匂いのいい花束。ANNEXE。

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薔薇の名前……なぜ原文のままか。

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拝啓

この所、随分と過ごしやすい天気が続きますね。
Iさん、お元気にお過ごしですか?でも、もう少しで梅雨入りです……、
梅雨明けは8月ですからね……考えただけでも気が滅入ります。

さて、先日のお尋ねの件です。
何故、僕がいつも手紙に薔薇の名前をカタカナではなく欧文で書くのか。
それは簡単な事です、欧文をカタカナ表記にするのはとても難しいからです。
特に最近、去年から今年にかけて、何冊もの薔薇の本が出ました。
図鑑も沢山出版されましたし、その他、実用書、紀行ものまで……。
それぞれに筆者の判断、出版社の意向で読み方が違って来ています。
英語圏で出来た薔薇はそれほどでもないんですが、
問題はフランスとドイツ、この2つの言語をカタカナ表記にするのが難しいのです。
例えば、薔薇愛好家の中でダントツの人気を誇る「Mme. Hardy」、
オールド・ローズの中で最も美しい白花と言われています。
最近では、この「Mme. Hardy」を「マダム・ハーディー」と読む人は
少なくなって来ました。フランス語では「H」を発音しませんから、
カタカナで書くとしたら「マダム・アルディ」が一番近い音になるでしょう。
これだって、例のフランス語の「r」の発音がありますからねぇ……。
それから、頭に「Mme.」が付く場合、下が英語読みはマズいと思うんです。
他にもフランス語の場合は、英語と違う独特の発音があります。
そうですねぇ……そう、僕が大好きな薔薇に「Francis Dubreuil」があります。
この小さな薔薇はティー系に属し、赤黒い花を咲かせ、匂いも抜群な
非常に人気の高い薔薇なんです。この薔薇の最後の所「……reuil」の
表記の仕方が人それぞれ、本や図鑑によって随分と違うんです。
ウチにある図鑑、その他、この薔薇が載っているもので調べてみると……。

 [フランシス・ドゥブリー/第8回 国際バラとガーデニングショウ 公式カタログ]
 [フランシス・デュブリュイ/決定版 バラ図鑑/講談社刊]
 [フランシス・デュブリュイ/オールド・ローズとつるバラ図鑑647/講談社刊]
 [フランシス・デュブルーユ/オールド・ローズ花図譜/小学館刊]
 [フランシス・デュブルーユ/バラ大百科/NHK出版刊]
 [フランシス・デュブロイ/チェルシガーデン バラリスト]
 [フランシス・デュプリュ/薔薇大図鑑2000/草土出版刊]

ざっとページをペラペラやっただけでこれだけのものが見付かりました。
7冊の図鑑とカタログで、5種類の表記の仕方。
中に同じ講談社刊のものが2冊ありますから、厳密に言えば、
6種類で5つの表記の違いと言う事になります。
ところが、僕が一番、重宝しているオーストラリアのランダムハウス刊の
「Botanica's Roses」には、「Francis Dubreuil」の別名で
「Francois Dureuil」と言うのまで載っています。
こうなると何が何だか分かりませんね。実際、僕の中ではこの図鑑の影響で
半分くらいの割合で「フランソワ」って言ってしまうんですよ。
自分で作った薔薇のリストも「フランソワ」になっています(笑)
しかも、ファミリー・ネームの方も、4種類、どの表記もしっくり来なくて、
僕の中では常に「フランソワ・デュブレイユ」なんです。
似た物で「Sombreuil」とかもそうですね。フランス語で、最後の「il」は、
カタカナ表記にすると「イユ」が一番近いと思うんです。
その他、単語の最後につく発音しない「t」「d」も問題です。
これをカナで書いてしまうのと書かないのでは全く違って来ますからね。
でも、これだって、僕以外の人は違う意見かもしれないでしょう?
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去年ウチにやって来たモスローズの「Robert Leopold」、
フランスで出来た薔薇です、「ロバート・レオポルド」ではなく
「ロベール・レオポール」と書くのが正しいでしょう。

この所の薔薇関係の書籍ブームで、それぞれに特色を出そうとしているせいか
わざわざ変えなくてもいいのに、独自の表記に直されてしまう薔薇もあります。
カタカナで書くんです、発音に近い書き方が出来ればいいけれど、
無理な場合は、もっと割り切ってサラッと書いてしまえばいいのに……。
そういう風に思うんですよ。「de」だって、「ドゥ」「ド」「デ」何でもいい、
人それぞれに違うんですから、押し付けずに原文のまま書いていると言う訳です。
どうしてもカタカナで書く場合、少なくとも、作出された国の言語の
発音に一番近い表記をする、これが僕のスタンスなんです。


敬具

2006年5月30日


ブノワ。


[Francis Dubreuil (T) Dubreuil, 1894]
[Mme. Hardy (D) Hardy, 1832]
[Robert Leopold (M) Buatois, 1941]
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by raindropsonroses | 2006-05-30 00:00 | 薔薇の名前。

今年はまさに……沈黙の春。

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拝啓

Yくん、すっかりご無沙汰していますが元気にしていますか。
パリはどんな感じ?さすがに春らしくなって来たんじゃないですか。
2年前に始めて体験した春のパリが懐かしいです。

さて、その時お土産に持って行ったレイチェル・カーソンの「沈黙の春」。
Yくんは一晩で読んじゃったんですよね(笑)日本語に飢えているとは言え
あまりに読むのが早いのでビックリした覚えがあります。
実は僕も、Yくんにプレゼントするために行った本屋で自分の分も含めて
2冊買っておいたんです。先日、それをようやく読み終えました。
化学薬品、農薬が自然界に及ぼす影響を書いたこの「沈黙の春」、
薔薇を育てている僕には非常に重要な本なんですよ。
ご存知の通り、薔薇には数え切れないほどの害虫が付き、罹る病気も数知れません。
今では、減農薬、無農薬の運動が活発になって来ましたが、
一昔前には、薔薇栽培=薬剤散布と言うのが当たり前でした。
僕はどんな育て方をしているかと言うと、以前は必要に応じて
最低限の薬を散布していましたが、ここ数年はスッカリやめてしまいました。
一番大きな理由は、ウチには可愛い猫3匹がいると言う事。
季節が良くなると、バルコニーで一日中自由に遊び回っている猫達。
小さな身体です、薬剤散布の影響は計り知れないですものね。
バルコニーの端っこに真っ直ぐに延びる排水用の溝に溜った水、
お園なんかは、これをピチャピチャ飲みますからね!

かと言って、全く何もしないで害虫や病気を防げる訳ではありません。
皆さん、色々と研究して無農薬で頑張っているみたいですが、
生憎、僕は横着者が面倒臭がりの豪華衣装を着て歩いているようなもの(笑)
もっぱら、害虫を見付けては捕まえては、家の前を走る大通りにポイっ!
直接触るのはイヤですから、くっ付いている葉っぱを最小限に切って
葉っぱごと大通りにポイっ!常に決して自分の手は汚さないのです(笑)
幸いな事に、ウチは物凄く日照時間が長く、オマケに風通しがいいのです。
そんな訳で、ウドン粉病などの被害は比較的少ないみたいです。
同じく薔薇を育てている友人が薔薇を見に来て先ずビックリするのは、
ウチの薔薇がウドン粉病にあまり罹っていないと言うのです。
それでも、品種によっては、毎年、毎年決まって同じ病気に罹るものがあります。
色々と試してみましたが、矢張りどの方法も帯に短し襷に長し、
これと言う決定打は見付かっていません。マメに薔薇を見回り
放って置かずにスグに対処する、この方法が一番いいみたいです。

「沈黙の春」は、一冊丸々、農薬が自然界に及ぼす破壊的な影響について
詳細な実験データを元に厳しく言及しています。
一つ、分かりやすい例を挙げると、日本から渡来したマメコガネを駆除するために
空から飛行機で農薬を散布、その結果、ありとあらゆるものに影響が出て
最後には人間が死ぬケースも出て来た事例が挙げられています。
目に見えないミジンコが化学薬品に汚染され、それを食べた小魚に毒が蓄積され
さらに、大きな魚、さらに大きな魚、最後にそれを食べた人間がどうなるか……。
微生物に蓄積された化学薬品が、自然界の摂理によって、次から次へと
濃く、さらに強力になって動物の体内に蓄積されて行く様は
実験によって立証されていますね。地上に撒かれた化学薬品は、
やがて雨水で流され川に入り、それが最終的には海に流れ込み
それを食べる微生物、それを食べる小魚、さらにそれを食べる魚……。
自然界の連鎖はどこをとっても切り離せるものではなく、
密接に一つの糸で繋がっているのです。夥しい症例を持って告発する「沈黙の春」、
読んでしまったら簡単には薔薇を消毒出来ないじゃないですか。
今の所、僕の対策は、薔薇をマメに観察する事、それしかありません。

今日の写真は、去年の「第7回 国際バラとガーデニングショウ」で撮った一枚。
この時はシンボル・ガーデンに並んでようやく入り、さて写真を……、
そう思った時にオバサマ攻撃にあったと言う訳です。
後ろからどつかれる、足はしこたま踏まれる、カメラを構えていると
さぁ〜ッとカメラの前に立ちふさがる、シャッターを切る瞬間に
ドォ〜んと後ろから押される……怒りのあまり、こめかみに血管が浮き上がり
鼻から熱い怒りの溜め息が出て来ましたが、そこは我慢、我慢、我慢。
皆さん綺麗なものを見ようとなりふり構わず必死なのです。
それならばと、いっその事、撮る瞬間にカメラを動かして撮ったのがこのシリーズ。
ピンボケのアンディー・ウォーホールみたいな一枚です。

ウチの薔薇は花が終わり、これから夏の管理に入って行きます。
飛来するコガネムシ、ウドン粉病はそれほどでもないけれど、
夏の終わりから蔓延する黒星病……これだけは何とかしたいですね。
市販されている薬の中には決定的に効くものはありません。
それならば、いっその事、薬は撒かず、自然に育てようと思うこの頃です。
天候不順で薔薇が思うように咲かず……意味は違うけれど、
今年もある意味で「沈黙の春」でしたね。


敬具

2006年5月27日


ブノワ。


[Rachel Carson (1907~1964)]
[Silent Spring/沈黙の春 (1962)]
[Andy Warhal (1928~1987)]
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by raindropsonroses | 2006-05-27 00:00 | 書架の片隅。

縁の下の力持ちのおかげ……国際バラとガーデニングショウ。

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拝啓

早いもので5月の終わり、Oさま、その後、如何お過ごしでしょうか。
先日は仕事でOさんとご一緒出来て嬉しかったです。
友人で仕事をするなんてなかなかない事ですもんね。

さて、戴いたチケットで行って来ました「第8回 国際バラとガーデニングショウ」。
本当は初日の積りだったんですが、チョッと予定が狂いまして2日目の土曜日です。
このイベントは何曜日に行っても同じですからね。物凄い人混み!
薔薇の世話で早起きしていますから、そのまま「INVOICE 西武ドーム」へ。
30分ほど並んで真っ先に入場です。僕は絶対に行きませんが、
並んでテーマ・パークに行く時ってこんな気持ちでしょうね。
もう、何処から見ていいか分からない状態(笑)結局はちゃんと全部見るんですが
先ずは、うかうかしていると列が出来てしまうシンボル・ガーデンへ。
あとは順繰りに見て回ります。カメラを持って行きましたから写真を同封しますね。
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いつも思うんですが、何もない人工芝のグラウンドに
このような植物が主役の庭や建造物を造るのは大変な作業でしょうね……。
先ず、一番大変なのは、薔薇の開花時期を会期に合わせる事でしょう。
それに合わせて、温室に入れたりして開花を調節、その努力は並大抵ではないハズ
替えが利く品種ならいいけれど、メイン・テーマの薔薇だったりすると大変です。
今年のように天候不順の年は大変だったろうなぁ……と、心から思います。
それから設営。これはまた大変でしょうね。友人に聞いたんですが
何でも、一日半でゼロから完成させるみたいです。
トンカントンカンやって、ただ組み立てるだけじゃなく、
いかにも長年そこにあるように見せる事が最大のポイント。
そこは職人さんの腕の見せ所なんでしょうけど、これまた技術が要ります。

主役の植物ですが、実際、会場の基礎は土じゃなく人工芝な訳ですが、
あたかもそこから生えているように、様々な物でマルチングしたり、
苔や植物で地面を覆ったり……。植物関係で、僕が一番大変だと思うのは、
それはツル薔薇!これをアーチやパーゴラ、小屋やフェンスに誘引する訳です。
それぞれの薔薇園から持って来て自然な感じに誘引する……まだ7〜8分咲きの
しっかりとしている薔薇ならいざ知らず、中には満開を過ぎ
今にも触れれば落ちんと言った散りかけの薔薇も沢山あるハズです。
それを慎重に、ああでもない、こうでもない……やっているうちに
ハラハラ散っちゃうでしょうねぇ(笑)ここ数年のショウでは、
いかにも自然な感じに仕上がっているブースが多くて驚かされます。
僕は薔薇を見に行きますが、最近では、庭の作り方や植物の配置、
そんな所にまで目が行くほど素敵なブースが多いです。
そのお陰で、ザァ〜ッと見て回ったのに写真は200枚強(笑)

それから、最近は魅力的なイベントが盛り沢山ですね。
生憎、ピーター・ビールズさんの対談は時間が合わずに見られませんでしたが、
僕が今回一番面白かったのは、コマツ・ガーデンの小松孝一郎さんの
芽接ぎ苗講座です。場所を探してウロついたので、最初の方は聞けませんでしたが
鮮やかな手つきでアッと言う間に芽を台木に継いで行く小松さんの手つき!
命を切り取って、新しい場所に接ぐ訳ですからボヤボヤ出来ないんでしょう。
ファインダーなんか覗いていると瞬く間に終わってしまっています(笑)
それに加えてお話しが面白い!短い時間でしたが人柄が伝わるようでしたよ。

9時30分に入場、アッと言う間に3時間が過ぎて帰宅でした。
行きの電車はドキドキそわそわ、帰りの電車は疲れきって爆睡でした(笑)
今年も大満足の「国際バラとガーデニングショウ」、来年が楽しみでなりません。
ただ一つだけ残念なのは、いつも思うんですが日本人って誤るのが下手ですね。
芋洗い状態の会場で他の人にぶつからないで歩くのは不可能です。
でも一言「失礼」とか「ゴメンなさい」と、何故言えないのか。
背の高い僕は、買った苗を軽々と肩に担いで会場を歩くのですが、
急に行く手を遮るオバさん一人、「その苗はどこでお買いになったの?」……。
丁寧な言葉と裏腹に無礼千万な聞き方。勿論、教えてやりません(笑)
ぶつかっても謝らず、足を踏んでもそのまま行ってしまう……。
こんな輩が本当に植物を愛しているのかと大いに疑問に思います。
綺麗な花々を見て気分良く帰れるハズが、半分くらいはムカムカしてしまうのは
きっと、この見に来ている人のマナーの悪さのせいでしょう。
もっとも、中には礼儀正しい人もいて、お互いに薔薇の名前を教え合ったり
そこでチョッと弾む薔薇談義……稀にそう言う事もあります。

そうそう、面白かったのは、小松さんの芽接ぎ講座を拝聴したあと、
小松さん御自身が実際に接いだ苗を無料配布したんです。
手渡しする女性にドッと押し寄せる人、人、人、人!(笑)
僕は遥か後方、数に限りがあって無理かなぁ……と、思っていましたが、
後ろからオバさん&オジさんにバンバン押されて「痛い痛い!」
「押すな押すな!」と、心の中で叫びつつ、ブースがギシギシ軋む中
どさくさに紛れて前にグイグイ前に進んで「Double Delight」の苗を確保!
そんな訳で、今年はチョッピリ気分がいいのです(笑)

写真は沢山撮った中から何枚かOさんにプレゼントです。
最初の一枚はチョッと意外でしょう?(笑)薔薇の写真だと思いませんでした?
でも、最後は矢張り薔薇の写真。これは市川惠一さんがお作りになった薔薇。
市川惠一さんのお作りになる薔薇は本当に素敵です。
匂い、姿、色、総てを兼ね備えている素晴しい薔薇たちです……。


敬具

2006年5月22日


ブノワ。


[第8回 国際バラとガーデニングショウ]
[Double Delight (ClHT) Christensen, 1982]
[Peter Beales Roses/Peter Beales (1936~ )]
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by raindropsonroses | 2006-05-22 00:00 | Raindrops on roses。

大女優誕生の瞬間……ケイト・ブランシェット。

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拝啓……Mさまへ。

ゴールデン・ウィークが終わり一週間が過ぎました。
どうですか、久し振りの連休、少しはゆっくり出来ましたか?
この前買ったカメラを持って花を撮って歩くって言っていましたが
いい写真が撮れましたでしょうか。今度、見せて下さいね。

さて、今日は3年前にフィルムカメラで撮った写真を同封します。
これは、僕が2002年に交配して作ったオリジナルの薔薇です。
名前はありませんが、昨日、誕生日だったケイト・ブランシェットに捧げたいです。
甘い匂いは心地よく、柔らかな花びらの感じが彼女にピッタリだと思うのです。
Mさんもご存知のように、僕の永遠のヒロインはメリル・ストリープ。
彼女は70年代後半から20年以上に渡り、常に映画界のトップでした。
抜群の演技力で「賞女」と言われるほど。アカデミー賞をはじめとして
数え切れないほどの名演技を見せて来ました、デヴュー当時から大女優の風格。
この大女優と言う言葉、最近はやたらと乱用されます。
ただ芸歴が長いだけの女優や、年齢を重ねただけの女優……。
矢張り、大女優と言う言葉は、出来れば演劇と映画に限定したいもの。
そう考えると、真の大女優と言うのはほんの数えるほどしかいませんね。
映画、演劇の長い歴史を見ても、僕の手足の指で足りるとおもいます。
ケイト・ブランシェットはそんな中の一人。メリル・ストリープの跡を継ぐのは
彼女しかいないといっても過言ではないでしょう。
ケイト・ブランシェットもデヴュー当初から大女優の風格を備えていました。
初めて観た「エリザベス」の衝撃!細身のしなやかな肢体と個性的な顔。
的確な演技力に加え、ある種、新人らしからぬ堂々とした立ち居振る舞い。
映画を観終わった後、ある種の衝撃から立ち直り思った事、
「あぁ、この人がメリル・ストリープのあとを継ぐに違いない!」と確信。
偉大な女優の誕生の瞬間を見た思いがしました。
髪の毛の色や、メイク・アップで役柄になりきる変幻自在な演技力、
僕としては、「バンディッツ」や「シッピング・ニュース」のように
どちらかと言うと、強烈な個性の悪女を演ったほうが好きなのだけれど
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのガラドリエルみたいに
まるで、ボッティチェリの描く女性像、「ヴィーナスの誕生」「春」のヴィーナスや
そして、数多く残っている聖母の肖像に酷似したうりざね顔の美貌を武器に
はんなりとした役柄にも力量を発揮します。
「アヴィエーター」のキャサリン・ヘップバーン役では、最初のゴルフ場のシーン、
台詞の発声と歩き方一つで見事にキャサリン・ヘップバーンを再現しました。
この演技はまさに圧巻。メイクを施せば、ヘップバーンよりも
エヴァ・ガードナーに似るはずなんですが……。
来年には、またまたエリザベス一世を演じる作品が来るそうですね。
これは、まだ撮影中で詳しく内容は分かりませんが、
タイトルが「Elizabeth : Golden Age」となっていますから
監督も一緒ですし1998年の「エリザベス」の続編かと思われます。

………………………………………………………………………………………………………………………

撮影監督、ネストール・アルメンドロスが言った言葉、

「キャメラのレンズが好む顔とそうでない女性がいるのだ。
 フォトジェニックである事の秘密は骨にある……顔の骨格がしっかりしていれば、
 ライトがどこかに取り付く事が出来るのだ」

ケイト・ブランシェットもまさにそう、フォトジェニックな顔の持ち主です。
大女優と言われるからにはは悲劇が出来なければいけません。
一人で悲劇を1本背負う……これが僕が考える大女優の条件です。
これから続々と公開される作品が楽しみでなりませんね。


敬具

2006年5月15日


ブノワ。


[Cate Blanchett (1969~ )]
[Elizabeth/エリザベス (1998)]
[Bandits/バンディッツ (2001)]
[The Shipping News/シッピング・ニュース (2001)]
[The Road of the Rings : The Fellowship of the Rings/
ロード・オブ・ザ・リング (2002)]
[The Aviator/アヴィエーター (2004)]
[Katharine Hepburn (1907~2003)]
[Ava Gardner (1922~1990)]
[Nestor Almendros (1930~1992)]
[Meryl Streep Online /Meryl Streep (1949~ )]
[Elizabeth I (1533~1603)]
[Sandro Botticelli (1444/1445~1510)]
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by raindropsonroses | 2006-05-15 00:00 | 女優の時代。

Raindrops on Roses。

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拝啓

Aさま、ご無沙汰していますがお元気ですか。
昨日の事、出掛けにポストを覗きましたら、Aさんからの絵葉書を発見!
貴重な旅先の時間を割いて、僕のための絵葉書を書いてくれるなんて……。
旅先の珍道中の様子が手に取れるようでした。
今回もお天気に恵まれたみたいですね。きっと、普段の行いがいいせいでしょう。

さて、僕は相変わらず元気にしています。
連休はアッと言う間に過ぎ、それと同時に薔薇の季節がやって来ました!
もう、毎朝、毎朝、まだ薄暗いうちからバルコニーに出て開花のチェックです。
生憎、連休後半から天気が崩れ、昨日もしとしとと雨降り模様です。
折角、待ちに待ったこの時期、薔薇が開きかけていると言うのに……。
今年は強風も多いし、薔薇好きの人達には試練の年かもしれません。

今日、同封した写真は、昨日の霧雨の夕方にバルコニーで撮ったものです。
前の会社の後輩で、今は神戸在住の友人のKくんとお茶をして一度帰宅、
チョッと時間があったので暗くなる前にバルコニーに出て撮影しました。
大雨や、降り続く時間、また雨の状態にもよりますが、
そっと降りしきる霧雨は、思わず美しい衣装を薔薇に纏わせてくれます。
まるで、美しい貴婦人がスパンコールかビーズ、スワロフスキー、色とりどりの
ダイヤモンドをビッシリと縫い付けたドレスを着ているようにも見えます。
優雅なドレープに流れるような裾、動く度に煌めく大粒のダイヤモンド。
薔薇の種類によって、花弁が弱いものは雨が染みてしまい綺麗ではないんですが、
固くてしっかりした花弁を持つ薔薇は、雨の水滴をはじいて宝石を身に纏います。
好い天気に匂いたつ薔薇を鑑賞するのは、勿論、この上ない喜びですが、
何も雨だからって部屋の中に燻っている事はありません。
傘を差し、雨にうなだれる薔薇を見るのも一興ですよ。

一番最初の写真は、去年撮影した「Jubilee Celebration」。
朽ちる寸前で今にも花びらが落ちそうですが、ダイヤモンドで最後のお色直しです。
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●写真は、1番最初がハイブリッド・ティーの最高峰、
 名だたるコンテストを制した銘花「Royal Highness」。
 その完璧な高芯剣弁の姿、特に蕾の美しさは他に較べる薔薇がありません。
●2番目は、限りなく青に近い薔薇、紫色の法衣を纏った「Cardinal Richerieu」。
 開花と同時に赤紫からグレーがかった紫に退色、この花自体が宝石です。
●3番目は、比較的最近のイングリッシュ・ローズ「Comtes de Champagne」。
 横張り性、細立ちの株に小振りで匂いのいい花をタップリ付けます。
●4番目は、小柄な薔薇ですが、大きく匂いのいい花を沢山つける
 「Irene Watts」。この薔薇は蕾の時から散り際まで、いつ見ても完璧な姿です。
●5番目は、この所少し落ち着きましたが、一昨年から薔薇好きのオバサマ達の
 心を鷲掴みにして大フィーバーになった大人気の「Grey Pearl」。
 日光を好みますが、花の色は日当たりがいいと存分に魅力を発揮しません。
●6番目は、往年の和名を「桜鏡」と言う「Duchesses de Brabant」。
 花弁はそれほどビッシリではありませんが、その優雅な姿、
 気持ち項垂れて咲く姿は優雅そのもの。昔からの人気品種ですね。
●7番目は、すらりと背の高いティ・ローズの優等生「Catherine Mermet」。
 殆ど直立性、ボーダーの後ろに植えると立体感が生まれます。
 花付きも良し、明るめの葉の形は大きくタップリとしていて
 十分な間隔を持ってまばらに付きますから、背の高いこの薔薇にはピッタリです。
●8番目は、抜群の匂いと花付きを誇る「Charles de Gaulle」。
 それほど大きくならない木にラヴェンダーの巨大輪をタップリ付けます。
 大きいけれど繊細な花は非常に強い匂い。この薔薇を思い出す時は、
 先ず、その匂いが頭に浮かぶくらい素晴しい匂いです。
●9番目は、あのヴィヴィアン・リーの庭にも咲いていた「Belle de Crecy」。
 開花と同時に濃いピンクから紫色に退色。ピンクの部分も残りますので
 一つの花は微妙に違った表情になります。他に比類なきオールド・ローズ。
●最後、10番目は、ある時期、切り花界で白い薔薇と言えば
 「Pascali」とまで言われた抜群に素晴しい白い薔薇。
 この薔薇も、ホームセンターで瀕死の状態の所を我家にお迎えしました。

どうですか、それぞれに綺麗だと思いませんか。薔薇はいつ見ても美しいです。
雨だからってクヨクヨしていても仕方ありません。
いっその事、外に出てこんな楽しみ方をするのも素敵です。


敬具

2006年5月日


ブノワ。


[Jubilee Celebration (ER) Austin, 2003]
[Royal Highness (HT) Swim & Weeks, 1962]
[Cardinal Richerieu (G) Laffay, pre-1840]
[Comtes de Champagne (ER) Austin, 2001]
[Irene Watts (C) Guillot, 1896]
[Grey Pearl (HT) McGredy, 1945]
[Duchesses de Brabant (T) Bernede, 1857]
[Catherine Merimet (T) Guillot, 1869]
[Charles de Gaulle (HT) Meilland, 1974]
[Belle de Crecy (G) pre-1829]
[Pascali (ClHT) Lens, 1963]

[David Austin Roses/David Austin (1926~ )]
[Meilland Richardier Meilland International]
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by raindropsonroses | 2006-05-09 00:00 | 薔薇の名前。