「ほっ」と。キャンペーン

匂いのいい花束。ANNEXE。

<   2010年 08月 ( 7 )   > この月の画像一覧

アナログとデジタル。

e0044929_1447955.jpg
…………………………………………………………………………………………………………………………

この暑さのせいか僕のデジタル一眼レフカメラが調子悪いです。
早くメンテナンスに出せばいいのですけど時間がない……言い訳ですね。
面倒臭いんです(笑)仕方なく前のカメラを使っています。
基本的に電気で動くものって暑さ寒さに弱いのかな?そんな気がします。
だから今一つ信用ならないデジタル物なんですが、
最近、フと僕の友人達、廻りを見渡すと、
アナログの物を知らない世代が随分増えて来ました。
アナログ・レコードを知らない世代、フィルム・カメラを知らない世代……。

僕なんて可成りいい年になって来ましたが、
幸いなことにアナログの最先端の技術をこの身で試し、
それからデジタル時代に突入しましたから、
両者のいい部分、ダメな部分を知る恵まれた世代だと思うんです。

若い友人に良く聞かれます。
アナログとデジタル、何がそう違うのかって。
例えば、写真で言うと、フィルム・カメラのどこがそんなにいいのかって。
勿論、デジタル・カメラのいい部分は数えきれない程あります。
手軽さ、コストの部分、後から自分で編集出来る……などなど。
でも、矢張り僕はフィルム・カメラで撮影したものをこよなく愛します。
これってハッキリ理由を言うのは難しいのですけど、
例えて言うのなら、凄くいい写真が撮れたとして、
デジタルはプリントしようとは思わないけれど、
フィルムで撮った物は引き延ばして額縁に入れてみたい感じ。
フィルム・カメラで撮った物は、手透きの高級和紙に、
墨に浸した筆で流麗な筆致で描いた山水画。
デジタル・カメラで撮ったものは、極端に言ってしまえば、
銭湯の湯船の上の風景画、2センチ角のモザイクで描いた富士山……。
そんな風に思って貰えるといいかもしれません。
もっとも、最近の技術の進歩でそのモザイクの一辺が、
凄く小さくなって来ていることは確かですけどね。

そうそう、もしデジタルカメラがなかったら、
こんなに気軽にブログを更新出来ないし(笑)

コンパクト・デジタル・カメラで写す世界……。
物凄く鮮やかで綺麗ですよね。でも、実はあれは本当の姿じゃない。
鮮やかに見せることで「いいもの」と思わせる寸法です。
極彩色で輪郭ハッキリ、見目鮮やかで直接こちらに訴える……。
例えて言うなら、それはラジカセでガンガン音楽を聴く感じに似ています。
小さなボリュームでもある程度ハッキリと「良く」聴こえる。
所が、真空管のアンプでレコードを聴く時は、
ある程度ボリュームを上げないといい音は望めません。
その違いでしょうか……デジタルとアナログの違いって……。

…………………………………………………………………………………………………………………………

ここに1枚の写真があります。
数年前のパリで撮った1枚。確かルーブル美術館だったかな?
美しい聖母と幼子キリストの木彫のポートレート。
気に入ったので手焼きで丁寧にプリントして貰ってからスキャンしました。
従って、本物のプリントはもう少し柔らかい感じがします。
この柔らかさ、木彫ならではの質感はデジタルでは出せません。



e0044929_14475241.jpg

2枚目の写真は、先日、最寄りの駅前の小さな広場で撮ったもの。
しかも、常々、僕がバカにしている携帯電話のカメラで撮りました。
これはこれで可愛いですね。少女たちが落書きしたもの。
もし、フィルムの一眼レフを持っていたらそっちで撮っていました。

携帯電話のカメラって画素数やどこそこのメーカーのレンズ……。
と、大々的に宣伝しているけれど、矢張り、カメラはレンズが命です。
どのメーカーだろうと、どれだけ画素数が大きかろうと、
あんな豆粒のようなレンズじゃぁ写る物は高がしれています。
このようにチョッとしたスナップ、記録などにはいいかもしれませんが……。


芸術、文化……なんでもそうですけど、
比べるものがあって初めてその良さが分かる……真実だと思います。
本当にいい時代に生まれたと思います。
少なくともアナログの古き良き時代を知っていますから……。


草々

2010年8月29日


ブノワ。


★Copyright © 2005~2010 raindropsonroses, All Rights Reserved.
[PR]
by raindropsonroses | 2010-08-29 00:00 | 私はカメラ。 | Comments(12)

お料理ブログにしようかな?

e0044929_185143.jpg
…………………………………………………………………………………………………………………………

 「だったらお料理ブログにしようかな?」

ここ最近、料理の写真が多いと友人に指摘されました(笑)
確かにそうかも……何ででしょう?
そう言えば引っ越しして来てからマメに料理しているし……。
だけど僕の料理はナンチャって料理だから、
何でもかんでも目分量、レシピも何もあったものではないし、
料理だけって言うのも不可能だと思う……でも面白いかな(笑)

このところお邪魔しているアメリカ在住の素敵な女性のブログがあります。
Reikoさんの THE CULINARY TRIBUNE です。
ご自分と旦那さまのために愛情こめて作られた極上の料理の数々。
そのオリジナリティー溢れる料理の数々の美味しそうなこと!
英文と和文、両方で綴られていて、英語が苦手な僕にも嬉しい配慮です。
何となく僕も影響されてお手軽な一品を作ってみました。



<冷蔵庫一掃クスクスサラダ>

冷蔵庫に、先日、戻したクスクスが余っているのを発見!
余っていたって言うのはチョッと語弊があるかな?
このサラダを見越して少し大目に戻してあったんです。
クスクスの戻し方は皆さんそれぞれですよね。
ただお湯だけで戻す人、コンソメで戻す人……。
僕の場合はシンプルに、バターとオリーブオイルを少々入れてお湯を注ぎます。
そのクスクスに、余っていた紫玉葱、余っていたセロリ、
余っていたピーマン、余っていたニンジン、余っていたロースハム……。
それらをクスクスの粒の大きさに微塵切り。
オリーブオイルと塩、胡椒、レモン汁、鶏ガラの顆粒を少々加え、
これまた余っていた茹で卵を1個、細かくして混ぜ合わせます。
これだけだとボソボソして纏まりがつかないので、
マヨネーズを少量、あまり味が際立たない程度に混ぜます。
周りの付け合わせは1本だけ余っていたキュウリをスライスして、
塩揉みして胡椒とオリーブオイル、レモンで簡単マリネ。
そこに余っていた乾燥バジルの粉末を少々振ります。
最後に京都の哲学の道にほど近い骨董屋で、

 「それ、もし良かったら持って行きよし。」

と、タダで貰って来ちゃった蕎麦猪口で型取りします。
その蕎麦猪口、割れたものを金継ぎしてありましたが、なかなかの美麗品。
以降、お茶を飲んだり珈琲をいれたり重宝しているものです。
白くて古い器はバルセロナ在住の gyuさんのネット・ショップ で買ったもの。
色々なデザインの白い器を3枚頼んだ内の1枚です。
最後にオリーブオイルをサッと振りかけて出来上がり!
グリーンの美しいランチョンマットは、
僕がいつも弟みたいに可愛がっている薔薇のハンサム君が、
わざわざパリから買って来てくれたお土産。

こうして余り物で出来た簡単サラダの出来上がり!
暑い夏にピッタリのサッパリ味で美味しいんですが、
クスクスがモソモソして嫌いな人にはチョッと……かも。
具として何かに詰めて焼いてもいいですね。トマトとか茄子とか……。

また暫くしたらお料理関係の記事を書いてみようかな?


草々

2010年8月25日


ブノワ。


★Copyright © 2005~2010 raindropsonroses, All Rights Reserved.
[PR]
by raindropsonroses | 2010-08-25 00:00 | バベットの晩餐会。 | Comments(22)

猫も取り繕う。

e0044929_15592560.jpg
…………………………………………………………………………………………………………………………

足音を忍ばせて、そぉっと、そぉっと……玄関の扉の鍵を開けます。

 「カチっ!」

ガラガラガラガラ……そう、ウチは引き戸なのです(笑)
そっと荷物を框の上に……そうするとやって来ますやって来ます。
猫たちが足並み揃えて2階から下りて来ます。

 「ととっととっととっととっとと……。」お園が軽やかに。
 「どすどすどすどすどすどすどす……。」夏なのに丸々したきんが重た気に。
 「たったったったったったったっ……。」朝子が殆ど音を立てずに。
 「す、す、す、す……たたたたっ……。」小芳が様子を見ながらしんがりで。

それぞれに足元にまとわりつき存在をアピール。
でも、チョッとすると大きな欠伸&良く見ると目は眠た気です(笑)
そう、猫たちは僕が帰るまで2階で爆睡していたのですね……。

その昔、天国の染香はどんな事があっても僕を玄関で出迎えてくれました。
染香はこの新しい家を知りません。
拾われて貰われて、前のマンションの中だけで生きました。
どんなにそぉ〜っと帰って来ても必ず玄関で待っていた染香。
今のこの4匹は玄関で出迎える事はありません。
その代わり、帰って来た音がすると取る物も取り敢えず玄関先へ……。

 「いいんだよ、いいんだよ、昼間に寝ていてもいいんだよ!」

猫も取り繕うのですね(笑)

可愛いもんです。眠た気な目を見ると愛おしくなります。

写真はこの家に引っ越しして来てから初めて撮ったお園の超美麗ポートレート。
階段の上から名前を呼んで謹んで撮らせて戴きました(笑)
園ちゃんお得意の「傘の柄」尻尾(笑)
いつもこんな風に先だけ丸める園ちゃん、
いつまでも小さくて華奢で可愛いです。


草々

2010年8月22日


ブノワ。


★Copyright © 2005~2010 raindropsonroses, All Rights Reserved.
[PR]
by raindropsonroses | 2010-08-22 00:00 | 猫が行方不明。 | Comments(16)

これからは一人で……。

e0044929_9483988.jpg
…………………………………………………………………………………………………………………………

 江戸は貝殻町の武家屋敷……人払いされた離れに黒い人影が……。
 月の光に照らされたそのシルエットは目深に頭巾を冠り、
 丸々と恰幅がいいさまは、いかにも贅に溺れ、
 享楽に明け暮れた感じがする。
 辺りを警戒する仕草がいかにも胡散臭い匂いがする……。
 暫く辺りを見回して、意を決したように部屋の中にはいる人影。

 部屋の中には既に3人の初老の商人が小さなお膳を前に、
 今や遅しと頭巾の主を待ちわびていた。
 米問屋の大黒屋、廻船問屋の河内屋、そして呉服屋の越後屋である。
 3人とも揃いも揃って色と欲でパンパンに膨らんだ赤ら顔をしている。


大黒屋  「やや、お代官さま!お待ち申しあげておりました。」
悪代官  「いやはや、悪い顔が揃っておるな……待たせたのぉ。」
越後屋  「悪い顔などと……嫌でございますよ、お代官さま。
      心配しました。今、籠をやってお迎えに……。」
悪代官  「いやいや、それにはおよばぬ。
      ワシはフラリと立ち寄っただけじゃ……。
      待たせて悪いことをしたのぉ。」
河内屋  「さぁさぁ、お代官さま、お疲れでしょう。こちらへどうぞ。」
悪代官  「おぉ、お主たちも好きよのぉ。既に一杯やっておるか(笑)」
大黒屋  「やや、申し訳ありません。私ども、酒に目がないもので……。」
悪代官  「いやいや、構わぬ、構わぬ。ワシも一献、貰うとするか。」
大黒屋  「へいへい……おぉ〜い!誰か!」

 一人の娘が酒の支度をして部屋に入って来る。
 年の頃は20代後半、切れ長の目は強い意志を表し、
 キリリと結んだ口元は強い決意を伺わせる。
 食い入るようにその娘を凝視する悪代官……。
 娘が銚子で酒を注ごうとするその瞬間、
 何気なく右手に持った猪口に左手を添え、いかにも自然を装って、
 娘の指から手首に触れる悪代官。一瞬、凍り付いたようになる娘……。
 しかし、何事もなかったようにするあたたりは可成り気丈と見える。
 3人の商人、それをしかと見はするが見て見ぬ振り……。

大黒屋  「おきぬ、また用があったら呼ぶから下がっておいで。」

 「きぬ」と呼ばれた娘、何か言いかけたが無言で立ち去る。

悪代官  「ふぅむ、なかなかいい女子(おなご)よのぉ……お絹か。」

 悪代官、既に先々のことに想いを馳せダラシのない顔になっている。
 サッと帯を解いてクルクルクルと……「あれぇ、お代官さまぁ……。」

大黒屋  「お代官さま、きぬはきぬでも鬼が怒ると書く鬼怒でございます。」
悪代官  「おぉぉ、それはコワいのぉ。
      じゃが余計に気に入ったぞ……お鬼怒か。」

越後屋  「早速ですがお代官さま、
      例の一件、どのようになりましたでしょうか……。」
悪代官  「越後屋、お主も気が早いのぉ。急いては事を為損じるとな。
      先ずは少し喉を潤わせてくれぬか……。」
越後屋  「はぁ……そうでした。さっ!どうぞ。
      そうそう、河内屋さん、忘れぬうちに……。」
河内屋  「そうそう!そうでした。越後屋さん、大黒屋さん!
      今日はお代官さまに、今、江戸で話題の
      お菓子をご用意したのでしたねぇ。」
悪代官  「何っ!江戸で話題の菓子だとぉ……。
      ふぉほっほっほっほっほっ!」
大黒屋  「そうなんでございますよ、お代官さま。
      今の季節、江戸で大人気の服紗屋のお饅頭でございます。」
悪代官  「おぉ……ま、ま、ま、饅頭か、饅頭!
      その饅頭、まさか黄金色に染まってはいまいなぁ。」
      まずいぞ、まずいぞ、黄金色は禁物じゃぁ。」
越後屋  「あっはっは……お代官さまったらイヤでございますよ。
      何でも普通の饅頭の白皮らしいのですが、餡が黄金とか……。」
悪代官  「おぉ、困るのぉ、困るのぉ……。
      ワシは甘いもの、特に饅頭が嫌いなのを知っておろうに。」
河内屋  「何を仰言いますか、お代官さま。『饅頭こわい』は落語の噺(笑)
      お代官さまは甘いものと可愛い女には目が……。」
大黒屋  「これこれ、河内屋さん。お代官さまは可愛いだけじゃなくって、
      小股が切れ上がったような小粋な女……。」
越後屋  「いえいえ、大黒屋さん。お代官さまは可愛いだけじゃなくて、
      小股が切れ上がって襟足が綺麗な女が好みなのですよ。」
悪代官  「これこれ、お主たち、そうではない。
      ワシの好みの女は可愛くて小股が切れ上がっていて、
      襟足が綺麗で、その襟足にはほつれ毛が……。
      これこれ、このワシに何を言わすのじゃ!
      ふぉほっほっほっほっほっ!」    
大黒屋  「かぁ〜っかっかっかっかっかっかっ!」 

 色と欲にドップリ染まった4人、ひとしきり飲み、歓談し、
 ホロ酔い気分になった頃……業を煮やした越後屋が……。

越後屋  「お代官さま、私どもで立てた計画……。
      そろそろ万遺漏なく整いつつございます。」
悪代官  「ふぅむ、ワシはその計画とやらは聞かぬことにしよう。
      ワシはただ饅頭を受け取り便宜を図るだけ……。
      決して賄賂でもなければ袖の下でもない……分かっておるな。」
河内屋  「へいへい、左様でございます。
      その方がお互いの身のためでございます。」
悪代官  「そうよ、それがお互いの身のため、身の安全と言うものじゃ。
      中元に饅頭を受け取り配下の者の耳にチョッと囁くだけ……。
      ワシはお主らに会ったこともないのじゃ。
      もしやしたら天井裏に陽炎のお銀が潜んでいるかもしれぬし、
      こんなふうに密会している所を、今、江戸に来ている
      水戸のご老公に取り押さえられでもしたら一巻の終わりじゃ。」
大黒屋  「そうでございますとも。
      私どもも最近は忘れっぽくていけませぬ。」
越後屋  「さっ!お代官さま、早く饅頭をお納め下さいまし。」
悪代官  「イヤじゃのぉ、ワシにこんな饅頭など……。
      甘いものは嫌いなのにのぉ…………。
      ふふふふ……越後屋、お主もワルよのぉ。」
越後屋  「いえいえ、お代官さまほどでは…………。」

…………………………………………………………………………………………………………………………

賄賂を贈った訳ではありません。袖の下?とんでもない。
オベッカを言う訳ではないし、胡麻すり?一番苦手なことです。
人を利用する訳でもないし(そう言う人、多いですよねぇ。)
コツコツコツコツ……日々、真面目にやって来ただけです。

縁あって、この度、独立する事になりました。
8月から一人で気ままに仕事をしています。本当、ラクチン!
独立したくてゴリ押しした訳ではありません。
ただ自然にそうなっただけ……毎日〜一生懸命、
一つも手を抜かずに丁寧に仕事をして来た結果と思っています。
女性の寿退社以上の平和な退社。考えられないほどの厚遇、
会社総出で応援してくれています。ここで頑張らずしていつ頑張る?
ここは根性一発!少し頑張ってみようと思っています。

もっとも、頑張ると言っても今までと全く変わらないのですけどね……。
僕自身も達成感があり、お客さまも喜んで下さる。
本当にいい仕事にめぐり合ったと思っています。
さぁて、これから秋にかけて忙しいのです……。
先ずは体調管理をシッカリと、絶対に穴をあけられない仕事ですからね。

それにしても、今年は僕の薔薇が発売になったり、
引っ越しをして新しい生活が始まったり、仕事を独立したり……。
背中を押されるように……きっと、そう言う時期なんだと思う事にしています。
何事も無理せずスンナリと……。
今年は、また、人生でそう言う時期なのでしょう。

そうそう、屋号ですけど、親友のCちゃんは
「大黒屋」にしろって言います(笑)

 「独立?凄いじゃん!で、屋号どうするの?」

そんな会話になった時に、僕が、

 「え、屋号?……特に考えていないけど……大黒屋とか?」

そう言ったら非常に受けたみたい(笑)
まぁ、大黒屋じゃないけれど、個人名で頑張ります!


草々

2010年8月16日


ブノワ。


★Copyright © 2005~2010 raindropsonroses, All Rights Reserved.
[PR]
by raindropsonroses | 2010-08-16 00:00 | 向き向きの花束。 | Comments(36)

山口さんちから陳さんちへ。

e0044929_2063760.jpg
…………………………………………………………………………………………………………………………

先日、惜しまれながら亡くなった井上ひさしの戯曲に、
「頭痛 肩こり 樋口一葉」と言う、女優ばかり6人が出る名作があります。
女流作家、樋口一葉を題材に、女たちの生き様を歌と絶妙な台詞で綴る、
その後の一連の評伝戯曲の元となった傑作戯曲です。

物語は、樋口一葉、その母 多喜、妹 邦子、稲葉 廣、中野八重、
そして、物語をリードし引っ掻き回す絶妙キャラクターは、
自分がなぜ死んだか、誰を怨んで化けて出るべきかを、
記憶喪失の果てにスッカリ忘れて彷徨っている幽霊の花螢……。
母、娘、妻……それぞれのキャラクターを借りてあぶり出される、
6人の女優が演じる女たちの姿、悲しみだったり生きる勇気だったり、
観客にしっかりと伝える素晴らしい舞台でした。

舞台設定は、明治23年、一葉19歳の盂蘭盆(うらぼん)から、
明治31年、母 多喜の新盆まで、唯一、例外の明治26年10月下旬を抜かし、
全ての場面はそれぞれの年のお盆の16日、夕刻から夜にかけて……。

団扇、スイカ割り、浴衣、提灯、風鈴、ラムネ……。
この戯曲には当時の日本の夏の風物がゴマンと出て来る訳ですが、
あまりの暑さに火を起こすことも億劫で、
素麺をやめて冷や奴にするとか言った描写があります。
本当、毎日〜こう暑いと食欲をなくしている人も多いかと思います。
真面目なはなし、「頭痛 肩こり 樋口一葉」じゃないけれど、
素麺を茹でる火をつけるのも嫌なくらいに暑いです。
火がイヤだったら毎日〜冷や奴?それもねぇ……(笑)
火を見ないで調理をすることが嫌いだし、電子レンジは極力使いたくないし、
夏バテ予防に栄養価の高い物を食べないといけないし、
火を使って汗を掻くのがいやだったら、いっそのこと、香辛料タップリ、
辛い物や熱々の料理で大いに汗を掻くのもサッパリするかもしれません。

…………………………………………………………………………………………………………………………

僕の心もとない記憶によれば、
僕が青春を共にした山口百恵がたった一回だけ出演した料理番組がありました。
後にも先にも彼女が出た料理番組はそれだけだったと記憶しています。
その時に彼女が作ったのが麻婆豆腐!それも山口家に伝わる麻婆豆腐。
香辛料タップリの中華の辛いヤツではなくて、
生姜と醤油ベースのサッパリ和風麻婆豆腐だったような気がします。
以後、百恵ファンだった母が作る麻婆豆腐は山口家の麻婆豆腐に変身(笑)
しっかりと息子に受け継がれて現在に至ります。

所が数年前、いつもお世話になっている大好きなご夫妻
僕と友人を連れて行って下さった中華レストラン。
そこはあとで分かったのですが、陳 健一さんのレストランでした。
そこで戴いた麻婆豆腐に目からウロコが落ちた思いがしたものです。
そして、つい先日、渋谷のセルリアン・ホテルの陳さんのレストラン、
「szechwan restaurant 陳」に行って来ました。

親しい仲間とテーブルを囲むのはいいものです。先ずは冷えたビールで乾杯!
それぞれの近況報告にこれからの予定などなど……。
紹興酒を戴きながら話しも弾み、色々な料理を戴きながら、
最後はやっぱり麻婆豆腐でしょう!
麻婆豆腐……何でも、陳さんのお父さまが初めて日本に紹介したそうですね。
例年になく暑い夏、このところ我家の食卓に登板回数が多い麻婆豆腐ですが、
今回、陳 健一さんの麻婆豆腐を戴いてみて、
その美味しさにホレボレ。是非、作ってみようと一念発起。
色々と味を分析しながら足りなかった点を幾つかピックアップ。
さらにパワーアップして作ったのが今日の写真の麻婆豆腐です。

作り方はいたって簡単。
材料は、豆腐、豚ひき肉、ニンニク、生姜、柚子胡椒、豆板醤、甜麺醤、
鶏ガラ顆粒、醤油、ごま油、サラダ油、鷹の爪、長ネギ、片栗粉……。
そうそう、我家は木綿豆腐じゃなくて絹ごし豆腐を使います。
皆さんのお宅ではどちらを使うのかなぁ……。
木綿豆腐の方が調理は楽だと思うけれど……。
一般に、豆腐は湯通しして型くずれしないようにするらしいのですが、
僕は絹ごし豆腐に重しを載せて水切りして使います。
豆腐の高さが半分近くになるまで重しを載せて水を切りそのまま炒めます。
ツルンとした絹ごし豆腐の喉ごしがとてもいい感じなんですよ。
本当は隠し味に花山椒を使いたいのだけれど、
なかなか気に入ったものが手に入らないので、
代用品として福岡に仕事で行っている友人がくれた柚子胡椒を使っています。
陳 健一さんの麻婆豆腐とは似て非なるものかもしれないけれど、
これもまたピリリといい風味、なかなか乙なものです。

…………………………………………………………………………………………………………………………

簡単レシピはこちら!

先ず、微塵切りにしたニンニクと生姜(結構、大量)を、
熱したサラダ油で炒め、火が通ったらひき肉を入れます。
ひき肉を程々に炒めたら、そこに調味料を順次入れて行き、
最後に豆腐をそっと入れて火が通ったら片栗粉……。
最後に胡麻油を少々に白髪ネギ。大雑把ですがそんな感じです。

今日は撮影用に長ネギを白髪ネギにしました。
勿論、普段は面倒臭いから微塵切りです(笑)
今回は友人が遊びに来ていて量が多かったので、
器は色染め付けのボールにしました。これ、親友に貰ったんですよねぇ……。
今からかれこれ20年も前かなぁ……想い出の大事な器。



百恵さんは今でもサッパリ味の麻婆豆腐を作っているのかな?
その味は百恵さんから息子に伝わり、そして息子から……。
百恵さん、ここにもあなたの味を受け継いだものがいますよ!ありがとう!
そんなことをフと思ったりもします。あれから何十年も経っていますもんね。
8月の中旬、そろそろ秋の空ですが、まだまだ暑い!
美味しい物を沢山食べて乗り切りましょうね。


草々

2010年8月12日


ブノワ。


★Copyright © 2005~2010 raindropsonroses, All Rights Reserved.
[PR]
by raindropsonroses | 2010-08-12 00:00 | バベットの晩餐会。 | Comments(14)

6年目に向けて。

e0044929_2055790.jpg
…………………………………………………………………………………………………………………………

 「継続は力なり。」……昔の人はいい事を言いました。

このブログを初めて丸5年が経ちました。本当に月日が経つのは早いですね。
5年前と今、何が変わったかな?自分では良く分かりません。
友人曰く、僕が飽きもせずに5年も続けるって凄いことなんだそうです(笑)
友人の間では、薔薇は3年で熱が冷めると思われていたそうですからね。
5年……その間に素敵な友達も出来ましたし、世界感も随分と変わりました。
僕にとっては「素晴らしき哉、ブログ生活!」でしょうか。
友人達とテーブルを囲んで楽しい一時……。

 「えぇっと……この人はどこで知り合ったんだっけ……。」

良く思い出してみたらブログで知り合った……そんな事も多いです。

初めの頃に多用した「書簡形式」も最近ではスッカリ影をひそめ、
書きたいこと、思う所をそのまま書くようになりました。
時に辛辣に、時に面白おかしく……。
いいですよね、それもこれも僕なんですから。
僕も5年の内には変わりますからね。



さて、この5月に僕の薔薇が4品種発売となりました。
少し僕の周りを廻る状況も変わって来ました。
薔薇の見方も変わって来たかな……。
一番大きな変化は薔薇の欠点を言わなくなった事。
どちらかと言うと、その薔薇の美点を探して努めて言うようになりました。
仕事も順風満帆。毎日が楽しくて仕方ありません。

引っ越しを機になくしたもの、捨てて来たものもあります。
それは「物」ではなくて、友情だと思いこんでいた「モノ」だったり、
もっと大事な自分のルーツ、
アイデンティティーに関する「モノ」だったり……。
不必要な「モノ」は全て置いて来ちゃいました(笑)
でも、概ね公私ともにいい感じで来ていると思います。
ここに書くと長くなりますからやめておきますが、
皆さんに報告する事もあります……それはまた今度ブログにて!(笑)

6年目に向かっての抱負は特別にありません。
あくまでも自分らしく、気負わず自然体のままに……そう言う心境です。
そんな自然体で過ごせるようになった……それが一番の変化かな?
清く正しく美しく(笑)
ブノワ。さんの世界感をお伝え出来れば……そう思っています。
年と共に意固地になるんじゃなくって、
円やかで余裕あることを書いて行きたいです。

…………………………………………………………………………………………………………………………

6年目に向ける1枚目の写真は、何年前かな……。
厳寒の3月のニューヨークで撮りました。
ショーウィンドーのディスプレイ……丸5年に因んで、
大きく膨らんだ風船の手の平……5本の指が誇らし気です。
こんな風に色とりどり、鮮やかな6年目を迎えたいです。
皆さんが集う素敵なサロンに……ハードルは高いかな?(笑)
6年目に向けてのご挨拶でした。これからも宜しくお願いいたしますね!


草々

2010年8月7日


ブノワ。


★Copyright © 2005~2010 raindropsonroses, All Rights Reserved.
[PR]
by raindropsonroses | 2010-08-07 00:00 | 向き向きの花束。 | Comments(46)

最近の日課。

e0044929_17102320.jpg
…………………………………………………………………………………………………………………………

今日から8月になります。
連日、各地とも記録更新の酷暑ですが、皆さん、お元気にお過ごしですか。
やっとお湿りがあったかと思えば、極端なゲリラ雨……。
日本の亜熱帯化が言われるようになって久しいですが、
確かに、昔は窓際の暖かい所において鑑賞していた観葉植物、
カポックやガジュマルが、庭木として植えられて、
花を咲かせている姿は「やっぱり……。」と、思うしかありません。

さて、暑い、暑いと連呼しても一向に涼しくなんかなりません(苦笑)
それならば……と、最近始めた事があります。
僕は比較的早い時間に仕事から帰るので、玄関周りに打ち水を始めました。
向こう三軒両隣……と、言う訳には行かないけれど、
玄関前の路地の両隣のお宅までは水が届きますから、
せっせせっせと毎夕、ホースで打ち水をしています。
いい事もあるんですよ。勿論、涼し気になるって言う事もあるけれど、
打ち水のお陰でお隣の奥さまと挨拶をするようになり、
隣人関係がスムーズに行くようになりました。
その奥さま、ウチの玄関周りの薔薇の落葉や花弁を掃き掃除してくれていましたから、
これでお相子、非常にいい関係になって来ました。

それから、そのついでと言っては何ですが、
薔薇にシャワーを……最近、流行で皆さんやっていますよね。
カンカン照りで熱々になった薔薇も少し涼し気です。

こうして8月もアッと言う間に過ぎ、
あちこちで夏祭りやら納涼花火やら、賑やかに開催されていますね。
僕は勿論そう言う人混みの場所には行きません(笑)
ウチで冷たいビールをグビグビ……それが一番ですもん!

…………………………………………………………………………………………………………………………

写真は先日、結城美栄子さんのお誕生日を祝ったカフェの紫陽花。
このカフェに行く時はいつも雨になります……。
それもそのハズ、カフェの名前は、
「Rainy Days Bookstore & Cafe」ですもんね(笑)


草々

2010年8月1日


ブノワ。


★Copyright © 2005~2010 raindropsonroses, All Rights Reserved.
[PR]
by raindropsonroses | 2010-08-01 00:00 | 向き向きの花束。 | Comments(6)