匂いのいい花束。ANNEXE。

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人生、是、総てパフォーマンス……なんだろうか?

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少し前にニュースで見ました。
サッカーの三浦知良選手がブラジルのチームから打診を受けたそうです。
キング・カズ……僕はサッカーにはあまり興味がないけれど、
選手一筋に肉体を鍛練し摂生して精進する姿には感動を覚えます。
スポーツ選手が第一線で活躍出来る時間は短いです。
それぞれに引退後の人生設計を立てるのは当たり前。
人気の絶頂で早々に引退し、華々しく芸能界デビューする人。
(芸能界が華々しいかどうかは甚だ疑問だけれど……。)
勿論、持って生まれたキャラクターもあるけれど、
上手くキャスターやバラエティーで芽を出す人。
はたまた、アッと言う間に芸能界の垢に塗れ輝きを失う人。
甘言に煽てられ、華々しく政界進出で「おバカ」の馬脚を表し、
世間に恥&無知を晒す人……最近もいましたね。多いです、こう言う人。
反対に不器用なのかなぁ……真面目に後進の指導にあたり、
自分が世話になった世界に貢献する人……。

僕は圧倒的に後者に惹かれます。
言葉は悪いけど、不器用で真面目でチャラチャラしていなくて……。
生き馬の目を射ぬくような芸能界ではなく、
地道に人生の歩みを進める人……そう言う人が好きです。
例えば、体操の西川大輔さん。美しい演技で一世を風靡しました。
彼は決して浮つくことなく後進の指導にあたっているそうです……。
選手時代の大きくゆったりとした美しい動き。
当時のその姿のままの人生のようじゃありませんか。
まさに尊敬に値する生き方だと思うのです。



人生、是、総てパフォーマンス……。
言った者勝ち、やった者勝ちな部分もあります。
人を押し退け自己主張。我先に目立ちたがる愚か者たち……。

 「僕が、僕が!あたしが、あたしが!」

上手くやれば積極的で快活な人に見えます。
表現力やプレゼンテーションが上手なら素晴らしい人にも見えます。
注目を浴びてナンボ、スポットライトがあたらなきゃ意味ないじゃん?!(笑)

でも、やっぱり僕は不器用で世渡りが下手な人の方が好き。
派手派手しいパフォーマンスは一見、面白いし魅力的です。
でも、良ぉ〜く観察すると、その人の本当の価値、魅力が良く分かります……。



キング・カズ……年齢的な限界はあります。
また若い才能が次から次へと出てきます。
でも、熟練した人にしか出来ない素晴らしいテクニックで、
僕らを末永く酔わせて欲しいです……。

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今日の写真は数年前のパリの街角で撮った1枚。
おそらくステンシル……ここまで来ると悪戯描きではなくてアートですね。
若さのやり場のない鬱憤ではなく、表現者としての情熱の迸りを感じます。
この悪戯描きを、もしウチの壁に描かれたら、
僕なら大事に保護するかな……。


草々

2010年11月27日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2010-11-27 00:00 | 向き向きの花束。 | Comments(14)

ストーカーな彼女たち。

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前にもチョッと書きましたが、
最近は思うところあって勉めて読書をするようにしています。
こう言うことは時間を決めて毎日のペースを作った方がいいです。
そんな訳で、僕は寝る前の小一時間を読書にあてています。
PCを閉じ、目覚し代わりの携帯電話と本を持ってロフトに上がると……。

ダダダダ、ドドドド、ササササ……。
猫たちが僕の後を追って階段を次から次へと駆け上がって来ます(笑)
皆さん「ダイハード2」は御覧になりましたか?
あの厳寒の空港がテロリストに占拠されちゃう奴。
ラスト、ジョン・マクレーンがテロリスト集団を一網打尽にして、
空港が解放されると、着陸を待って燃料切れギリギリまで
空港上空を旋回していた旅客機が次から次へと降りてくるじゃないですか。
正にあんな感じ(笑)次から次へと4匹が階段を上ってきます。

トイレに入ろうと思って扉を開けると、
どどどどど……先ず、きんが僕の足元を擦り抜けてトイレに入ります。
1階に下りようとすると、たたたたた、どどどどど……。
お園ときんが我先に僕の足元に絡み付くように、
転びまろびながら一緒に階下に下ります。

兎に角、一日中、僕にまとわりつき、抱きつき……。
先回りして振り返り一言。

きんが「nるるるるる……。」
お園が「あぅあぅあぅあぅ……。」
小芳が「みぃみぃみぃみぃ……。」
朝子が「にゃぁにゃぁにゃぁ……。」

後ろから鳴きかけ、前に走り出て振り返り、
円らな瞳で僕を見上げ、何かを訴え、語り掛けます。
まぁ、飼い主冥利に尽きるとはこの事、
ただ、常に4匹の視線を感じるのは確かなんですけど……。

ストーカーな彼女たち(笑)
目の中に入れても痛くないほど可愛らしいです。


草々

2010年11月21日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2010-11-21 00:00 | 猫が行方不明。 | Comments(18)

手は物語る。

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1978年制作、ビリー・ワイルダー監督晩年の傑作に、
「悲愁」と言う作品があります。
同じくワイルダーの「サンセット大通り」と並ぶ傑作、
ハリウッドの内幕物としてカルト的な人気を誇っています。
映画ファンが喜ぶキラ星の如き名台詞、華麗な舞台設定、
そして、何と言っても、まるで良く出来た推理小説のようなトリック……。
僕の大好きな作品でもあります。

既に引退した銀幕の大女優、
ガルボやディートリッヒと並び称され、
その美貌はヴィヴィアン・リーを凌ぐと言われていたフェドーラ。
ある事故から引退してギリシャの小島に隠遁しています。
身の回りに秘書と専属医だけを侍らせた秘密の生活……。
平穏だった生活が、アカデミー賞特別功労賞の受賞と言う知らせで一変します。
次第に狂って来る歯車、名声への渇望、美への執着……。
フェドーラを取り巻く人々の異常なまでの欲望。

そこに売れないプロデューサーが登場します。
自分の駄作を棚に上げ、何とか引退したフェドーを引っ張り出し、
箔を付て何とか成功して第一線に返り咲きたい……。
そんなバリー・デトワイラーにウィリアム・ホールデン。
秘密のヴェールに包まれた伝説の大女優にヒルデガード・ネフ。
フェドーラの娘にマルト・ケラー、医者にホセ・ファーラー、
他にマイケル・ヨーク、ヘンリー・フォンダが実名で出ています。

「悲愁」の中には手に関する女性の心理と、
アッと驚く手袋のトリックが出て来ます。

手……大きい手、小さい手、華奢な手、ゴツい手……。
ヴィヴィアン・リーはその繊細なガラスのような美貌と、
華奢な身体に合わない大きな手を嫌悪していました。
33カラットの巨大なダイヤモンドの指輪が嵌ったエリザベス・テイラーの手。
年輪を刻んだその指はゴツくて男の指のようです。
詩人で劇作家のジャン・コクトーは、自分の美しい手が大層自慢でした。
自分のポートレートで手が美しく写っていないと機嫌が悪かったそう……。
手はその人の人生を物語り、生きて来た道を示します。
手の平に出来たマメ、ささくれ立った指先、顔に似合わぬ節の太い指。
短くカットした爪、人のものとは思えない長い付け爪……。
何れもその人の生き様、生活を物語ります。



僕は自分の身体で気に入った所は一つもありません。
唯一、身長が高いことだけはいいとして、一番嫌いなのは僕の手……。
母親とソックリなんです(笑)小さくて指が短い……凄く嫌いです。
でも、今はこの手、指でご飯を食べています。
女優が顔に気を使い手入れを怠らないように、
僕も手、特に指には非常に気を使って日々生活しています。
ペンを持つ、筆を持つ……目から入った信号が脳に行き、
そこから指先に……僕が表現したいことを一番、
勿論、道具にも拘りますが、一番大切にしているのは手、指なんです。
重い荷物は絶対に右手では持ちません。
指が痺れてコントロール出来なくなるから。
冬には上質の手袋で手を守ります。
冷たくなった指は思うように動かないから……。

大嫌いだけれど愛着のある手……。

最近、友人と良く交わす会話。

 「ねぇ、見て、年取ったよねぇ……。」

手は如実に年齢が出ます。皺?節?
さらに嫌いさ加減が加速されますが、
今、こうしてご飯を食べられているのもこの手のお陰。
思ったことが確実に寸分違わず伝わるこの手のお陰……。
嫌い、嫌いと言いながら、本当は愛してやまないのかもしれません。


草々

2010年11月18日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2010-11-18 00:00 | Raindrops on roses。 | Comments(22)

みっけ!

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11月に入り、朝晩、随分と肌寒くなってきました。
僕は深まりゆく秋を楽しみたいので、
まだまだ暖房を付けることはしませんが……。

新しい家の周りには沢山の路地があります。
多いんですよ、野良猫。完全な野良じゃなくても所謂、外猫?
ウチの前のお宅の外猫ジジちゃんは、
子猫を2匹生んじゃって賑やかなことと来たら……。
さて、そんな小さな猫を見ていると、
これからの厳しい冬を一体どうするのか心配になってしまいます。

それに引き替え我が家のお姫さまたちと来たら!(笑)
タップリのご飯に雨露をしのげる屋根、
何よりも可愛がってくれる飼い主さまがいて……。
幸せ者だと思います。それぞれにお気に入りの場所があり、
ひがな一日、寛いで過ごしています。



さて!今日の写真はきん近影(笑)
この前、幾ら探しても姿が見えず、すわ!また脱走か?!
家中、隈なく探して不安になり、落ち着こうと耳を澄ませば……。
何やら1階の一番奥の浴室の方から、

 「nるるるるる……。」

きんの声が聞こえ来ます……。

 「あれ……さっきちゃんとドアを閉めたのに……。」

そぉ〜っと浴室を覗いて見たのがこの光景(笑)
僕は風呂を使った後、綺麗にタオルで水分を拭き取って乾燥をかけます。
濡れっぱなしで乾燥をかけると水分中のカルシウム等が鏡や金属、
樹脂にこびりついて取れなくなってしまうから。
そう、浴室はきんにとっては清潔で暖房がよく効いた部屋なのです(笑)

 「nるるるるる……。」

何やら独り言を言いながらゴロンゴロン転がったり毛繕いしたり……。
他の子たちは入ってこないのできんの独壇場。
浴室の折れ戸、ちゃんと閉めていますからね。
自分で開ける頭のいい子です。


草々

2010年11月14日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2010-11-14 00:00 | 猫が行方不明。 | Comments(24)

凄ぉ〜い達成感!(笑)

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 「ふぅ……よしよし!」

喉をグルグル言わせながら傍にやって来たお園の頭をなでてあげる。

 「いいじゃん、いいじゃん!」

「ゴぉ〜んっ!」と、頭突きで挨拶するきんをギュゥッと抱きしめる。



11月の頭、久し振りに纏まって休みが取れたので、
ズゥ〜っと気になっていた部屋の片付けをしました。
4月の上旬に引っ越ししてから7ヶ月……ようやく重い腰をあげて、
パンダと格闘する気が出て来たと言う訳です。
別にサボっていた訳ではありません。
4月中は必死に段ボールを片付けましたからね。
その数300個……残りの50個がそのまま放置されていたと言う訳です。

チョッと言い訳をしてみると……。
5月に入ると麗しい薔薇の季節が始まりそれどころではなくなり、
6月から10月までは驚異的な猛暑&仕事の独立で片付けどころじゃなく、
11月に入って、フとカレンダーを眺めてみれば、
11月中旬から年末までは猛烈に忙しくなることが予想され……。
慌てて休みを取って一斉清掃と相成った次第です(笑)

あまり根を詰めて、引っ越しの準備の時と、
4月の片付けの時に高熱を出したみたいなこと……40度ですよ!
二の轍は踏まない賢いブノワ。さん(笑)
初日は段ボール20個の整理をしました。
その段ボールは、前のマンションのバルコニーに2つあった納戸、
部屋の中から入る納戸ではなくバルコニーから入るタイプで、
引っ越ししてから一度も開けなかった場所。
中には履けなくなった大量の靴と、中身の分からない段ボールが……。
引っ越しの時に業者との打ち合わせで、
確認してから捨てるかどうするか決める段取りだったんですけど、
身体だけは今の家に来てしまっていて面倒臭くなり、
そのまま見ずに処分して貰おうかと思ったんですが、
フと気になり、わざわざ電車に乗って確認しに行ったんです。
とっ!虫の知らせ?靴は予想通りで捨てちゃっても良かったのですが、
他の段ボールから出て来る出て来る出て来る!
今までに観た映画や芝居のパンフレットの山、山、山、山!
その数、合計4000冊!オマケに映画のチラシが段ボール2箱分(苦笑)

いやぁ、確認しに行って良かったです。
勿論、売りはしないけれど、僕にとってはチョッとした財産、
僕の心の財産って言う意味ですけどね。
物心がついた頃から映画を見て育ったんです。
一冊、一冊のパンフレットにその時々の想い出がギッシリと、
この大いなる天の邪鬼右衛門が育まれたエッセンスが詰まっているのです(笑)

それらを片付けて一息ついてみれば、
な、な、な、何と!引っ越しして来て以来初めて
僕の部屋の床が姿を現しました(爆)
勿論、水拭きしてピカピカにしましたとも!

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だけど、まだまだ安心は出来ません。
あと段ボール30個……これはキッチン用品を中心に収納に困るもの。
それから衣類の整理もしなければ、この冬に凍死することは必定です(笑)
それが終わると、ようやく趣味で集めたアンティークの小物や、
絵画や写真の額縁をかける事が出来ます。
これから猛烈に忙しくなる時期、無事に片付けが終わって、
正月に可愛がっている俳優くんたちを呼ぶことが出来るでしょうか?



今日の写真は、念願叶って作ったウォークイン・クローゼット。
リフォームの時に無理矢理、作って貰いました。
このクローゼットの上が僕の寝る場所、ロフトになっています。
でもね、奥に小さく写っている小芳のビックリ眼を見ても分かるように、
ウォークイン・クローゼットとは名ばかりで、
実は、ウォークイン・出来ないクローゼットなのです(笑)
衣類で溢れていて入口から一歩も中に入れません!(爆)
アハハっ……アハハハハハハハっ!


草々

2010年11月12日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2010-11-12 00:00 | いつも心に太陽を。 | Comments(12)

ジェフリー・ディーヴァーを読む。

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僕の好きな店…………。

街角にひっそりとたたずむアンティークショップ、
季節の素晴らしい花で溢れるセンスのいい花屋、
手作りケーキと丁寧に淹れたコーヒーと、
趣味のいい器が心地よい幾つかのお気に入りのカフェ……と、
色々あるけれど、僕が一番好きなのは本屋。

本屋は本当にいい。
刷りたてのインクの匂いと紙の匂い……。
都心の巨大な本屋もいいけれど、古本屋はもっと素敵です(笑)
古本屋に行くと、まずするのは大きな深呼吸……かな(笑)



さて、本屋に行くといつも焦るのは、これだけの夥しい数の本……。
生涯で果たしてどれだけ読むことが出来るのかと言うことです。
殆ど無に等しいと言っても過言じゃないでしょうね……。

最近は忙しいことに加え、絶対に避けて通ろうと思っていたパソコンが、
今や当たり前のように生活の中に入り込み、
一日の中で可成の時間を占めるようになりました。
活字離れが言われるようになって久しいです。
一日24時間、何かに費やす時間が増えれば何かが減る……。
身体は一つですもんね。仕方ないです。

この所、チョッと思うことがあって、
心して読書をするようにしています。
先ず手始めに随分前に買って最初の数ページを読んだまま放り投げてあった、
ジェフリー・ディーヴァーの「スリーピング・ドール」から。
好きなんです、ジェフリー・ディーヴァー。
えげつない、強引、あり得ない……色々と言う人もいますが、
何でしょう……登場人物が魅力的なのかな。

クリスティーや横溝正史になど代表される、
所謂、「Who done it /犯人探し」は大方トリックが出尽くし、
今は、犯人の異常心理を描く作品が大半を占めています。
ミネット・ウォルタース、ルース・レンデル……僕の大好きな作家たち。
こうして推理小説界を見回してみると女流作家が多いですね。しかも英国。
アメリカのパトリシア・コーンウェルは、
デヴュー作で決してやってはならない掟破りをしたから、
それ以降、全然、読んでいません。
あんな反則が許されるなら誰にだって推理小説は書けるもの。
でも、こうして生き残っている所を見るとファンは多いのかな?

映画以上に映画的といわれるジェフリー・ディーバーの作品。
映画化に関しては最悪の配役で大いにズッコケた「ボーン・コレクター」。
あれ以降、映画化はとんと聞きませんが、
ディーヴァー自身は次々と趣向を凝らした作品を連発です。
リンカーン・ライムの「ウォッチメーカー」に登場したキネシクス捜査官、
(キネシクス=人の言動からその心理を読み解く捜査方法)
キャサリン・ダンスが主人公の「スリーピング・ドール」。
読み始めるとアッと言う間のエンディングでした。

矢張り本はいいですねぇ……真新しい紙、
カッチリ断裁された新しいページを捲る、インクの匂い……。
さてさて、次は何を読もうかな?
買ったままの本が山積みなのだけれど、
先日、偶然に寄った本屋にはディーヴァーの最新作、
しかも、ダンス・シリーズ「ロードサイド・クロス」が、
平積みになっていました。早速、手に取り会計に並ぶ僕。
これでまた秋の夜長の楽しみが一つ増えました。

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今日の写真は数年前に一人で訪れたフランス一美しい村の一つ、
リヨンス・ラ・フォレで撮った1枚。
村を散歩していてこう言う光景に出くわすと、
それだけで何だか嬉しい気持ちになります。
わざわざ車を飛ばしてやって来て良かったなぁ……って。
リヨンス・ラ・フォレは小一時間で廻れてしまう小さな村。
ルーアンから車で40分。薔薇の村としても有名です。
窓辺に飾られた人形たち……左右の窓からこんにちはです。


草々

2010年11月10日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2010-11-10 00:00 | 書架の片隅。 | Comments(14)

芸術家たちおそるべし……おそるべき親たち。

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息を飲む衝撃のラストシーンのあと、
叔母のレオを演じる佐藤オリエが最後の台詞を言う。
静かに蠟燭を吹き消し場内は暗転…………。

その瞬間、補助席が出るほどの満席だった場内から、
音にならない、大きな溜め息ともつかないくぐもった声が上がったのを、
佐藤オリエ、麻実れい、中嶋朋子、中嶋しゅう、満島真之介……。
舞台上の役者達は聞こえただろうか。
演出の熊林弘高、台本の木内宏昌をはじめとするスタッフの皆さん、
そして、天国のジャン・コクトーの耳に届いただろうか……。

クライマックスの俳優陣のやり取りを息を殺して観ていた観客たち。
それは素晴らしい舞台を共有出来た観客たち全員の賛辞と賞賛。
濃密な時間を類い稀な才能を持った、
芸術家たちと時間を共に出来た観客達の感謝の息吹でした。



随分前から尊敬する麻実れいさんが出演されると聞き、
そして、演出家で脚本家の木内宏昌さんが本を書くと知り
暑い夏をジッと我慢して楽しみにしていた、
t p t 公演「おそるべき親たち」を観て来ました。

最大限に役者の魅力を引き出した演出。
優れた戯曲、役に血を通わせる素晴らしい台本、
(おそらく物凄く台詞を言い易かったに違いありません。)
役作りを助ける贅沢な衣装に押さえた照明、シンプルな舞台美術。
そして何よりの見所は、本物の役者たちによる台詞劇。
言葉をなくすとはまさにこのことでしょう。
久し振りに圧倒的な役者の「力」を見せつけられた舞台でした。
訓練されたプロの役者による極上のアンサンブル。
僕がつらつら書き連ねる言葉は何の意味も持ちません。



レオを演じた佐藤オリエの貫禄とコメディエンヌ振り。
愛情と復讐のために奸計を張り巡らせるがその結末は……。
母親イヴォンヌを演じた麻実れいの獣性と類い稀なエレガンス。
知性と猛々しさと美貌が同居するのはバーグマン以来か……。
木の葉のように揺れ動くイヴォンヌの心理描写。兎に角、この方は大きい!
恋人マドレーヌを演じた中嶋朋子の今が満開の大輪の薔薇ぶり。
彼女の声には観客の心に直接響く何かがあります。
父親ジョルジュを演じた中嶋しゅうは扇の要的存在。
強烈な女優陣の前に立ちはだかる一枚岩、そしてピエロの役回り。
何と舞台初出演の満島真之介演じるミシェルの初々しさ!
本当に初舞台?そこに生きているとしか思えないほどの役作り。
どうぞこのまま新鮮さを失わずに育って欲しいです。

シニカルでユーモアたっぷり、エゴ剥き出しの独善ぶり……。
人間の感情の滑稽な見本市。俳優たちが奏でる台詞の洪水、
抑揚たっぷりに歌い上げる台詞回しは、
まるで完璧に調律された楽器を用いた、
熟練の弦楽五重奏を聴いているかのようでした。

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今日の写真はパリ郊外のミリー・ラ・フォレの
礼拝堂に佇むジャン・コクトーの彫像。
ここはジャン・コクトーが眠る所としても有名ですが、
その昔、ハンセン氏病の病院付属の礼拝堂でした。
街自体も昔から薬草や香草の栽培が有名と言う事もあり、
礼拝堂の外の庭には沢山のハーブや薬草が植えられ、
礼拝堂内にはジャン・コクトー自身の筆による薬草や天使、
キリストの受難、復活などの壁画が描かれています。
コクトーが愛したジャン・マレーの解説の温かい声が流れ、
祭壇横には小さな額縁に入れられた、
愛しいジャン・マレーのポートレートが飾られ、
コクトーの墓石には「私はあなたたちと共にいる。」と、刻まれています。

近年、稀に見る素晴らしい舞台。
今宵、確かに私達はあなたと一緒にいました!

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静かで時が止まったような空間……入口の脇には愛らしい猫が……。


草々

2010年11月4日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2010-11-04 00:00 | 天井桟敷の人々。 | Comments(6)

僕に何が出来るかな?_

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つい先日のこと、仕事で千葉県のある街を訪れました。
私鉄とJRが乗り入れる中規模の街、その駅近くを通る幹線道路沿いに、
都内では滅多にお目に掛かることが出来ない巨大ペット・ショップを発見。
仕事が早く終わった事もあり、フラフラと店内に……。

店内には犬から猫、小鳥や熱帯魚まで沢山の動物がいました。
その他のエサなどの関連商品も大層な品揃えです。
ひとしきり店内を見て、リードに繋がれて、
自由に動き回っているワンちゃんたちと触れ合い、
爆睡する仔猫たちの姿にホッとし、フト店内から外の大通りを見ると……。

そこには外から見られるように大きなガラス張りのケージが3つありました。
それぞれ畳一畳ほど、名前は良く知らないけれど、
人気の仔犬が1匹ずつ2つのケージに入り、残りのケージには、
レッドのアメリカン・ショートヘアーとロシアン・ブルーが……。
2匹ともとても綺麗な子で男の子。仲良くじゃれ合って遊んでいます。
ロシアン・ブルーの美しい毛色、アメリカン・ショートヘアーの面白い模様。
とても愛らしいのですが、男の子と女の子の個体差はあるけれど、
どうやら既に1歳は軽く超えているような大きさです。

 「うぅ〜ん、なかなか厳しいお年頃?」

そう、ペット・ショップでは早い内に、仔猫の内に売れてしまわないと、
どんどん時間が経つに連れて狭いところで飼われることから精気がなくなり、
溌溂感がなくなりさらに時間が経ちセール扱いになり、そして…………。
ボンヤリそんな事を考えていると、
その内にロシアン・ブルーが僕の方を見たのです。

スッと血の気が引きました……。
向かって左の目の目が病気のせいかおかしいのです。
潰れているのではなくて、猫特有の目蓋の下にある白い膜が1/3くらい
常に瞳を覆っている状態でした。僕の気持ちはスッカリ暗くなり、
暫しロシアン・ブルーの瞳に見入ってしまいました。

猫の魅力は人それぞれ感じるところも違いますし、好きな部分も違います。
長い尻尾が好きな人、短くてカールしたポンポン尻尾がお気に入りの人、
フカフカのお腹が好きな人、フニフニの肉球が好きな人……。
でも、矢張りなんと言っても猫の最大の魅力は、
そのガラス玉のような瞳ではないでしょうか。
その瞳に欠陥があると言うことは物凄いハンディキャップ。
既に1歳を超えているであろう年齢を考えても、
ロシアン・ブルーが誰かに買われて行くことは非常に困難……。
と、言うことは……………。

それから僕はその猫のことばかり考えています。
僕に何か出来るかな?明日、前の病院の先生に手術出来るか聞いてみようか?
4日には再度その街を訪れるので、
もう一度ペット・ショップに寄ってみようかな?
値段は一体?仔猫をもう1匹と思った事はあるけれど、
成猫を、しかも男の子を迎えたらうちの猫たちはどんな反応をするかな?
色々な思いが頭を駆け巡っています。

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今日の写真は数年前に訪れたバルセロナ郊外のガウディの礼拝堂、
コロニア・グエルの猫。野良猫ですが、
礼拝堂を管理しているおじさんたちに御飯を貰って幸せそうでした。
遠くで僕を見るとチョコチョコこっちにやって来て……その時の写真です。
この時、既にこの子のお腹には赤ちゃんがいて……。
無農薬で薔薇を育てていて人気の著書を2冊もお持ちのyukikoさんが、
先日、ここを訪れ、おそらくこの子の子孫?子供か孫に出逢ったそう……。
猫の幸せって一体何なんでしょうね。雑種でも幸せな家庭に恵まれる子、
野良でも精一杯、幸せに猫の生涯を全うする子、
血統書付きでも僕が見掛けたように行く先が暗澹たる子……。

世界中の不幸な猫を全部救う事は出来ません。
でも、何か救う方法はないのかな?僕に何か出来る事はあるのかな?
チョッとくらい気持ちの日曜日です。


草々

2010年11月1日


ブノワ。


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by RAINDROPSONROSES | 2010-11-01 00:00 | 猫が行方不明。 | Comments(26)