匂いのいい花束。ANNEXE。

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乳母日傘の深窓の箱入り令猫。

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日本には慈しむように大事に育てられた女性のことを指す言葉が幾つかあります。
「乳母日傘」「箱入り娘」「深窓の令嬢」……。
僕の薔薇の親友で正にこれらの言葉にピッタリの女性がいます。
箱入り娘……娘?あっ!元娘ですね(笑)
上品でお綺麗で(ゴリゴリゴリ……。)優雅で繊細(スリスリスリ……。)

そのお友達と会う度にウチの白猫の園ちゃんを連想しちゃいます。
小柄で綺麗で大事に慈しみ育てられた猫……乳母日傘の深窓の箱入り令猫です(笑)
ご存じのように我が家の猫は皆、捨て猫、野良猫、貰い猫です。
園ちゃんもご多分にもれません。ただ、他の猫と違うのは、
園ちゃんはウチの7匹の猫の中で唯一、母親の愛情を一身に受けて育った猫なんです。
前に住んでいたマンションにほど近いお宅のご夫婦が白猫を保護しました。
その猫は人慣れしていてアッと言う間にその家に溶け込みます。
数日後、この家なら大丈夫……と、ばかりに、どこからか毎日〜1匹ずつ子猫をくわえて連れてきたそう(笑)
その数、なんと5匹だったそうです。しかも全部、真っ白白の白猫!
その保護したお宅では当然、6匹飼うのは無理です。里親探しを始めましたが、
母猫をはじめ、アッと言う間に全ての子猫の貰われ先が決まったそうです。
たった1匹、園ちゃんを抜かしては……。

当時の園ちゃんは目の瞬膜がたまに見えてしまうことがありました。
それが病気と勘違いされたのかな?こんなに綺麗で人懐こい猫なのに……。
それ以外に理由は考えられません。僕がスーパーの貼り紙で里親募集の知らせを知り、
電話した時、残っていたのは園ちゃん1匹でした(笑)

残り物には福がある(笑)縁ですね……今では瞬膜が出ることもなく、
圧倒的な愛らしさで周りを魅了しています。我が家の猫たちは秀千代とこうちゃん、キクちゃんを除いて、
皆、独立独歩。しかもそこはかとなく漂う仲の悪さがご愛敬(笑)
園ちゃんも他の猫と仲良くすることなく日々過ごしています。
もっとも、園ちゃんは自分のことを猫だと思っていない節があります。
きっと人間だと思っているんでしょうね。もう「ブノワ。さんラブ」なんです。
座っても立っても園ちゃんが一日中まとわり付きます。椅子に座れば抱っこ!
しっかりしがみ付き、歩いているときは前をチョロチョロ、
下から僕を見上げて小さな声で「あうあうあう……。」
常に僕の顔の高さに自分を置こうとします。僕の目を円らな瞳でジィ〜っと見て、
「クルクルクルクル……。」喉を鳴らします。凄く可愛いです。

そんな園ちゃんが唯一、気を許しているのがきん(笑)
きんが丸くなって寝ていると園ちゃんがどこからともなくやって来て、きんをクンクンし始めます。
きんは眠いのにやおら起きだして「ペロペロペロ……。」園ちゃんの毛繕い。
園ちゃん、気持ち良そうにウットリした表情……きんに頭を乗せてウトウト……。
園ちゃんは決してきんの毛繕いはしません(笑)乳母に世話を焼かせているお姫さまのよう……。
だけどそんな幸せそうな光景は長続きしません。
いつもお決まりのように取っ組み合いの喧嘩が始まります(笑)
何でしょうねぇ……最後は必ず旅立つのがお決まりの寅さんみたいに、
必ず最後にはじまる取っ組み合いの喧嘩(笑)
女心と秋の空、猫の気分と何とやら……全く何を考えているのやら……。

これから気温が低くなってくると僕のベッドの陣取り合戦が激しくなります。
皆で丸く猫団子になってねればいいのにね!(笑)


草々

2012年10月28日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2012-10-28 00:00 | 猫が行方不明。 | Comments(14)

ツナグ、繋がる、つながれば……。

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5月のうららかな一日、世田谷パブリックシアターに親友2人と僕の3人で、
「宮沢賢治が伝えること」と言う朗読会を聞きに行ってきました。

この朗読会、友人とは1回だけだったんですが、僕は一人で都合3回聴きに行ったんです、
何れも麻実れいが出演される回でした。宮沢憲治の作品を3人の俳優が朗読する形で、
麻実れいの他、段田安則が3回とも一緒の出演で、残りの一人を平幹二郎、野村萬斎、
そして若手の松坂桃李が固めるというもの。

さて、友人と聴きに行ったのは、その3回の中の松坂桃李が出る回でした。
友人2人は既に松坂桃李のことを知っていましたが、
テレビを見ない僕は名前を聞くのも初めて状態(笑)
「人気なんだ……ふぅ〜ん。」ってなもんですが、第一印象は名前がいいなぁと。
朗読作品は何れの回も同じ作品です。当然、老練で重厚な平幹二郎と、
今、油が乗りきった技巧の野村萬斎と同じパートを読む訳ですから、その差は歴然?
彼には大変に失礼だし、常に色眼鏡で物事を見ないようにしている割りには、
既に頭ごなしで先入観にバッシバシで濃ぉ〜い色眼鏡を装着の僕(笑)
でも、皆さんもそう思っちゃいますよねぇ……相手が大きすぎますもん。

ところがどっこい!なかなか見事だったのですよ、松坂桃李……。
既に自分の確固たる地位を確立している二人、
七色の声色と変幻自在で絶妙な台詞回しのベテラン2人に対して、
若々しい美声を生かしたストレートで奇をてらわない朗読に大変に好感を持ちました。
この日から僕の中に「松坂桃李」の名前がインプットされた訳ですが、
芸術が面白いのは、その回り回る、巡り巡る連鎖だと思うんです。



つい先日、シネコンに行った時、その松坂桃李の顔をポスターに発見!
自らの禁を破って、観に行って参りました。平川雄一朗監督の「ツナグ」です。
僕の「自らの禁」とはテレビ局制作の映画は観ない……と言うもの。
だってねぇ、何れテレビ放映することを念頭に、
いつでもスイッチを入れれば見られる顔触れが出ているですもの。
劇場版〜とかね、手を替え品を替えても所詮はテレビの大型判。
絶対に行きません、踊る何とかとか……見るならテレビで充分。絶対に見ないけどね。
さて、友人を誘ったんですが「泣くとイヤだから。」と一蹴され(笑)一人で行ってきました。
松坂桃李……手垢がついていない清潔感はなかなかいいですね。
そうですねぇ……清潔とも爽やかとも一言では簡単に言い表わせない魅力の持ち主。
少年が青年になるギリギリの端境期、今しか表現できない青春の一頁。
八千草薫、仲代達也、樹木稀林らベテランに混じり、
背伸びせずナチュラルに「ツナグ」を好演していました。
手放しの明るさじゃなくて、どことなく影があるのもいい感じ……。



さて、「ツナグ」の中の幾つかのエピソードの一つに出て来た佐藤隆太……。
先日、シアター・コクーンで観た「ボクの四谷怪談」の主役で頑張ってました。
映画「ツナグ」では黒髪、舞台では金髪でしたね(笑)
「ボクの四谷怪談」は勿論、麻実さんを観に行きました。
「ボクの四谷怪談」……騒音歌舞伎、ロックミュージカルと呼ぶには、
いかにも楽曲が弱いし、一部を除いて役者陣の歌唱がチョッとアレだったのはご愛敬として、
舞台上に漲るパワーは矢張り蜷川幸雄ならではの魅力です。
ただ、友人が素朴な疑問を一言……。

 「演技している役者の周りをウロウロする老人たちの意味は?」

ウゥ〜ン、確かにその疑問、良く分かる。
それが正に蜷川幸雄っていう感じもするんですが(笑)
繰り返し繰り返し上演されれば、もっと練れていい舞台になる可能性もありますが、
何しろ今は「再演」される舞台はほんの一握り。
如何に初演が大事かを感じずにはいられません。
佐藤隆太が出ずっぱり、汗びっしょりの力演。小出恵介の二枚目ぶり。
栗山千秋は相変わらずお美しく、一人、歌舞伎界から参加した尾上松也、
伸び伸びとマイペースでお岩を快演していました。
麻実れいは珍しく下町のオバサンを楽しそうに演じてました(笑)
稀代の悪女から下町のオバサンまで……守備範囲の広いこと!




芸術の連鎖って面白いですね……。
モーツアルトの「クラリネット協奏曲」の第2楽章が、
「グリーンカード」「愛と哀しみの果て」「アメリカン・ジゴロ」で使われ、
同じ音楽が違う作品で使われアレンジを変え表情が変わります。
役者も変幻自在、出る作品ごとに表情をガラッと変え魅力を見せてくれます。
今度は平幹二郎の「こんばんは、お父さん」を観に行きます!

今日の写真は数年前にコルドバで撮ったドアノッカー。
こう言うの、見出すと面白くてどうにも止まらなくなっちゃいます。
同じドアノッカーでも、その家その家で一つ一つ表情が違います。


草々

2012年10月21日


ブノワ。


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秋は夕暮れ……なの?

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「枕草子」によると、春はあけぼの、夏は夜。
そして秋は夕暮れなのだそうだ……秋の夕暮れはチョッと物悲しいかな。
僕としては朝のひんやりした空気も心地よいし、
また、カラッと強い陽射しもまたオツなものだと思っています。
僕は一年を通して日本の四つの季節を積極的に楽しみたいと思っています。
夏と冬は厳しいけどそれなりに。春は僕の誕生月があるので格別に。
そして秋は色々な意味で素晴らしい季節だと思っています。
食物も美味しいし、素晴らしい舞台も沢山上演されます。
夜長に本を読むのも良し。猫がスリスリして来るのもまた秋です。
色付く景色、その土地の特産物……秋ならではの風景を求めて旅に出るのもまた一興です。

この秋も沢山の予定が目白押しです。もう週末は目一杯(笑)
薔薇関係は「Gardencafe Greenrose」「The Treasure Garden Tatebayashi」
親友と一緒に初めての「横浜イングリッシュガーデン」、
それから遅くならない内に一人で「越後丘陵公園」……もう一つ楽しみな旅も!
あと夏に行った北海道を再訪します……美瑛と帯広!屋台村!凄く楽しみ!


今日の写真は随分前にパリで購入したロベール・ドアノーの、
「Le Cheval Blanc/白い馬」のオリジナルプリントです。
ギャラリー・ヴィヴィエンヌの一角にある古い写真を扱う店で買いました。
ドアノーは知る人ぞ知る「市庁舎前のキス」が有名です。
彼の作品で人気があるのは、矢張り、パリに暮らす人々の生活を切り取ったもの。
このようなパリを離れた風景は珍しく、しかも、被写体は人間ではなくて、
馬小屋に白い馬。しかもお尻が……一目惚れでした。
「市庁舎前のキス」はついこの前、オークションで2100万円で落札され世間を驚かせましたが、
これはそこそこ、そうですねぇ……目を瞑って清水の舞台から飛び降りるくらいの金額(笑)
お給料の一ヶ月分弱?現金は持ち合わせていませんでしたのでカードでね!
何事も出会いですからね、逃したら二度と手に入りません。
今は僕のパソコンが置いてある机の上、毎日〜楽しんでいます。

額縁は写真と前後して購入した日本製のアンティークの額縁。
鎌倉は由比ヶ浜の骨董店で求めました。丁寧な木彫りの枠に銀箔の装飾。
時代は昭和の初期くらいかな?何も入っていず、額縁だけ店先に並んでいました。
銀箔がいい具合に酸化してニュアンスが出ています。
このように、先に額縁を買っておいて、あとから中身を誂えるのも、
額縁好きならではの楽しみの一つ。僕、額縁に鏡をいれるのは好きではありませんので……。
通常、写真作品はボリュームのないデッサン額に入れるのが普通ですが、
ドアノーの写真のように力強い作品は、このようなデコラティブな額縁も見事にマッチします。
大きさもピッタリ、額縁に負けずに上手く納まってくれました。
額縁には南青山の「カントリーハーベスト」にフラリと遊びに行った時に譲って貰った烏瓜。
「カントリーハーベスト」は花だけではなくて、様々な花器、
それから季節を彩る木の実などが溢れています。
こうして額縁に飾り、緑から黄色、そして赤く色付くのを見ているのも秋の楽しみの一つです。
移ろう色を楽しむのが秋本来の楽しみ方ですもんね!


草々

2012年10月14日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2012-10-14 00:00 | Raindrops on roses。 | Comments(14)

「文体の獣」

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 「で、どの子が良かった?」

第一部と第二部の合間、プロデューサーに教えて貰った、
劇場近くの蕎麦屋に落ち着くやいなや、Tさんが口を開いた。

 「僕はエンジェルを演った右側の子かな。Tさんは?」

 「僕は左側の子。」

と、僕が質問を言い終わる前にキッパリ。
まだ冬真っ直中、3月のニューヨークから帰って来たばかりの僕は、
出発前に約束していた芝居を観に森下に向ったのでした。
演目は、t p t 公演「エンジェルス・イン・アメリカ」。第一部の「ミレニアム」と、
第二部の「ペレストロイカ」を1日で一挙に観てしまおうという、
役者だけではなく観客側も体力的にキツい1日、上演時間はなんと7時間超!
一緒に行ったのは旧知のTさんでした。Tさんは新宿で隠れ家的なバーを経営しています。
映画や演劇が好きで、休みの殆どを劇場の暗やみで過ごしているほどです。
批評は非常に辛辣、歯に衣着せぬ物言いは初めての人はビックリするけれど、
芸術全般に対する造詣は深く、シニカルな言葉の裏には、
芝居と役者に対する限りない愛情が隠されています。
実はシャイなのだ。それを隠すために言葉と独特のユーモアで武装するのだと僕は思う。
店には当然、演劇関係の客が多いが、ただの悪口ではない、
辛辣な言葉の裏に隠された愛情を感じるからこそ皆が集うのでしょう。



Tさんと僕の共通点は、物事を(この場合は作品と役者)色眼鏡で見ないことだと思う。
どんなに高名な役者でも、ひと度、手抜きの芝居をしたり、
創意工夫のないワンパターンをすると噛み付かれることになる。

 「○○○○、アナタは詰まらない女優よ!」

本人に直接ぶつけられた同じような台詞を何度聞いたことか。
そうそう、役者の名前を呼ぶ時はいつも必ずフルネーム(笑)
反対にどんなに無名の役者でも、素晴らしい一瞬の煌めきは決して見逃さないし、
演技に対する真摯な姿勢を垣間見た時には手放の絶賛を惜しまない。

 「そうだね……60点かな。これ、オマケしてだからね。」

出演者に面と向かって感想を聞かれた時、
決して出来が良くない舞台の時でも刺をユーモアのオブラートに包んでキッパリ言い放つ。
どこぞの評論家の大先生と違って、自腹で劇場に足を運ぶ人間のみに許される権利を言葉で遊ぶ。
Tさんと僕の共通点は色眼鏡で見ないことと書きましたが、
なかなかどうして、名前や肩書きに惑わされるのは人の悲しい性(笑)
仕方のないことだけれど、ついつい肩書きや見掛に惑わされてしまいます。
無色透明で公正な眼鏡を常にかけていられるよう心掛けたい……僕はそう思っています。

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さて、件の蕎麦屋での会話の時に出てきた右側の天使役の青年、小谷真一くん。
かれこれ5年になりますが、陰になり陰になり(笑)ズゥ〜っと応援しています。
天使を演じた彼の背中には衣装の翼が付いていましたが、僕にはそれが才能の翼に見えたから。
以降、公演は毎回、欠かさず観ています。「エンジェルス・イン・アメリカ」「ミステリア・ブッフ」
「ミザントロオプ」「醜い男」「血の婚礼」「Proof」「天日坊」……。
欧米と違って日本には、所謂「パトロン」という制度は殆どありません、皆無に近いです。
日本で「パトロン」を意味するのは女性をお金で囲うオジサンのこと(笑)
芸術の理解者、庇護者……才能ある名もなき芸術家を無償の愛で支援する人……なかなかいませんね。
才能ある若い芸術家が集うサロン……なかなかないです。
僕にお金があれば……そんな真似事もしてみたいけれど、
(庭に大判小判がザックザク入っている壺でも埋まっていたら、
杉村さんのためにブロードウェイの劇場を借り切って
「欲望という名の電車」を演って戴くのが夢でした。)
日々、あくせく働いて猫たちの御飯代を稼ぎ、自らの糊口をしのぐ身です。
精々、公演ごとに友人を集い、足繁く劇場に足を運ぶことくらいしか出来ません。
役者の価値って才能も当たり前だけど、集客力、どれだけ客を集められるかが大事だと思うから。
才能もないのに事務所の力で(歴然とある)いい役についている役者を見ると複雑だし、
まるでハイエナのようにくだらない芸能記事の餌食にならず、
舞台人として大成して欲しい、心の底からいい役者になって欲しいと願っています。
そのためには機会あるごとに、普通はなかなか経験出来ない所に一緒に行ったり、
決して高価じゃないけれど、美味しい物を食べに行ったり、
僕が知っている、珍しかったり、面白かったりする「モノ」を一緒に見に行ったり……。
勿論、僕がいいと思うものが全ていい訳ではありません。
役者のキャリアに必要じゃないものもあるかもしれないけれど、
必要か不必要か、判断するのは彼自身。僕は沢山の選択肢、カードを提供するだけ。
それが役者として、小さいかもしれないけれど、引き出しの一つになり、
役作りの上で何かしらの参考、手助けになると信じているから。
そうですね……言ってみれば陰の応援団長、ファンクラブの会員番号No.1かな?(笑)


今度、その小谷真一くんが舞台に出ます。
日本では映画監督としての面しか知られていない、
イタリアのピエル・パオロ・パゾリーニの戯曲の初舞台化、
川村 毅 演出の「文体の獣」です。衣装、美粧、人形デザインは宇野亜喜良。
パゾリーニの戯曲の舞台化は、「豚小屋」「騙り」に続く3作目になります。
詩人としてのパゾリーニの世界をどのように視覚化するか?
また、小谷くんをはじめ、役者の皆さんがキャラクターにどのように肉付けするのか興味津々です。
日本でのパゾリーニの印象は一言で言うと、その謎の死の状況も含めて「スキャンダラス」です。
斬新な映像で語られることの多かった監督の詩情をどう表現するのか?
僕は初日と20日の2回、友人と共に応援の席につきたいと思っています。
皆さんも是非、お友達と誘い合わせの上、観にいらっしゃいませんか?

 「文体の獣」
 2012年10月13日(土)〜21日(日)
 テアトルBONBON(中野・ポケットスクエア)
 〒164-0001 東京都中野区中野3-22-8/03-3381-8422


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今日の写真は僕が撮影した小谷真一くんのポートレート。
「醜い男」の開演前に少し時間を貰って撮影しました。勿論、フィルムで。
今時の若者は顔を弄り過ぎることにより、ナチュラル感がなくなり、
美しくなるどころか、かえって清潔感を失ってしまいます。
小谷くんのこのポートレート、役者として何時でも何にでも対応出来る、
清々しくも素のままの美しい表情だと思います。

このポートレートは、後日、クレジットを入れて葉書にしたものです。


草々

2012年10月10日


ブノワ。


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いのちみじかし 恋せよおとめ……。

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 「いのちみじかし、恋せよおとめ あかきくちびる あせぬまに……。」

何だかね、映画を見ながら「ゴンドラの唄」が耳に聞こえて来ちゃったのね。
このところバタバタで、その映画が果たして何の映画だったかすら定かじゃないんだけど、
って、この時点で既に危ないでしょう?(笑)ついこの前なのに記憶が非常に曖昧って。
確か「デンジャラス・ラン」だったかな?うん、確かそうだ。

 「オレたちはもうこれから生きる時間より、振り返る時間の方が長いんだ……。」

みたいなね……そうなんですよね、確かにどう楽観的に見積もっても半分は来ている!(笑)
親友は「まだ半分って言うつもり?」って笑うのね。だからと言って、別段、焦る訳ではないんだけれど、
そんな訳で、無駄な時間が凄く勿体なく思えて来た今日この頃です。
無駄に列に並ぶこと、無駄にボンヤリ1日過ごすこと、無駄に惰眠を貪ること……。
当然、早起きになりますね。但し、無理はきかない悲しいお年頃になって来ていますし、
仕事にも大きな責任を伴うお年頃です。先ず、日々の仕事があってこその僕、
翌日の仕事に必要とあらば、疲れていたら7時でも8時でも寝ちゃいます。
疲れが取れる時間を逆算して睡眠時間はタップリと摂る……。
寝ぼけ眼で机に座っていればお給料を貰える仕事じゃないし、もう無責任も出来なくなりました。

さて、残り時間が短いと実感はしているものだから(笑)
1日の時間は有効にとばかり、暇を見つけては芝居や映画に通っています。
暇を見つけるというよりは、先ず、仕事と劇場の暗闇が同じくらいの比率で大事?(笑)
日々の充実したあれこれが素晴らしい仕事に結びついていると思うから。
そこら辺のスケジュールの管理が自在に出来るのも一人で仕事をしている大きな利点です。
映画や芝居はいいです……まだ見知らぬ世界に僕を誘ってくれますから。

先日のこと、朝4時に起きて(まだ暗いのね!)薔薇にコガネムシ対策の薬剤散布をしました。
外にはカトーヌと黒豆がいますから、これだけはしたくないのだけれど、
薔薇が枯れちゃ元も子もありませんもんね。次に、猫のトイレの砂の全取り替え。
これは1週間に1回の面倒臭いけどしなければいけない仕事です。これをトイレ2つ分ね。
それから風呂にゆっくり浸かり、美味しい珈琲をいれて机に向います。
大事な大事な請求書書き!これまた面倒臭いけれど、誰もやってくれないから仕方ありません。
と、ここで9時になりました。ここでスッカリ疲れてしまっているのだけれど、
カバンに財布とパスモを放り込んで、いそいそと行って参りました、ロードショウに。
それも立て続けに2本ね!作品は「ロック・オブ・エイジス」と「ハンガー・ゲーム」、
観終わってから次の作品まで、何と2本の間はたったの5分しか開いていない強行軍(笑)

その他にも、このところマメマメしく劇場に通っています。
舞台は、趣味の園芸の三上真史くんの「クールの誕生」、麻実れいさんの「ボクの四谷怪談」。
映画は、上記の「ロック・オブ・エイジス」と「ハンガー・ゲーム」の他に、
「デンジャラス・ラン」「昼下がり、ローマの恋」「セットアップ」、
「幸せの教室」「ファミリー・ツリー」「最強のふたり」……。
他にもこの前、激怒した「プロメテウス」や「白雪姫と鏡の女王」などなど。
今週は「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」と「マリリン 7日間の恋」を観ました。




今日は映画についてをチョッと書いてみようかな。沢山あるしザッと思ったことなどをね!
先ずはどうでもいい作品はサラリと流す事にして……「ファミリー・ツリー」から。
ジョージ・クルーニーって現代のクラーク・ゲーブルね。皆さん、そんな感じしませんか?
「オー・ブラザー!」とか、作品によっては物凄く魅力的なのだけれど、
どうもあの濃ゅ〜い顔が苦手なのね。声もダメなの……日本人が苦手な顔じゃない?
植物人間になった妻の浮気、その浮気相手の家族、バラバラになっていた娘たちとの和解……。
良くありがちな題材を淡々と描いて行きます。ハワイだからって特に風光明媚な訳じゃない。
ここに描かれているハワイって、所謂、僕達が観光で行くハワイとは違うらしいですね。
って、行ったことないから分からないのだけれど……。


「幸せの教室」……これね、ハリウッドっていいのかなぁ、こんな映画作っていて……。
2人とも大スターなのだけれど、ちっとも魅力的じゃない組み合わせの、
トム・ハンクスとジュリア・ロバーツ……ジュリア・ロバーツってもうダメだわ。
「白雪姫と鏡の女王」とこれで完全に味噌付けましたね。アカデミー賞獲っているんですよ!
しつこいけれど、次はメリル・ストリープと競演じゃん……大丈夫かい!
トム・ハンクスは2000年の「キャスト・アウェイ」以降詰まらなくなりました。
新作来るみたいだけど、お願いだから、もうロバート・ラングドンだけは演らないで欲しい……。
お星さまって太陽の光で輝くものなのだけど、ハリウッドの大スターは自らが光り輝く。
トム・ハンクスもジュリアロバーツも全く輝きが感じられません。


「昼下がり、ローマの恋」……久し振りのオムニバスね。
オムニバスとは乗り合い馬車のこと。何本かのショートが1本に纏められた映画を指します。
「昨日・今日・明日」「ボッカチオ'70」とかね、往年のイタリア映画に多かったかな。
最近では「パリ、ジュテーム」「ラブ・アクチュアリー」とか……。
この作品では、老夫婦に立ち退きを迫る青年弁護士の話し、
それからストーカー女に付け狙われたテレビ・キャスターの話し、
そして、老衰デ・ニーロとモニカ・ベルッチのローマの恋の話しの3本。
僕はカツラを取って頑張っているキャスターの話しが一番面白かった(笑)
でも、3本が繋がっているようでそこまで密接に繋がっていず、何とも中途半端。
それぞれが独立した作品でありながら、もう少し密に関わり合を持たせたら良かったのに。
で、デ・ニーロはもういいや……全ての役者の目標的存在だったデ・ニーロ。
演技の鬼、神と呼ばれた栄光の日々は何処に?30年前の威光は何処に?
随分と前から役者としてはめっきり魅力がなくなって来たデ・ニーロ。
今ではしかめ面だけのスッカリ平凡な役者になってしまいました。
やっぱり役者は商売に手を出しちゃダメって言うことかな?レストラン経営していればいい。
そうそう、先日のこと。一杯やっている時に役者の友人に、

 「モニカ・ベルッチ見てたらさ、何だか似てるんだよねぇ……髪の毛切りたくなった。」

って言ったの。

 「誰とです?ブノワ。さんと?顔ですか?????……あちらはイタリアの宝石ですよ!」

って言われちゃった(笑)顔じゃないのね、髪の毛がソックリなの(笑)
まぁ、確かに!モニカ・ベルッチ、宝石の名に恥じない魅力です。


「デンジャラス・ラン」……これまたヒドいタイトル!(苦笑)
でもね、作品の出来が素晴らしいから許しちゃう!久し振りに手放しで面白かったです。
デンゼル・ワシントンってこう言う冷酷無情な悪人役が非常にハマりますね。
極悪なんだけど、インテリなものだから他とは一味違う味が出せる。
悪役って上手に演じちゃうと、結構、役者として命取りになるケースがあるのね。
特に若手の女優は危険。グレン・クローズくらいになると全く問題ないのだけれど、
今までに何人の将来有望な女優が悪役を上手くやったがためにキャリアを台無しにしたか。
デンゼル・ワシントンは悪役に新境地開拓っていうところです。
監督はスエーデンの人なんですってね。ハリウッドの大御所監督がこぞってしなびて来たから、
こう言う新しい血が入ることは大歓迎!ダニエル・エスピノーサ……スタイルがあります。
ただ映像だけの雰囲気監督とは一線を画すスタイルが。
デンゼル・ワシントン好演、ライアン・レイノルズがまだ何も経験がないCIAの職員が、
次から次へと襲って来る難題に立ち向かいながら一皮も二皮も剥けて行く青年を力演。
アクションも斬新だし、残酷シーンも非常に節度があって宜しかったです。
久し振りに手放しで拍手を送りたい映画。


「ハンガー・ゲーム」……これはいいですね!
久し振りに胸突き動かされました。涙もろい人は号泣かな。
ヒロインのジェニファー・ローレンス!久し振りに出ましたね、将来の大物。
ゴシップやパパラッチとは無縁の正統派女優。僕、スッカリ気に入ってしまいました。
彼女、目がいいのね……。シャーロット・ランプリング、ケイト・ブランシェット、
アンヌ・ブロシェ、シャルロット・ゲーンズブール、
女優じゃないけれど体操のスベトラナ・ボギンスカヤとか……。
ここまで書いちゃうと僕の女優の好み、顔の好みがハッキリ分かっちゃいますが、
久し振りの大女優の卵に大喜びの僕、以前の作品を引っくり返してみたくなる役者って稀ですからね。
この作品、近未来の造形が非常にリアルですね。選ばれた24人の若者が殺し合う……。
そんなありそうもないシチュエーションなんですが、意外に説得力あり。
ジェニファー・ローレンス演ずるカットニスは無益な殺生はしないの。
襲われた時だけ、自分の命を守るためにだけ弓を射る……それって、
さっきこき下ろしたデ・ニーロが「ディア・ハンター」の中でニックに繰り返し言う、
「One shot !」に通じるものがあります。鹿は一発で仕留めなきゃダメだ、
それが鹿に対する敬意というもの、命を戴くってそういうこと……。
デ・ニーロ演ずるマイケルの生き様が非常に良く出ていたエピソードだと思います。
カットニスもそう、彼女の生き様が見事に出ていました。
恐怖と不安に木の葉のように揺れ動いていた少女が見せる様々な表情。
妹に対する表情、母に対する顔、恋人に見せる笑顔……カメレオンですね。
もしかしたら2回目のアカデミー賞ノミネートも夢じゃない?
今年観るべき映画の中の1本だと思います。僕はもう一回観に行きます。


「ロック・オブ・エイジス」……これってさ、僕のカラオケの十八番ばかりじゃない(笑)
知っている曲が沢山使われているとついつい点数が甘くなってしまいますが、
僕ね、思ったのね、映画とは直接関係ない部分なんだけど、
トム・クルーズって偉いなぁ……って。決して好きな役者じゃないけれどね。
何かこう、胸張って背伸びしてお腹に力入れて……役者としての彼の姿勢そのものじゃない。
整形手術と薬とアルコールでアッと言う間に醜く汚くなってしまうハリウッドの俳優たち、
そんな中で頑張っているなぁって。今や押しもおされもしないハリウッドのトップ、
デビューの頃、誰がこんな彼を想像しました?ポッと出の青春スターだと思いませんでした?
「タップス」で共演したティモシー・ハットンの方が有望だと思いませんでした?
トムの出世作「トップ・ガン」を断ったマシュー・モディーンの方が繊細で大成すると思わなかった?
世の中、分からないものです。兎に角、気合いでハリウッドに君臨しているトムに脱帽!好きじゃないけどね。
キャサリン・ジータ=ジョーンズはノリノリでしたね。本当にいい女優だと思う。
「シカゴ」の登場シーン、歩く足のアップだけでキャラクターを表現する凄さ。
今回も凄かったです(笑)狂信的な教育者、だけど、その過去には大きな秘密が……。
役柄を物凄く楽しんでいる感じがしました。ラストのあの扮装!(笑)
それに引き換え、主役の若い2人に全く魅力が感じられなかったのが残念。

 Just a small town girl, livin' in a lonely world.
 She took the midnight train goin' anywhere

「ロック・オブ・エイジス」で重要な使われ方をしていたジャーニーの「Don't Stop Believin'」では、
小さな街に住む寂しい娘は夜行列車で大きな街に出るのですが、
いつの時代も夢見る少女はバスで故郷を出るのかな?
今日の1枚は数年前のスペイン旅行で撮った1枚です。

 Oh, the movie never ends
 It goes on and on and on and on ……。

夢見ることを止めちゃいけない……シンプルなメッセージは心に響きます。
いつものようにグジャグじゃ言っているけれど、映画って本当にいいですね!
長くなっちゃったから「最強のふたり」はまた今度の機会に。
この次は「マーガレット・サッチャー」と「マリリン7日間の恋」です。


草々

2012年10月8日


ブノワ。


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by raindropsonroses | 2012-10-08 00:00 | 映画館へ行こう。 | Comments(12)