匂いのいい花束。ANNEXE。

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匂いたつ……フランス軍中尉の女。

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僕がブログを始めて随分になります……。
まだブログなんて言うものがない頃、
漠然と薔薇のホーム・ページを作りたいと思っていました。
コンピューターを嫌悪し、仕事では仕方なかったけれど、
極力コンピューターから遠ざかって生きていました(笑)

そんな僕がヒョンなことからPCを買う事になり、
気が付けば、友人に後押しされてブログなどと言うものを始めることに……。
自分の性格は自分が一番良く知っていますからね。
書きたい時に書いていたのでは、何れは止めてしまうのは必定、
毎日更新を心掛け、幾つかの記事を書き溜めておく癖がつきました。
キッカケが欲しくて、その日に誕生日を迎えた人にまつわることなど、
「日付」に重点を置き、そこに薔薇の話しを絡めて行く……。
今ではそんな手助けも要らないほどに創作意欲満々(笑)
泉が溢れるようにして記事を書いています(記事のストック3週間分!)

もう一つ、ブログに書きたいこと、書いて皆さまに伝えたいことが幾つかありました。
それは僕の敬愛する女優、杉村春子さんのことだったり、
わが青春の山口百恵のことだったり、今までに観た映画で感動した作品や、
お気に入りの女優や男優のことなど。これまでに十分に書いて来た積もりですが、
矢張り、今日この日、6月22日に書いておきたい事があります。
映画史上に燦然と輝く大女優、メリル・ストリープに関してです。

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メリル・ストリープ……言わずと知れた映画史上始まって以来、最も偉大な女優の一人。
昔の大スターが私生活をオブラートに包み、イメージを大事に死守して築き上げて来たスター性。
それとは全く違う位置に存在する、素のままの女性としての上に成り立つスター性を持つ人。
ハリウッドでは珍しいくらいに長い結婚生活と恵まれた子宝、
安定した生活の上に成り立った、ごくごく普通の家庭の主婦のイメージと、
演じる悲劇のキャラクターのギャップも面白いです。
家庭をとても大事にする……長期間拘束される舞台を諦め、
手料理を楽しみ、ニューヨークに越して来てからは普通に地下鉄に乗るそうです。

メリル・ストリープが演じる女性像はエキセントリックな役が多いと言われています。
彼女自身、インタビューに答えています。
 
 「興味がある役に出会うと、その女性は必ずと言っていいほど
     精神的に何らかの宿命を背負っていたのです……。」……と。

ごくごく普通の女性としての幸せに裏打ちされていたからこそ演じられた数々のキャラクター。
不幸のどん底の女性を演じるにあたっては、
その正反対の幸せの絶頂を知らずして演じることは出来ないのです。
美しい物を語るには、醜い物を知らなくては語れず、
恐ろしく歪んだ心根を演じるには、
真っさらな天使のような純心を持っていなくては演じられないのです。
バランスの良さ、それがメリル・ストリープの最大の特徴でしょうか。

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「ジュリア」で共演したジェーン・フォンダが、

 「あの子は売れるわよ……。」と、周囲に漏らした慧眼。

どの俳優にも売れるキッカケ、後に振り返った時に、
ターニング・ポイントとなる作品が必ずあります。
メリル・ストリープのそれは、助演を経て主演級の女優として活躍し出した第一歩、
ジョン・ファウルズ原作、ハロルド・ピンター脚色、
カレル・ライス監督の傑作「フランス軍中尉の女」ではないでしょうか。

この「フランス軍中尉の女」は面白い多重構造を持っています。
先ず、アメリカ女優のメリル・ストリープが、同じくアメリカ女優のアンナを演じ、
そのアンナは現在撮影中の映画でサラを演じている。
そのサラは劇中で周囲を偽り自分の人生を「フランス軍中尉の女」として生きている。
つまり、処女の身でありながら、嵐で漂流したフランス軍中尉に弄ばれ捨てられ、
その帰りを今でも防波堤の先で、遥か遠くフランスを見つめながら待っている女を、
階級制度が最も厳しいイギリスの田舎町で、周囲の厳しい蔑みの視線を一身に浴び、
常に人々に見られることを意識して暮らしているサラ。

由緒正しい婚約者がいながら、そのサラに一目惚れ、
彼女の嘘、彼女が演じている「フランス軍中尉の女の世界」にドップリ騙され、
婚約破棄までして彼女を追い求めてしまうチャールズをジェレミー・アイアンズが演じます。

実際に映画で共演しているマイクとアンナも不倫中の間柄、
夫がいるアンナはお遊び程度だが、マイクは可成り夢中の様子。
そんな、映画撮影中と言う現実と、劇中の虚構が上手く編集されて絶妙の世界感を生み出しています。
ハロルド・ピンターの脚色と言うことで、非常に演劇色が強いのもこの作品の大きな特徴です。
主演の2人が撮影に使われている温室でリハーサルをするシーン、
カメラがサッと切り替わって実際に映画のシーンになったりします。

ビクトリア朝時代の1876年、厳しい階級制度のイギリスで、
自らを「フランス軍中尉の女」と蔑み、甘んじて周囲の厳しい視線と噂の中に身を置くサラ。
その彼女の嘘としたたかな奸知にまんまとのめり込むチャールズ。
チャールズが婚約を破棄し、完全に彼女の「フランス軍中尉」になった時点で姿を消すサラ……。

物語のラストも実際の撮影現場の恋愛騒動もあっけなく終わりますが、
初主演にして堂々たる風格のメリル・ストリープとジェレミー・アイアンズのバランスの良さ、
風光明媚なイギリスの景色と時代色、充実の共演陣を迎えて、
メリル・ストリープが真の大女優のスタートラインに立った記念の1本です

先日のこと、アメリカの友人が自分で編集したメリル・ストリープのDVDを送ってくれました。
その中にはセザール賞とゴールデングローブ賞の受賞スピーチ(セザール賞は流暢なフランス語で!)
そして、AFI(アメリカ映画協会)の名誉賞を受賞した時の様子が入っていました。
驚くのはメリル・ストリープのスピーチの上手さでしょうか。
決して気取らず、こみ上げる喜びの発露は自然と場内の人々を笑顔にします。
ウィットに富み、後ろに流れる音楽に合わせて感謝の言葉を、
アドリブでメロディーに合わせて歌ったりします。
「プラダを着た悪魔」でゴールデン・グローブ賞の主演女優賞を受けた時には、
感謝の言葉の最後を映画の中の名台詞「That's all !」で結ぶ心憎い演出をしたりします。
弱冠40歳を過ぎる頃からハリウッドの役者達から尊敬を一身に集めたメリル・ストリープ。
「フランス軍中尉の女」で華々しく主演級に躍り出てから四半世紀、
これからさらに円熟の度合いを増し、第二の絶頂期に入ろうとしています。

かのソフィア・ローレンは「人々を泣かせるよりも笑わせる方が難しい」と言いました。
僕はメリル・ストリープの神髄は喜劇にあると思っています。
「ハリウッドにくちづけ」でアカデミー賞のノミネートを受けてから、
実は少しコメディー路線に走り、回り道をし失敗した感がありますが、
この先「マンマ・ミーア!」と「Doubt」で喜劇と悲劇の両極端を
絶妙のコントラストで見せてくれることでしょう。

今日の1枚は僕のオリジナルの薔薇……。
本来は純白からヴァニラ・アイスクリーム色になるのですが、
春先の気温の低い日にはこのように花弁がほんのりピンクがかることがあります。
そんな様子は、メリル・ストリープが瞬時に頬を染める様子に似ています。
花保ちの良さは彼女自身のキャリアの長さを連想させ、
また、この薔薇の素晴らしいフルーツの匂いは、彼女の豊かな表現力を感じさせます。

僕が最も尊敬する大女優メリル・ストリープ……一体どんな花が好きなのでしょう。
もしも、薔薇が好きだとしたら何色の薔薇?どんな形の薔薇がお好きなのかな……。
一度お目に掛かって直接お聞きしたいような気もします。


草々

2008年6月22日


ブノワ。


[Meryl Streep Online/Meryl Streep (1949~ )]
[The French Lieutenant's Woman/フランス軍中尉の女 (1981)]
[Karel Reisz (1926~2002)]
[John Fowles (1926~2005)]
[Harold Pinter (1930~ )]
[Julia/ジュリア (1977)]
[Jane Fonda (1937~ )]
[Jeremy Irons (1948~ )]
[Postcards from the Edge/ハリウッドにくちづけ (1990)]
[Devil Wear Prada/プラダを着た悪魔 (2007)]
[Mamma Mia ! (2008)]
[Doubt (2008)]
[Sophia Loren Official Website/Sophia Loren (1934~ )]
[杉村春子/Haruko Sugimura (1909~1997)]
[山口百恵/Momoe Yamaguchi (1959~ )]

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by raindropsonroses | 2008-06-22 00:00 | 女優の時代。 | Comments(15)

薔薇三銃士。

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拝啓

ようやく気温が上がり、初夏らしい陽気になって来ました。
たまにどっと梅雨らしくて鬱陶しいけれど……Aさん、その後、如何お過ごしですか。

さてさて、二番花がチラホラ咲いていますが気分は既に秋の花(笑)
僕なんか冬の剪定や仕立て直し、来シーズンに購入する薔薇のリスト・アップが始まりました(笑)

今年は薔薇の開花時期が非常に短くガッカリした分、
他の方の庭や薔薇園を見る機会に恵まれました。それもまた楽し……なんですが、
雨風に祟られた自分の家の薔薇を撮りそこなったのと違って、
薔薇園はカンカン照り!雲一つないピーカンで困り果ててしまいました……。
花を撮るなら花曇りでなければ。「草ぶえの丘」然り、
先日足を延ばした「花フェスタ記念公園」然り……。

所で、「花フェスタ記念公園」を訪れるのは初めてだったんですよ。
薔薇好きの友人に言うと「嘘でしょう!?」と、絶句されます(笑)
だってねぇ、遠いしウチの薔薇が終わる頃にはドッと疲労困憊だし……。

今回の訪問を決めた最大の理由は、
いつもお世話になっている「薔薇三銃士」の皆さんのレクチャーを聞きに行くこと……。
そう、僕は、有島 薫さん、小山内 健さん、大野耕生さんのお三方を
敬愛の念を込めて「薔薇三銃士」と呼んでいるんです(笑)

それにしても今の薔薇全盛の時代、考えてみればチョッと不思議な感じがしますよね。
僕自身、男だけど薔薇が大好きで可成のめり込んでいます(笑)
園芸は女性がするもの……今時、そんな時代錯誤なことを言う人もいないと思うけど、
矢張り、薔薇を栽培しているのは圧倒的に女性が多いです。それも大人の女性ね。
オールド・ローズに始まり、イングリッシュ・ローズやフランスの薔薇が大人気で、
今の薔薇ブームは今までの薔薇の歴史始まって以来なのではないかと思います。
そして、数少ない例外もあるし、素敵な女性のリーダーもいらっしゃるけれど、
その薔薇の大ブームを作り、流行を決め、大いに盛り上げているのが、
僕が敬愛する「薔薇三銃士」だと思うのです。

面白いのは皆さんそれぞれに個性が違うこと。
年令も程よく離れていて、薔薇に対する愛情の深さは同じなのだけど、
薔薇に関わる立場やスタンスが微妙に違い、それぞれに尊敬しあい認め合い、
敵対せず、協力関係にあることが素晴らしい関係を築いているのでしょう。
毛利元就の三本の矢ではないけれど、お三方の魅力はそれぞれの存在があって
さらに素敵に、引き立て合っているように思います。
それから本当に人気者!「花フェスタ記念公園」のレクチャー初日の夜、
場所をホテルのラウンジに移して懇親パーティがあったのですが、
ハッキリ言ってマダム達は狂乱状態(笑)いいえ、言わせて戴きます。
本当に凄かったんですもん(笑)写真が本当に魂を吸い取る魔法の箱だとしたら、
お三方とも今頃はヘナヘナの脱け殻でしょうね(笑)
間断なく焚かれるフラッシュ、マダム達の嬌声、皆さん娘さんみたいでしたよ(笑)
お三方の共通点は他にもありますね。物凄く薔薇の知識が豊富で冗舌(笑)
薔薇の話しになったらもう立て板に水、油紙に火が点いたかのようにペラペラ……じゃない、
大変によくお話しになります(笑)何回か夕食に同席させて戴いたことがありますが、
僕なんか全く口を挟む余地はありませんものね(笑)
最も初めから無口な僕ですけれど、黙んまりを決め込むしかありません(笑)
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写真は1枚目が、今回、凄く話題になった、大野さん縁の「Lucifer」。
淡いラベンダーに外側の花弁が縮れてグリーンが乗ります。
物凄くいい匂い……早くも苗の争奪戦が始まっています。
2枚目は言わずと知れた「Fragrance of Fragrances」。有島さんの薔薇ですね。
蕾の時はまるで蓮の花みたいなのですが、一晩水を吸うとこの艶やかな姿。
上品な匂いは女性なら誰でも身に着けてみたいと思わせるような匂い。
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そして3枚目は小山内さん作出の「Tropical Sherbet」と僕のオリジナルの薔薇2種。
黄色と赤黒い薔薇の強烈な組み合わせ。小山内さんの薔薇にチョッとお邪魔してみました。
「Tropical Sherbet」……兎に角、強健で良く咲きます。
濁りのない黄色は、時間とともに回りに赤が乗ります。
爽やかなティーの匂い、この写真で中心の花が終わった脇の蕾になります。

これだけ魅力的な水先案内人がいる時代が今までにあったでしょうか……。
薔薇好きにはいい時代だと思いませんか。薔薇栽培が楽しくなりましたものね!
どの方がアトスかポルトスかアラミスか良く分かりませんが(笑)
これからも素晴らしい時代が続きます。


敬具

2008年6月19日


ブノワ。


[Lucifer (S) Kawamoto, 2007]
[Fragrance of Fragrances (HT) 2007]
[Tropical Sherbet (F) Osanai, 2003]
[毛利元就/Motonari Mouri (1497~1571)]

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by raindropsonroses | 2008-06-19 00:00 | 薔薇の名前。 | Comments(24)

京都にて杉村春子に出会う……。

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前略

早いものであれから1週間が経ちました。Yくん、お元気ですか?
その節は色々とお世話になりました。お陰さまで楽しい京都滞在になりました。
今日はカメラを持って一緒に歩いた中からお気に入りの写真を同封しますね。
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そう、僕が例のカフェで熱心に撮っていたマネキンの写真です。
あそこのカフェはなかなかいい雰囲気だったでしょう。
僕は京都を訪れると必ず立ち寄るんです。珈琲を飲んでアンティークを眺めて……。
ほら、今回は杉村春子さんのスチール写真を買ったでしょう。あんな感じです。
Yくんは杉村さんを知らない世代なんですよね……年令のギャップを感じますね。
杉村さんは僕の永遠のヒロインですからね。
京都で杉村さんのスチール写真を買う……これも何かの縁でしょう。
今、ピッタリ来る額縁を見付けている所なんですよ。
上手く決まったらお見せしますね。二人でそぞろ歩いた記念です。
楽しみにしていて下さい。近々、お目に掛かれますように!お元気で!


草々

2008年6月18日


ブノワ。


[杉村春子/Haruko Sugimura (1909~1997)]

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by raindropsonroses | 2008-06-18 00:00 | 旅の栞。 | Comments(10)

孔雀の舌。

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 「料理とは真心と愛情、そして持て成す心である……。」

僕は常にそう思っている。多少、調理法が下手クソでも、
盛り付けが綺麗じゃなくても、味付けがヘンテコでも、
相手に美味しく食べて貰いたいと言う気持ち、
温かいものは熱々の内に、冷たいものは冷え冷えでサーブする。
その心意気が料理を一段美味しくすると思っています。

後は素材を良く知ること。
素材を知れば自ずと調理方法や火の通し方が分かってくるからです。

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京都には朝の10時30分に着きました。
ミスター・アイスクリームくん!友人との待ち合わせは12時だったけれど、
少し街を歩きたかったのと、一人の時間を楽しみたかったからです。
友人と約束のレストランに到着したのは12時丁度。
旅先でもどこでも時間厳守のクセは抜けません(笑)
この日、僕だけのために特別に開けてくれたレストラン、
テーブルに案内され、暫らくして聞こえて来た
シャンパーニュを抜栓する小さな「ポンっ!」と言う音。
瓶に詰められ息を潜めていたシャンパーニュが、
再び空気に触れ鼓動をし始める音。いつ聞いてもいい音です(笑)
広い店内を僕だけが独占、お忍びの映画スターか王侯貴族?
何やらチョッピリ面映く居心地も悪いのですが(笑)
シャンパーニュの心地よい酔いにすっかりリラックスし、
運ばれて来た前菜を見た途端に全神経が食欲に集中します(笑)

先ずは友人の自信作、「パテ・ド・カンパーニュ」……。
自家製のベーコンとピスタチオが入っています。
どうしても彩りが悪くなりがちなパテ、
添えてあるレッド・キャベツの赤とピスタチオのグリーンが彩りを添えます。
ナイフを入れ、口に持って行く瞬間に鼻孔を突く豚肉の豊潤な匂い。
今まで食べたどのパテよりも歯応えがあって、
一切れのパテの中に熟成された肉の部分と新鮮な肉の部分が絶妙に交ざり合うハーモニー。
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次の一皿は真鯛のロティ。
皮がパリっと焼き上げられた真鯛は身が引き締まってしかも柔らか。
蛋白になりやすい白身魚だけれど、丁寧に手を加えたトマトのピュレ、
いい塩梅に振られた塩胡椒が絶妙に真鯛の味を引き立てますです。
付け合わせのじゃが芋も、温度をかけて分離させたバターとチーズで丁寧に処理。
フランス語で大地の林檎と言われるジャガ芋、サッパリした真鯛を引き立てます。

そして今回のメイン・イベント……アイスクリーム!(笑)
幾つかのフレーバーを提示されましたが、わざわざアイスクリーム恋しさに、
京都まで出て来たことを友人に気取られてはいけません(笑)
今回はごくごく普通に、苺(右奥)チョコレート(手前)
そして、バナナ!バナナバナナバナナ!(左奥・笑)
このバナナが異様に素晴らしいのです……少しねっとりして、
今まで食べさせて貰ったどのアイスクリームよりも美味しかったです。
あぁ……溶けてお皿にくっ付いたアイスクリームが勿体ない!(笑)

そしてデザート2品目は、友人お手製のチョコレートケーキと、
友人のパパがお作りになったアンズのタルト!美味なアンズのタルト!
生地がサクサクっとしてサッパリ目のアンズのタルトは僕のお気に入りになってしまいました。
今度はアイスクリームとアンズのタルトを一緒に送って貰わなくては……。

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休みのレストランを僕だけのために開けてくれた友人の気持ち、
極上の料理、そして何よりも、僕だけのために調理してくれた友人の思いやりに感謝です。
常々、人のために料理をすることはあっても、
僕のためだけにに作って貰ったことは初めての経験。これ以上の幸せがあるでしょうか。

お礼に、僕を可愛がってくれている女優さんが譲ってくれた、
開高健の「孔雀の舌」をプレゼント……したいところなんですが、
この本は絶版ではないものの、既に手に入らなくなっている貴重な本。
古本屋で手に入ったら改めてプレゼントすると言うことで、
暫らく貸し出すということで勘弁して貰いましょうか(笑)

「孔雀の舌」……今から30年前に出版された、食に関するエッセイを集めた開高健の傑作。
1955年から1975年までの間に様々な媒体に書かれた食や酒、
珍しい外国旅行の紀行文などを集めたこの本は、
料理人の友人にに何らかの変化をもたらすと思うのです。
バブルの頃からフレンチ、イタリアン、和食と流行が巡って来て、
一通りのレベルのレストランがごくごく普通に街に点在し、
誰でも簡単に質のいいサービスと美味しい料理を食べられる今の時代。
レストランの戦国時代……食べることの原点、持て成す心のありようなど、
チョッとしたヒントがこの本に隠されているように思うのです。
食べるという行為とは如何に。人は何故、酒に酔うのか……。
作者の飽くなき探求心が僕等、読者の心を掴んで離しません。

極上の食事と持て成し、ヴーヴ・クリコにしとどに酔い、
京都の素晴らしい休日は幕を開けたのでした。


草々

2008年6月13日


ブノワ。


[開高 健/Takeshi Kaiko (1930~1989)]
[孔雀の舌/文芸春秋社 刊 (1977)]

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by raindropsonroses | 2008-06-13 00:00 | バベットの晩餐会。 | Comments(28)

そうだ、アイスクリームを食べに京都に行こう!

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 「そうだ!京都へ行こう!
      アイスクリームを食べに京都に行こう!」

JR東海のCMじゃないけど、
思い立ったが吉日、京都にアイスクリームを食べに行こう!(笑)

薔薇も鋏でチョッキン!って切ったように終わり、
間を置かずに記録的な早さで梅雨入りです。
バルコニーもスッカリ彩りがなくなりました。
交配した実は少しずつ膨らみはじめ、同時に僕の期待も膨らみつつあります。
薔薇も仕事も一段落、ポッカリ空いた予定帳を眺め、
そこでフと思い立ちました……。

 「そうだ、京都にいこう!アイスが俺を待ってるぜ!」
 「鳴かぬなら、鳴かせてみようホトトギス。
        くれぬなら、食べに行こう、やすアイス。」

京都は何時行ってもいいです。春夏秋冬、何れの季節も何かしらの楽しみがある京都、
古都、京都。美食の街、京都……古い街並や大好きな骨董屋巡り、
老舗のカフェで疲れた足を休め、法然院に谷崎のお墓参りをして……。
また京都には好きなだけアイスクリームを食べさせてくれる奇特な親友が住んでいます。
そないまで言うんやったら丼で戴きまひょか……全種類、一緒盛りで。
銀閣寺も哲学の道も行ったことないヘンテコな京都人(笑)
わざわざ僕が東京から出張って案内してあげなければいけません(笑)

 「何で東京人のあてがおまはんの住んでいる街を案内せなならんねや!」(大爆笑)
 「こら、ホテルにアイスクリームを仰ぉ〜山、届けて貰わなあきまへんな。
     ウエルカム・アイスクリームや……(笑)」

それから僕の可愛い弟、そう、香道のお弟子仲間のMくんが大学院に通う街、京都。

 「京都、哲学の道、香道、大学院……。」

はぁ、何やら文化の匂いがプンプンするではありませんか(笑)
久しぶりに会って皆で美味しいビストロのテーブルを囲むとしましょう。

京都の帰りにはチョッと寄り道して薔薇を見に行って来ます。
チョッと寄り道と言いつつ、実はこちらがメインだったりするのですが、
自分の家のバルコニーに掛かり切りであまり他には薔薇を見に行けなかった近年、
先日の「草ぶえの丘」に続いて、久しぶりに薔薇を追い掛ける旅になりそうです。
気心知れた友人との珍道中、大好きな新幹線の旅(子供じゃあるまいし!・笑)
先だって「国際薔薇とガーデニングショウ」で色々とお世話になった方々との再会……楽しみは尽きません。

写真は僕のお気に入りのカフェ。哲学の道のチョッと外れた傍にあります。
覗いてみたいインテリア・ショップ、カフェ、骨董店……。
これは計画的に歩かないと大変な事になりそう(笑)

可愛らしい猫とも暫しお別れです。
皆さまもお元気で!素敵な旅の報告が出来ますように!


草々

2008年6月7日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2008-06-07 00:00 | 旅の栞。 | Comments(28)

庭は心を映す鏡。

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 「今年の薔薇はヒドかった……。」

そこここでそんな会話を聞きます。
我が家のバルコニーも先日の暴風雨で一気に花びらが落ち、
追い打ちをかけるような大雨で一気に終焉……。
まぁ、こんな年もあるでしょう……そう思いたいけれど、
それにしても花が終わった薔薇の園を見るにつけ
何となく悲しい気分になるのも嘘偽りのない事実です。
ほぼ、薔薇だけで纏められたバルコニーですから、
それまで華やかだった花が終わってしまえば、
一抹の寂しさと共に何やら虚しさすら感じてしまうのでしょうけど、
僕は薔薇の花は勿論、葉も刺も大好きですからいいようなものの、
普通の人には何とも物足りない風景に映るでしょうね……。

今年の薔薇の春は短かったことに付け加え、交配を再開しましたから、
その惨状たるや想像を絶する程で(笑)何のために薔薇を育てているのか、
初めてお迎えした薔薇の花と名前が一致しないなんて
当たり前になってしまった余裕のなさが淋しかったりもします。

そんな5月下旬、霧雨が緩やかに舞う午前中、
敬愛する薔薇の先輩と一緒に友人のお庭を見せて戴きました。
初めて降り立つ駅で待ち合わせ、わざわざ車で迎えに来て下さった方のお庭は、
艶やかな色彩の薔薇こそ目を引くものの、よく目を懲らせば、
様々な草花が薔薇に肩を寄せ、僕等が「雑草」と呼び忌み嫌う草花までが、
花の女王、薔薇となんら別け隔てなく肩を並べて植栽された素敵な庭ででした。
植栽と書いたけれど、人の手で植えた感じはまるでしません。
種が風に運ばれ自然に芽吹いた感じ、
昔からそこに生えていたかのような錯覚に陥ります。

 「庭は心を映す鏡である……。」

また、管理する人の人柄や生きて来た全てを映す鏡……霧雨に濡れた土の匂い、
薔薇は勿論、ハーブなどのむせるような匂いに包まれて
濡れるのも構わずシャッターを切りました。

ご本人は「薔薇もある庭」と謙遜しますので、
薔薇だけを紹介したいと思います。
皆、雨に頭を下げジッとしている姿は可憐そのものです。
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1枚目の写真は、家の裏側に大きく育った「Mme, Alfred Carriere」。
僕がリヨンで見たのと同じように自然樹形に育った「Mme, Alfred Carriere」、
矢張り、この薔薇は大きく育ててみたいものです。
2枚目の写真は「Wisley」……なんて可憐なんでしょう。
3枚目の写真は驚異の「Lordly Oberon」……ウチでは一輪しか咲かなかったのに(笑)
この薔薇は一番外の花弁が薄緑になり、茎と同じ色になるのが特徴ですね。
4枚目の写真は遅咲きの「The Ingenious Mr. Fairechild」
5枚目は僕等をお出迎えしてくれた玄関先の「Brother Cadfael」。
どの薔薇も薄物のシルクに真珠を散りばめたような美しさ……。
薔薇は俯く方が美しい……改めてそんな思いを新たにし、
来春に向けて自分のバルコニーの有りようを考えさせられる一日でした……。


草々

2008年6月6日


ブノワ。


[Mme. Alfred Carriere (N) Joseph Schwartz, 1879]
[Wisley (ER) Austin, 2004]
[Lordly Oberon (ER) Austin, 1983]
[The Ingeniouse Mr. Fairchild (ER) Austin, 2004]
[Brother Cadfael (ER) Austin, 1990]

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by raindropsonroses | 2008-06-06 00:00 | 薔薇の名前。 | Comments(12)

何と言う5月……新たな気分で6月。

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…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

5月は記録的な降雨量、6月に入ってスグに梅雨入り……。

薔薇を育てるようになってから十数年、
一年の内で、どの月よりも一番早く過ぎるのが5月になりました。
その早さは年々、加速度を増し、今年に至っては瞬きをする間もないくらい、
大袈裟だけれど記憶がスッポリ抜け落ちるくらいハードで慌ただしい5月になりました。

先ず、通常の薔薇の世話に加え、
写真撮影、再開した交配、薔薇に関するさまざまな行事、
この季節ならではのお付き合い等々……一日の時間は限られているので、
睡眠時間を削って対処するしか方法はありません。
寝るのは午前0時を過ぎてから、起きるのは3時……それでも足りない時間、
加えて日照不足と大雨による皺寄せ、今、思い起こしても
いつ何をやったかスグには思い出せないくらいです。
ほぼ記憶喪失状態(笑)確か、何本か映画を観たハズなんですがタイトルすら思い出せません……。
そんな毎日ですから疲れもピークに達していて、
浴槽の中で熟睡すること2時間だったり(お湯が冷めて目が覚める……)
PCに向かってマウスを持ったまま爆睡しちゃったり……。
きっと後ろから見たら首が取れちゃったのかと思うくらい
カクッと首を90度に折り寝込んでしまったり……。

そんな慌ただしい5月も終わり、6月に入った途端、
ズゥ〜っと雨続きだった日曜日が珍しく晴れました。
先ずは、取る物も取り敢えず優先順位一番のバルコニーの手入れをし、
急に思い立って佐倉の「草ぶえの丘」に薔薇を見に行くことにしました。
PCで検索、昼に家を出て閉園まで2時間30分、
ピーカンだし、それほど、写真も撮れないだろうけれど、
今日から6月、気分一新で再スタートするにはいいじゃない?

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ご存じの通り、「草ぶえの丘」の薔薇は、
数年前にユーカリが丘にあった「ロースガーデン・アルバ」から移植されたもの。
アルバの閉園以来、初めて訪れることとなりました。
最寄りの駅から電車で90分……電車の車窓からは植えたばかりの稲の穂が青々と水面にそよぎ、
夥しい数の布団と洗濯物が流れて行きます。如何に、太陽が不足していたのかがわかりますね。

さて、いよいよ門を入ってスグ右手が薔薇園です。
カバンからカメラを出し戦闘態勢に突入……と、思いきや、
薔薇関係の知り合いに続々と出会い、「ど〜も、ど〜も!」思わず挨拶大会となり(笑)
時間が限られている僕は気が気ではなかったのですが、
皆さん、矢張り大好きな薔薇を目の前に顔が明るい!
中には夢中で薔薇を見て歩いたあまり日焼けしている人も見受けられます。

どうせ、いい写真は無理と諦めつつ持って行ったカメラ、
この日のようにカンカン照りの日は花を撮るには最悪の光線です。
でも、そっちがその気なら(?)僕にだって撮る術はあるのです。
「逆光」と言う最終テクニックがね。それから日陰と日向の併用ね。
そんな写真の中から何枚か添付しますのでお楽しみ下さい。

驚いたのは、薔薇園をウロウロしていると親友にバッタリ出会ったこと……。
矢張り、僕等は可愛い蜜蜂か?薔薇と言う蜜の匂いに誘われて集まって来るようです(笑)
彼とは久し振りでしたが、そんな時間の感覚を感じさせないくらいに話しが弾み、
閉園後も管理する方の大らかな気持ちに甘えて写真撮影をしました。
止めどなく出て来る薔薇の話題、お互いの近況を話すうちにお別れの時が……。

程よく育って来た「草ぶえの丘」の薔薇達。
来年はもっともっと素晴らしい様相になることでしょう。
来年は一度と言わず二度三度、既に薔薇のマダムのお誘いを受けております(笑)
ついつい僕等は薔薇の花の事ばかりに目が行きがちですけれど、
矢張り、植物は「育てるもの」そんな事を漠然と思った午後でした。


草々

2008年6月5日 


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2008-06-05 00:00 | 薔薇の名前。 | Comments(16)