「ほっ」と。キャンペーン

匂いのいい花束。ANNEXE。

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母の肖像。

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……………………………………………………………………………………………………………………………………………………

あれは僕が何歳くらいのことだっただろうか……。

幼稚園の間だけ父親の仕事の都合で神奈川県の中部、E市に住んでいた頃のことだ。
深夜に急に高熱を出して倒れた僕を、母が背中に背負って病院から病院へ、
何軒も走っている間の砂利道のホコリっぽい匂いと、母の背中の揺れを今でも覚えている……。

僕の一番、古い母の想い出……鮮明で、記憶と言うより身体で覚えている母の面影。

 「大丈夫だからね、しっかりしなさい」  今でも母の声が聞こえるようです……。

母は6人兄弟の一番末っ子として長野県に生まれました。
家の都合で幼くして学業もそこそこに隣町の工場で働き始めた母。
引っ越しの朝、動き出す汽車からは通学する友達たちの姿が……思わず扉に身を隠す母……。
思い出したかのように語る母の悲しそうな顔が思い出されます。
以後、数回の転職、定年になるまでは病院に勤務し、
20年間、一度も欠勤したことがないことが母の誇りでした。
人一倍負けん気が強く、曲がった事が大嫌いな母、
料理の腕はどちらかと言うとヘタクソでしたが、餃子を作らせたら天下一品でした。
もっとも、最近は僕の方が美味しい餃子を作るようになったけれど、
元来、負けん気が強い母は「お母さんの餃子の方が絶対に美味しい」と、
僕の餃子を絶対に食べようとしなかった……母らしいエピソード(笑)

母からは特別、ああしろ、こうしろと物事を教わった事はありません。
全ては我身を以て僕に教えてくれた母、曲がった事はするな、人さまにズルいことはするな、
挨拶は丁寧に、何事にも感謝の気持ちを忘れないこと……等々。
言葉ではなく、先ず、自分が実践して子供に見せる……。
元来、教育とはそう言うものではないか……親が身を以て子に教える……。
子供は親を見て育つ……僕はそう思います。


……………………………………………………………………………………………………………………………………………………

その母が生きていたら今日で75歳の誕生日を迎えていた事になります。
2年前の7月5日に急逝、僕が生まれた数年後に流産をした時に
輸血から貰った肝炎のウイルスが原因でした。40年も経っているのに今更?
病院に勤めていたのになぜ放って置いたのか?今になると色々と思う事もあります。
2度ほど手術をしましたが、病院勤めで色々な患者さんの苦しみを知っている母は頑なに入院を拒否、
それでも、最期はどうにも辛くて自分で病院に電話し入院した翌日に亡くなりました。
人に迷惑をかけない母らしい最期、あれよあれよと言う間に旅立った母。
本人の希望で親類縁者には知らせずにいましたが、
冷たくなった母の病室には「生前お世話になりました」と、若い看護婦さんたちの行列。
患者さんに愛され、病院長から同僚まで、仕事仲間に信頼され慕われた母。
何よりも母の人柄を語るエピソード、誇らしい気持ちで一杯でした。
20年間働いた病院から冷たくなって出て行く母、夏の宵のチョッと物悲しい想い出です……。

この写真は今から何年前のものでしょうか……。
聞くところによると、僕が生まれる前、薔薇も終わりかけの初夏の頃に横浜港で撮った1枚とか。
モノクロ写真は今ではスッカリ色褪せてセピア色になっています。
スーツの襟の形、手に持ったハンカチと日傘、精一杯のお洒落、
化粧は当時流行っていたハリウッドの女優を真似て(本人弁)……。
笑うのは、この1枚が父が撮ったものではなく、他のボーイフレンドが撮ったものだと言うこと。
あっけらかんと僕に言う母、そんな進んだところもある母でした……。
晩年はスッカリ写真嫌いになった母なのに、
カメラに向かってこんなポーズをとるなんて!母の珍しい一面を見るようです。

改めて、五体満足に、そして、健康な身体に生んでくれた母に
心から感謝の気持ちを捧げたいと思いいます。

以前に「男の価値って?」と言う記事を書いた時に、
僕にとっての女の価値、理想の女性とは?そう言う問いかけが沢山ありました。

僕は思うのですが、多かれ少なかれ、男女の差なく、
全ての人間が心に思い描く理想の女性像は母親なのではないか……と。
古い言葉に「滅私奉公」と言うのがあります。
これを親子関係に当て嵌めてみると、自分を犠牲にしてまで子供を守る、
何の逡巡もなく、第一に子供の幸せを願う……先ず自分が盾になる……それが自然に出来たあの頃。
今は母親に限らず父親も、そう言う血の濃さが希薄になって来ているように思えてなりません。
先ずは自分が第一。己の快楽、享楽にためには子供なんて二の次、三の次……。

母が遊び人の父と半ば駆け落ちのようにして東京に出て来る時、
スグ上のお兄さんが「何かあったらこれを売って帰って来い」と、作ってくれた
松竹梅が刻まれたプラチナの指輪、それは遺品として僕の小指に嵌っています。
まだ心の整理はついていません。友人は大いに呆れていましたが、
母が亡くなった前後も一日も休まずにブログを書き、葬儀の翌々日には友人と会食……。
勿論、悲しかったけれど、普通にしている事で気も紛れるし、
何より自分らしいと思いました。人に気遣われるのがイヤなんですよ……天の邪鬼なんです。

今でも電話をすれば母が出るような錯覚を覚えます。
生前は何も親孝行らしい事をしてあげられませんでした。
この先の僕を見守っていて欲しい、いつかきっと、母に自慢出来るようなことが出来るのではないか……。
そう信じていると、何やら力が湧いて来るような気がします。


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2008-01-29 00:00 | いつも心に太陽を。 | Comments(68)

潔さ。

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拝啓

一月も終わりに近付き、本格的な寒さがやって来ました。
Kさん、正月に引いた風邪が漸く抜けたとか。呉々も大事になさって下さいね。

さて、Kさんはビックリしていたみたいですが、ウチの叔母、本当に芸能人だったんですよ。
僕が物心つく頃には結婚して芸能界を引退していましたけど、
若い頃は歌手、その後、女優に転身して可成り売れていたみたいです。
ある年代の人は名前を聞けば分かるんじゃないかな……。

いつも叔母のことを考える時、随分と潔い人だなぁって思うんです。
引退後も沢山、復帰の話しを貰っていたみたいだし、
特に、プロデューサーをやっていた叔父と死別してからは
自由になる時間もあったハズ。元来、非常に機転のきく面白い人なので、
少し前の、バラエティーに面白可笑しい個性的な熟女達が
大挙して出ていた頃にカムバックしていれば、第二のブームになっていただろうに、
本人は全く芸能界には無頓着、興味がなかったようです。

その点ではスターの度合いが桁外れに違うけれど、
山口百恵に似ています。とても潔い生き方だと思うんです。
男の場合、武士に二言はない……と、言いますが、
引退したら二度と芸能界には戻らない……そう言う生き方。
ちあきなおみもそう、僕が山口百恵の大ファンだった理由の中には、
そんな気っ風の良さ、潔さに何かを感じるところがあったのでしょうね。

普通の女の子に、また、普通のオバさんに戻りたくて芸能界を引退したあとに、
何らかの理由で芸能界にカムバックして来た人達、
また、自分の結婚や離婚、出産や身内の不幸、闘病生活を詳らかにすることで、
生き馬の目を射抜く芸能界を逞しく生き抜いているタレントもいます。
売れるネタは何でも使う、自分を切り売りしてもメディアに出たい……。
それから、最近の低俗なテレビ番組や、クイズ番組を見るにつけ、
驚異的な頭の悪さや無知が芸能界で売れ残るための切り札だったりする人達に比べたら
どれだけ生き方として格好いいか……矢張り、潔いと思うのです。

カムバックが悪いと言っているのではないんですよ。
カムバックして新たに華々しく活躍していたり、違う道で才能を開花させる人もいる訳で、
それはそれで凄いことだと思うのです。少なくともカムバックするからには
引退する前よりは活躍していないと納得が行きませんよね。
だって、引退興行とやらに踊らされたファン、ボロ儲けした人達もいる訳ですからね、
何だか釈然としないし、引退前と同じことをしていたをじゃこっちが恥ずかしいです。

人のことをとやかく言える立場ではないけれど、
年も年だし、この先はあまりみっともない生き方はしたくない、
格好よく生きたいと思うんです。そう、潔い生き方ね。それが僕の目標かな。
今度、叔母に会ったらカムバックしなかった理由を聞いてみますね。
笑い飛ばされるだけかもしれません……でも、とても興味があります。
引退後、叔母は暇があるとリボンで小さな薔薇を作ることを趣味にしていました。
小さな薔薇を何十本と作り、籠に入れて飾る……手先の器用な人でしたっけ。


敬具

2008年1月23日


ブノワ。


[山口百恵/Momoe Yamaguchi (1959~ )]
[ちあきなおみ/Naomi Chiaki (1947~ )]

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by raindropsonroses | 2008-01-23 00:00 | いつも心に太陽を。 | Comments(17)

今年も願いを託して……。

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前略

穏やかな年明けになりましたね。
Nさん、田舎のお母さまから根菜類の詰め合せが届きました!
いつも気を遣って戴き、本当にありがとうございます。
これで淋しかった食卓が豊かなものになります(笑)
お母さまには呉々も宜しくお伝え下さいね。

お母さまへのお礼ですが、色々と考えた末、
僕のオリジナルの薔薇をプレゼントしようと思います。
時期は5月、まだまだ先の話になりますが、株をプレゼントする訳には行かないので、
咲いた花を何種類かブーケにしてお送りする積もりです。

さて、先日の雨上がりの早朝、日の出と共にオリジナルの薔薇の枝をカットしました。
これは今年、枝を接いで増やして貰う分なんです。
何しろ、世界でたった一株しかありませんからね、
何かの拍子に株がダメになったら完全にアウトな訳です。
PCのバックアップみたいなものかな。何重にも厳重にコピーを取っておかないとね、
転ばぬ先の杖ですか(笑)今のうちに数株に増やしておけば、
もしもの時に泣かなくて済みますからね。
現に、今までにもお気に入りの薔薇をダメにしたことがありますから……。
失われた薔薇は二度と作り出すことが出来ません。
たとえ同じ交配親を使っても二度と同じ薔薇を作ることは出来ないのですよ。

いつものように未だ暗い4時に起床、珈琲をいれてPCの前に陣取り、
メール等をチェック、猫の世話をしてからゆっくりと入浴。
入れ代わり立ち代わり入ってくるお園ときんと遊んでやる頃、
白々と空が明けて来ます。ウインド・ブレーカーを引っ掛け、
剪定鋏と水が入った大きなグラス、通し番号を付けたプラスチックの札に
紐などの道具を持ってバルコニーに……。
キリリと冷えた空気は頬に心地よく、本当は寒いハズなのに、
これからの作業を思うと身体が引き締まるような感覚になります。
メモを見ながら既に刺を取ってある枝を順番に切って行きます。

元気のいい囀り声に目を上げれば、スグ近くのオリーブの樹の枝ににメジロが一羽、
目が合ったので鳴き真似をすると不思議そうに小首を傾げて僕の方を見ます。
そうだ、今年は忙しくてメジロに蜜柑をあげるのを忘れていました。
早速、今日の帰りにでもスーパーに寄らなければ……。

切った枝を水に浸けること2時間、さらに丁寧に刺を取り、
水揚げをしてから梱包、お願いする切り接ぎの第一人者の所に持参します。
郵送してもいいのだけれど、万が一のこともありますしね。
それにお願い事をするんです、面倒臭がらずに自分から足を運ばないといけません。
5月にはおよそ100本の子供が我が家に戻って来ます。
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写真は満を持して選んだ僕のオリジナルの薔薇。
僕の好みから言うと、この色は非常に珍しいのです。素晴らしい匂いに細立ちの樹形、
年月が経ってカップが深くなり、いい感じになって来ました。

今年もちゃんと育ってくれるかな。どんな花が咲くのかな。
大きさは?色は?花付きは?それ程、親木と変わらないハズだけれど、
思わず強情な性格だったり、弱々しかったり……。
新苗として届き、花が咲く頃に一喜一憂している自分が目に見えるようです。


草々

2008年1月22日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2008-01-22 00:00 | 薔薇の名前。 | Comments(16)

染香姐さんは園ちゃん専用の枕。

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前略

Oさん、新年早々お忙しいみたいですが元気にしていらっしゃいますか。
まぁ、働くのが趣味と言うOさんですからね、野暮なことは言う止めましょう(笑)
でも、呉々も身体は大事にして下さい。健康が第一ですからね。

さて、リクエストにお応えしてお園の懐かしい写真を同封しておきます。
この写真はお園がウチにやって来てたった1ヶ月目の一枚、
染香と朝子に疎まれながらも天性の人懐っこさでアッと言う間に仲間入り、
染香の隙を狙って枕代わりにしているお園です(笑)

その一連の様子、PCの所で一部始終を見ていたんですが、大いに笑ったものです。
先ず、写真を撮ったのは日曜日、時間は午後の1時でした。
奥にボンヤリ写っている朝子は、何と朝からズゥ〜っと同じ位置で就寝中、
もう目と脳味噌が溶けるんじゃないかって思うくらいに爆睡していました。
そこにやって来た染香、当時は冷戦状態だった朝子をチラリと見ると、
十分離れた場所にゴロンとお得意のポーズで寝転がり、昼寝の態勢です。
待つこと10分、染香が「スゥピイスゥピィ……」寝息をたて始めると、
何処からともなくお園が登場。「フンっ!」っと小さく鼻息を立てると、
染香の所に歩いて行き、タップリとした染香のお腹に顎をチョコンと乗せ、
目をキョロキョロさせているところです(笑)
この後スグ、お園も「スゥピィスゥピィ……」寝息を立て始めたのは言うまでもありません。

最近では「ガンバの大冒険」のノロイのようにスッカリ悪役の印象の強いお園ですが、
こんなに可愛らしい時代もあったんですよ……でも、誤解しないで下さいね、
今も飛び切り可愛らしいし、この子なしでは僕の生活は考えられないんだけれど、
便宜上、悪役な訳(笑)その方が猫の個性が際立って面白いでしょう?(笑)
今度、実物のお園に会いに来て下さいよ。必ず懐いて来るハズですから。


草々

2008年1月20日 


ブノワ。


[染香・Someka (1997~2005) Domestic Short Hair,
    Brown Mackeral Tabby and White]
[朝子・Asako (1998~ ) Domestic Short Hair, Black and White Bicolor]
[お園・Osono (2002~ ) Domestic Short Hair, White]


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by raindropsonroses | 2008-01-20 00:00 | 猫が行方不明。 | Comments(16)

僕……段取りの人。

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前略

晴れがましい新年になりました。
元旦からお仕事と聞きましたが、Fさん、その後、お変わりありませんか。
年末はギリギリでお目にかかれて嬉しかったです。
いいですね、古い友達って。間が空いても昨日分かれたみたいに話が出来ますね。

さて、先日の夕食の席でのこと。Fさんは僕のことを「段取りの人」と呼びましたね(笑)
うぅ〜ん、確かに言われてみればそうかもしれません。
少なくとも仕事の面では段取りを最優先して根回しして一気に片付けるタイプかもしれませんね。
乗って来たのに途中で段取りが悪くてリズムが狂わされるのが嫌なんです。
自分が直接手を下さない仕事でも、いつもデータや原稿を揃えて
後輩が作業しやすいように段取りしておきます。
それは仕事面のことだけではなく、働き易くなるならば、
私生活までとは言わないけれど全てのことに及びます。
急がば回れ、結果が一緒でも、僕はその方が働き易いんです。

人には色々なタイプの人がいますよね。
段取りもせずに猪突猛進、ガァ〜っとあらゆるものをねじ伏せて解決する人、
僕のように全てのことに気をかけて下準備と段取りをする人……。
僕はあまり周囲と衝突したくないのですよ(笑)
頭一つ下げてお願いして済むならそれでOK、頭を下げることで
自分でやらなきゃならない仕事が一つ減ればそれでいいじゃないですか(笑)
何事も交渉と段取り、僕はそう思います。
あと、他業者とは良く話しをするかな……色々と勉強になりますからね。

今日の写真は「段取りの人」の僕が作ったオリジナルの薔薇。
花を楽しみながら交配もする。母親になる樹を選んだり花粉をふんだんに用意したり、
段取りは十分にするけれど、出来上がり、どんな花が咲くかは神のみぞ知る、
開けてビックリ玉手箱、そこがまた面白いんですけどね……。

近々、またご飯しましょうね!ではでは、長くなりました、お元気で!


草々

2008年1月9日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2008-01-09 00:00 | いつも心に太陽を。 | Comments(16)

美しいもの、本物を知るには……。

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拝啓

穏やかな新年になりました、Dさん、ご無沙汰していますが元気にお過ごしですか。
一年を通して何かと作業がある薔薇です。
僕は猫に邪魔されながら時間を見つけては作業に精を出す毎日です。

さて、先日の「美しいもの、本物を知る」についてのお話し、
途中になってしまいましたので手紙にて失礼致します。
昨日が誕生日で、丁度10年前に惜しまれて亡くなった、文学座の杉村春子さん、
彼女は文学座の立ち上げの時からのメンバーでした。
不世出の大女優、杉村春子さんだって娘時代から大スターだった訳ではありません。
彼女が抜群の観客動員を誇るスター女優になったのは50才を過ぎてから、
意外に知られていませんが、杉村さんは舞台のみならず、映画やテレビでも大活躍した人
勿論、成瀬巳喜男が「杉村さんはセットに入って来る時から抜群のリズム感がある」と、
驚いたと言われる絶妙の間のある演技は天賦の才能なのでしょうけれど、
これまた意外なことに杉村さんは歌舞伎や新派の女形に色々と教えを請うています。
杉村さんは女優だけれど、男が演じる女形に女性の美を見いだした、
女性の美をリアリズムで演じるのではなく、あくまでも「形」として女性の美を表現しました。
杉村さんは一般にリアリズムの演技で評価されていますが、
杉村さんの演技の神髄は、その美しい「形」にあると思うんです。
いつか楽屋でこう仰言っていました。

「だってあなた、どうせ転ぶのなら綺麗に転んだ方がいいじゃないですか」と。

着物姿で如何に綺麗に見えるかを研究し、「欲望という名の電車」では
強度の外反母趾で歩くことさえままならないのに、
より美しく見せようと高いヒールを履き、ステージも所謂、
「八百屋」と言われる客席の方が少し傾斜して低くなっている舞台を
膨大な台詞を喋りながら縦横無尽に歩き回ります。美しく見えることへの執念、
全ては白鳥が優雅に滑るように泳ぐ水面下の足の動きに似て、
絶え間ない努力と研究心のなせる業なのでしょう。
終演後、カーテンコールの時に大きな花束を差し出す僕に、
愁いを帯びた笑顔で応えながら、北村和夫さんの支えなしには
屈むことも出来ないくらいに疲労困憊するほどハードな舞台でした。

杉村さんのトレードマークであるハンカチをはじめ、抜群の小道具使いの妙。
どの芝居の台詞回しも素晴らしいのですが、僕が取り分け凄いと思うのは
有吉佐和子原作の「華岡青州の妻」における紀州弁の抑揚が効いた台詞です。
鈴が鳴るような声にオペラのアリアを聴くような台詞回し。
こればかりは他のどの女優も真似出来ないのではないでしょうか。

世界初の麻酔薬を作り出した紀州の華岡青洲の陰には
競って麻酔薬の実験台になった嫁、加恵(かえ)と姑、お継(おつぎ)の確執がありました。
「私こそ青洲のことを思っている……」この一念が嫁と姑に争って強い薬を飲ませます。
麻酔が覚め、加恵の目が見えなくなっていることに愕然としたお継、
自分は何でもないのになぜ加恵だけが……。
まるで薬を飲んで回復が遅かった方が青洲の役に立っているかのような錯覚に落ちています。

 「同じ薬を飲んでいたのに、何で加恵さんだけが……」

その問いかけに青洲は「加恵の方が強い薬を飲んでいましたんや!」
と、絞り出すように答えます。愕然としたお継は……。

 「それを加恵さんはぁ……知ってなしたんかのしぃ……」

この、お継の問いかけに勝ち誇ったように薄く笑いながら頷く加恵……、
自分が完全に嫁に敗北したことを嫌と言うほど思い知らされ大きく泣き崩れる姑、お継。
一見、大仰な台詞回しに聞こえるけれど、美しく崩れ落ちる姿は、
再終幕は全くお継の出番がないのに、その一言で存在感を大きく残します。
杉村さんは「形の女優」……僕はそう思うのです。

人知れず陰で絶え間ない努力をして来た杉村さんに、
文学座の創始者の一人である里見醇は言いました。

 「兎に角、いいものだけ、本物だけを見なさい。そうすれば自ずと悪いものが見えて来るから」と……。

素晴らしい文学、音楽、絵画や彫刻、映画や舞台に触れ、
決して高くはなくとも旬の美味しいものを食べ、自分の中に吸収する。
そうして本物に接する事によって美しいもの、素晴らしいものが見えて来るのでしょう。

薔薇だってそうです、文学を愛し、音楽を聴き、絵画に親しむ……。
そうやって初めて薔薇の素晴らしさが分かって来るのではないでしょうか。
僕もアンテナだけは張っているし、洪水のような情報を見極める目もあるハズなんですけどね、
どうにもこうにもハズレが多くて適いません。
まぁ、悪いものを見て、どこがダメなのかを知るのもいいもんだ、
そう思って無理矢理、自分を納得させてはいるんですげど(笑)

写真は数年前にパリ郊外のバガテル庭園で撮った薔薇とクレマチスの競演。
杉村さんはテッセンがお好きでしたっけ……。


敬具

2008年1月7日


ブノワ。


[杉村春子/Haruko Sugimura (1909~1997)]
[里見弴/Ton Satomi (1888~1983)]
[欲望という名の電車 (1953) 文学座 初演]
[有吉佐和子/Sawako Ariyoshi (1931~1984)]
[ふるあめりかに袖はぬらさじ (1972) 文学座 初演]
[北村和夫/Kazuo Kitamura (1927~2007)]

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by raindropsonroses | 2008-01-07 00:00 | 女優の時代。 | Comments(14)

カトリーヌ・ドゥヌーヴを気取る。

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拝啓。

寒さ厳しい年明けになりました。
Kさん、仕事始めは順調ですか。毎年、新年明けはお忙しいのですよね。
さて、日が射さず気温が低い曇天の朝を迎えると、数年前のパリを思い出します。
全く時間がない中、友人とトンボ帰りに近い日程でパリを訪れたのです。
まぁ、強行軍は慣れていますからね、そんなものは何でもないんですが、
出発が近づくに連れてウキウキして来る気持ちは押さえようがありません。
早々に荷造りをし、いつものことながら分刻みの予定表を立て、
あとはパリに向けて出発するだけと、言う段になってハタと思ったんです。

「今回は何を着ていこう……。」

パリには毎回〜それぞれテーマを作って遊びに行きます。
サファリが流行った時にはお気に入りのサファリ・ジャケットを一枚カバンに忍ばせ、
「ブロークバック・マウンテン」が公開された時にはウェスタン・ブーツを履いて行ったり……。
兎に角、僕は影響されやすいので(笑)
何がしかその時々のお気に入りのテーマを作って楽しんでいます。
春から夏は簡単な服装でもいいのですが、寒い時期は荷物も嵩張りますし、
着回しがききコンパクトで暖かな服装が求められる訳です。

この迷っている時期に偶然に観た映画と言うのが、
カトリーヌ・ドゥヌーヴが宝石商を演じた「ヴァンドーム広場」でした。
役柄から取っ替え引っ替えの豪華衣裳に身を包んだドゥヌーヴが無表情で淡々と演じたマリアンヌ。
内容は兎も角、僕の目が釘付けになったのは、シーン毎にドゥヌーヴが身に纏うトレンチ・コート!

10頭身のファッション・モデルが薄っぺらい身体にヒラヒラとコートを纏うのとは違い、
ドゥヌーヴのトレンチ・コート姿は貫禄と風格が滲み出て見る者を圧倒します。
どっしりした上半身に肩パット、辺りを払う勢いでパリの街を颯爽と歩くドゥヌーヴ、
その時、ハタと思い当たったんです。

「そうだ!パリにはトレンチ・コートを着て行こう!」(笑)

少し淡いカーキ色のトレンチ・コートを着ていつものスーツケースを持ち、
時間通りに待ち合わせ場所に現われた僕を見た友人は、

「その格好でパリに行くの?」と、目を丸くします。

トレンチ・コートだと寒いと思ったんでしょうね。
でも、上質の綿でしっかりと仕立てられたトレンチ・コートは風も通さないし、
裏にはライナーも付きます。軽いし膝下まで丈があって暖かいし畳めば嵩張らないし。
カチっと仕立てられていますから、堅苦しくジャケットの上じゃなくても
ニットの上に軽く羽織ってカジュアルに着崩してもいいし……。
可成り重宝しました。僕は上背があるからトレンチ・コートが似合うのですよ(笑)
大体が、日本ではトレンチ・コートの下にはジャケットを着ないといけない……。
そんな風潮がありますね……特に男性の場合。
もっと遊び心を前面に押し出せば、素敵なトレンチ・コートの着こなしが出来るのに……。
またいつかトレンチ・コートを着てパリに行けるかな?
まぁ、次は違うテーマになっちゃうでしょうけどね。

写真はパリに着て行ったトレンチ・コートと、最近お気に入りの黒いトレンチ・コート。
大好きなジーンズに黒のニット、そして黒いトレンチ・コートをさっと羽織る……。
その出で立ちの人を街で見掛けたら……それは僕です(笑)

Kさん、近々、ご飯でも一緒に如何ですか。
和製ドゥヌーヴみたいなマダムがいるビストロがあるんですよ(笑)
是非、是非、お付き合い下さいね。それまでお元気で!


敬具

2008年1月4日


ブノワ。


[Catherine Deneuve (1943~ )]
[Place Vendome/ヴァンドーム広場 (1998)]

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by raindropsonroses | 2008-01-04 00:00 | 旅の栞。 | Comments(14)

こちらまで幸せな気分に……恋人たちの予感(2)

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拝啓

穏やかな年明けとなりました。Dさんは大晦日まで仕事だったのですよね。
仕事納めのあとの初詣……元旦からはゆっくり休めましたか。

僕は久しぶりにどこにも出掛けない正月を迎えています。
最近は年賀状は書かなくなりましたから、これが今年初めてペンを取ることになります。

今日は以前からお約束の写真を同封しますね。
この一枚は一昨年の秋に訪れたスペインはバルセロナ、
カタルーニャ美術館の上階にあるホール、休憩所で撮りました。
午後からガウディの礼拝堂に行く予定だった僕は、
朝一番でカタルーニャ美術館を訪れたのです。
初めての街に着くと先ず、美術館に足を運ぶのが僕の習わしなんです。

軽く観て流す予定が思わぬ所蔵量と質の高さについつい長居、
美術館を訪問する時の常で知らない内に疲れてしまったのでしょう、
どこかで休憩を……そう思った瞬間に目の前が開け、件のホールがに出た訳です。
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高いドームの天井には素晴らしい天井画が描かれていて、
ひとしきり眺めてフロアーに目を落とし、座るためにソファーを探すと、
ゆったりと居心地の良さそうなソファーが沢山並ぶフロアーには僕の他にはたった二人……。
それが写真のカップル、一足先に座って寛いでいたと言う訳です。

こう言う場合、普通は遠慮して離れて座るんですけどね(笑)
とても雰囲気がいいカップルだったので、少し離れて二人が視界に入る所に座りました。

周りの様子には全く無頓着、二人だけの世界に入り込んで愛情を確かめあう二人。
決してイヤらしくなく爽やかな雰囲気は日本人には決して真似出来ないところでしょう。
いちゃつくと言うよりは、音声ガイドに耳を傾けながら静かに語り合う様子は、
おそらく、若いハズなのに、年齢に似合わずとても大人びた感じがしました。
普段、この手の光景には絶対に驚かない僕でさえ羨ましいと思うほど……。
大体、恋人同士で美術館に行くなんて素敵じゃないですか?!

去り際、立ち上がった女性の方は僕を見て艶然と笑い掛け、
男性の方は軽くウインク一つ……この辺にも文化の違いを感じます。
最後に驚いたのは、この女性、顎のラインまでのショート・ボブだったんです。
僕はてっきり背中まで届くロング・ヘアーを勝手に想像していましたからね。
女性の方が少し背が高かったかな。何だかホンワカといいものを見ちゃった感じ、
その後の一日が非常に浮き立った軽やかなものになりました(笑)

写真の感想、今度、聞かせて下さいね。
近々、日本酒が美味しい店で一献、僕の奢りですよ!楽しみにしていますね。


敬具

2008年1月3日


ブノワ。


[カタルーニャ美術館]

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by raindropsonroses | 2008-01-03 00:00 | 旅の栞。 | Comments(18)

年末年始……辛口雑記。

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穏やかな新年になりました……年末年始のことなどをチョッと……。

昨年の暮れ、30日には23年来の大親友と最後の食事に「ビストロ・プティ・ハナ」へ。
相変わらず美味しい料理の数々と心の籠ったサービスを堪能、
最後の営業日だと言うのに満席で賑わう店内に安堵の念を抱く……。
矢張り、大好きな店には繁盛を、客の熱気と厨房に向かってオーダーする弾んだ声が欲しい。
いつまでも変わらずそこにあって欲しい。チョッと落ち込んでいる友人も強引に誘い出し、
無理矢理に何とか笑顔にさせる。友達ってそう言うものだから……これは僕の主義ね(笑)

翌日、大晦日は酔いどれてウチに泊まった友人を叩き起こして観納めの映画に向かう。
作品は大好きな監督、フランゾワ・オゾンの「エンジェル」……。
期待していただけに大いにガッカリ。20世紀初頭のイギリスの風俗も描かれていないし、
先ず、主人公に全く魅力を感じられず。傲慢なまでに自分に素直でいる主人公エンジェル、
不躾で横柄で尊大で、ある意味で天真爛漫、
現実と夢の狭間で朽ち果てて行く主人公の何も描かれていなかった。
よく「風と共に去りぬ」のスカーレットと比較されるけれど、全く雲泥の差、
スカーレットはどんなに抜け目なく立ち回っても悪辣に金を稼いでも、
妹の男を次から次へと寝取っても愛すべきキャラクターなのだ。
これは女優の力量の差と言うべきか……大いに欲求不満な観納めとなった。
常々言っているけれど、大女優になるなら一人で悲劇を1本背負って行かなければね……。
誰のミューズだか知らないけれど、主人公に扮した女優に何の魅力も感じられず。

何だかムンムンした気分……その足で自由が丘の行きつけの蕎麦屋へ年越し蕎麦を食べに行く。
ここから合流した悪友とワイワイやりながら店の前に立つと、
何と、店はコンビニに変わっていて一同唖然……思えば最後に来たのは去年の大晦日、
通い始めてかれこれ20年になろうかと言う店がなくなっているのは大層辛いものがある。
気分を取り直して近くの蕎麦屋へ……天婦羅蕎麦で年越し蕎麦とする。

明るい内に新年の買い出しをして帰宅。
お世話になった薔薇の大先輩と、最近知り合いになり、
勝手に弟のように可愛らしいと思っている友達に電話で年末のご挨拶を。
溌溂とした先輩の声、まだ何処かぎこちなく緊張もするけれど、どこか通じるものがある弟の声に
心温まる気持ちを抱いて電話を切る……矢張り、人の声っていいものですね。

早い時間からシャンパンを開け、一人で大晦日の夕餉に……。
僕にとって、大晦日は一人でテーブルに向かうことが習慣となっている。
好きな食べ物を揃え、美味しい酒を開けてグラスを傾ける……なかなかいいものだ。
程よく酔った所で何年かぶりに紅白歌合戦を見る……。
僕が知らないうちに惨憺たるものになっている歌合戦、あれは一体なに?
蝋人形館のような歌手の面々、歌手不在、懐メロ番組に成り果てた紅白に愕然。
年々大きく結われる女性演歌歌手の髪、ベテランほど声が出ず、歌が下手になって行くって一体……。
普段からキッチリ歌を歌っていない証拠、バラエティーにばかり出ているからでしょう(笑)
大体が、歌だけで聴かせることが出来ない歌手って一体!
バックにダンサーやコーラスの大群を従え、歌を聴かせると言うより
視覚で驚かせる感じ……ジャリタレ、お笑いタレントと巨大芸能事務所が占拠する芸能界にウンザリ。
昔はヒット曲を持つ歌手が目白押しで、出場することすら困難で、
出場が叶った暁には、一体どの曲を歌うのか、ファンは一喜一憂したものなのに……。
一番感激したのは、山口百恵がトリを取った年、「プレイバック Part 2」を歌った年かな。
酔いを醒ますために風呂に浸かる……ここで2時間熟睡(笑)最近、多いのです、
湯船で寝てしまうことが……お湯が冷めて目が覚めることもしばしば……。

除夜の鐘を聴きながら友人にメールで新年の挨拶を……。
元旦はゆっくり起きて「エンジェル」の仕切り直しで地元のシネコンへ。
あんな作品が観納めじゃ収まりがつかないのです。何でもいいから映画が観たかった……。
そうだ、今日は映画の日!新年早々、欲をかいて「魍魎の匣」と
「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」を観る。
なぜ「魍魎の匣」?一番映像化しにくいハズなのに。京極夏彦の作品を全部映像化する積もり?
僕なら順不同に「鉄鼠の檻」を映画化するけどなぁ……。
ロケ地の関係か、全く昭和初期に東京には見えなかった、
瓦の形、窓枠、エキストラの顔……どれ一つとっても日本にあらず。
暫く日本映画は観たくないなぁ……ヒドイ出来にガッカリ……「エンジェル」から2連敗。
それに引き換え「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」は腐っても鯛か?
強引に観客を楽しませる底力を持つハリウッド映画に脱帽。
全て絵空事なんだけど、いかにもそれらしく見せてくれるもの……。
どうでもいいけど、副題の「Book of Secrets」って、リンカーン暗殺者の日記じゃなくて、
歴代大統領しか存在を知らない秘密のノートのことじゃないの?(笑)
これまたどうでもいいけれど、なぜこんなに売れているか全くチンプンカンプンの主役。
苦手だわぁ……この人(笑)脇で出るならいざ知らず、どうしてこんなに主役がとれるの?
俳優が全てバーグマンとクーパーみたいに美男美女である必要はないのだけれど、
矢張り、大きなスクリーンで彼を観るのは辛いものがありました(笑)
観たくない俳優の筆頭(笑)今年は映画受難の年になるかも……。

何だか新年早々辛口になりました(笑)
今日はこれから箱根駅伝を見て、今年、接いで貰うオリジナルの薔薇の選別です。
どうでしょう、株はしっかりと育っているかな?何種類くらい接いで貰おうかな……。
矢張り、薔薇のことを考えていると雑念を忘れていいですね。

皆さんはどのようなお正月を過ごされましたか。
初詣には行かれましたか?おせち料理は食べましたか?
素敵な三が日になりますように……。


草々

2008年1月2日 


ブノワ。


[Angel/エンジェル (2007)]
[Francois Ozon (1967~ )]
[Gone with the Wind/風と共に去りぬ (1939)]
[山口百恵/Momoe Yamaguchi (1959~ )]
[プレイバック Part 2 (1978)]
[京極夏彦/Natsuhiko Kyogoku (1963~ )]
[魍魎の匣/講談社ノベルズ 刊 (1995)]
[鉄鼠の檻/講談社ノベルズ 刊 (1995)]
[魍魎の匣 (2007)]
[National Treasure : Book of Secrets/ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記 (2007)]
[Ingrid Bergman (1915~1982)]
[Gary Cooper (1901~1961)]

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by raindropsonroses | 2008-01-02 00:00 | 向き向きの花束。 | Comments(40)

福来門笑。

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皆さまへ。

新年あけましておめでとうございます。
平成も今年で20年、如何な年明けになりましたか。
昭和から平成に変わったあの時、極寒の中、友人と過ごしたのがつい昨日のようです。

さて、昨年は本当にお世話になりました。
ブログを始めて約2年半。お陰さまでいい意味で生活にリズムが出来、
また、目標と張り合いも出たように思います。
この年になって遅ればせながら気が付いたことが一つあります。
日々、一生懸命に頑張り、笑顔を絶やさずにいれば、
必ずやいいこと、素敵なことが身の回りに起こるということです。

古の人はよく言いました……「福来門笑」と……。
笑う門には福来たる……まさにその通り、常に朗らかにいれば幸せからこちらにやって来るハズ。
反対に、いつもくよくよ下を向いて陰欝な顔をしていれば不幸が喜んでやって来ます。
人生、常に順風満帆な訳ではありません。時に失敗をし、めげることもあるけれど、
見方を変えれば、逆に失敗を成功に転じる道が見えるかもしれない。
失敗したからって縮こまってはダメですよね。守りに入らず攻撃に転じなきゃ!
攻撃は最大の防御なり、やる時はやらないとね(笑)

僕自身の事を考えると、今年は自分を売り込みアピールする年になるのかな……。
そんな風に思っています。色々な面で変化の年になる予感がします。
でも、苦手なんですよね……自己主張?……ダメなんですよ、そう言うのって(笑)
何しろ大人しくて慎み深くて引っ込み思案な僕ですから(笑)

このブログは今まで通りの調子で書いて行きたいと思っています。
こちらも少し成長出来ればいいなぁ……傑作写真の数々と三島由紀夫ばりの美文調で参ります(笑)
新年最初の写真は、パリ郊外のライ・レ・ローズ薔薇園のアーチ。
手前の紫の薔薇は勿論「Veilchenblau」、奥の白い薔薇は「Toby Tristram」です。



皆さんにおかれましても健康で素晴らしい一年になりますように。
この薔薇のアーチをくぐり抜けるような晴れがましい一年になりますように……。

837通目のお便りをあなたに…………。

これからも一段とご贔屓のほどを!


草々

2008年1月1日


ブノワ。


[三島由紀夫/Yukio Mishima (1925~1970)]
[Veilchenblau (R) Johann Christoph Schmidt, 1909]
[Toby Tristram (R) Mrs. Targett, 1970]

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by raindropsonroses | 2008-01-01 00:00 | 向き向きの花束。 | Comments(51)