独自の世界感……結城美栄子陶人形。
お元気にお過ごしですか?いつもお世話になっています。
さて、今日はBちゃんの誕生日ですね。心からおめでとうを申し上げます。
今年で幾つでしたっけ?お互いに年は聞かない方が良い年齢になって来ました(笑)
だって、知り合ってからかれこれ20年ですから……。
今日は、お祝いの意味も込めて、女優の結城美栄子さんの陶人形の写真を送ります。
この陶人形は、数年前から結城さんにお話しし、お願いしてあったもので、
昨年の秋「いつでも都合のいい時に……」と、本格的に注文してあった物なんです。
注文する際の希望は……これはチョッと言えないんですが(笑)
この大きい方は、結城さんが僕をイメージして作ってくれたって言う事になります。
どうですか、物凄く僕に似ていると思いませんか?えっ?後ろの方ね(笑)
結城さんは、女性としても女優としても素晴しいのですが、
最近は陶人形作家としても独自の世界を作り出しています。
彼女独特の世界感は、イギリスに留学していた時のバレエのレッスンや、
アメリカ経の役者留学、宮沢賢治の影響等々もありますが、
女優としての仕事を通じての経験も大きい物があるのでしょうね。
擬人化された動物や物、物憂げな表情は、ほのかに大陸の匂いもします。
天は二物も三物も与えたもう……こんなに才能があるなんて羨ましいです。
当初の希望は「唐子」のような男の子でしたが、
折角、作って戴くのですから全て結城さんにお任せする事にしました。
結城さんは「あら、あなたの写真を持って来てよ」と、お仰言いましたが、
自分の顔にそっくりな人形はちょっとゴメンなので謹んでお断り(笑)
だって、イヤじゃないですか、変にそっくりだったりしたら……。
さて、出来上がりには大満足!僕みたいにこの年まで生きて来ると、
なかなか感動する事もありませんし、驚きも少なくなって来ました。
でも、この人形を見た瞬間、何処かに置き忘れて来ていた
温かい気持ちがジンワリと沸き上がって来たのでした。
結城さんの作品は、毎年の個展では勿論の事ですが、
新宿のホテル・パーク・ハイアットのロビーの人形でも有名です。
アート・ディレクターのジョン・モフォード氏に注文されたこれらの作品は、
少し前にヒットしたソフィア・コッポラ監督の
「ロスト・イン・トランスレーション」の冒頭で見る事が出来ます。
僕が一番最初に結城さんを知ったのは、TBSのドラマ「プライパンの唄」。
その後、こまつ座の舞台、「花よりタンゴ」の終演後に
女優の新橋耐子さんと一緒に焼き鳥を食べに行ったこともありましたっけ(笑)
そう、一番最初の個展の時、新橋さんに連れられて観に行き
結城さんと電話で話していた新橋さんが、急に僕に受話器を渡すものだから
しどろもどろで話したのが今となってはいい思い出になっています。
Bちゃんも結城さんの作品をお持ちだから
この素晴しいプレゼントは気持ちだけと言う事にしておいて下さいね(笑)
この写真は、Bちゃんが大好きなエルメス・オレンジを背景にパチリ!
これ、本物のエルメスのデッカい箱を背景に撮ったんですよ(笑)
来年の誕生日までの一年が素晴しい一年になりますように。
そして、この素晴しい友情が永遠に続きますように……。
敬具
2005年11月28日
ブノワ。
[結城美栄子/Mieko Yuki (1943~ )]
[Sofia Coppola (1971~ )]
[Lost in Translation (2003)]
[こまつ座]