匂いのいい花束。ANNEXE。

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♪ ブンブンブン、蜂が飛ぶ……。

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 「ブンブンブン、蜂が飛ぶ……。」

さて、これ、どこの写真でしょう?
そう、驚くなかれ、我家のバルコニーなんですよ!
昨日の午後、出先から帰って来てバルコニーに出てビックリ。
ブンブン羽音を立てながら何やら空を黒く染める勢いで乱舞しているではありませんか。
その数ザッと何千匹……真面目に空が黒い……。
虻?それとも蜜蜂?アシナガバチやスズメバチではないけど……。

僕と一緒にバルコニーに出たお園ときんは匍匐前進ベコ状態(笑)
秋のトンボの時には狙いも定まろうと言うものだけど、
これだけの数が乱舞していたのでは猫も堪らない……。

写真はウチのバルコニーに置いてあるガーデン・テーブルの下の部分に固まった蜜蜂。
僕が帰宅してから3時間でアッと言う間にこの大きさ。
さっき確認したらもう少し大きくなっていました。
大の男の握りこぶしくらいにまで大きくなっています。
さてさて、どうするか……夕方、蜂の活動は沈静化……。

虫が大嫌いな友人は早々に、

 「もうブノワ。さんの家には行きません!」

と、高らかに宣言(笑)
さてさて、この蜜蜂不足の世の中に有り難いと思うか、
それとも有効活用して薔薇の自然交配に使うか……。
ブンブン顔の周りを飛び回る蜜蜂を感じながらパチリと1枚。
あれこれと物思いに耽るのでした。


草々

2009年4月30日


ブノワ。


[お園・Osono (2002~ ) Domestic Short Hair, White]
[きん・Kin (2005~ ) Domestic Short Hair, Tortoiseshell]

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by raindropsonroses | 2009-04-30 00:00 | 何処からともなく。 | Comments(28)

薔薇ブログと猫ブログ。

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例年になく穏やかな4月のとある日曜日の午後、
4匹の猫がそれぞれのお気に入りの場所で寛いでいる。
思い出したように小芳がポツリと……。

 小芳 「ねぇねぇ、聞いた聞いた?」
 朝子 「聞いた聞いた、飼い主さんでしょう?」
 お園 「なになに?アタシ知らない!」
 朝子 「アンタはいつもボンヤリだねぇ(笑)」
 小芳 「飼い主さんが2つ目のブログを始めたのよ。
 お園 「へぇ〜、そうなんだ。でも、大丈夫なの?1つでも持て余し気味なのに……。」
 朝子 「そうだよね、最近は『忙しい忙しい』が口癖で全然遊んでくれないし……。」
 小芳 「そう、余計に構ってくれなくなるかも……。」
 お園 「アナタたち!バッカねぇ。良ぉ〜く考えてみなさいよ。」
 朝子 「お園、偉そうに何企んでるの?」
 お園 「オッホン!あのね、飼い主さんの今までのブログの更新記録を見ると、
     週に2回記事をアップしているじゃない?」
 朝子 「それがどうしたのよ。」
 お園 「だから!アナタたち鈍いって言われるのよ!
     日曜日は何の日だか知っている?」
 小芳 「知ってるわ、猫の日曜日じゃない。」
 お園 「ご名答!猫の日曜日よねぇ。
     と、言うことは、週に2回の更新だから、
     水曜日か木曜日に薔薇のことを書くじゃない。
     そうすると、日曜日は猫だから、薔薇、猫、薔薇、猫、薔薇、猫……。
     アタシたち、いやいや、皆さんおブスだから
     超美麗猫の園ちゃんの出番がグンっ!っとアップする訳!」
 きん 「nるるるる!」

 染香 「お園、まぁ理屈はそうだけど、日曜日が土曜日にズレたらどうすんの?」
 朝子 「あっ!その声は天国の染香姐さん!」
 染香 「みんな元気にしている?
     アタシが思うに、ブログが2つと言うことは、
     ただ単純にアナタたちの出番がさらに減るんだと思うわよ(笑)
     お茶っぴきの芸者衆か……お園、アンタは相変わらず詰めが甘いねぇ。」

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今日24日は僕の一番最初の猫、染香の命日です。
暖かな4月の午後、安らかに天国に旅立ちました。
不思議なことに一日たりとも染香の事を思わない日はなかったし、
記憶はさらに鮮明になって行きます。
今日の1枚は僕が一番気に入っている染香のポートレートのシリーズから。
染香はこの椅子が大好きでしたっけ……。
まさに主演女優が座るディレクターズ・チェア(笑)


草々

2009年4月24日


ブノワ。


[染香・Someka (1997~2005) Domestic Short Hair,
    Brown Mackeral Tabby and White]
[朝子・Asako (1998~ ) Domestic Short Hair, Black and White Bicolor]
[お園・Osono (2002~ ) Domestic Short Hair, White]
[小芳・Koyoshi (2004~ ) Domestic Short Hair, Red Tabby]
[きん・Kin (2005~ ) Domestic Short Hair, Tortoiseshell]

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by raindropsonroses | 2009-04-24 00:00 | 猫が行方不明。 | Comments(20)

よきこときく……素晴らしい季節の始まりに。

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穏やかな4月になりました。
不思議なことに、今年は春の花が同じ時期に一斉に咲き乱れたような気がします。
染井吉野に始まって、八重桜、白木蓮、紫木蓮、チューリップ、勿忘草……。
そして、桜がまだ咲いているうちに薔薇の一番花の姿を見……………。

以前から漠然と考えていたのですが、
「斧・琴・菊」……じゃない、「よきこときく」この素晴らしい季節に1つ決めた事があります。
「匂いのいい花束。」から独立して、新しいブログを始めることにしました。

タイトルは「Under the Rose。」……………。

そう、薔薇だけのブログ、薔薇にまつわる諸々を記すブログです。
乱暴な友人は、薔薇、猫、旅、食、映画・演劇……それぞれのブログを作れって言います(笑)
まぁ、それは無理として、薔薇だけは特別ですからね。
この「匂いのいい花束。」は今まで通り、映画、演劇、旅の記録、猫たちのことなど、
それにら加えて、好評のおねぎとピーマンの会話や蒔岡姉妹の優雅なあれこれ、
恐ろしい犬神三姉妹の密談、往年の名調子、淀長さんの独り言、猫たちのつぶやきなどに加え、
匂いにまつわること、日々に思うことなどを今まで通りに綴っていけたらと思っています。
少しシニカルに、辛辣な記事が増えるかな……でも、それも僕。
勿論、今まで通り薔薇の写真も使います。

 「そうじゃなくても記事の更新が滞りがちなブログなのに大丈夫?」

そう思って心配しているあなた……大丈夫じゃないのです(笑)
身体は1つ、1日は24時間、浅い知識、消えていく記憶、死滅して行く脳細胞(笑)
それに、1日に打てる文字の数は決まっています。
ブラインド・タッチじゃなくて指2本で打っているんだし(笑)
まぁ、こう言うことは頑張るものではないので、気分の赴くままにやって行かれれば、
あくまでもお気楽に、皆さんと一緒に楽しく過ごせる場所に出来れば……それが目的です。
新しいブログのハンドルネームは今まで通り「ブノワ。」です。
そう、皆さん、最後に「。」付けてね!(笑)

果たして鬼が出るか蛇が出るか、凶と出るか吉と出るか(笑)
何事もやってみなければ分からないのが面白いですね。
これからも「匂いのいい花束。」「Under the Rose。」共々一つ宜しくお願いいたします。


写真は僕の誕生日に友人がプレゼントしてくれた薔薇の花束。
黄色い「カナリア・イエロー」を引き立てるかのような勿忘草と、
僕をクリスマスローズ地獄に陥れようとするかのようにクリスマスローズが(笑)


草々

2009年4月16日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2009-04-16 00:00 | 向き向きの花束。

因果応報。

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まるで初夏を思わせるようなポカポカの4月、
バルコニーに出たブノワ。……あまりの暖かさに部屋に取って返して、
Tシャツを脱ぎ捨て短パン1枚に……日焼けしながら薔薇の手入れと洒落込もう!
さぁて、やる事は沢山あります。草花には話し掛けてあげるといい……。
ついつい独り言を言いますがお付き合い下さい(笑)


 「ウゥ〜む、好い天気!こらっ!きん!そっち行っちゃダメ!
  えぇと、先ずは枯れてそのままになった雑草をひとまとめにしてっと。」
 「ハァ、やっぱり剪定していないから薔薇の先端が伸びて蕾まで付いている……。」
 「ま、いっか!これが薔薇の本来の姿、今年はそれを追求することにしよう!」
 「よいしょっと!やっぱり園芸は男の仕事、力要るよねぇ。」
 「女性の皆さん、こんなに重たい土をどうやっているんだろうか……。」
 「さぁて、こっちはこれで良し。この大きくなったツル薔薇をどうにかしたいんだけど……。」
 「ま、いっか!この冬に何とかしようっと。大きなテラコッタ3つ空いているし。」
 「あぁ、可愛い!もう蕾が色付いちゃって。」
 「勿忘草もこぼれ種で増えて来たなぁ……ポットを隠すヤエムグラも順調っと。」
 「おっ!こっちにはクレマチスが!
  こうして枯れたと思ったツルから芽が出ているのを見ると感動するんだよねぇ。」
 「ここの部分なんか茶花としても使えそうだもの……………。」
 「……………ク、ク、クレマチス?????
  はて、我家のバルコニーにクレマチスなんかあったっけ?」
 「あっ!お、お、お、お、オマエは一体だれ!?」

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そうです、大変な事になっています(笑)
例年ですと、考えなしにただ単純に雑草を引っこ抜き、綺麗にしていた冬のバルコニー。
今年は忙しいことを理由にスッカリ放りっ放し……。
そう、クレマチスと勘違いしたのは「ヘクソカズラ」!
そう言えば、毎年冬はこのヘクソカズラのツルをズルズル引っ張り出して、
出来るだけ抜いていたんだっけ……。

写真は薔薇じゃないクセにこの優雅なブログに2回目の登場と相成ったヘクソカズラ(笑)
驚くべきことに、水にさしておいたらグングン伸びる伸びるクルクル巻く巻く……。
これが本当にクレマチスだったらねぇ(笑)

さぁさぁ、どうするブノワ。さん。
あっちもこっちも節から芽が出て来ていますよ!


草々

2009年4月13日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2009-04-13 00:00 | 何処からともなく。 | Comments(28)

天涯孤独。

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今年も早いもので4月の中旬になりました。
ここ数年ぶりに驚異の花保ちを見せる桜……。
開花の直前に寒の戻りがあったことと、
満開時にお決まりのように降る雨と、
嫌がらせのように吹く強風に見舞われなかったのも原因でしょうか。

そんな満開の桜の下を潜るようにして、
近所のお宅に小芳の最近の写真を届けに行きました。
そう、我が家の猫は全員、捨て猫か貰い猫。
その貰い猫だって捨てられているところを保護されたか、
保護した母猫が「この家なら安心!」とばかり、
翌日から次々に子猫をくわえて連れてきた子です。
そんな幸薄い子等の親元に、毎年一回、
近況を書いた手紙と写真を数枚届けるのが習わしです。
ところが、4年前に染香が天使猫になり、
その翌年には母が亡くなり、最近は忙しくてドロドロのバタバタ……。
スッカリ近況報告を怠っていたのです。

お園は最寄りの駅近くのKさんに、
小芳は近所の猫の保護と里親探しを精力的になさっているIさんに、
きんは猫の病院から貰ったのでY先生のところへ……。
それぞれ超美麗ポートレートを数枚添えて近況報告しました。

さて、そんな中、不憫なのは朝子……。
この子は僕自身が有楽町の駐車場から拾ってきた子です。
その先へ系図を辿れない、報告する家がないのです。
朝子……天涯孤独の猫……僕と一緒です。

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写真は最近、病院にかかった朝子。
お尻の穴の横にある匂い袋を誰か(極悪のお園かお転婆きん!)に引っ掛かれ、
傷口が膿んで腫れていたので切開して貰いました。
気にして舐めてなかなか傷口が塞がらないので、
可愛そうだけど久々にエリザベス・カラー登場!(笑)
エリザベス朝……子です(笑)

今回、病院のY先生には全員の写真を届けました。
会計を待つ間、バックルームから聞こえて来る、
先生とスタッフの皆さんの声を潜めた「可愛いっ!」に大満足の親馬鹿ブノワ。(笑)
Y先生は「○○さん、朝ちゃん凄く可愛い!」って言ってくれました。
良かったね、朝ちゃん!


草々

2009年4月12日


ブノワ。


[染香・Someka (1997~2005) Domestic Short Hair,
    Brown Mackeral Tabby and White]
[朝子・Asako (1998~ ) Domestic Short Hair, Black and White Bicolor]
[お園・Osono (2002~ ) Domestic Short Hair, White]
[小芳・Koyoshi (2004~ ) Domestic Short Hair, Red Tabby]
[きん・Kin (2005~ ) Domestic Short Hair, Tortoiseshell]

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by raindropsonroses | 2009-04-12 00:00 | 猫が行方不明。 | Comments(22)

おねぎとピーマンふたたび……t p t、醜い男。

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  3月も終わろうとしている最後の日曜日。
  ダダダダダダ…………チョッピリ内股、興奮した足取りでおねぎが帰って来た。
  ピーマンは一人ソファーに座ってワインを飲んでゆっくり寛いでいる。
  勢いよく扉を開けて部屋に入って来たおねぎ、
  ピーマンの顔を見るや否や、口から唾を飛ばして一言。

O  「ピーマン!チョッとアナタ観た?」
P  「あれでしょう、TPTの『醜い男』……勿論、観たわ。初日にね。」
O  「アナタ、アレ、稀に見る傑作よ!」
P  「うん、アタシもそう思う。」
O  「アタシ、これまで色々な舞台を観て来たけれど、
    こんなに興奮したのは初めてだわ。」
P  「あら、随分と大袈裟ねぇ……。
    でも、確かにここ数年の芝居の中でベスト・プレイだわね。」
O  「でっしょう!現代の歪みを痛烈に、矛盾を鋭くえぐった傑作よぉ!」
P  「あら、何ともまぁ乏しいボキャブラリー……、
    随分と陳腐な表現しか出来ないのね。あなた、一応、評論家でしょう?」
O  「ウルサい!お黙りピーマン!」

  ここで物欲しそうな目でワインを見ていたおねぎにグラスを差し出すピーマン。
  ゴクリと一口、喉の渇きを癒すようにワインを飲むおねぎ。
  
P  「アタシ、感心しちゃったのは役者達の成長振り。
    彼等のことは前から見ているから、アタシ、感激しちゃうわ。」
O  「あら、別にアナタが色々と教えた訳じゃないじゃない。相変わらず傲慢ねぇ。」
P  「ウルサい!おねぎ!
    所で、池下くんって色っぽくなったわよね……スッキリしてさ。」
O  「そう、あの子、整形前と整形後じゃ表情が全然違うのよ!
    あっ!役の中でのことよ!……あら、そんなの分かってるって?(笑)」
P  「役者よねぇ……おねぎ『BENT』観た?彼、あの時より数段良くなっている。」
O  「観たわよ。アタシ達ゲイが『BENT』を観なくてどうすんのよ!
    兎に角、役の幅が広い子よね。」
P  「ねぇ、アタシ、カールマンを演った田村くんにはビックリしちゃった。
    あの子、二枚目の線で行くのかと思ったらコメディーも出来るのね。」
O  「そうなの!ビックリよねぇ……新境地開拓って言う奴?」
P  「整った顔の子がコメディー出来ると強いわよねぇ。
    これからどんな役を演るのかしら……凄く楽しみだわ。」
O  「アタシ……真一が可愛いと思うわ。」
P  「チョッと!どうして小谷くんのことだけ名前を呼び捨てにするのよ!
    アナタ、小谷くんと知り合いなの?」
O  「違うわ。いいじゃないの、チョッと言ってみただけよ。」
P  「小谷くんも成長著しいわよねぇ。あの子、声がいいわよね。」
O  「そう!チョッと高くてハスキーでね。でも良かったわ、
    またまた金髪坊主の眉なしだったらどうしようと思ったもの。」
P  「アタシ、小谷くんってシェークスピアやチェーホフが似合うと思うの。
    若いうちはハムレットとかトレープレフ……ロミオなんかいいわよねぇ……。
    それからこれからは悪役を演って欲しいわよね。」
O  「そう、ゾクゾクッとするような冷血な殺人鬼なんかいいわよねぇ……。
    でもね、あの子はマキューシオとかホレイショーを選ぶと思うわ。」
P  「優子も可愛かったわぁ……。
    レッテの妻と73歳の整形 " リフォーム " 老婆の2役を、
    声色変えることなく見事に演じ分けていたもの。
    耳の後ろの手術の跡を掻くシーンなんか笑っちゃったわよ。
    今は死語だけど、コケティッシュって優子のためにあるような言葉ね。」
O  「ねぇ、ピーマン、今、人のことを難癖付けたばかりじゃない?
    アタシが真一って呼んじゃいけなくて、なぜ、アナタが優子って呼ぶのよ!」
P  「あら、いいじゃない、チョッと呼んでみただけよ。
    それにしても、おねぎって女性の話題には絶対に触れないのね。」
O  「あぁ〜ら、アナタ、当たり前じゃないの!」
O&P「だって、女は敵ですもの!!!!!(笑)」

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暖かな3月の最終日曜日、友人達を誘って横浜に芝居見物と洒落込んだ。
演目は「醜い男」、新生、TPTの幕開けを飾るに相応しい作品です。
会場は横浜海岸通にある「Bank ART Studio NYK」。
日本郵船の倉庫を全面的に改修工事した多目的スペースです。

先ず3階の会場へ……。
チケットを受け取り書類ケース型の座布団を持参して会場へ。
広いスペースの片側に3段になったひな壇が。
そこに持参した座布団を敷いて観劇です。
これと言ったセットはなし、真ん中にコンクリートの柱がたった1本。
小道具は椅子4客、鏡2枚、缶ビール2缶、
そして林檎が4個……たったそれだけ。
観客最前列と俳優の距離は1メートル。そこに4客の椅子を並べて、
役者4人がほぼ座ったまま会話のみで物語は進行して行く……。



映画と違って舞台の醍醐味は、
役者の肉声を我耳で聴き、一挙手一投足をこの目で見、
荒い息づかいを肌で感じ、滲み流れる汗を目で追いながら、
劇場と言う「箱」の中で役者と一体化する……。
その一瞬、二度と巡り会えない瞬間を共有することでしょう。

主人公レッテ(池下重大)は、上司の指摘によって、
自分の顔が「古くなったひき肉」のように醜いことを初めて知ります。
妻ファニー(武田優子)は自分の左目しか見ず、どこか遠くを見る眼差し。
執刀したレッテの上司シェフラー(小谷真一)や、部下カールマン(田村 元)は、
決してレッテと顔、目を合わせようとはしません。
整形手術によって、それも、偶然と言う名の成功によって
まるで「剥きたての茹で卵」のような、
誰でもが羨み見惚れるような美しい顔に生まれ変わったレッテ。
彼の人生が、彼の周りを取り囲む人々の人生が、
まるで大きな歯車がギリギリ言うように大きなきしみを伴って変わって行きます。



 「外見じゃないよ、中身だよ。」と、言いつつ、

その実、外見、その人の美醜がどれだけ周りの人々の判断を左右するか。
綺麗ごとでは済まされない現実の部分があぶり出されます。
レッテのあまりの美しさに人々は驚愕し憧れ……需要と供給のバランスよろしく、
次から次へとレッテと同じ顔を作り出して行くシェフラー。

 「出る釘は打たれる」……昔の人はいいことを言いました。

人と同じでいるよう、決して突出しないよう、
周りに同化することが良しとされる現代の日本の教育。
人と違うこと=イジメの対象となり、
皆に埋もれることが生き抜く術であるかのようです。
トットちゃんはほんの偶然、人と変わっていることがまるで罪悪のような教育。
人と同じでいることに安息を感じ、
流行っていると聞くと、我れ先争って同じ物を買う精神性。
同じブランドのものを身に着けることで得られる安堵感。
没個性=上手く世の中を渡って行く処世術みたいな……不思議な世界。

痛烈でした。そして爽快!
個性的であれ!と、説きながら、
暗黙の内に個性を消し去るように出来ている今のシステムを一蹴……。

満員になって80名にも満たない観客席。
公演数を考えると、実際に見た観客は延べ1000人にもなりません。
この演劇史上に残る傑作をこの目で観られた幸せは計り知れません。

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僕がこのブログをやめよう、やめようと思いつつ、
未だに駄文を綴っている訳……それは、こう言う素晴らしい作品に出会えた時、
矢張り、何かの形で皆さんに紹介したいし、
自分のためにも書き残しておきたい……そう思うからなんです。

写真は数年前にフランスで撮った1枚。
フランスにはご愛嬌と言うか何と言うか、
フランス一美しい村と言うのが140以上あります(笑)
その中のリヨンス・ラ・フォレと言う小村で撮りました。
薔薇が咲き乱れるその村は、中部のルーアンから車で40分くらいの閑静な所。
小一時間歩くと村一周出来てしまうくらい小さいです。
そんな村で出会ったドアの取手……。
こう言う遊び心は日本人には真似出来ませんね。


草々

2009年4月2日


ブノワ。


[醜い男/2009年3月22日〜29日、Bank ART Studio, 3Cギャラリー]

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by raindropsonroses | 2009-04-02 00:00 | 天井桟敷の人々。 | Comments(25)