁ。



人生っていつも突然に何かが起こります。
いいことばかりじゃありません。時には信じられないようなヒドイことも……。
的確な判断、乗り切る気力と胆力、幸運を引き寄せるガッツ……。
いつも笑顔で上を向いて……下向いていたって10円玉拾うくらいが関の山(笑)
映画っていつも色々な事を教えてくれますね。
これから春にかけてアカデミー賞絡みの良質の作品が次々に公開されます。
ジェニファー・ローレンスの「世界でたったひとつのプレイブック」も楽しみ!

今日の写真は「レ・ミゼラブル」に因んで、
フィレンツェの教会の中庭で撮った「Victor Hugo」ハイブリッド・ティーです。


2013年2月21日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2013-02-21 00:00 | 映画館へ行こう。 | Comments(12)

アルバート氏の人生……グレン・クローズの憂鬱。

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さてさて、今日は僕のブログの中で1番人気がなく、メッセージが少ない、
映画、演劇の部門の話題から……薔薇と演劇は両立しないのか?(笑)


今を遡ること30年前。
まだ映画全盛時代の大スターが妍を競っていた時代。
男優ではレッドフォード、ニューマン、ホフマン、デニーロ、女優ではフォンダ、キートン健在。
そして、ストリープ、クレイバーグ……新しい時代のスターが頭角を現して来た頃……。
一風変わった俳優が僕達の前に姿を現しました。
「ガープの世界」「再会の時」「ナチュラル」……この3本を観た時、
なんて素晴らしい女優が出てきたのかと思ったものです。

彼女の名前はグレン・クローズ。
主役ではなかったけれど、素晴らしいキャラクターの造形で圧倒的な存在感を放ち、
当然ながら3作品ともアカデミー賞の助演女優賞にノミネート。
この辺りはまだまだ新進の演技派女優……くらいの認識だったと思いますが、
次作の世の既婚男性を震撼させたと言われた「危険な情事」で一気にブレイク。
以降、主役クラスの女優の道をまっしぐらです。
今や大女優の名を欲しいままにするグレン・クローズの最新作「アルバート氏の人生」を観てきました。


映画の感想と丁寧な評論はお友達のところで読んで戴くとして、
僕はチョッとグレン・クローズの演技のことなどを……。

女であることをひた隠しに隠し、
男として厳しい階級社会のイギリスで生きるアルバート・ノッブス。
同僚に想い人もいます。細やかだけど、煙草屋開業と言う未来の夢を追い、
コツコツ貯金をして一つ一つ実現に向けて準備をしています。
大柄で周りの女性達の注目の的の塗装職人のヒューバート・ペイジとひょんなことから、
一晩、同じ部屋に寝ることになり、頑なだったアルバートに、
ある違った色合いの未来が開けてきます……。

圧倒的な技巧と的確な表現で「男」を演じるグレン・クローズ。
見事で非の打ち所がないのだけど、何か一つ物足らない気がします。
それはいつも彼女を見ていつ頭のどこかで感じていた何か……。
例えば「アルバート氏の人生」で言うと、
同じ立場の役ヒューバートを演じたジャネット・マクティアと較べると一目瞭然です。
技巧に長け、緻密で圧倒的なテクニックで的確に役を表現するクローズと、
先ず役柄を大きく捉え、男の演技に必要なものだけを最小限に散りばめていくマクティア。

クローズは付け鼻に非の打ち所のないウィッグ、凝ったメイクを施し、
一つ一つ「男」であることを積み重ねていきます。
どこにも非の打ち所がなく、一部の隙間もない完璧な役作りのクローズに対して、
大きく輪郭を捉え、特に「男」に見せる役作りをしている訳ではないように思えるマクティア。
二人が同じ部屋で寝なければいけなくなったシーンは非常に興味深いです。
劇場内が騒然となった衝撃のシーンの後、僕は男優が、
特殊メイクで着け胸をしていると信じて疑いませんでした。
2人の役作りにおける全く違うアプローチ。どちらが正解とは言えません。

完璧な嘘をつくには、99パーセントの真実に1つの真実を紛れ込ませるか、
100パーセント嘘を積み重ねるか……と、言われていますが、
どちらの「嘘」が、より真実に見えるかは見る人、騙される人に委ねられます。



僕は決してクローズの芝居が詰まらないと言っているのではありません。
「運命の逆転」の病弱の大富豪の妻はお見事だったし、
「いつか眠りにつく前に」の、息子の突然の死に取り乱して号泣するシーンや、
「危険な関係」の圧倒的な存在感。特に、ラスト。劇場で満座の嘲笑を受けたことよりも、
己が遊びで仕掛けた「ゲーム」で、最愛の人を失ってしまった喪失感、
それも、死んで初めて気が付いたことの驚愕から化粧台の小物を手で払い取り乱すシーン……。

技巧とケレン味……あれは他の誰にも出来ない圧倒的なパフォーマンスでした。
(因に僕の薔薇「Marquise de Merteuil」はこの悪徳の侯爵夫人から取っています)
ミュージカル「サンセット大通り」におけるノーマ・デズモンドの圧倒的歌唱。
同じく素晴らしいテクニックのメリル・ストリープと較べると良く分かります。
緻密な技巧の積み重ねは同じなのだけど、クローズには圧倒的に「華」がない……。
悲劇のヒロインを1本、背負って立つには「華」が必要なのです。
その辺が数々の賞にノミネートされながら、今一つ受賞に至らないグレン・クローズの憂鬱。

その昔、バロック時代の、所謂、古楽器は、狭いサロンの演奏には丁度良かったけれど、
現代になって大ホールの演奏には不向きです。音量を上げるために、
様々な改良を施され、甦る大音量と共に、一見、華やかな印象を受けるけれど、
古の楽器の穏やかで滋味溢れる音には到底適わない……。
グレン・クローズが助演から主演にシフトした時のことを考えると、
大音量を出すために改良されたバロック楽器を思います。
勿論、助演の器には到底納まらないし、緻密で圧倒的な技巧は、
テクニックに弱い僕には大層、魅力的なんですけどね。



アルバート・ノッブス……果たして現代だったらどのような人生を?
19世紀のアイルランドでは、クローゼットに隠れていたアルバートが、
広い世界に出て来られる可能性は皆無だし、果たしてどこまで秘密を隠し通せるか甚だ疑問だけれど、
ラストシーンでベッドに横たわるアルバートの穏やかで満足そうな表情。
チフスで最愛のパートナーを失ったヒューバートと、
案の定、男に捨てられ、私生児を生んだヘレンの未来に、
明るい希望を見いだすしかありません。


2013年1月26日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2013-01-26 00:00 | 映画館へ行こう。 | Comments(9)

スイッチが入る瞬間。

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早いもので今年も12月中旬になってしまいました。
年末に向けて考えるのもコワいくらいに超多忙になります……ここはどこ?ワタシは誰?
昨日は兎も角、一昨日のことはチョッと……記憶喪失ですね。

そんな中、駆け込むように映画館に通っています。
時間が出来ると取る物も取り敢えず……息抜き&充電の時間ですね。
今日は一見、何の脈絡もないように見える3本の映画に付いて書いてみたいと思います。
その3本とは「悪の教典」「のぼうの城」「007 スカイフォール」です。
そして、密かな共通点、見えない脈絡とは「スイッチが入る瞬間」です。




先ずは全く見る積もりがなかったのに、
インターネットの評判が良くて観る気になった「悪の教典」から。
実はこの作品、後にして思えばチョッと面白い出会いがありました。
前に記事にした「血の匂い……。」で取り上げた「十三人の刺客」。
幕間の休憩時間に、偶然ロビーを歩く伊藤英明に遭遇。
ここの劇場も他の劇場の例に漏れず、全く客のことを考えてなくて、
女性のトイレでいつも大変なことになっちゃうんです。ロビーに長ぁ〜いトイレ待ちの列……。
僕が女だったらトイレに並んでいる姿は見られたくないなぁ……しかも「最後尾はここです」の看板。
まぁ、その話しは置いておいて。トイレ待ちの女性でごった返すロビーを、
伊藤英明が同年代の男性を引き連れてゆっくり横切ったんです。
美丈夫ですよね。体格はいいし物凄いハンサム。辺りを払うとはこのこと。
皆、一目で伊藤英明と分かるものの、誰も声を掛けられません。
そこだけスポットライトが当たり、サぁ〜っと道が開きます。
今にして思えば、もしかしたら「悪の教典」の撮影中か撮了直後か……。
映画で観た「ハスミン」が乗り移ったかのような近寄りがたさでした。

今やインターネット全盛です。
よく遊びに行くブログでの評判を読んで観に行く積もりになりました。
勿論、勝手な心理なんですが、ロビーで僕の目の前を横切った伊藤英明に親近感持っちゃたの(笑)
この作品、人によっては「不謹慎」とか何とか言われそうですよね。
僕が気に入ったのは、そんなこんな、上っ面の倫理観を一切合切を取っ払ったブッ放し感!
それからユーモアのセンスがありますね。死にかけた学生が、

 「ハスミン、僕、東大に行かなくちゃ……。」と、今際の際の一言。
 「……行けるかな?」だったっけ?

それを受けたハスミンが「To Die ?」……ズドォ〜んです。

一見、狂気と正気の境目が全く分からないハスミンのスイッチが入った瞬間。
それは、また上手くやり通せると確信していた殺人が、ヒョンなことから露見してしまった屋上のシーン。
ここ、コワいですねぇ……殺戮シーンよりもっとコワい。変な汗出る(笑)
ハスミンの顔がサッと一瞬、狂気の顔に変わります。正気の微笑みが狂気の真顔に。
伊藤英明って物凄く上手い役者なんじゃないでしょうか。
所で、この作品、続きがあるの?どうやって作るんでしょう。
伊藤英明 怪演!これって彼にしか出来ないんじゃないかな?代表作になりましたね。
平 岳大が同性愛の美術教師を、普通に等身大に演じて好感が持てました。




これまた全く観る予定はなかったんですが、
同じく「血の匂い……。」で取り上げた「藪原検校」の野村萬斎が主役だもの!
ブノワ。さん、惚れちゃったんです、野村萬斎に(笑)
いそいそと行って参りました「のぼうの城」……色々と気になるところはあります。
人気の子役のためにわざわざあざといシーンが用意されていることもそうだけど、
舞台でも映画でも、字幕やナレーションで説明されたくないのね。しかもナレーション軽い!(苦笑)
簡単に端折っちゃいけません。ストーリーを語る力量がない証拠だもの。
特に映画はアップがあるじゃないですか。目線一つで物語らせなきゃ!編集で幾らでもどうにでもなるじゃない。
そんな中、矢張り1番気になったのは現代言葉を喋る俳優がいること。ノリが「今」なのね。
この辺はどうなんでしょうね。時代劇の格調高さはなくなりますね。
役者の大きさや懐の深さが大きな差となって見えた作品でもあります。

前田 吟、いいつの間にか大ベテランの域に。大きく大地に足がシッカリついた農民を好演。
佐藤浩市、いい役者になりましたねぇ……姿がいいです。
この作品でさらに男っぷりを上げたんじゃないかな。
石田三成を演じた上地雄輔、なかなか達者なんじゃないかしらン。

のぼうさま、でくのぼうの成田長親を演じた野村萬斎は破格ですね。

 「ひょろろん ひょろろん れろれろれろや……。」

田楽踊りのシーンは野村萬斎の独壇場です。このシーンだけでも観る価値がある。
木偶の坊で、一見、頼りにならない長親。身内からもバカにされ疎まれていますが、
実際は土塩っ骨が一本通っていてなかなかの策士です。
計算づくではないものの、天性の人柄が領民を魅了します。
子供をあやす顔、身分の隔てなく領民に声を掛け接するその姿は、
色眼鏡でモノを見ない領民にとっては愛すべき存在で、一番頼りになる「のぼうさま」なのです。
その、のぼうさまのスイッチが入る一瞬は、甲斐姫を秀吉に差し出せと言われるシーンではなく、
可愛がっていた領民の赤ん坊を敵方に殺され、その亡骸を見た瞬間です。

 「イヤなものはイヤなのじゃ!」

と、ダダをこねているようにも見える長親も、この時ばかりは真顔になります。
普段、大人しい男が怒るとコワいですね。元々、根性座っているから。

豊臣側の長束正家を演じた平 岳大と、大谷吉継を演じた山田孝之……。
前日に観た「悪の教典」に続くお目見え(笑)人気なんですね。
2人とも全く違った役柄を演じていてなかなかのものだと思いました。

果たして邦画は復活したのか……。
アニメとテレビ局製作の大作ばかり……どうでしょうねぇ。




最後は観る気満々で劇場に駆け付けた「007 スカイフォール」。
ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド、初めは賛否両論、喧喧諤諤、大変でしたが、
もう文句を言う人はいないんじゃないかしらン。
007シリーズくらいですね、クォリティーを落とさずに50年ですって!
ダニエル・クレイグ版になって俄然、面白くなった訳は、
何だか怪し気な最新兵器じゃなくて、ボンドが身体を張って危機に立ち向かうからに他ありません。
一時期「007」が面白くなくなった時代がありました。
ヘンチクリンな新兵器、コメディー調の作風……悪役がジョーズとかね(笑)
宇宙に行っちゃった「007 ムーンレーカー」が一番詰まらないんじゃないかな。
今回も、Mですら引退勧告を受け、ニキビ面のヤングQの登場に驚き、
やれ「新旧交代」だの、「本当に自信がある?」など、年齢を感じさせられることが多々あります。
それでも走る、走る、走る……息が上がろうとへたり込もうと、兎に角、走るボンドは美しいです。
何だか訳の分からない安っぽい三流女優ボンド・ガールが出て来ないのも宜しい(笑)
今回のボンド・ガールは何と言ってもジュディ・デンチだものね。
身体を張って「Gun & Radio」……止めの武器は……だもの。

ボンドにスイッチ入る瞬間が3回ありましたね。
先ずは冒頭。信頼していたMがイヤホン越しに「Take a bloody shoot !」と言うのを聞き、
しかも、味方の狙撃で列車から落ち、九死に一生を得たボンドが、
スッカリやる気をなくし隠遁生活をおくっている時、
ニュースで見たMI6の本部爆破によって目が覚めるシーン。
それから愛車「アストンマーチンDB5」が爆破されたシーン。
でも、確実にスイッチが入ったのは、ラストのあのシーン。
男の涙は簡単には流さないのですよ。

ダニエル・クレイグ、ボンド絶好調(髪の毛はもう少し長い方がいい)
ハビエル・バルデムは「ノーカントリー」の殺人鬼が強烈過ぎたので、
今一つ不気味さが伝わらないけど、どの作品でも彼独特の世界を作るのが物凄い魅力。
Mへの倒錯の愛、組織の裏切りへの逆恨みと怒り……。
Mのジュディ・デンチ、素敵な衣装着ていますねぇ。豪華な花道となりました。
老境に差し掛かりこれだけ売れている女優も珍しいです。
ボンド・ガールのベレニス・マーロー……哀しみと憂いをたたえてゴージャス……好みかも(笑)
今や飛ぶ鳥を落とす勢いのアデルの主題歌、今年、最も満足度の高い1本でした。

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写真は「のぼうの城」に因んで兎。
確か、のぼうさまの陣羽織の背中に描かれていなかった?
箱根塔ノ沢の「福住楼」の玄関先にあります。
来年も行くのだ、「福住楼」……正月の恒例、吉例となりつつあります。
さぁて、今年の〆は何の映画にするかな?「ホビット」?「レ・ミゼラブル」?
それから、新年の観初めは?年末年始の作品の良し悪しで、
1年の映画の当たり、不当たりが決まりそうに思うのです(笑)


2012年12月9日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2012-12-09 00:00 | 映画館へ行こう。 | Comments(10)

いのちみじかし 恋せよおとめ……。

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 「いのちみじかし、恋せよおとめ あかきくちびる あせぬまに……。」

何だかね、映画を見ながら「ゴンドラの唄」が耳に聞こえて来ちゃったのね。
このところバタバタで、その映画が果たして何の映画だったかすら定かじゃないんだけど、
って、この時点で既に危ないでしょう?(笑)ついこの前なのに記憶が非常に曖昧って。
確か「デンジャラス・ラン」だったかな?うん、確かそうだ。

 「オレたちはもうこれから生きる時間より、振り返る時間の方が長いんだ……。」

みたいなね……そうなんですよね、確かにどう楽観的に見積もっても半分は来ている!(笑)
親友は「まだ半分って言うつもり?」って笑うのね。だからと言って、別段、焦る訳ではないんだけれど、
そんな訳で、無駄な時間が凄く勿体なく思えて来た今日この頃です。
無駄に列に並ぶこと、無駄にボンヤリ1日過ごすこと、無駄に惰眠を貪ること……。
当然、早起きになりますね。但し、無理はきかない悲しいお年頃になって来ていますし、
仕事にも大きな責任を伴うお年頃です。先ず、日々の仕事があってこその僕、
翌日の仕事に必要とあらば、疲れていたら7時でも8時でも寝ちゃいます。
疲れが取れる時間を逆算して睡眠時間はタップリと摂る……。
寝ぼけ眼で机に座っていればお給料を貰える仕事じゃないし、もう無責任も出来なくなりました。

さて、残り時間が短いと実感はしているものだから(笑)
1日の時間は有効にとばかり、暇を見つけては芝居や映画に通っています。
暇を見つけるというよりは、先ず、仕事と劇場の暗闇が同じくらいの比率で大事?(笑)
日々の充実したあれこれが素晴らしい仕事に結びついていると思うから。
そこら辺のスケジュールの管理が自在に出来るのも一人で仕事をしている大きな利点です。
映画や芝居はいいです……まだ見知らぬ世界に僕を誘ってくれますから。

先日のこと、朝4時に起きて(まだ暗いのね!)薔薇にコガネムシ対策の薬剤散布をしました。
外にはカトーヌと黒豆がいますから、これだけはしたくないのだけれど、
薔薇が枯れちゃ元も子もありませんもんね。次に、猫のトイレの砂の全取り替え。
これは1週間に1回の面倒臭いけどしなければいけない仕事です。これをトイレ2つ分ね。
それから風呂にゆっくり浸かり、美味しい珈琲をいれて机に向います。
大事な大事な請求書書き!これまた面倒臭いけれど、誰もやってくれないから仕方ありません。
と、ここで9時になりました。ここでスッカリ疲れてしまっているのだけれど、
カバンに財布とパスモを放り込んで、いそいそと行って参りました、ロードショウに。
それも立て続けに2本ね!作品は「ロック・オブ・エイジス」と「ハンガー・ゲーム」、
観終わってから次の作品まで、何と2本の間はたったの5分しか開いていない強行軍(笑)

その他にも、このところマメマメしく劇場に通っています。
舞台は、趣味の園芸の三上真史くんの「クールの誕生」、麻実れいさんの「ボクの四谷怪談」。
映画は、上記の「ロック・オブ・エイジス」と「ハンガー・ゲーム」の他に、
「デンジャラス・ラン」「昼下がり、ローマの恋」「セットアップ」、
「幸せの教室」「ファミリー・ツリー」「最強のふたり」……。
他にもこの前、激怒した「プロメテウス」や「白雪姫と鏡の女王」などなど。
今週は「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」と「マリリン 7日間の恋」を観ました。




今日は映画についてをチョッと書いてみようかな。沢山あるしザッと思ったことなどをね!
先ずはどうでもいい作品はサラリと流す事にして……「ファミリー・ツリー」から。
ジョージ・クルーニーって現代のクラーク・ゲーブルね。皆さん、そんな感じしませんか?
「オー・ブラザー!」とか、作品によっては物凄く魅力的なのだけれど、
どうもあの濃ゅ〜い顔が苦手なのね。声もダメなの……日本人が苦手な顔じゃない?
植物人間になった妻の浮気、その浮気相手の家族、バラバラになっていた娘たちとの和解……。
良くありがちな題材を淡々と描いて行きます。ハワイだからって特に風光明媚な訳じゃない。
ここに描かれているハワイって、所謂、僕達が観光で行くハワイとは違うらしいですね。
って、行ったことないから分からないのだけれど……。


「幸せの教室」……これね、ハリウッドっていいのかなぁ、こんな映画作っていて……。
2人とも大スターなのだけれど、ちっとも魅力的じゃない組み合わせの、
トム・ハンクスとジュリア・ロバーツ……ジュリア・ロバーツってもうダメだわ。
「白雪姫と鏡の女王」とこれで完全に味噌付けましたね。アカデミー賞獲っているんですよ!
しつこいけれど、次はメリル・ストリープと競演じゃん……大丈夫かい!
トム・ハンクスは2000年の「キャスト・アウェイ」以降詰まらなくなりました。
新作来るみたいだけど、お願いだから、もうロバート・ラングドンだけは演らないで欲しい……。
お星さまって太陽の光で輝くものなのだけど、ハリウッドの大スターは自らが光り輝く。
トム・ハンクスもジュリアロバーツも全く輝きが感じられません。


「昼下がり、ローマの恋」……久し振りのオムニバスね。
オムニバスとは乗り合い馬車のこと。何本かのショートが1本に纏められた映画を指します。
「昨日・今日・明日」「ボッカチオ'70」とかね、往年のイタリア映画に多かったかな。
最近では「パリ、ジュテーム」「ラブ・アクチュアリー」とか……。
この作品では、老夫婦に立ち退きを迫る青年弁護士の話し、
それからストーカー女に付け狙われたテレビ・キャスターの話し、
そして、老衰デ・ニーロとモニカ・ベルッチのローマの恋の話しの3本。
僕はカツラを取って頑張っているキャスターの話しが一番面白かった(笑)
でも、3本が繋がっているようでそこまで密接に繋がっていず、何とも中途半端。
それぞれが独立した作品でありながら、もう少し密に関わり合を持たせたら良かったのに。
で、デ・ニーロはもういいや……全ての役者の目標的存在だったデ・ニーロ。
演技の鬼、神と呼ばれた栄光の日々は何処に?30年前の威光は何処に?
随分と前から役者としてはめっきり魅力がなくなって来たデ・ニーロ。
今ではしかめ面だけのスッカリ平凡な役者になってしまいました。
やっぱり役者は商売に手を出しちゃダメって言うことかな?レストラン経営していればいい。
そうそう、先日のこと。一杯やっている時に役者の友人に、

 「モニカ・ベルッチ見てたらさ、何だか似てるんだよねぇ……髪の毛切りたくなった。」

って言ったの。

 「誰とです?ブノワ。さんと?顔ですか?????……あちらはイタリアの宝石ですよ!」

って言われちゃった(笑)顔じゃないのね、髪の毛がソックリなの(笑)
まぁ、確かに!モニカ・ベルッチ、宝石の名に恥じない魅力です。


「デンジャラス・ラン」……これまたヒドいタイトル!(苦笑)
でもね、作品の出来が素晴らしいから許しちゃう!久し振りに手放しで面白かったです。
デンゼル・ワシントンってこう言う冷酷無情な悪人役が非常にハマりますね。
極悪なんだけど、インテリなものだから他とは一味違う味が出せる。
悪役って上手に演じちゃうと、結構、役者として命取りになるケースがあるのね。
特に若手の女優は危険。グレン・クローズくらいになると全く問題ないのだけれど、
今までに何人の将来有望な女優が悪役を上手くやったがためにキャリアを台無しにしたか。
デンゼル・ワシントンは悪役に新境地開拓っていうところです。
監督はスエーデンの人なんですってね。ハリウッドの大御所監督がこぞってしなびて来たから、
こう言う新しい血が入ることは大歓迎!ダニエル・エスピノーサ……スタイルがあります。
ただ映像だけの雰囲気監督とは一線を画すスタイルが。
デンゼル・ワシントン好演、ライアン・レイノルズがまだ何も経験がないCIAの職員が、
次から次へと襲って来る難題に立ち向かいながら一皮も二皮も剥けて行く青年を力演。
アクションも斬新だし、残酷シーンも非常に節度があって宜しかったです。
久し振りに手放しで拍手を送りたい映画。


「ハンガー・ゲーム」……これはいいですね!
久し振りに胸突き動かされました。涙もろい人は号泣かな。
ヒロインのジェニファー・ローレンス!久し振りに出ましたね、将来の大物。
ゴシップやパパラッチとは無縁の正統派女優。僕、スッカリ気に入ってしまいました。
彼女、目がいいのね……。シャーロット・ランプリング、ケイト・ブランシェット、
アンヌ・ブロシェ、シャルロット・ゲーンズブール、
女優じゃないけれど体操のスベトラナ・ボギンスカヤとか……。
ここまで書いちゃうと僕の女優の好み、顔の好みがハッキリ分かっちゃいますが、
久し振りの大女優の卵に大喜びの僕、以前の作品を引っくり返してみたくなる役者って稀ですからね。
この作品、近未来の造形が非常にリアルですね。選ばれた24人の若者が殺し合う……。
そんなありそうもないシチュエーションなんですが、意外に説得力あり。
ジェニファー・ローレンス演ずるカットニスは無益な殺生はしないの。
襲われた時だけ、自分の命を守るためにだけ弓を射る……それって、
さっきこき下ろしたデ・ニーロが「ディア・ハンター」の中でニックに繰り返し言う、
「One shot !」に通じるものがあります。鹿は一発で仕留めなきゃダメだ、
それが鹿に対する敬意というもの、命を戴くってそういうこと……。
デ・ニーロ演ずるマイケルの生き様が非常に良く出ていたエピソードだと思います。
カットニスもそう、彼女の生き様が見事に出ていました。
恐怖と不安に木の葉のように揺れ動いていた少女が見せる様々な表情。
妹に対する表情、母に対する顔、恋人に見せる笑顔……カメレオンですね。
もしかしたら2回目のアカデミー賞ノミネートも夢じゃない?
今年観るべき映画の中の1本だと思います。僕はもう一回観に行きます。


「ロック・オブ・エイジス」……これってさ、僕のカラオケの十八番ばかりじゃない(笑)
知っている曲が沢山使われているとついつい点数が甘くなってしまいますが、
僕ね、思ったのね、映画とは直接関係ない部分なんだけど、
トム・クルーズって偉いなぁ……って。決して好きな役者じゃないけれどね。
何かこう、胸張って背伸びしてお腹に力入れて……役者としての彼の姿勢そのものじゃない。
整形手術と薬とアルコールでアッと言う間に醜く汚くなってしまうハリウッドの俳優たち、
そんな中で頑張っているなぁって。今や押しもおされもしないハリウッドのトップ、
デビューの頃、誰がこんな彼を想像しました?ポッと出の青春スターだと思いませんでした?
「タップス」で共演したティモシー・ハットンの方が有望だと思いませんでした?
トムの出世作「トップ・ガン」を断ったマシュー・モディーンの方が繊細で大成すると思わなかった?
世の中、分からないものです。兎に角、気合いでハリウッドに君臨しているトムに脱帽!好きじゃないけどね。
キャサリン・ジータ=ジョーンズはノリノリでしたね。本当にいい女優だと思う。
「シカゴ」の登場シーン、歩く足のアップだけでキャラクターを表現する凄さ。
今回も凄かったです(笑)狂信的な教育者、だけど、その過去には大きな秘密が……。
役柄を物凄く楽しんでいる感じがしました。ラストのあの扮装!(笑)
それに引き換え、主役の若い2人に全く魅力が感じられなかったのが残念。

 Just a small town girl, livin' in a lonely world.
 She took the midnight train goin' anywhere

「ロック・オブ・エイジス」で重要な使われ方をしていたジャーニーの「Don't Stop Believin'」では、
小さな街に住む寂しい娘は夜行列車で大きな街に出るのですが、
いつの時代も夢見る少女はバスで故郷を出るのかな?
今日の1枚は数年前のスペイン旅行で撮った1枚です。

 Oh, the movie never ends
 It goes on and on and on and on ……。

夢見ることを止めちゃいけない……シンプルなメッセージは心に響きます。
いつものようにグジャグじゃ言っているけれど、映画って本当にいいですね!
長くなっちゃったから「最強のふたり」はまた今度の機会に。
この次は「マーガレット・サッチャー」と「マリリン7日間の恋」です。


草々

2012年10月8日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2012-10-08 00:00 | 映画館へ行こう。 | Comments(12)

毒吐く……じゃなくって独白。豪華ロードショウ3本立て。

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もう書いちゃってもいいかな?皆さん、もう見ましたよね?
それぞれ早々にロードショーで観ていましたが、ネタバレするつもりはないし、
未だ皆さんが観ていないのに美味しい所を書いちゃうのはルール違反……。
そう思って今日まで書くのを控えていました。
勿論、僕の記事は映画評論ではないし、ネタをじゃんじゃん喋っちゃうこともしません。
映画を長い間見続けて来た人間の毒吐く……じゃない、独白、そう思って読んで貰えると嬉しいです。

今日はここ暫くの間に観たロードショウ3本に付いてチョッと書いてみようかな。
先ずは、ここ数年の中で、もっとも期待感が高かった1本。
製作中から、そして、予告編を見てワクワク感が頂点に達したいた「プロメテウス」から。

 「なぜ人類の誕生の瞬間は、空白のままなのか。
  謎の答を、知ってはいけない。」

…………って!おだまり!ふざけんなっつーうの!(怒)
あまりに激高して、宣伝文句の句読点の打ち方にも怒りが及びます(笑)
何で変な所で点を打つんだよ!言葉遣いも荒くなろうというものです。
もうね、頭に来ちゃってこめかみの血管切れるかと思っちゃった。
劇場の暗闇に座ってガッカリこん!これほどまでに落胆したのは初めてかも。
壮大な宣伝コピーに踊らされた訳じゃないけれど、盛大に盛り上がった分、
その奈落の底まで落っこちたガッカリ感は半端じゃありませんでした。
冒頭の美しい大自然の光景……テレンス・マリックの「ツリー・オブ・ライフ」のマネね。
僕、「エイリアン」シリーズは大好きなのね。勿論、全作品劇場で観ています。
続編が第一作よりも面白かった、若しくは、同等の出来上がりだったのって、
この「エイリアン」シリーズ、それから「ゴッドファーザー」「スターウォーズ」くらいです。
随分前に「エイリアン」4作品、一挙上映のオールナイトにも行きましたっけ。
4作品ともそれぞれに監督の個性やスタイルが出ていて凄く素敵なシリーズなのね。
そこに来て、オリジナルのリドリー・スコットがメガホンを取って、
シリーズの前章を描くって……響きのいいタイトル、キャストの豪華さ……。
期待するなという方が無理だと思いません?ね?そう思うでしょう?!

先ずね、結局、謎なんか一切明かされないで、続編を見ろって言うことじゃない!
何なの、あのラストは。飛んで行く宇宙船を見てムカッと来たぜぃ(笑)
それに巨額を投じて宇宙探検に行った動機って言うのがアレかい。
シャーリーズ・セロンのキャラクター……もっと驚愕のどんでん返しがあってもいいんじゃない?
一番ダメなのがエイリアンの造形……アレって一体どうしちゃったの?
エイリアンは黒光りしていなくちゃダメなの!(笑)あんな白くふやけた象の鼻みたいなヤツ!
勿論、エイリアンは寄生した個体によって姿が微妙に変わるものなのだけれど、
あれじゃ全く恐怖感が身に染みないのね。エイリアンは宇宙空間の絶対悪。
感情を一切持たず、本能で殺戮を繰り返すエイリアン……その凶悪なエイリアンが、
とてつもなく美しい造形だったっていうことが重要なのにアレは何だよ!
(余談ですが、エイリアンよりプレデターの方が強いって言うのも納得行かない!)
それからさ、お話し的には第一作の「エイリアン」に繋がっているようで繋がっていないんじゃない?
リプリーたちが「SOS」の信号と勘違いしておびき寄せられたのって、
あれは実は「ここに来てははダメ!」という警告の信号だったハズ。
謎の砲台のようなものと、そこで息絶えていたヘルメットを被った異星人……。
ここまでね、第一作と共通なのは。何だかこじつけ甚だしいわぁ。
第一、一番問題なのは、出て来るエイリアン・エッグのデザインが違うじゃない!
あれはマズいでしょう。一面にダァ〜っと……リプリーたちと同じ場所に出くわさなきゃ。
考えてみてよ、長い映画の歴史の中で、出演俳優の顔じゃなくて、
宇宙の怪物の卵がポスターになったのって「エイリアン」だけだよ。
それ程、強烈なインパクトがあるエイリアン・エッグが出て来ないなんて。
エイリアンだってあの黒光りのするオリジナルのヤツが出て来なくっちゃダメ!

僕、良ぉ〜く考えてみたら、苦手なのね、ノーミ・ラパスって……。
全く受け付けません。だから彼女のリスベット・サランデルもダメなんだ……。
ハァ……続編が出来るのよねぇ。でも出来たらまた観に行くんだろうなぁ。



次、豪華3本立ての2本目は「ダークナイト・ライジング」です。
これは良かったなぁ……映像に1本筋が通っていてね。手放しで賞賛しちゃう。
僕ね、一応、バットマン・シリーズは全部、観ているんです。
初めの頃のマンガチックな、コミックをそのまま実写化したようなものから、
クリストファー・ノーランによるダークでスタイリッシュな再映画化まで。
もっと遡れば、テレビ・シリーズも殆ど見ているかな?
あの細眉をギュゥ〜っと吊り上げたバットマンとロビンのモノクロのヤツね(笑)
初めの頃の作品は何も言うますまい(笑)あれは単純に観て楽しめばヨロシイ。
今回の「ダークナイト・ライジング」……物凄い豪華な配役ですね。
クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン、
善人役に新しい活路を見出したゲーリー・オールドマン。そして、ゲストスターに、
マリオン・コティヤール、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、アン・ハサウェイ、
そして、クレジットを見るまで誰だか皆目見当がつかなかったトム・ハーディー!
決して派手派手しいキャスティングではないけれど、これを豪華と言わずして何を豪華と言う?
僕の悪友が僕の大嫌いな短縮言葉で、

 「『Mr. & Mrs.スミス』のアンジーとブラピだって凄かったじゃない?
  2人のことブランジェリーナって言うの知ってる?」

って言うんだけれど、ハイハイ、知っていますとも!(苦笑)
確かに豪華は豪華だけれど、これほど面白味に欠ける作品も珍しかった(苦笑)
僕の生涯で一二を争う駄作……その地位は決して揺るぎません(笑)
「ダークナイト・ライジング」……バットマンの物語りなのに、バットマンだけが突出していず、
出演者全員のアンサンブルが絶妙、それでいてバットマンの悲哀が際立つ優れた演出。
他の共演者もいい味出していて、これまた続編が出来そうなラストなのだけれど、
それもまた騙されたようでもなく、却って期待感が増すって言うもんじゃない。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットのロビンって出来るのかなぁ……いいですよね。
彼はどことなく頼り無さげな役にいい味出して来ましたが、今回みたいな硬派な役もいいなぁ。
ダークでやるせなくて陰々鬱々としているけれど、クリストファー・ノーランにはスタイルがある。
ないだろうけどノーラン版、次回の「ダークナイト」シリーズに期待しちゃいます。



さてさて、最後3本目はついさっき見て来た超駄作のお話し(苦笑)
何を間違ったか、他に観たい作品がなかったと言うこともあり、
そうそう、先日「スノーホワイト」でシャーリーズ・セロンの悪役を堪能したばかりなので、
迷い込んでしまいました、超駄作の深い深い森の中へ。
出られなくなってしまいました、氷のようにお寒い笑いの迷宮から。
作品は……じゃじゃぁ〜ん!「白雪姫と鏡の女王」です。
そう、劇中の一面の雪景色のようにお寒かった「白雪姫と鏡の女王」(笑)

これ……ヒドかったなぁ。いいの?こんな作品作っていて。
ジュリア・ロバーツってこんな作品に出ていて大丈夫?
アカデミー賞女優だったよねぇ。次はメリル・ストリープと共演でしょう?
あれなんて言うんでしたっけ、メーターで針がくっ付いているヤツ。
針が左端っこにピッタリくっ付いていて、何かに反応すると右にググッと振れるヤツ。
「白雪姫と鏡の女王」はね、その針が左にピタッとくっ付いたままピクリとも動きませんでした。
観ているうちに段々顔が能面のようになって行くブノワ。さん(笑)
あまりに詰まらなくて感情が死んじゃった?シワが1本もなくなっちゃったよ。
途中、巨大な欠伸を7回……流れる滂沱の涙。顎、外れるかと思っちゃったわさ。
ハッと我に還ると、果たして自分はこの暗闇で何をしているのかと疑問に思う有様。
喜劇にしては笑う所が一箇所もないのは夢か奇跡か幻か……?

目を瞑ると悪夢のように白雪姫の剛毛眉毛ばかり思い出されます(笑)
映画史上もっとも濃くて太い眉毛……往年のリズ・テーラーもマーゴ・ヘミングウェイも降参かな。
彼女ってフィル・コリンズの娘なんだって。ビックリしたわいな。
ハァ……お金も時間も返して!静かな怒りがフツフツと込み上げるのでした(笑)



今日の写真、ズッコケた「プロメテウス」に因んで……ホラ、ケンタウロスもズッコケてるじゃん!
パリ市内の閑静な住宅地に彫刻家のブールデルの美術館があります。
いつ行っても人気なく、静かに作品を鑑賞出来ます。そこで観た半人半獣……ケンタウロスの巨大な像。
ブールデルはベートーベンの彫像で有名ですが、このケンタウロスは迫力満点!
下から見上げる姿は圧倒的な迫力を誇ります。
まさかこんな記事に使うとは露程も思わず、勿論、当時のことですからフィルム撮影です。

「プロメテウス」の乗務員が遺跡の中で出会う謎の像。
きっとイースター島のモアイ像とブールデルのケンタウロスがモチーフになっていますね。
全てが思わせぶりで、そして期待外れだった「プロメテウス」……。
果たして起死回生の大逆転な続編が出来上がるでしょうか?
しかし、また次回もノーミ・ラパスを見るのかと思うと気が重い(苦笑)



草々

2012年9月20日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2012-09-20 00:00 | 映画館へ行こう。 | Comments(6)