「ほっ」と。キャンペーン

匂いのいい花束。ANNEXE。

<   2008年 07月 ( 5 )   > この月の画像一覧

分け隔てなく。

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少し前の事になるけれど、鬱陶しい梅雨空の月曜日、
そう、七夕の日に親しくして戴いている女優Xさんの誕生パーティーにお招き戴いた。
ごくごく内輪の集まりだそうなので、デニムTシャツブーツの、
いつものお決まりの気軽な格好で出掛けた。
場所は南青山、ひっそりとした界隈にあるカフェ、
地下に広がる本が沢山の居心地のいいスペースにたちまちリラックスしてしまう。

既にご夫婦で先にいらしていたXさんと暫し歓談、
Xさんは本当によく笑う人で、まるで鈴が鳴るような軽やかな声は、
梅雨のジメジメを吹き飛ばしてしまうかのようだ。
傍らには最愛の旦那さまと、お2人に絶大な信頼を寄せベッタリのワンちゃん、
丸々と太った様はどれだけ愛情を掛けられているかが分かろうと言うものです。

三々五々、集まって来る招待客……。
親しくして貰っている雑誌の編集長のYさん、その外にも画家の男性、
長年住んでいたフランスから帰国したばかりのマダム、
あと、驚いたのは、名前を聞けば誰でも知っている高名なカメラマンのZさんが
ご夫婦でいらしていたこと……チョッとビックリ、名前を聞きサッと緊張が走る僕。
だって、昔から尊敬していますからね。

Xさんらしいのは、普段お世話になっているカフェのスタッフを、
全員、お客様として持て成すところ。労いの意味も込めた誕生会だったのです。
勿論、彼らは料理やワインをサーブしなければならないので、
ズゥ〜っと着席している訳には行かないのだけれど、
誰、別け隔てない接し方は見ていて気持ちのいいものです。

別け隔てがないと言えば、その晩、集まったお客さんの年令も仕事もバラバラ、
女優のXさんやカメラマンのZさんみたいに有名な方も僕みたいなペーペーも、
会話を楽しく出来たのは、彼らの誰別け隔てなく人に接する態度、
無名だから、若いからと言ってバカにせず、話に耳を傾ける気持ちがそうさせたのでしょう。
そう言う態度で接して貰えると僕等も一生懸命話すし、
話にも熱が入ろうと言うもの……その代わり、話しているこちらの目をジィ〜っと見て、
人間を観察するところは皆、一緒です。
いい加減さや偽り、全て見抜かれるような感じがします。
ある意味、厳しいですよね。人間を見られますから(笑)

人間を性別や年令、職業で判断しないしなやかさが
成功を生む秘訣なのかもなのかもしれません。
素晴らしい手料理の数々、絶品のカルボナーラやロースト・ビーフに舌鼓を打ち、
誕生ケーキとシャンパンで締めとなりました。
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写真はXさんと旦那さまが薔薇の頃に我家に遊びにいらした時に、
わざわざ焼いて来て下さったロースト・ビーフ。
山葵、マッシュルームとインゲン、クレソンを添え、煮きり醤油で戴きます。
今まで食べたどのレストランのロースト・ビーフよりも美味……。
こんな素晴らしい一品を自分で作れるだなんて!
大胆にカットされた肉厚のロースト・ビーフ……正に男の料理!

鬱陶しい梅雨の一時、久しぶりに心地よい酔いを経験しました。


草々

2008年7月28日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2008-07-28 00:00 | バベットの晩餐会。 | Comments(6)

山口百恵はアルバム歌手である。

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拝啓

Eさん、梅雨も明け、いよいよ暑くなって来ました。
夏女のEさんの季節到来ですね。相変わらず日焼けで真っ黒ですか?(笑)
僕は薔薇と猫と共に秋になるのを大人しく待っている所です。

さて、先日はわざわざ素麺を送って下さり大変に恐縮しております。
夏は矢張りなんと言っても素麺ですもんね。

あの僕が自分で編集したCD、
この所、毎日〜パソコンに向う時は聴いているCDなんです。
そう、僕の永遠のアイドル、山口百恵のベストCD。
ベストCDと言ってもシングル盤は1曲も入っていない全53曲。
ここから一曲たりとも減らせません(笑)

僕は、山口百恵は歌手、女優、アイドルである以上にアルバム歌手だと思うんです。
シングル盤のヒット曲も沢山あるけれど、
なんと言っても素晴らしいのはアルバムに収録されている曲。
普通、当時のアイドル歌手は年に3〜4曲のシングル盤を出していました。
他の歌手はどうだか分からないけれど、
山口百恵の場合はシングル2曲出た時点でそれらを収録したアルバムが1枚……。
従って年に2枚のアルバムがリリースされる訳ですね。
確かそんなペースでしたっけ……。

山口百恵のアルバムを初めて手にしたのは、
友人に貰ったレコード券が手元にあったから。
買ったアルバムは「GOLDEN FLIGHT」でした。
これは山口百恵初の海外録音、ロンドンのスタジオで録音されました。
収録されているシングル盤は「イミテーション・ゴールド」、
新しくアレンジを変えたバージョンでした。

大体、アイドルのLPなんてやっつけ仕事的だと馬鹿にしていたのですが、
あまりの質の高さにビックリ、以降、引退宣言をした後の「春告鳥」まで、
少し遡って「百恵白書」まで全てのアルバムを買いました。
山口百恵のアルバムのベストはNHKの特別番組のために作られた
「A Face in a Vision」と「二十歳の記念碑・曼珠紗華」でしょうか。
前後、数作の驚異的なクォリティーの高さ……。

山口百恵は当時としては珍しくセルフ・プロデュースをしていました。
勿論、ディレクターはちゃんといましたが、自分の意見を可成り色濃く反映した曲作り、
宇崎竜童と阿木耀子夫妻をメインに据えた作曲陣、
彼等の創作の一番油が乗った時期に丁度ぶつかった幸運もあるけれど、
彼女自身、自分の中に密かに存在する「日本人の演歌心」の部分を重々承知していての選択、
松任谷由美でも中島みゆきでも阿久悠でもなく、
宇崎、阿木夫妻を指名した慧眼、彼等も演歌色が強いですもんね。
一曲一曲に籠められたドラマとカメレオン的に変幻自在な女性像、
よく「歌は3分間のドラマだ」と言われますが、
どの曲も男女の屈折した恋愛模様を、ギリギリの駆け引きを歌い、
「横須賀ストーリー」辺りから抜群の歌唱力を見せるようになった山口百恵が、
スクリーンでヒロインを演じるように歌い上げます。
「秋桜」辺りではまだ心もとなかったファルセット・ボイスも、
「愛染橋」辺りでは情感漂わせるようになり、
より一層、歌唱力に磨きがかかった山口百恵。
元々、音域が非常に狭いとされていた彼女ですが、
この頃から変幻自在な表現が出来るようになりました。
アルバムに収録されている曲は、それぞれ、
シングル盤にするようなキャッチで派手な曲作りではないものの、
ある時は少女の幼い恋を、またある時は成熟した大人の恋の駆け引きを巧みに歌います。

驚異的なのは、殺人的なスケジュールの中、
録音スタジオを押さえる時間は真夜中から朝方までの3〜4時間だったそうです。
正に分刻みのスケジュールの中、スタジオ入りした山口百恵は1曲につき、
ほんの数テイクで録音を終わらせていったそうです。
しかも、プロデューサー、作詞家、作曲家、編曲のスタッフが驚くくらいに、
予想よりも高水準で……。

オリジナル・ベストのオープニングは、

  はらはらと散って行く、花びらの下で、年老いたその人は一日座ってる…………「マホガニー・モーニング」

ラストの曲は、

  修羅、修羅、阿修羅、修羅。無情、嫉妬、化身、許して、行かせて…………「夜へ…」

この2曲は絶対に動かせません……。

もうあんな歌手は二度と出ないでしょうね。
僕の日本の芸能界も山口百恵の引退……いや、恋人宣言で幕を閉じました。
以降は全く興味なし、僕の琴線に触れるスターも出て来ません……。
山口百恵を薔薇に例えるとどんな薔薇でしょうね。
写真は僕のオリジナルの薔薇。色は山口百恵のイメージに合っているかな?

また何かいい曲があったらCDに焼いてあげます。
楽しみにしていて下さいね。お元気で!


敬具

2008年7月25日


ブノワ。


[山口百恵/Momoe Yamaguchi (1959~ )]
[秋桜 (1977)]
[横須賀ストーリー (1976)]
[愛染橋 (1979)]
[アルバム A Face in a Vision (1979)]
[アルバム 二十才の記念碑 曼珠沙華 (1978)]
[アルバム 春告鳥 (1980)]
[アルバム 百恵白書 (1977)]
[マホガニー・モーニング (1979)]
[夜へ… (1979)]

[宇崎竜童/Ryuudou Uzaki (1946~ )]
[阿木燿子/Yoko Aki (1945~ )]
[阿久悠/Yu Aku (1937~2007)]
[松任谷由実/Yumi Matsutouya (1954~ )]
[中島みゆき/Miyuki Nakajima (1952~ )]


(01)マホガニー・モーニング/作詞: 阿木燿子、作曲: 芳野藤丸、編曲: 大谷和夫
(02)歌い継がれてゆく歌のように/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 萩田光雄
(03)オレンジ・ブロッサム・ブルース/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 矢野立美
(04)センチメンタル・ハリケーン/作詞: 山川啓介、作曲: 梅垣達志、編曲: B. Fasman
(05)I CAME FROM 横須賀/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 萩田光雄
(06)青い羊歯 -アジアンタム-/作詞: 北野弦、作曲: 北野弦、編曲: 船山基紀
(07)デイ・ドゥリーム/作詞: 山川啓介、作曲: 水谷公生、編曲: 萩田光雄
(08)十五の頃(紅梅集)/作詞: 山上路夫、作曲: 佐藤勝、編曲: 萩田光雄
(09)ラスト・ソング/作詞: 谷村新司、作曲: 谷村新司、編曲: 萩田光雄
(10)鏡の中のある日/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 船山基紀
(11)抱きしめられて/作詞: 松本隆、作曲: 鈴木茂、編曲: 鈴木茂
(12)おだやかな構図/作詞: 来生えつこ、作曲: 来生たかお、編曲: 萩田光雄
(13)ジェラシー/作詞: うさみかつみ、作曲: 萩田光雄、編曲: 萩田光雄
(14)タイトスカート/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: B. Fasman
(15)寒椿/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 若草恵
(16)プリティー・ハーロット (Pretty Harlot)/作詞: 野原理香、作曲: 穂口雄右、編曲: 萩田光雄
(17)ヒ・ロ・イ・ン/作詞: 谷村新司、作曲: 谷村新司、編曲: 萩田光雄
(18)花筆文字/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 萩田光雄
(19)GAME IS OVER/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 船山基紀
(20)霧雨楼/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 萩田光雄
(21)喰べられてしまった獏/作詞: 阿木燿子、作曲: 芳野藤丸、編曲: 大谷和夫
(22)夢のあとさき/作詞: 山上路夫、作曲: 佐藤勝、編曲: 川口真
(23)時の扉/作詞: 伊藤アキラ、作曲: 北野弦、編曲: 萩田光雄
(24)春爛漫/作詞: 松本隆、作曲: 鈴木茂、編曲: 鈴木茂
(25)或る女・・・或る日/作詞: うさみかつみ、作曲: 萩田光雄、編曲: 萩田光雄
(26)あまりりす/作詞: 松本隆、作曲: 岸田智史、編曲: 船山基紀
(27)蜃気楼/作詞: 喜多條忠、作曲: 萩田光雄、編曲: 萩田光雄
(28)猫が見ている/作詞: 小谷夏、作曲: 芳野藤丸、編曲: B. Fasman
(29)最後の頁/作詞: さだまさし、作曲: さだまさし、編曲: 佐藤準
(30)サンタマリアの熱い風/作詞: 谷村新司、作曲: 谷村新司、編曲: 萩田光雄
(31)曼珠沙華/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 萩田光雄
(32)娘たち/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 萩田光雄
(33)水鏡/作詞: 丸山圭子、作曲: 丸山圭子、編曲: 萩田光雄
(34)CRY FOR ME/作詞: 横須賀恵、作曲: 波多野純、編曲: B. Fasman
(35)水曜日のクオレ/作詞: 阿木燿子、作曲: 来生たかお、編曲: 萩田光雄
(36)銀色のジプシー/作詞: 横須賀恵、作曲: 浜田省吾、編曲: 萩田光雄
(37)喪服さがし/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: B. Fasman
(38)空蝉/作詞: 喜多條忠、作曲: 丸山圭子、編曲: 萩田光雄
(39)GET FREE/作詞: 来生えつこ、作曲: 来生たかお、編曲: B. Fasman
(40)シュロード・フェロー (Shrewd Fellow)/作詞: 野原理香、作曲: 穂口雄右、編曲: 川口真
(41)軌道修正/作詞: 森雪之丞、作曲: 森雪之丞、編曲: 萩田光雄
(42)悲願花/作詞: 谷村新司、作曲: 谷村新司、編曲: 川村栄二
(43)COSMOS(宇宙)/作詞: うさみかつみ、作曲: 萩田光雄、編曲: 萩田光雄
(44)幻へようこそ/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 萩田光雄
(45)WIND & WINDOW/作詞: 篠塚満由美、作曲: 波多野純、編曲: B. Fasman
(46)ひといろ足りない虹のように/作詞: 新川和江、作曲: 萩田光雄、編曲: 川口真
(47)想い出のミラージュ/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 萩田光雄
(48)ただよいの中で/作詞: 古川英昭、作曲: 来生たかお、編曲: 萩田光雄
(49)イノセント(純粋)/作詞: 松本隆、作曲: 堀内孝雄、編曲: 萩田光雄
(50)ひとふさの葡萄/作詞: 石丸博、作曲: 川口真、編曲: 川口真
(51)愛の行方/作詞: 阿木燿子、作曲: 萩田光雄、編曲: 萩田光雄
(52)DANCIN' IN THE RAIN/作詞: 横須賀恵、作曲: 浜田省吾、編曲: B. Fasman
(53)夜へ…/作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 萩田光雄

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by raindropsonroses | 2008-07-25 00:00 | Sound of music。 | Comments(27)

天の邪鬼右衛門でござる。

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拙者、名前を天の邪鬼右衛門と申す……。

聞いての通り、一見、天の邪鬼なのでござるが、
実は心優しき実像を奥床しいが故に色々な物でカモフラージュしているのでござる。
照れ隠しをしたいが故に様々なもので武装しているのです。

兎に角、人さまと同じ事をするのは絶対に困るのでござる。
流行ものクソ食らえ、少しでも人と違う事をするのをモットウにしております。
そんな拙者、檜の風呂に「皮肉」と言う名のピリリとした入浴剤をタップリ入れ湯浴み。
先祖代々伝わる「我儘」と言う名の羽織りと「身勝手」と言う名の袴を身につけ、
「毒舌」と言う名の銘刀を腰に差しているのでござりまするぅ。

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僕を表すキーワードは「我儘」「皮肉屋」「毒舌」「身勝手」「偏屈」……。
ここで僕をよく知る友人は大きく大きく頷いていると思いますが(放っとけ!)、
誰っ?!もう一つ「威丈高」を付け加えろって言っているのは(笑)
一般にマイナスの要因ばかり並んでいるので、一体、どんなイヤな奴……。
そう思うでしょうが、実は、マイナスとマイナスをかけるとプラスになるように(笑)
きっとマイナスの羅列がいい方に作用した……そう思いたいです(笑)

「偏屈」と言えば、僕のことを可愛がってくれている女優Sさん、
まだ携帯電話がない頃に用事があって僕の家の電話に電話して来ました。
留守の僕に代わって電話口に出たのは母、
何と、僕の留守中に女性二人で僕のことを肴にペラペラペラペラ……。
小一時間も話が弾んだそうなんですが、母の手前、手放しで僕のことを誉めていた女優さん、
ついポロリと「○○ちゃんも偏屈だから……。」と、やっちゃったそう(笑)

後で母曰く、

 「お前、お前が変り者で偏屈なのはお母さんが一番知っているけど、
  改めて人さまに言われるとムッとするわねぇ……。
  その性格どうにかならないの?」……ですと(笑)

どうにかならないの?って言われてもねぇ……。
まぁ、何れにせよ失礼な話ですよね。肴になったのは僕なんですから(笑)
自分の偏屈は母や友人なんかより自分が一番知っているのだけれど、
その偏屈に皮肉や毒舌、身勝手、我儘、自己愛……。
諸々のシーズニングやスパイスで味付けをして
こんなに素晴らしい僕が出来ているんですもん(笑)
「おい!結局、自画自賛かよ!」と、突っ込まないで下さいね(笑)
そりゃぁ、素直な性格に越したことはないんですが、
世の中素直な人ばかりじゃ詰まらないじゃないですか。
色々と彩りがあってこそ、また、ピリリと薬味が利いてこそ世の中は楽しいのですから。
今更ねぇ……変われませんよね。三つ子の魂、百までって言いますもんね(笑)
いいんです、このままで。十分、素敵なんですから!

写真はその偏屈で天の邪鬼な僕が作ったオリジナルの薔薇。
変わった性格の僕が作ったからと言って美しさは格別です。
ガリカの薔薇とモダンの銘花を親に持つこの薔薇は一季咲き、
性格はガリカそのもの。中輪で物凄く甘い匂いがします。
別に人を食う訳ではないし、何やら変な匂いがする訳でもありません(笑)


草々

2008年7月20日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2008-07-20 00:00 | 向き向きの花束。 | Comments(21)

自由に言葉を綴っていますか?

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以前、少し辛口の記事を書きました。
今や一億、総タレント、総表現者……。
ブログの普及で、皆さん、それぞれ気軽に自由に思いのたけを綴っています。
僕も学生の頃は作文なんて大の苦手だったクセに(通信簿には「×」が付いていた!)、
今や、日々、垂れ流し的に記事を書いています(笑)

最近、凄く気になるのが「言葉」について……。
矢張り、世界中の皆さんに読んで戴く以上、正しい日本語を使いたいし、
なるべく誤字脱字は避けたいです。自分で書いて自分で校正しますからね、
その辺はなかなか難しいのですけど……。

同じことを書くのに幾つかの言い表わし方があります。
直接ストレートに書く方法、美辞麗句を並べ立て文章を飾る方法、
婉曲にオブラートに包み、解釈を読者に委ねる方法……。
皆さん、それぞれのやり方でブログ・ライフを謳歌しています。

そこで気になるのが、最近では使えない言葉が非常に増えて来たことです。
「言葉狩り」なる単語もあるくらいピリピリになって気にしている人もいます。
例えば、幾つか例を取ってみると、ある媒体では「旅芸人」と言う言葉が使えないと聞きました。
そうすると、アンゲロプロスの傑作「旅芸人の記録」がマズくなりますね。
それから有名なところでは、先だって発売された山口百恵の「MOMOE PREMIUM」の中に、
「謝肉祭」と言うエキゾチックなシングルの名曲が収録されていません。
(後の「Complete MOMOE PREMIUM」には収録された。)
その理由は、歌詞の中に「ジプシー」と言う単語が入っているからです。
そう、「ジプシー」使ってはいけないそうです……。
だから完全な山口百恵のベストにはならない訳ですね。
山口百恵と言えば、有名なエピソードがあります。
「プレイバック Part 2」の歌詞に「真っ赤なポルシェ」と言う部分があります。
国営のNHKでは商品名等はオン・エア出来ませんから、その部分は「真っ赤な車」になる訳です。
もう失笑するしかありませんね……。

確かにある特定の人々を差別する言葉、
蔑視する言葉、傷付けるような表現はしていけないし、
不快な言葉は極力、控えるべきだと思います。
言葉の問題は非常に微妙でデリケート……ある人にとっては大丈夫な言葉も、
違うある人を深く傷つけてしまうかもしれない……。
知らずに使っていた場合、気付いたら即刻改めなければいけませんね。
自分がされて嫌なことは人様にしない……これ、基本です。
しかし、ピリピリに神経質に「言葉」を狩ることに腐心している人こそ
常にそう言う差別の意識が心の奥底にあるのではないか……そう思ってしまいます。
例えば、映画の不適切な表現、暴力や性表現を取り締まる映倫の検閲もそう。
一時期、非常にゆるくなった性表現、ヘアなど、可成り、検閲が大らかになったのも束の間、
今ではまたまた昔に逆戻り……一体、誰の権威で芸術作品が切り刻まれ、
無残にも修正の手が入るのか……修正ではありませんね、正しくはありませんから改悪かな。
全く顔が見えない人々によって自由なハズの芸術が切り刻まれる……。

表現の自由が謳われて久しいけれど、
こうしてブログに文章を綴っていると不自由なことも多いです。
ついつい自分で規制してしまうんですね。その都度、自分の心の奥底を覗いてみて、
その言葉を使うにあたって一体どう言う積もりでいるのか、
使わなければ上手く表現出来ないのか、本当に必要で適切か、
代わりの言葉はないのか……あれこれ考えてしまいます。
これだって自主規制ですよね。ただ、表現の自由だからと言って、
何でも好き勝手に書き散らしていい訳ではありません。
読んで下さっている方々が不快に感じないこと……。
それが大前提かな……そうも思います。
何事につけ、ある程度の規則や規制があってこその自由なんですが、
本当に難しい部分だと思います。

……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

そうそう、随分前にテレビで放映された市川崑の傑作「細雪」にこう言うシーンがありました。
冒頭の嵐山のお花見のシーン。前振りがあって全員が席に着くと、三女雪子の見合いの話題になります。

 幸子 「鶴子姉ちゃん、雪子(ゆっこ)ちゃんの縁談の話しやけど……。」
 鶴子 「あぁ、あの話しなぁ……先方の瀬越さんのお母さん
     中風病みやって言う話しやったやろう。それが違うねん、精神病らしねんわ……。」
 幸子 「えぇ〜っ!」
 鶴子 「雪子ちゃんも落胆したやろうけど、そう言う訳や、堪えてぇな。」

大体こんな感じでしたが、この「精神病」の所の音声が消されていました。
無理なく劇中に溶込んでいる言葉が故意に消される……。
却って何て言ったのか想像力を働かせますよね。
思惑とは別にその言葉を意識させてしまう効果があるかもしれない……。

……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

表現の自由……自由って一体、何でしょうね……。
映画「パピヨン」の中で、死刑囚アンリ・パピヨン・シャリエール(スティーヴ・マックイーン)は、
度重なる失敗の果てに、とうとう大海原に飛び込み脱獄に成功します。
彼が考える「自由」を手に入れた訳です。
それに対して、一緒に収容所島で暮らしていたルイ・ドガ(ダスティン・ホフマン)は
冒険はせずに島に残り、ささやかだけれど畑で野菜などを育てて、
一生、収容所島で慎ましく暮らして行く道を選んだ……。
それぞれの自由、どこに自由を見出すのか……非常に難しい問題です。



どうですか、皆さんは自由に言葉を綴っていますか?


草々

2008年7月12日


ブノワ。


[Theodoros Angelopoulos (1935~ )]
[O Thiasos/旅芸人の記録 (1975)]
[山口百恵/Momoe Yamaguchi (1959~ )]
[謝肉祭 (1980)]
[プレイバック Part 2(1978)]
[市川崑/Kon Ichikawa (1915~2008)]
[細雪 (1983) 東宝製作]
[Papillon/パピヨン (1973)]
[Steve McQueen (1930~1980)]
[Dustin Hoffman (1937~ )]

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by raindropsonroses | 2008-07-12 00:00 | 向き向きの花束。 | Comments(24)

愛情は深い海のごとく。

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……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

今日、7月5日は母の命日、丸2年が経ちました。
今夜は母をよく知り、また、母が非常に可愛がっていた友人と二人で軽く一杯やって来ました。
母が住んだ街の小さな焼鳥屋、晩年の母と僕がよく二人で飲んだ店……。
僕は特別、何回忌だとか供養とかはしません。
その辺の日本の習慣やしきたりには疎いし(母の影響・笑)
日々、ことある毎に亡くなった母のことを思い、
いつまでも自分の中に生かすこと、常に母と一緒にいることが、
言葉にするとしたら、世間で言う「供養」になると思うのです。

誰にも知らせずに、父と件の大親友の3人で母を見送りましたが、
その後の父の元には、どこから聞いたか、引きも切らさず、
昔の同僚や友人達が駆けつけて手を合わせて行ったそうです。
テーブルの上には母の遺骨と僕が大事にしていた母の昔の写真……。
大事な人を送る……僕はそれでいいと思うのです。
義理ではなく、本当に気持ちのある人だけが見守ってくれていれば……。

……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
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梅雨、真っ只中、今年は梅雨らしい梅雨……。

今日のランチに写真のようなトーストと梅酒を戴きました。
両方とも一昨年に亡くなった母に縁の品、
梅酒は母が亡くなる前の年の5月に紀州の梅で漬けた梅酒の古酒。
このグラス1杯が最後になりました。はじめこそ普通にグビリグビリ飲んでいましたが、
最後の方はチビリチビリ……いざなくなると淋しいですね。

トーストは焼いたパンにバターをタップリ塗り、
千切りのキャベツと炒り卵をマヨネーズで和え胡椒を少々……それを山盛りに!
何もここに写真を添付する程のものでもないし、料理とも言えない一品です。
普通はランチには珈琲とか紅茶なんでしょうが、
母の命日、一人で母に縁のある品で母を偲びました。

小さい頃の僕は大の野菜嫌いだったそうです(笑)
何でも、らっきょともやしは山盛りに食べたらしいのですが、
あとは全く野菜を口にしない子供だったらしいです。
あれこれ手を尽くしても野菜を食べない息子に母が考えたのが、
大好きな卵とマヨネーズを利用して、先ず、手始めにキャベツを食べさせると言う作戦。
驚くことに、母の作戦はまんまと当り、このトーストをモリモリと食べたらしいです。
みるみる内にトーストの上に山盛りになるキャベツ(笑)
それ以降、それ迄の野菜嫌いは何処へやら、
今では嫌いな野菜がないくらいに野菜好きの僕が出来上がった訳です。

僕の母はどちらかと言うと料理が下手でした(笑)
前にお話ししましたけれど、母は学校を中退して隣町に働きに出されてからズゥ〜っと、
亡くなる少し前まで働きずくめでした。確かに料理なんかする暇はないし、
まして、料理を習う気力も時間もなかったのでしょう。
けれど、インスタント食品は食べた覚えがありません。
簡単でも必ず何かしら手を加えていたような記憶があります。
小学校の給食が終わるとお弁当も必ず作ってくれました。
子供心に、蓋を開けると「茶色い」お弁当がイヤでイヤで(笑)
今、自分で趣味のお弁当を作る身になってみると、
朝早くから働き通しだった母の大変さがよく分かります。

口には出しませんでしたが、30歳を過ぎるまで
極度のアトビー性皮膚炎だった僕に対して、
母は心の底で大きな引け目、罪悪感を持っていたようです。
まるで遺伝でアトピーになったかのように思い悩んでいたようです。
特に子供の頃はそう、子供は自分で体調をコントロール出来ないですもんね。
その頃はアトピーなんて言う言葉はありませんでした……そう、湿疹ね。
母は忙しい中、食事の面や薬の面など、僕の身体に善かれと思うことをあれこれ工夫してくれました。
アトピーはヒョンなことでスッパリ治ってしまったのですが(何れ記事にします)
その間の母の心労は並大抵のことではなかったと察します。
完治した時の母の嬉しそうな顔、今でもハッキリ覚えています。

ウチは決して食うに困るような貧乏ではなかったけれど、
母は晩年まで遊び人の父で苦労したように、決して自由に使えるお金があるハズもなく、
母の少ない収入の中から家計をやり繰りしていたようです。
小学生の頃、子供心にどうしても食べてみたかった不二家のショートケーキ、
それもワン・ホール(笑)勿論、クリスマスですけどね。
母が買って来てくれたのは不二家のケーキではなくて家の近くのケーキ屋のもの。
僕が食べたかったのはスポンジとスポンジの間に苺が挟まっているものだったんです。
しかも、その苺はスライスしてある苺ではなく、
苺が丸々一つ、グルリとスポンジの回りを一周して
生クリームがタップリ挟まっているタイプ、しかも苺は縦位置で整列(笑)
母が買って来てくれたケーキのスポンジの間には苺ではなくて黄桃が挟んでありました。
まだ子供だった僕はガッカリし(実はそのケーキ、不二家のケーキよりも高価だった……。)
母に不平を漏らしたのでしょう、母は淋しそうな顔をしていましたっけ……。

ありましたよね、ニュース番組に「最後の晩餐」って。
人生の最後に食べるとしたら何を食べたいかって言うコーナーが。
僕は矢張り、母が作った何か一品、ご大層な料理じゃないけれど、
きんぴらごぼうとか切り干し大根とか……何か素朴なものが食べてみたいです。
僕の絶品餃子の原点である母の餃子もいいかもしれせん。

往年の映画でヴィヴィアン・リーの晩年の作品で
「愛情は深い海のごとく」と言う映画がありました……。
母親の子供に対する愛情、まさに、海よりも深いのでしょうね……。

母は僕に何も望まない人でした。どこそこの大学に入れとか、政治家になれとか(笑)
ただ、曲がったことはせず、正直に生きることだけを望んでいたように思います。
母が生きている間に親孝行のような事は何もしてあげられなかったし、
仕事の面でも何かを成し遂げた訳ではないので、
そう言う意味で母を喜ばせることは出来ませんでした。
もう少しだけ長生きしてくれていれば、もしかしたら何か形になったものを、
母が僕を誇りに思うものを見せてあげることが出来たかもしれないのに……。
そのことだけが心残りです。

僕の動物、植物好きは母譲りです。
その母にはとうとう薔薇の花束をプレゼントする事はありませんでした。
ただ、荼毘に付す棺の中に、7月の暑さの中グンッ!と伸びた、
「Sophia Loren」のシュートの先に咲いたそれはそれは見事な花一輪、
根元からバッサリと切って約1メートル余り、母の足元から胸元にかけて飾ってあげました。
母から教えて貰ったソフィア・ローレンに因む薔薇、母に相応しい薔薇です。


草々

2008年7月5日


ブノワ。


[Sophia Loren Official Website/Sophia Loren (1934~ )]
[Sophia Loren (HT) Tantau, 1967]
[Vivien Leigh (1913~1967)]
[Deep Blue Sea/愛情は深い海のごとく (1955)]

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by raindropsonroses | 2008-07-05 00:00 | 向き向きの花束。 | Comments(36)