匂いのいい花束。ANNEXE。

芸術に寛大な国。

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拝啓

いよいよ今年も残すところ一月、師走になり朝夕、布団から出るのが辛くなりました。
M.M.さん、そろそろ年末進行で仕事が忙しくなる頃じゃありませんか。
体調管理は万全に、呉々も風邪など引かないようにして下さいね。

さて、先日の旅行の時に僕がM.M.さんに出した絵葉書2枚、
あれは両方ともルーヴル美術館で買ったものです。どうですか、なかなか素敵だったでしょう。
毎回、沢山の美術館に行きますが、ルーヴル美術館には毎回必ず足を運ぶようにしているんですよ。
世界三大美術館と言われていますし、短時間では見切れませんから、
今回は絵画、今回は彫刻と言った具合に観るものを決めておきます。
ルーヴル美術館は何度行っても必ず迷う巨大美術館ですから(笑)
必ず最初にインフォメーションで案内図を貰います。眺めていて今回チョッと驚いたのは、
イタリア絵画の部屋と「モナ・リザ」はカメラでの撮影が完全に禁止になったようですね。

先ず一番最初の感想は「あぁ、やっぱりかぁ」でした。あれだけ口を酸っぱくして
フラッシュの使用を禁止していたのにも関わらず、「モナ・リザ」の周りだけ
異常なほどのフラッシュ攻勢(笑)まるで映画スターを取り囲むパパラッチみたいでしたからね。
これはダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」の影響もあるでしょうね。
あの映画のお陰で、さらに入館者数が増えたらしいですから。
大体、油絵を撮影するのにフラッシュなんか焚いたら綺麗に写らないし、
M.M.さんもご存じの通り、「モナ・リザ」は過去に例の盗難騒ぎがありましたから
非常に厳重な防弾の箱に入っています。フラッシュ焚いたら何も写らないでしょうね(笑)
なぜ、誰もそれに気付かないのか不思議でなりません。

常々、思うんですが、フランスは芸術に非常に寛大な国です。
所蔵作品の撮影は、よほどの個人美術館か、外国の美術館から多数の作品を借りている
企画展以外は撮影OK。勿論、フラッシュは如何なる作品でも使わない事が前提です。
これは他の国では考えられないことです。館内で作品を模写する姿は日常茶飯事で見かけますしね。

これは作品のコピーというものに対する考え方の違いかも知れません。
「コピーは所詮コピーでしかない」その自信が芸術作品に対する寛大な気持ちになるのかもしれません。
美術館とて商売です。絵葉書やポスターなどの関連グッズが売れたほうがいい訳で、
個人の写真で済ませられるよりも絵葉書の一枚でも売れたほうがいいのでしょう。
最近とみに厳しくなって来ている著作権や版権の問題もあります。
勿論、美術品の保存と言う観点が一番比重が高いと思いますが。
それにしても後を絶たない撮影時にフラッシュを使う人々、
あまり度を超して、何れ全館、全面撮影禁止にならない事を願うばかりです。
何百年も経っているデリケートな作品にフラッシュが与える悪影響は計り知れませんからね。
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今日同封した写真は、ルーヴル美術館翼のフランス彫刻の部屋で撮りました。
この部屋は僕が毎回〜先ず、一番最初に必ず訪れる場所です。
この日は珍しく作品を模写する人が2人いました。マダムと黒人の青年。
これは窓際でケースの中の彫刻の小品を無心にデッサンする黒人の青年。
線を引いては画板を身体から遠くに離して眺めて暫し考え込みます。
僕が見ている事を知ると非常に恥ずかしがってニッコリはにかんだ笑いを浮かべます(笑)
「写真を撮らせて欲しい」と、お願いして、遠くから離れてズームで撮ったのがカラーの一枚。
最初のモノクロは、フィルム・カメラに標準のレンズ50ミリを付けて撮りました。
ズームした方が被写体に寄れて細部まで良く分かり、
一見、テーマがハッキリしていいように見えます。反対にモノクロで全体を写した方は、
青年が小さくなり迫力が無くなりますが、青年の隣の大理石の彫刻まで画面に入る事で、
デッサンする青年と彫刻の像が手にする画板のようなものがシンクロして面白いです。
まるで、デッサンをする黒人青年を彫刻の髭のムッシュがデッサンしているよう。
このモノクロは今回の旅で帰る間際、一番最後に撮影した一枚。
僕の最もお気に入りの一枚となりました。

あまり好きな言葉ではありませんが、忘年会を兼ねて一杯やりませんか。
まだまだM.M.さんにお見せしたいポートレートが沢山あるのですよ……。


敬具

2006年12月2日


ブノワ。


[Musee du Louvre/ルーヴル美術館 オフィシャル・サイト]
[THE DA VINCI CODE/ダ・ヴィンチ・コード (2006)]
[Dan Brown Official Website]
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by raindropsonroses | 2006-12-02 00:00 | 展覧会の絵。