スキップ踏んで。
先週のことでした。
初夏を思わせる朝に、仕事で立ち寄った古いお宅……。
高輪の大使館が建ち並ぶ当たりにヒッソリと佇む、
築80年のその医院はリフォームを終えたばかりのようでした。
用事を済ませ、挨拶をしてフと横の駐車場を見ると、
そこには捨てられるのを待つばかりのゴミに山が……。
人さまのゴミは僕のお宝……ついつい見ちゃうんですよね(笑)
そして、目の端に入った美しいブルーの色。
「キランっ!」
ブノワ。さんの目が光りました(笑)
瞬間にワープし、そのブルーの前に立つと、
それは古くなった細い窓枠のようでした。
お金の計算は出来ないクセに、サッと大きさを見積もり、
頭の中で大体の大きさを思い描きます。
「小さめの額なら出来るかもしれない……。」
きっと、物凄く真剣な顔をしていたのでしょうね(笑)
あっ!少し離れた所に太目の長い窓枠を1本発見!
「そうだ!こっちを半分に切って上下の部分に使い、
細い方は縦の部分、左右に使えばいい!」
家の主に断り3本の木材を後生大事に持ち帰りました。
何度も何度も重ね塗りし、年月とともに朽ち果てた木材。
ティファニー・ブルーよりの淡いそのブルーは上品そのもの。
塗装は長年の雨風にひび割れ、剥げ落ちている部分も多々あります。
決して今の塗り方では再現出来ない経年の美。
脆くて取れやすいヒビの部分に、
先ずは艶消しのニスを接着剤代わりに染み込ませ定着させてから断裁……。
塗装が剥げ落ちて下地が出ている部分の処理はどうしようか……。
パテを丁寧に埋めて、わざと違う色に塗装してみようか?
ガラスを填める方法は?アクリル板にして釘を使って固定する?
頭の中に額縁のデザインと細部の処理が目まぐるしく浮かびます。
…………………………………………………………………………………………………………………………
帰りの電車の中では気分はハイジ、
「クララが立った!」じゃないけれど、
車内でスキップを踏まんばかりの軽い足取り(笑)
顔はニヤニヤ、もしかしたら口笛を吹くか鼻歌を歌っていたかもしれません。
出来上がった額縁には何を入れましょうか……。
パリで買ったドアノーの珍しい風景写真もいいかもしれない。
僕が撮った写真?静かな風景写真かポートレートもいいかもしれません。
ルンルン気分、イェイイェイ気分の勢いでバルコニーで写真撮影です(笑)
周りの薔薇は僕のオリジナルの薔薇たち。
出来上がった暁にはどんな感じになったか見て下さいね。
草々
2009年5月29日
ブノワ。
★Copyright © 2005~2009 raindropsonroses, All Rights Reserved.